2019/06/22

甘酒と霊獣、積まれていくもの


5月の東京の話です。

クライアントさんと神田で打ち合わせがあり、帰りに神田明神へ。

いつも華やかな感じのする境内ですが、元号が変わって「奉祝」ののぼりが立っていて、華やかさもひとしお。

社殿にむかって左手に新しいたてものができていて、その名も「EDOCCO」だって。
さいきんはやりの、和の単語をローマ字表記にするやつね。キッテとかソラマチとかの。明神様にはぴったりでかわいい。エドッコ。


(写真は公式サイトより)別名「神田明神文化交流館」。
去年12月にオープンしたのだそうです。1Fはショップとカフェ、地下はシアター、上階には多目的ホールやラウンジがあり、春にはジブリの展覧会をやっていたそうです。
最近アニメと縁が深いらしい神田明神。
いろんな層の人が来て賑わうのはいいことですね。
ワカモノや外国人にも受けがよろしいのではないでしょうか。

ショップがけっこう楽しい。神棚やお米やお塩も売っている。
オリジナルグッズも多く、ロゴのデザインも気が利いてます。
ミュージアムショップもだけど、オミヤゲ業界全般がこの10年くらいでものすごく洗練されてきた気がする。日本のおみやげショッピング文化は不滅ですね。

だけど同じ日本人女子でもたまに、お買い物一切が大嫌いという人もいるので面白い。
通訳のM嬢は、買い物には一秒でも余計に費やしたくない派だそうです。かっこいい。そうそう、この人は以前うちに泊まったときにも出したバスタオルを使わず、持参の手ぬぐい一枚で身を拭って出てきたので仰天したのだった。


 こんなの買った。柚子塩。なかみは高知のゆずと九州の塩だって。


「天皇陛下御即位記念」の祭てぬぐい。
この色の取り合わせと字体、いかにも江戸らしくて威勢が良い。

生前退位>即位っておめでたい一方でいいですね。
平成のはじまりはお葬式で、暗かったものねー。


東京総鎮守であり武将を祀る神社にふさわしい、すごく凛々しくて強そうな狛犬さん(獅子さん?)。
筋肉ムッキムキですね。敵に回したくない。

そしてこちらは…。



門前の老舗の看板息子。

ここの地下深くに、明治時代からの糀室があるのだそうです。


柱時計がたくさんある、寺山修司の映画にでてきそうな店内。


暑い日だったので冷やし甘酒。おいしゅうございました。


こちらは、お向かいの湯島聖堂の「大成殿」の屋根を守るものたち。

銅屋根の専門家集団「日本金属屋根協会」のサイトによると、てっぺんにいるのは「「鴟尾(しび)」の一種で、龍頭魚尾で頭から水を噴き上げている、鬼犾頭(きぎんとう)という「水の神として屋根の頂上にあって火を防ぐ」霊獣だそうです。

この孫の手がかさなったようなものは、水だったんですね。

睨みをきかせてる猫っぽい人たちは「鬼龍子」(きりゅうし)。
「想像上の霊獣で、孔子のような聖人の徳に感じて現れるという」。

この建物は関東大震災で焼失後、昭和10年に再建されたもの。戦災はまぬがれたのですね。火を防ぐ願いは切実。


いろいろなものに出くわす神田界隈。


植木ももりもり。

神保町界隈を歩くと必然的に古書をしこたま買うことになるのであらかじめ丈夫なカバンを持って出かける。

1階に看板がでていた、とある古書店をめざして、とても小さなエレベーター(定員4名くらいか、冷蔵庫のようなサイズ)に乗って4階に上がると、エレベーターを降りたところが…


…このようになっていました。

ええとこれは降りていいところ?と、しばらく躊躇したけれど人の気配がするのできっとこれはお店なのだろうと判断して先へ進む。

両脇に本がうず高く積まれているので荷物を持ったままでは通れない。入り口付近に荷物を置いて中を見ると、奥のほうに山に埋もれるようにしてレジがあり、お兄さんが一人ちんまりと座っていました。

「地震のときは大変ですね」って思わず聞いてしまうと「ええ、だいぶ崩れました」と静かに苦笑していらした。ひー。


ファンの多い有名喫茶「さぼうる」の入り口にある赤電話。現役かどうかは知りません。


そしてまた持って帰れないほど買い込んでしまう。
いったいいつ読了できるというのでしょうか。

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