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2020/03/21

よく効きそうなオルガンと19世紀ロマネスク


ほんの2週間ばかり前にふつうの生活が営まれていたとは、もう信じられない。
2月の終わりのボストン日記です。

うちの青年の話だと、今はもちろんこの教会も、近くの高級ブティックやレストランのある通りも、みーんな閉鎖されているとのこと。

ボストンのバックベイ地区のまんなかにあるトリニティ教会

1733年創設の、アメリカ建国よりも古い教会です。 エピスコパル派。最初は英国国教会だったんですね。いかにもあんぐり感じゃないよアングリカンのエスタブリッシュメントの教会だねって感じがする。宅は由緒正しゅうございますのよ、て感じの教会。

いまの場所に移転したのは1872年で、ヘンリー・H.リチャードソンという建築家の設計

ヨーロッパの中世の教会をベースにしたロマネスク・リバイバル様式で、ビザンチンの要素もちょこっとはいっているそうです。
この様式は「リチャードソニアン・ロマネスク」と呼ばれるようになり、19世紀後半に流行って、全米あちこちの都市の教会や公共のたてものに応用されたそうです。

多色使い、たくさんのアーチ、ぼってりしたボリュームのあるプロポーション。装飾過多な感じ。どこか1980年代のポストモダンのビルに似てると思うのはわたしだけでしょうか。なんかこう、キャラクターがかぶる気がする、80年代と。

あっそうだ、もしかしてと思ったらやっぱり、ハワイのホノルルにあるビショップ博物館の建物もこの様式でした。もっと装飾は少なくて多色づかいはしていないけど。 これも同時代のたてもの(1898年完成)。

(ビショップ博物館、ウィキコモンズより)

なんかこう、ちょっとテーマパークっぽい感じがする様式だとわたしは感じます。

成り上がりと旧大陸の人たちに思われていた新興国家のアメリカ人が、中世ヨーロッパの重厚さに憧れて、その雰囲気を表現しました、という素直な、すこし恥ずかしいくらいの憧れがバーンと臆面なく表現されているように見えます。

建国から19世紀末までのアメリカの教会には、ゴシックやロマネスクのリバイバルが多いんですね。
裁判所や役所はギリシア・ローマ神殿みたいな新古典様式のやつが多いけれど。



すぐとなりにはガラス張りのジョン・ハンコック・タワー(62階建て、1976年完成)があって、晴れた日にはきれいな青空を背景に、19世紀の教会が20世紀のオフィスビルにくっきり映ります。


重厚な正面扉。これも中世のお城みたいなおもむきがありますね。

毎週金曜日のお昼に、パイプオルガンのコンサートが開かれていました。
サジェスチョンは寄付10ドルだけど強制ではありません。

10月と2月に1度ずつオルガンを聴きにいきました。

毎回違うオルガニストが来て演奏する、30分ほどのミニコンサート。
2月の演目はバッハ2曲のほかは、Richard Purvis 、Robert Hebble、William Mathias、Louis Vierneという、いずれも知らない作曲家の20世紀の曲でしたが、面白かった。

演奏家は、東京の芸大で教えていたことのあるボストンのオルガニストさんでした。



教会内部は外から見た印象よりさらに広く天井が高く、壮麗。ステンドグラスや壁画も豪華です。

そして前の壁にも横の壁にも後ろにもオルガンのパイプ。
7000本以上のパイプがあるという、どこがどういうふうにつながってどこで鳴っているのかシロウトにはさっぱりわからないオルガン。

