先週につづき、ユニバーシティ・ディストリクトのファーマーズマーケットに行ってきました。
またまた超大輪のダリヤ。いま、マーケットの花屋さんに並んでいるのは8割がたダリヤ。
あとはヒマワリ、百合。アメリカンサイズですねー。
火焔のようなダリヤ。このクリーミーなオレンジ色が大好きです。
今回は取り置きしておいていただいて、タキさんのお店でおいしいピッカピカのオクラ、モロヘイヤ、みょうが、ほくほくカボチャなどを買えました。ああ、ありがたい。こんなにおいしい野菜を作って、遠くまで売りにきてくださってありがとう。
オクラはさっとゆがいてみょうがとかつぶし、レモン醤油で。最強!!
Netflixのドキュメンタリー『My Octopus Teacher』を見ました。
…と書いていたら、波のり翻訳者えりぴょんから「これ見て」とLINEが入った。またまたシンクロ来てる。みたよみたよー!
ミッドライフクライシスを迎えたドキュメンタリー作家が、南アフリカのケープタウンにある自宅のすぐそばの海(素晴らしい景色にかこまれた、素敵なおうちにお住まいのようです)に毎日潜っていき、ある一匹のタコに出会い、タコとの親交を深め、タコとその世界…習性や身体構造や知能や天敵や捕食行動などを深く知るようになり、タコとの絆を深めていくというお話です。
これがめっちゃくちゃ面白く、ごはんを食べつつ親子で1時間半、くぎづけでした。
ジャイアントケルプの森の中の映像も素晴らしいし、まじでおすすめです。
観た翌日も、家庭内でタコについてのディスカッションが止まりませんでした。
青年は、好きなように(なのかどうかは知りようがないけれど)身体の色ばかりか形状までも瞬時に変えられるタコの皮膚の構造について、デザイナーとしてたいへん興味を惹かれているようです。
タコってあんなに色がいろいろ変わるんだ!
茹でると赤くなるのしか知らなかったけど、ほんとに変幻自在で、ツノまで生えてくるんですね!
頭の形を簡単に変えられるなんて!赤くなったり黄色くなったり白黒水玉模様になったり。
そして、足(触手)がなくなると、ほんとに新しいのが生えてくるんだ!
そして、このドキュメンタリー中では触れられていないけれど、タコには「9つの脳がある」のです!
タコの脳は、8本の足にそれぞれ、独立した判断力のある「脳」というべき機能がある「分散型」の脳なのだそうです。
だからむしろ「脳が9つある」のではなく、「脳が9つに分散されている」ということですね。
本体の脳はこの分散脳システム全体の質量の10パーセントしかなくて、触手にある脳が合計60パーセントを占めるんだそうです。
そして、各触手には約200個の吸盤があって、これがお互いに瞬時に情報をやりとりしているらしい。
タコの神経系を研究しているワシントン大学の心理学の先生が、あたらしいホッケーチームの名前「クラーケン」(巨大タコ的な海の怪物)がなぜホッケーチームにふさわしいかについて解説してる動画をみつけました。
クラーケン |
ワシントン大学にはタコ研究者が多いのか(ピュージェット湾にはタコがいっぱいいるので研究対象にしやすいのかも)、宇宙生物学(そんな学問分野があるなんて知らなかった)の研究をしている院生が、タコの神経系統での判断がどのように行われるのかのコンピュータモデルを作って発表している動画もありました。
「how sensory information is being integrated in this network while the animal is making complicated decisions(タコが複雑な判断を下しているときに、感覚器官からの情報がこの(神経の)ネットワークにどのように統合されているのか)」について、新しい知見をもたらす研究だそうです。研究の中身はまったくわからん。でもどう統合されてるのかめっちゃ興味しんしん。
脳が腕とか足とかにあって、瞬時に判断を下してるって、いったいどんな心持ちなんでしょうか!しかも8本がそれぞれ独立してるって。
しかし、これだけフレキシブルな身体構造だと、逆に脳が中央にしかなかったらどの触手をうごかしていいのか迷っちゃったりこんがらかったりするのかも??
そして、タコが身体の色を変えるのはタコの「判断」なのか、触手が決める判断なのか、その時タコの意識のなかでどんなことが起こっているのか。
タコにも人の感情に似たものがあるとすれば、身体の色が変わるとき、なにを感じているのか。
ドキュメンタリーでは、タコの好奇心と知性がフォーカスされていました。
毎日通ってくる人間にだんだん慣れてきて、触手をのばして人間の手に触ってみたり、ついにはまるで猫のように人間の腕に抱かれるようになったり。たしかに好奇心旺盛、というほかない。
UWの研究でも、タコの好奇心と知性が確認されてるそうです。
さらには、魚の群れで遊んでいるとしか思えないような行動もとらえられています。
この映画を観ていると、タコがかわいくみえてしょうがない。このドキュメンタリー作家さんに近寄り、触手を伸ばして手にさわったり、おとなしく腕に抱かれているようすは、猫みたい。
このドキュメンタリー作家さんは当然ながらこのタコとのあいだに深い精神的な絆を感じるわけだし、観ているわたしたちもそれに共感して涙を流してしまうのですが、タコのほうで人をどう思っているのかは永遠にわかりませんよね。
犬猫は進化の途上で別れはしたものの、哺乳類というおおきなくくりでは同じで、脳の構造からしても、情動やその前身になる感覚がわたしたちとそれほど大きな隔たりはないだろう(人より純粋に感覚や情動を経験しているかも)と思われますが、頭足類は脳の構造、使い方、司令系統からしてまったく違う。
それでも行動を観察していると、好奇心と記憶が発達した、高い知能を持った存在だと確信するしかない。まさにエイリアン。
昔からSFでタコ型のエイリアンが何度も描かれてきたのは、いわれのないことではなかったんですねーーー。
タコ先生を観たら、こちらもぜひ。「タコの脳はどうしてそんなにすごいの?」TEDトーク。
しばらくタコ刺しが食べられなくなりそうです…。
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