2018/08/03
地獄に通勤した人
源融さんのお屋敷あとというのに偶然遭遇してちょっとびっくりしたのは、その日の午後、紫式部さんの墓所に行こうと思っていたから。
ときどき大雨の降る七夕の日でした。「紫野」というところに、かなり立派な墓所があります。
室町のころにはもうすでにあったといわれ、本当に紫式部さんの墓所なのかどうかは不明。でもかなり古いお墓で、誰か埋まってるのはたしからしい。
こういうの、発掘調査をしようと言い出す人はいないんですね。
すぐとなりにあるのは旦那さんのお墓なのかと思ったら違って、「小野篁」の墓所だという。
小野篁さんは紫式部さんよりも100年も前の時代の人なので、隣り合ってるってどういうわけ?と思ったら、「紫式部のために小野篁の墓をおとなりに移した」といわれているらしい。
なぜ小野篁が隣に越してきたかというと、小野篁さんは「昼間は朝廷で官吏を、夜間は冥府で閻魔大王のもとで裁判の補佐をしていた」という伝説があって、紫式部さんは『源氏』という煩悩にまみれたお話を書いたことによりしばらく地獄に落とされたので、小野篁さんに閻魔大王にとりなしてもらったのだ、という話が伝わっているそうです。
井戸を通って地獄に通勤していたという伝説が生まれるような小野篁さんは、生きていたときから相当ヘンな人だったみたいですね。紫式部さんとはウマが合わない気がするんだけど、全然違う二人の天才がほんとに出会っていたら、面白い会話が生まれただろうなあ。
隣り合ったお墓で会話しているところを想像すると面白い。 式部さんがかなりムッとしていそう。
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