2018/07/12

象に乗ったイケメンがいるところ


にしんそばを食べたあとで東寺に行きました。どーん。迫力の大門。


お大師さん像に花がそなえられている。


すこーんと広い境内。伏見稲荷とちがって観光客は少ない。


こちらの「講堂」のなかに、空海さんが考案したといわれる「立体曼荼羅」があります。

建物は何度か火災にあい、現在のものは江戸時代の慶長年間に再興されたものだとか。


中は撮影禁止なので、いただいたパンフレットから。詳細は東寺のサイトをどうぞ。

立体曼荼羅とは。
以下、ウィキペディアより
須弥壇中央には大日如来を中心とする五体の如来像(五仏、五智如来)、向かって右(東方)には金剛波羅密多菩薩を中心とする五体の菩薩像(五大菩薩、五菩薩)、向かって左(西方)には不動明王を中心とした五体の明王像(五大明王)が安置されている。また、須弥壇の東西端にはそれぞれ梵天・帝釈天像、須弥壇の四隅には四天王像が安置されている。以上、全部で21体の彫像が整然と安置され、羯磨曼荼羅(立体曼荼羅)を構成している。
だそうです。

バロック期のカトリック教会で、文字が読めない人びとに聖書の教えをステンドグラスや彫像で説明する空間を作ったのと似たコンセプト、でしょうか。

明王像、四天王像、帝釈天、梵天、五菩薩像などは国宝。ガラスケースではなくて薄暗いお堂の中で眼の前に配置されている国宝像に向き合えるむちゃくちゃにぜいたくな場所です。

皆素晴らしいですが、とくにゾウに乗った帝釈天がめっちゃイケメンです。


毎月弘法大師の日21日に開催される東寺縁日さんのサイトより。

クールな表情、流れるような衣服の描写、人のよさそうなゾウもステキ。やっぱりこの方は仏像界でも有名なイケメンだそうです。


こちらは持国天。
踏みつけられている邪鬼たちのもりもりな筋肉の描写もすごい。「まじですか?」みたいな感じで見上げる邪鬼。
そしてコスチュームがめちゃめちゃかっこいい。

明王像や四天王の像は839年の建造だそうです。空海入定の4年後。

立体曼荼羅作るよーってことで、当時最高の仏師さんたちが技を競ったのか。

「官営工房系の仏師の手によって製作されていると思われる」そうですが、ルネサンスの工房みたいな雰囲気だったのか。
何人か実力のある仏師がいて火花をちらし…なんてドラマもあったかもしれないとか妄想ふくらむ。

見飽きない。立ち去り難くて、2度も戻ってしまった。
カタログを買ってしまいました。


素朴なテイストの不動明王もステキ。日本最古の不動明王像だそうです。

中心部の五如来像は焼失して、のちに再建されています。

とにかく見応えたっぷりでした。


こちらは金堂。きれいな屋根!なんて繊細。

東寺って、高野山とはまた別系統の真言宗なんですね。それもぜんぜん知らなかったし。

空海さんの入定後、「本末争い」とか分派とかいろいろあったらしい。
まったくよく知りませんが。

ウチのほうが正統!というグループ同士の意見の違いが出てくるのは、宗教界に限らず人の宿命のようですよね。


こちらも国宝、五重塔。年に数回のみ内部を公開。この日は内部は非公開でした。


こちらも四回焼失して、現在のは江戸時代、1644年の建造だそうです。

五重塔が燃える光景はすごかっただろうな。


屋根の隅がきゅっと上向いているところがチャームポイントですね。
この屋根の形の正式名称はなんというのかしら。


この木はなんだかわからないけど繊細で綺麗な葉っぱでした。


塔には池がつきもの。


塔頭のひとつ、観智院。
端正な建物です。

こちらには5体の虚空菩薩像があります。中国からきたものらしく、いろんな乗りものにのっていらっしゃる。
ターキー?いや孔雀。


 東寺のサイトより。

それから、宮本武蔵の筆というふすま絵もありました。

二羽の鷹がうさぎを狙って舞い降りる構図。たしかに剣豪の筆といわれて納得してしまう、一気呵成の迫力。



係のおじさんが熱をいれて説明してくれた。
武蔵は京都の剣客を怒らせてここにしばらく潜伏していたのだといわれているそうです。

吉川英治の本にも出てこないんだというので、でも『バガボンド』にそんな話があったような気がするといったら、なにそれ?というのでぜひ読んでみてくださいとおすすめしてきました。


非公開の宝蔵。

東寺に行けば両界曼荼羅図の実物が見られるのかと思っていたら、ぜんぜん非公開でした(涙)。
仕方がないので曼荼羅下敷きを買ってきた。



でも立体曼荼羅のイケメンさんたちが見られて大満足でした。

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