きょうも朝のうち灰色の雨が降ってびゅうびゅう風が吹いていましたが、午後から久しぶりに快晴に!なんとまあ、違う惑星にいるかのような明るい色彩であることよ。
あともう数日の紅葉。
先日デンワを買ったら、おまけにApple
TV+のサブスクリプションが3か月無料でついてきたので、いま『ファウンデーション』を観ています。
とりあえずのシーズン1は10話完結で、最終回は今週金曜日に配信。
やはりやはり、アイザック・アシモフの原作とはかなりかけ離れた内容です。
原作はシリーズ1冊めしか読んでいませんが、だいたい50ページくらいごとに50年くらいの時間が経過し、そのたびにすっかり登場人物が入れ替わる壮大な時系列の話なので、そのままドラマにするのはかなり困難と思われ、やはり原作にはまったくないテロや撃ち合いや恋愛や殺人がドラマを添えています。
中学生のときに原作を熱愛していたという経済学者のポール・クルーグマンさんなどは、このあいだのニューヨーク・タイムズのニューズレターで(『デューン』を激賞する一方で)あまりにも原作と違っているので「オレはもう観るのをやめた」と言ってらっしゃいましたが、まあそう捨てたものでもありませんよー。
帝国のクローン皇帝たちは面白いし、ビジュアルも、そりゃ『デューン』とくらべものにはならないにしても、主人公のひとりガールの故郷の水の惑星なんかとてもキレイでした。
トランターとターミナスの描写は原作よりもかなりスケールダウンしていて、目の回るような壮大さまでは感じられないのが残念だけど。とくにターミナスのファウンデーションは10万世帯が移住して、少なくともつくば学園都市くらいの規模があるはずなのに、ちょっとスケールが小さすぎてがっかりでした。でもトランターの図書館はステキ。
それとタイトルのタイプフェイスがかわいい。
この間、ドラマを見る前にも書きましたが、原作はなにぶん1951年、戦後まもなくの出版で、科学万能の時代の楽観主義にあふれています。
科学の子・原子力の子『鉄腕アトム』の楽観主義と同じ色合いの楽観主義。
なにしろ原作は、人類の科学の知を守るファウンデーションが近所の野蛮な惑星に対して、科学技術を神秘の宗教として印象づけ、その司教たちを派遣することでうまいこと優位に立ってパワーバランスを保つという、21世紀のいまよく考えるととてもとてもポリティカリーにインコレクトなひどいお話ですが、ドラマのほうでは、低レベルの蛮人を騙してまるめこもうというのではなくて、正攻法で話し合ってみんなで力を合わせよう!というような方向にひっぱっていきそうな感じです。
なによりも、原作の登場人物は男性ばかりだけれど、ドラマシリーズの中心キャラクターは二人とも黒人の若い女の子だし、ファウンデーションを襲ってくる近隣惑星の軍団のいちばん強い戦士も女子戦士です。
第9話のラストではファウンデーションの創始者ハリ・セルダンが「えっそこからか!」と思うところから登場してびっくりでした。
原作では、セルダンが生前に録画した立体ビデオが再生されるのでしたが、ドラマでは、どうやら、わたしの理解が正しければ、セルダン博士はAI的な意識存在になっているらしい。つまり時空を超えている。それも面白いなと思います。
金曜日の最終話がかなり楽しみ。なんだかものすごく久しぶりに「放映を待つ」感じが懐かしいです。
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