いってみれば教会堂全体が楽器です。
こんな大きな楽器を演奏できるオルガニストは楽しいでしょうね。

カンカン、というかねの音が入っている曲もあり、いろんな音があってとても面白かった。シンセサイザーのようだ。

オーボエのようなはかなげな音や、身体にごうごう響く低音が、本当に気持ち良いのです。

「セロ弾きのゴーシュ」の、チェロの中につまんで入れてもらったネズミの子みたいな心持ち。

このオルガンをこの聖堂で一日聴いたら、ちょっとした風邪や肩こりくらいならたちまち治りそうな気がします。

また教会でオルガンが聴ける日が、すみやかに来ますように。


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2019/04/04

運命の馬たちとピンクの壁 <ヴェネツィア思い出し日記 その8>


追憶のヴェネツィア日記。

サン・マルコ大聖堂の正面に飾られている、馬たちの像のレプリカ。
ほんものはすぐ内側の美術館内に飾られてます。

こっちがほんもの↓。



伝説ではアレクサンダー大王の時代、紀元前4世紀のギリシアでつくられたとも、3世紀頃にローマでつくられたともいわれているそうですが、どっちにしてもすげー。
(最近の調査では、紀元前175年のものとされてるとか)
ブロンズを打ち出す製法じゃなくて、粘土で型をつくってその上にブロンズをかぶせる製法だったそうです。

ともかく、ものすごく迫力のある馬たちです。
「鬼気迫る」感じ。
なんか入ってる。

皇帝ネロの時代にギリシアから奪われてローマに飾られたといわれてるそうです。

その後コンスタンチヌス大帝が330年にローマから奪ってコンスタンティノープルの競技場の飾りにして、1204年の十字軍遠征でヴェネツィア人が奪ってこの聖堂の正面(いま、レプリカ像があるところ。吹きさらしのテラス)に飾ったそうです。

そのあとさらに1797年、ナポレオンがヴェネツィアを征服したときにこの馬たちはフランスに持ち去られ、一時はパリの凱旋門の上に飾られてあったのだそうな!

そしてナポレオン失脚後にヴェネツィアに帰ってきた波乱万丈の馬たち。
すごい歴史ですねー。

この馬たちはチャリオットを引く戦いの馬なので、戦利品としてまことにぴったりだったんでしょうね。 


しつこくドゥカーレ宮殿。
サン・マルコ聖堂とは建てものがぴったりくっついています。この距離感すごい。

一般人はもちろんオフリミットな秘密の通路とか絶対あると思う(ガイドを精読してないのでこの二つの建てものの間が実際どうなってるのか、よく知らないのですが) 。

いまの民主主義では政教分離って、教会の物語とパワーを政治に持ち込むなっていう意味が強いけど。

中世〜ルネサンスの頃は逆に、教会の持つ絶大な力を、政治の人がめっちゃ利用しまくっていたんですね。

なんかこの、政治経済の中心であった宮殿と聖堂がくっついているのをみると、その求心力みたいなものがはからずも見える化されてる気がしました。

それでドゥカーレ宮殿。


こないだYouTubeでたまたま出てきた、ヘンデルの曲になぜかついていたサン・マルコ広場の絵。

カナレットの絵だそうです。絵が描かれたのは18世紀前半で、ヘンデルと同時代なんですね。

本物はどこにあるのか不明だけど、色が鮮やか(この画像は彩度上げてるっぽい)。
メトロポリタン美術館に似た題材のが収蔵されてますので、たぶん同じ頃、1720年代の作品なのかも。

イスラム建築の影響を受けたピンクの幾何学模様の壁。
この上の絵で見るとそのピンクがもっと濃くて、ワイキキの「ピンクパレス」ロイヤルハワイアンホテルみたい。

絵に描かれた18世紀から3世紀のあいだに日に焼けて色が薄くなったのか?

