2021/01/18

歴史に残るおばかちゃん映像

 

6日の暴動に関して毎日次々に驚きの映像があきらかになるけれど、今日『ニューヨーカー』誌のサイトが発表したこの動画は、議事堂襲撃の真髄をあらわにしたとっても貴重な映像です。
これ、歴史に残ると思う。

戦場特派員でもあったLuke Mogelson記者が、群衆について議事堂に入り、彼らのしたことをスマートフォンで録画したものです。
記事はこちら。(一番上に動画があります)

全部で12分の映像だけど、この暴徒の求めていたもの、ばかちんさ加減、獰猛さ、単純な信条が浮き彫りにされててすごい。

議場に入っていき、「これが上院か!」「やつらはどこいったんだ!」「ペロシはどこだ!」とわめき、議員のデスクをあけて書類をひっぱりだし、「これは役に立つやつだ。あのscumbags(極悪人、ろくでなし)どもをやっつけるのに使えるぜ」「クルーズ(共和党のテッド・クルーズ議員、トランプ派)はおれらのやったことを喜ぶだろうな」と口々に言い、その間例の水牛男は絶叫し。

そして水牛男が牧師をつとめて、神に感謝の祈りをささげている光景も。

「天にまします父よ… ここの警官たちに必要なインスピレーションをお与えくださってありがとうございます。
この建物に入らせてくださって、われわれの権利を行使させてくださってありがとうございます。…
…共産主義者、グローバリスト、反逆者をわれわれの政府から追放させてくださることを感謝します」

…と、水牛男は祈り、みなが頭をたれている。

純粋な怒りと信条に動かされているのだろうけれど、徹底的に間違っているよ…。



ちなみにこちらは、8年前のロードトリップのとき、サウスダコタ州の大平原で見た、プレーリードッグちゃん。 

 


すっごく用心深くて、見張りがいつも四方八方に耳をたてており、ちょっとでも近づくとサッと隠れてしまう。

特に意味はないんですけど、6日のトランプサポーターの映像を見ていると、なぜか、このプレーリードッグちゃんたちを思い出してしまうのです。

プレーリードッグちゃんは自分から攻撃しには出かけないけどね。

 

 

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2021/01/17

戒厳令前夜

 


去年7月に息子が帰ってきて以来、デスクを明け渡してしまったので、いまはもっぱらダイニングテーブルかリビングの床で仕事してます。仕事もだいぶ減らしている(減っている)ことだし、前みたいにガリガリはもうしない、できない。



BBC "What are far-right Trump supporters saying?"


就任式まであと1週間を切って、ワシントンDCにはたくさんの州兵が待機していますが、うちの青年の同僚でQアノン信者の人はじめ、陰謀論者の人は「あの州兵たちは、就任式前に、民主党や共和党の反トランプ派を粛清するために待機しているのだ。まもなく戒厳令が発布される」というシナリオを描いていて、まだ、トランプが次期大統領になると信じているそうです。

もうトランプさんは引っ越しの準備はじめてるのにな。

すごいな、戒厳令って。誰がトランプについていくんだ。
トランプ支持者じゃない国民をどうするつもりなんでしょう。『侍女の物語』か。

"Margaret Atwood: The Handmaid’s Tale feels real in 2019, but the solution won’t come from novels"


トランピアンの陰謀論についてまとめてNOTEに書きました。お暇でしたらご笑覧を。
こちらです

まあ何を信じようと人の勝手なのだけど、暴力とヘイトスピーチはやめてほしいです。


 



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2021/01/15

11人いる!


あら、意外に今日も晴れました!

ダイニングテーブルに15分くらいだけ日がさす奇跡の時間w。

目の前に家があるので、リビングとダイニングにそれぞれ少しずつ日があたる時間があります。地球の自転のはやさよ。

リビングに日があたるのは今の季節午前11時くらいから1時間弱なので、天気のよい日は人をダメにするソファを日のあたる場所にあわせて移動させています。



小正月を前に、版画家にゃを美先生からの年賀状がとどきました。ウシ仕様のねこ。
しかし目ヂカラつよし。



先月、萩尾望都の名作『11人いる!』豪華版をいただきました。ううう、嬉しい。

『ポーの一族』の40年ぶりの続きも読んでなかった。

Kindleで全部買うのも悔しいしなあー。

読まねばならないマンガがありすぎ。




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治安紊乱行為、羊、エコノミー南蛮漬け


きのうと今日は久しぶりにすかっと青空が広がりました。
今日の夕方からは、またシアトルの灰色の冬が通常運転再開しましたが。

ロビンちゃんたちが大勢で赤い実の木に群がっていた。ロビンて、「いちばん頭の悪い鳥」だという人もいる。

見ているとたしかに、せっかくくちばしに挟んだ実を取り落していたりする。カモメも相当頭が悪そうだけど、同じレベルかもしれない。ずっと体の小さいシジュウカラのほうがよほど頭よさそうです。



近所の散歩に飽きてきたので、今日は丘の上の住宅街でお散歩。
沈丁花に似た花の蕾が。



 マグノリア(木蓮や白蓮やコブシ)や桜の花芽もだいぶ膨らんできました。

シアトルの1月は、早春の気配です。

 

