2019/06/22

あのイケメンと再会!


奉祝・令和の上野、5月末。
5月なのに真夏のようなうだる陽気でした。
にゃを美先生と国立博物館へ。


なにがなんでも行きたかった「東寺展」!

平日なのに長蛇の列だったー。70分待ちと言われてひるむ。
しかしイケメンと会うために耐え忍ぶ。

並んでるのはおばちゃんとおばあちゃんばっかり >(お前もなー)。
中にチラホラ熟年男性。

なにしろこの日はたしか30度超えの炎天下だったので、日射病おばちゃん続出予防のため、博物館は並ぶひとびとに日傘を貸し出していました。


じゃじゃーん。
ああこの方とまたお会いできるなんて。

去年の夏、東寺で。お目にかかった帝釈天さまであらせられます。

東寺の「講堂」はとてもとても空いていた、というかほぼ独占状態だった。
なんと贅沢なことであったか。

でもお寺のお堂はなにしろ昔の建築だけにスペースが限られてて、仏様たちも天部衆もみんなけっこうギュウギュウ詰めなレイアウト。

今回の国立博物館の展示室はそれはそれは広々していて、講堂のゆうに3倍くらいある部屋で立体曼荼羅の仏像を360度眺められるというまたとない機会でした。
バーゲン会場のような人群れをかきわけながら、ではあるものの。

空海さんもにんまりしていることだと思う。



展示室内は撮影禁止だけど、このポスターボーイ、帝釈天さんだけは撮影OK。

おばさま方に取り囲まれるスーパースター。

なにしろ仏像界でも指折りの世紀のイケメンなので、告知でも一番大きく扱われてるし、海洋堂製作の7200円もするフィギュアも売り出されてるし(一瞬考えたけど買いませんでした)、とにかく特別扱い。



告知でもセンターとってます。

にゃを美先生は「きっとさー、天部の間でお前ばっか目立ちやがってって裏で言われてるよ」といたく気にされていた。
でも実は帝釈天さんって四天王のボス的な存在なんですってよ。
だからきっと特別余計に働いて、衆生のために撮影モデルまでつとめてくださってるんですよ。

さすがに立体曼荼羅の全員がきているわけではなく、中心の仏様と、梵天さん、不動明王さんなどはお留守番。
 
こういう博物館での展示の前には仏像は「魂抜き」をしてから運んでこられるそうですが、会場ではやはり如来像に手を合わせている人がちらほらいました。だよねー。



いやーーほんとに何度見てもかっこええです。
帝釈天って、ヒンドゥー教ではインドラ様なのでしたね。
手に持ってるのは金剛杵。
空海さんの像も右手にもっている密教法具ですが、もとはインドラさんの武器だったんだそうです。(< 今知ったばかりバイウィキペディア)。

会場ではその隣にいた持国天さんも、何度見てもほんとに迫力。


図録は重すぎるし、東寺で買った写真集があるからいいやと思って持国天さん栞とクリアファイルのみ買って帰ったのだけど、しかし!去年東寺で買ったはずの仏像カタログはいったいどこに行ったのかなと思って記憶をたどると、去年船便で送って紛失されてしまった中にたぶん入ってたのに違いない!!(大号泣)やっぱり図録買っとくんだったなあ。

グッズもいろいろあって目移り。
最近の日本の特別展グッズすごいです。細かいツボを突いてくる。
日本の人はほんとにミュージアムとお買い物が好きだよね。わたしもです。戦利品ツイートをあつめたページもあった。

クリアファイルは金剛杵を組み合わせた「羯磨」(かつま)の柄です。
笑えるほどかっこよすぎ。

羯磨って初めて見たのですがこれは、法会で、投げて‼使用するのだそうです。

そして今回、念願の曼荼羅図にはじめてお目にかかることができました。

(これは国宝の金剛界曼荼羅、国博サイトより)

平安時代に作られたというこの国内最古の曼荼羅(国宝)は会期最初のほうにだけ展示されたそうで残念。
行った日に展示されていたのは、江戸期にコピー製造された(もちろん手描きで)「元禄本」の金剛界曼荼羅。でもこちらも素晴らしかった。

まずそのサイズに仰天! 壁一面。でかっ。

これは国内最大級の大きさだそうで、一辺が4メートルくらいある巨大曼荼羅。
毎年の法会で現役で使われているものだそうです。
絹の上に手描き。


2014年公開時の産経新聞サイトより)
細部は菩薩のお顔がぎっしり並んでいたりしてとにかくすごい密度。
宇宙は混雑しているのですねー。

東寺展予習資料として、にゃを美先生がおかざき真里さんのコミック『阿・吽』全9巻(出てるのぜんぶ)を貸してくださった。
今までまったく知らなかったのですが、すごく面白かった。

東寺展でおかざきさんのトークイベントもあったんだそうです。


左が最澄さん、右が空海さんですよ!!

登場人物ほぼ全員イケメンでほぼ全員エモくて色っぽくて傑作です。

9巻では、空海さんが押しかけ遣唐使で行った長安から日本に帰ってきて、さてこれから作りますよ高野山!というところ。
ああつづきが早く読みたい。

最澄さんはエモくてど繊細な天才、空海さんは強烈なドライブを持つ野獣のような天才として描かれてて、この二人の、共に生きるべきはずなのに運命が歴史に翻弄されつづける韓流ドラマのようなドラマチックなすれ違いとか、長安での空海と恵果師匠の怒涛の出会いのくだりなどほんとうにすごい。

特にぐいぐい掴まれたのは丹生都比売。高野山開山の際に空海さんが挨拶にいったと伝えられている地元の神がど派手なセクシー美女神として登場して、暴力的なヒトの世界のなかで心優しく強い(でも万能ではない)存在として描かれてる。

自然に囲まれた隠国に無数の霊と神が人と共に住む日本という国に、唐では弾圧が間近に迫る密教を託そう、という話のはこびに涙しました。

高野山行ったとき、神社も行っておくのだったなー。スルーしてしまったごめんなさい。次回機会に恵まれればぜひ行きたい。

空海さんの話はやっぱりちゃんと読まなくちゃ。ていうかここに来てまだ何も知らなさすぎる自分にびっくりだ。


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