それにしても14世紀頃に、政治経済の場の外壁をピンクのイスラム建築的なもようで飾るって、相当に革命的だったのでは。

教皇のいるローマの方面からは眉をしかめられたのではないかな、なんて想像がふくらみます。

ドゥカーレ宮殿の中を見に行った話を書こうと思ったら馬の話で興奮して長くなっちゃったので続きます。ヴェネツィア日記はそれでおしまい。滞在2泊だったのに、いつまでかかるのだ。



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2019/03/28

世界で最も美しい広場と不運な動物 <ヴェネツィア思い出し日記 その7>


サン・マルコ大聖堂の上階にある美術館からは、クーポラの下あたりの位置でサン・マルコ広場を一望できるテラスに出られます。

この光景が見られただけでも幸せだー。
数世紀前に描かれた絵画で見たまんまっていうのがすごい。
「世界で最も美しい広場」 というのに異存はございません。



カーニバル期間中でかなりガチャガチャしていたけど、この建てもの。


ところで大聖堂出口には当然ながらギフトショップがあります。
ロザリオや絵葉書などを売ってるなかにあったこのマグネット。

うさぎ?がハゲワシかなにか?に鼻の上のあたりを直撃されて「ええっ?」と驚いている衝撃的なデザイン。
こんなんあったっけ?
と、翌日もう一度戻って探しにいきました。

最初のときは天井と壁一面の黄金のモザイクにばかり気をとられてましたが、床もすごいです。



エッシャーばりの幾何学模様と、孔雀とかサイとか、かなりエキゾチックな動物絵柄と。

だけど聖書にこんな、脳天を鳥にやつつかれているうさぎ?なんて出てきたっけ?

聖堂ガイド本には「これらの動物は中世のシンボリズムを描いている」て書かれてますが、それだけじゃなんのことだかまったくわかりませんー。


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2018/12/30

シアトルの聖イグナチオ礼拝堂


シアトル大学のキャンパス内にある聖イグナチオ礼拝堂(それとも、英語式に「聖イグナシアス」というほうが正しいのかな?)。

英語で「unassuming」という形容があります。

「控えめな」と訳されることが多いけど、「自分はこれこれである」とあえて激しく主張しないというようなニュアンス。

このチャペルの外見はまさにそんな、アンアスーミングなたたずまい。キャンパスのなかで特別に存在を主張していません。



でもオーガニックな明り取りのある正面扉や、広いリフレクションプールなどの造作が、ただものではなさをかもしだしています。


カトリック教会だけれど、「ZEN」的な東洋の静かさを感じるリフレクションプール。

1回めの入院中にプチ脱走して近所をプチ放浪中、たまたま前を通ったので中を拝見させていただきました。


アンアスーミングな外見とはうらはらに、あまりにも美しい内部の空間に度肝を抜かれました。

エントランスホールの壁にリフレクションプールから反射されるこの光の美しいこと。
細い十字架の繊細さ。

建物全体に緻密に自然光がとりいれられていて、複雑でオーガニックな角度の天井や壁と、そのテクスチャといっしょになって、ほんとうに繊細な、ため息がでるような空間がつくられています。

ところどころに青や緑のカラーが使われているのも素敵。抽象的なステンドグラスといっていいのかもしれません。


設計はスティーヴン・ホールさん。
そういえばCTちゃんからここの教会は有名なんだよって、ずいぶん前に聞いてたのだった。
1998年にこの礼拝堂で米国建築協会の賞を受賞してるそうです。


礼拝堂のサイトより。建築家によるコンセプト画。

「石の箱のなかにおさめられた7つの光の瓶」をイメージしているそうで、不規則な形の屋根が東西南北それぞれ異なる個性を持つ光を礼拝堂のなかに招き入れ、教会がもつ異なる機能(ミサの進行、コミュニティへの貢献など)にそれぞれ関連づけられている、のだそうです。