ホワイトハウスのあの方は、共和党主流派にも見放されるし(でもそれであの嘘拡散器を2か月放置していた責任を逃れられると思ってほしくはないですが)、ニューヨーク市からもビジネス契約を切られるし、ゴルフ界からも実業界からも離縁状を突きつけられ、Twitterという絶叫拡散ツールを取り上げられ、いまは毎日テレビを見て過ごしているという話ですが…。

村上春樹の『羊をめぐる冒険』にでてきた、人に取り憑いて一時期だけ異常な力を発揮させる羊。ああいうものがこの人には過去5年間くっついていて、そしてこの1月に去っていったんだよきっと、と、うちの青年と今日、散歩しながらそんな話をしてました。



ペンギンブックスのバージョンの表紙がいちばんホラー。
なんで3Dメガネがついてるんだよww

また読み直してみたい。うろ覚えなので。

 

あの6日の暴動で逮捕されたのは現在まだ30名程度で、罪状は不法侵入罪とか「 disorderly conduct on Capitol ground(首都での「治安紊乱行為罪」)」とか、なんか軽犯罪っぽい響きが多い。「ちあんびんらん」行為って最大1年の懲役だって。軽犯罪じゃん。

あのドアを突き破って突入した人たち全員、すくなくとも5年くらいは反省部屋に入れておいてほしいと思う。そしてちゃんとしたグループセラピーを毎日受けさせてほしい。

FBIがどこまできちんと追ってくれるか。ここで300人くらい一網打尽にすれば、今後数か月の全国の治安がずいぶん安心になると思うのだけど。



今週は、エコノミーなシーフード週間。

まずウワジマヤで買った1パック2ドル70セントのスメルト(ワカサギ的な小魚)を南蛮漬けに。これはなかなかでした。レシピは白ごはん.com。

 


そして今日は、イカのフライ。
これはもう切って内臓も出してある小さいイカでしたが、フライにするにはちょっと固かった。ガーリック炒めとかにしたほうがよかったかも。





揚げものがかり。

仕事がなくなったら鳥貴族で雇ってもらえそうな。

 

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2021/01/13

炭治郎とオバマ


これは↑2018年の7月に行った、熊野本宮の大斎原です。

朝、だれも人がいなくて、川には低い霧がかかっていて、田んぼの上に蜻蛉がたくさん飛んでいました。すがすがしかった。

日本の原風景のひとつ、だと感じました。

日本にはなんだか切実な不安を抱いて陰謀論にはまっちゃっている人が続出しているようです。日本の神様たちがそっと、心を正して、安心させてあげてくださいますように。


ところで鬼滅の刃、ただいま20話目が終わったところです!佳境です。

日本の最近のアニメがつまらないっていってごめんなさい。

最近Netflixで期待して見たアニメが軒並みつまらなくてがっくりだったのですが、これは面白いっす!

『サムライチャンプルー』で育ったうちの青年も気に入ってます。


ウェブサイトはまだ「COMING SOON」になってますね。無限列車。
はやく公開されないかな。

CGを駆使した奥行きのある背景。特に、炭治郎たちが山へ歩いていく場面の、低い穏やかな山々の重なりが美しくて、ああ、日本の山だー!とぐっときました。

鼓の鬼がいる家のふすまや天井も美しくて、驚いた。
ふすま絵は誰かがかなり楽しんで描いてるのかなーって気がする。
浅草の夜の風景もよかったなー。

「水の呼吸」の技の描写も綺麗で大好きです。
浮世絵を劇画風にしたみたいな独特のタッチが面白い。

そしてキャラクターがみんな一生懸命でかわいいですねー。

最近のアニメには今の日本の自信のなさが反映されていて(何度も言うけど、攻殻機動隊よ………)見ていて息苦しく感じることがあるのだけど、このアニメにはまったくそれがなくて、みんなそれぞれ元気いっぱいで。

肋骨が折れても戦うって…昭和の星飛雄馬よりも根性あるのに!炭治郎くんはどよーんと暗くなることがなくてひたすらまっすぐにチャレンジしていくところがいいな。コロナで家籠もりのときに、このひたむきな明るさが刺さるの、わかります。


(なにげにネタバレてますが、もう日本語圏の人は全員見ている気がしている……)。

炭治郎はいい子だねー。釈迦なのか。菩薩か。ナウシカか。

こんなにほかの人のことばかり全力で気遣う少年はそうそうこの世に生まれていないよね。泣ける。みんな炭治郎みたいに人に優しく強く生きたいと思うからこそ、この作品は支持されてるのだと信じたい。

