ちょっと前、久びさにワシントン大の植物園に行ってきました。
駐車場はすべて、再オープンしていましたが、ビジターセンターはまだ閉鎖中。
もう今ごろは、もっと葉っぱが色づいているかと思います。
きのこがたくさん出てた。これは…「Dispersed Naematoloma」?
これは、ダグラスファーの根もとに生えていたので「Douglas-fir Collybia」かなー。
何年か前に立派なきのこ辞典を買ったけど、まったく使ってないし勉強もしてません。
きのこの世界はかなりの深い沼で、足を踏み入れると出てられなくなるそうですが、楽しそうな沼だと思いながら遠くから見るだけ。
きのこ狩りとか山菜採りに情熱を燃やしている友人がいますが、たしかに、そのシーズンには仕事も他のあらゆる予定も全て差し置いて山菜採りに打ち込んでいる。狩人の血が燃えるのだろうなー。ちょっとうらやましい。
これも波乗り翻訳者えりぴょんがなぜか実家からサルベージして持ってきてくれた、福音館書店の絵本。なぜわたしが粘菌好きだって知っていたのだ。
粘菌って、正式には「変形菌」ていうのね。知らなかった。そんなことも知らないくらいなにも知りませんが、変形菌は見ればみるほど面白い。
粘菌といえばこのひと、南方熊楠さんも登場していました。
脳もないのにまわりの環境を分析して(…いるかのように)形を変え、食べものをさがし、取り込み、合体し、ネットワークをつくって、移動する。
動物なのか、植物なのかもよくわからない。不思議すぎるー。
『風の谷のナウシカ』(コミック版)にも巨大化した粘菌がでてきましたね。あれは怪物だったけれど、結局は良い子だった。
粘菌、いや変形菌、めっちゃかわいいです。
ナショナルジオグラフィックの変形菌特集(2018年3月の)。見てみて。
信じられないほどかわいい変形菌たちの写真がいっぱいで萌えます。
変形菌には「ホコリ」っていう名前が多いんですね。
あまりにも小さいので肉眼では「ホコリ」にしか見えないけれど、近づいて拡大してまじまじと見てみると、ものすごくかわいい世界が広がっているという。
なぜかうちの青年にもいま変形菌ブームが来てて、変形菌の行状について熱く語ってくれます。
英語ではslime mold。「スライムモルド」って響きはちょっと不穏ですが、いたって害のない生物。
スライムモルドの世界は、そもそも生物ってなに?とか、いろいろ考えさせられてほんとに刺激的です。きのこも不思議だけど、粘菌はさらに不思議。
世の中には、目に見えないいろんなものがうごめいているのですね。
追記:このあいだたまたま読んだ(最近はまっている)松岡正剛さんの千夜千冊のサイトに、こんなくだりがありました。
「クマグスは粘菌のもつ生命ネットワークに、自己変容性と自己多様性の愉快を感得した。また日本の森林型の神祇にもとづいた「浄」の作用のなかに、神仏習合をものともしないメタファー性が自由にひそんでいたことを感得した。」
自己変容性と自己多様性の愉快。あああ、その粘菌の自由さ、それが惹かれる理由なのかも。
あと 「森林型の神祇にもとづいた「浄」の作用」のもたらすメタファー性ていうのも、今、めっちゃくちゃ気になっておるところです。森はすごい!
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