教会の機能と光の個性というのはちょっとすぐにピンとこないけれど、この繊細で柔らかな自然光のつくる空間は、とても説得力があります。


一方の端にはこぢんまりとした親密な祈りのスペースがあります。


まったく魅力が伝わらないひどい写真でございますが、ほんものはずっと良いです。
ずっといたくなるような素敵な場所でした。



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2018/11/03

ヒューストンの牛とポストモダンとどんぐり


ヒューストン空港にいた牛ちゃん。

夜7時着という微妙な便で、タクシーでホテルに直行。

ホテルかと思ってたらアパートメントの建物で、鍵をあけて勝手に入るシステム。

ダウンタウン内だけど近くにはコンビニもレストランもないし、着いた日にトランプが近所でラリーをやっていたらしく、Make America Great Again!と書いた赤い帽子をかぶった人たちが次々と歩いてくるし、アウェー感たっぷりの一夜でした。


なんとクライアントさんが前週までわたしの宿を手配するのを忘れていたらしく、ダウンタウンのホテルはみんな売り切れ。残ってたのはここだけ。写真真ん中の高層アパート。一部をエアビーアンドビーみたいにホテルとして貸し出している。
エレベーターにはめっちゃ生活感ただよう人がいっぱい。
エレベーターに乗り合わせたのはマリファナの匂いプンプンさせた全身タトゥーの黒人兄ちゃんグループ、最上階に住んでいるジャーマンシェパードを連れた白人女性、ラティーノの女の子たち。

めちゃくちゃ高かったのはトランプのせいだったんか!いつもは80ドルくらいのこのしょぼい宿が1泊260ドルとかだった。ぼったくり。わたしが支払ったわけじゃないけど無駄すぎる。



翌朝、仕事で行ったコンベンションセンター。

1987年にオープン。
目をひく赤を大胆にアクセントにした、自信たっぷりの楽天的な感じがする建物。

80年代後半は、レーガンの時代。日本はバブルで。

建物ってやっぱりものすごくその時代を反映するものなんだなあ、とあらためて思う。とっても素朴な感想ですけど、ほんとにそうなんだなー。



その前にあるジャン・デュビュッフェの彫刻。





エチオピアから移住して27年だというタクシーの運転手さんが、「ヒューストンの建物はね、だいたい80年代から90年代に建ったやつだね。あんまりあたらしいのはないね」といっていた。





近くのヒルトン。この色使いも90年代初頭って感じがすると思ったらこちらは2001年完成でした。これもポストモダニズムといっていいのかな。 これも自信まんまん、オレのかっちょいいセンスを見ろ!て感じがする。



穏やかな快晴の暖かな陽気を期待していたら2日間とも雨降りでシアトルとまったく同じ天気でした。半袖持ってって大失敗。
もはや晴れ女の看板は取り下げなければ。

夕方、ちょっと歩いてみたダウンタウン。電車の通る線路の両脇に意味なく水が流れているのがテーマパークっぽくて面白い。



水と光があるだけでぜんぜん景色が変わりますね。



そして街のあちこちで目をひいた、くねくねした巨木。


どんぐりの木でした。 coast live oak というらしい。

ルイジアナ州で見たオークの木とはすこし種類が違うようです。どちらもlive oakというのだけど。


葉が厚いところが南国らしい。どんぐりの木で常緑樹ってあるんだ!不思議なかんじ。
あっ、そういえばシイノキも常緑樹だった!忘れてた。
でもこの木の葉はもっと南国っぽい感じです。

同じ国なのに生えてるものも人もぜんぜん違うなー。ていうか広すぎだろこの国。

へんな写真しか撮れなかったけど、綺麗な青いカラスのような鳥がたくさんいました。



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2018/10/13

 SFMOMA


ラウシェンバーグ展観に行ったSFMOMA(サンフランシスコ近代美術館)。
だいぶ前ですよ。今年の春ごろ。
かなり大好きな美術館のひとつです!