そして、いまのZ世代には日本にもアメリカにも、ああいう明るい目をした清々しい子たちがけっこういると思う。

世界のあちこちにミニ炭治郎がいるから、人類の未来は大丈夫だって思える。

ドロヘドロも鬼滅の刃も、原作者が女性だっていうのが面白いですね。
かなりグロい殺傷シーンがあるのも共通。『鬼滅』は息子が低学年だったら見せるのに躊躇すると思う。

とはいえ、現実にも鬼がいる。

人を中傷しつづけ、ウソをばらまき、嫌悪と恐怖を煽ることで支持者の熱情を掻き立てて、とうとう暴徒にしてしまった指導者とか。


暴力をふるったり人を揶揄したり、集団で狼藉をはたらいて鬱憤を晴らすことに下劣な喜びを見出す人たちや。

6日の議事堂襲撃の際の、なんともひどい映像や画像が次々に明るみに出てきて、見るたびに心が沈む毎日ですが、そんななかでクーリエ・ジャポンに掲載された『アトランティック』誌のオバマ前大統領へのインタビュー記事(原文は去年11月のもの)の翻訳を読んで、まじで泣けてきました。

静かに号泣。

あんな小学生みたいな駄々っ子がヒーローになるとは…」オバマが斬る右派ポピュリズム | クーリエ・ジャポン]

『アトランティック』誌の元記事はこちら

「何が真実で何が虚偽であるかの区別もつかないようなら、定義上、言論の自由市場は成り立ちません。定義上、この国の民主主義も機能しません。私たちはいま認識論的な危機を迎えています」


そうですね。そして11月以来、それが驚くほどの勢いで加速している。




「あなたや私が育った時代、アメリカ文化に登場する古典的なヒーローといえばジョン・ウェインやゲーリー・クーパー、クリント・イーストウッドみたいな人たちでした。男らしさを定める行動規範があったんです。男は有言実行で責任をとり、愚痴を言わず、弱いものいじめをしない。むしろ、いじめっ子から弱い人たちを守るのが男でした。

だから、ポリティカル・コレクトネスに辟易している人たちでも、まさか金持ちのボンボン的な──愚痴とウソばかりで、責任なんて絶対とらない人間──をヒーローとみなすようになるとは思いませんでした」

……うん(涙)。
群衆に向かって「議会へ向かおう!」と焚きつけながら自分はホワイトハウスに隠れてテレビを見ていて、議事堂から議員が「なんとかしてくれ」と電話をかけても一切出なかったという、「親分」。自分の言動に責任をとったことが4年間一度もなかった。テレビに出れば自己憐憫と愚痴ばかり。

ほんとうに、日本でトランプを礼賛している人たちが「親分」の品性を正確に評価できず、崇拝していることが一番の謎です。言葉の壁の問題だけなのかな。



さらにオバマの言葉。

「私には変わらない信念があります。それは人類がもっと優しくなれる。もっとフェアになれる。もっと合理的になれる。もっと寛容になれるという信念です。そうなるのは必然ではありません。歴史は直線で動きません。でも、善意の人がそれなりの数集まり、このような価値観のために行動する覚悟さえあれば、物事は良い方向に変わっていくのです」


うう…(号泣)。炭治郎……。

こういう言葉で語れる人が大統領であった時代もあったのに。つい数年前に。 もう遠い昔になってしまいました。



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2021/01/11

はやくも桜が。


どんより空と雨の日が続くシアトル。日曜日は少し晴れ間が見えたので、バラード・ロックスの水門付近に散歩にいってきました。

古い橋と、長い長い貨物列車。


殺風景だけれどこの橋は趣きがあります。

この日は水門のほうには行かず、公園敷地内をちょろっと散歩。

これは米国陸軍工兵隊のシンボルです。かわいい。



この植木も工兵隊のシンボルのかたちに刈り込んである。植木屋さん頑張りましたね。



なんと、桜が咲いていました!
高いところにあってカメラが届かなかったので青年のiPhoneで撮ってもらったのですが、ピントが合ってないぞ。



こちらが全景です。この写真じゃまるで枯れ木にしか見えませんね。

見た目もぜんぜん華やかではないけれど、たしかに桜。

奥に見えるのは陸軍工兵隊の大佐が住む公邸です。



 ミツマタがもう咲いてました。シャワーヘッドみたい。
咲き始めでも、とても良い香り。

 

 

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2021/01/10

苔とロビン

ウィッチヘーゼルが咲き始めました。

今朝は深い霧。久しぶりに少しだけ長めの散歩。

6日の騒乱を見て以来、なんだか変なエネルギーが溜まってしまったのか、水曜日の夜にはお腹を壊して寝込み、調子が外れっぱなしです。
 

重い空気を感じます。んー、やだなー。



 ロビンたちが今日はかしましい。

もう早々と春の声で鳴いている子もいました。

 


これは去年の春、3月のロビンちゃん。

ロビンたちは一年中いるけれど、春になると独特のさえずりかたをするのです。

日本のうぐいすのように、春を告げる鳥。ピョロロッピョロロッと、透き通った声で、木のてっぺんでさえずります。

 


ご近所の素敵な苔の壁。

シアトルの古めの住宅街には、こういうロックガーデン的な石積みがよく見られます。
坂が多い土地ならでは、なのかも。

このあたりもゆるやかに坂になっているので、傾斜地に建っているお宅が多いのです。



苔の花。

緑と、鳥や動物にはほんとうに癒されます。きょうは頭の赤いハミングバードもいた。

お散歩中の犬とすれ違うだけで、癒やされる。犬たちってほんとに真っ直ぐないきものですね。




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