公園側の正面入口から見た建物。この微妙な円筒がついている部分は1988年ので、建築家マリオ・ボッタが設計したもの。これぞポストモダン!という見本のようなビルです。

わたしはあんまり好きじゃなーい。なんかこのシマシマと茶色の組み合わせも。
80年代ですねー。

ウェブサイトのdezeenによると、オープン当初の反応もあんまりよくなかったらしい。

SFMOMAはこのビルを保存して、そのうしろに新しいビルを建て増し、2016年にリニューアルオープンしてます。

茶色の部分がボッタの建物で、うしろの白い微妙に歪んだ立方体の建物が新しいビル。
増設部分は、オスロの設計事務所スノヘッタが担当。
北欧らしいすっきりしたビルは、ボッタのビルとまったく対照的なんだけど、中に入ってしまうと違和感がないのが素晴らしい。


となりのビルの屋根に寝ている人が!


内部は、新しいビルと古いビルの継ぎ目にまったく気づかないくらい自然です。

メジャーな美術館としてはどちらかというと土地面積が狭いほうかもしれず、縦に長い(8階建てだったかな?) スペースだけど、入り口ロビーの階段の吹き抜けがどかーんと大きいし、カフェもオープンエアで広々していて、すごーく広い印象を受けます。
ショップも広い。


カフェのビーツサラダ。おシャレでござる。
ケーキやコーヒーもあり。ここのコーヒーはilly。


これがあの妙な円筒形の下の部分。


ルイーズ・ブルジョワさんの蜘蛛たちの展示をやっていた。


食事ができるカフェのほかに、建物のちょうどまんなかあたりにもコーヒーショップがあって、展示を見て疲れたあとにささっと休憩ができてとても便利。

もう1軒、1階にもすこしフォーマルなレストランがあるそうです。



コーヒーショップは地元サンフランシスコのSightglass Coffeeというロースターが入居してます。
北欧風の明るいナチュラル素材、クリーンなライン、ミニマルな家具。

ところでいま。日本で藤田嗣治展やってるんですよねー。京都に観に行きたいーーー。


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2018/08/04

七夕の上賀茂神社


脈絡なく京都日記のつづきです。

雨が時々激しく降っていた七夕の日、上賀茂神社に行くと、きれいな竹飾りが。

これを見て、そうだ今日は七夕だった、と思い出したのだった。




葵(「二葉葵」)の葉をかたどった、ハート型のきれいな短冊が用意されていました。


上賀茂神社、「賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)」というのが正式名称だそうです。

とても雅な感じのする神社。



入ると、まず目につくのがこの「立砂」。
これは「憑代」でもあったそうで、古代っぽい。

本殿の北北西2キロのところにある「神山」という山に降臨した神さまを祀っているといい、造営は白鳳時代、678年。って、また天武天皇の時代だ〜!



この境内にある建物はどれも、定期的に屋根を檜皮で葺き替えているそうです。
以前は伊勢神宮のように建て替えていたのだけど、国宝と文化財に指定されているので今は取り壊して建て直すことはせず、屋根を葺き替えるだけになったと。

この屋根の形!なんてキレイな曲線なんでしょうか。



屋根の隅がきゅう!と上がっているところがぐっとくる。

ちょうど特別拝観実施中だったので、国宝に指定されている本殿も拝見できました。
本殿のほうはカメラ禁止だったけど、なんというか、本当に古い都の断片をちらりと拝見した感じ。

「流造」の原型といわれている建築で、今の建物は文久に建ったものだけど、おそらく白鳳時代の形をとどめているらしい。



摂社のひとつ、片岡社は、紫式部さんが通ったそうで、新古今集におさめられている歌

ほととぎす声まつほどは片岡のもりのしづくに立ちやぬれまし

はここのお社を詠んでいるのだそうだ。
 


絵馬はハート型(葵の形なのだろうけど)で、紫式部さまのお歌と十二単の絵柄。
雅ですねー。


すみずみまで行き届いていて、清々しい境内。


境内に水が流れているのも、浮世離れした風情をますます濃くしています。



深山幽谷の気配まである。

ちょうど雨が降ったりやんだりの天気だったので、よけいにしっとりとした風情で、なかなか立ち去りがたい、素敵な場所でした。



バスで四条の町へ出ると、大雨でした。


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