2018/07/21

天香久山




7月あたま、IJETのあとで、吉野〜熊野〜伊勢に行ってきました。


京都から近鉄電車で大和和木へ行き、そこからレンタカー。



2年前に和歌山の古い神社と高野山への旅を突然立案してくれ、なんだか突然幽遠な旅にみちびいてくれた美人通訳であり巫女のM嬢が今回も名古屋でのお仕事の途中を抜けてきて、吉野での一日につきあってくれました。



吉野で巫女M嬢と待ち合わせまでに1時間半ほどあったので、橿原でどこか1箇所行けそうなところは…と観光案内所でチェック。

ここにも当然、ご当地キャラクターがいる。人がよくてうっかり騙されやすそうな「こだいちゃん」と「藤原京時代の元気な肉食系女子・さららちゃん」だそうである。

藤原京時代の肉食系女子……。肉、食ってたんか。鹿肉か。

地図を見て、まっさきに目についたのは万葉集の歌で有名な「天香久山」!

持統天皇の

春過ぎて 夏来たるらし 白妙の 衣ほしたり 天の香具山

の、あの天香久山が、ここにあったのだった。

気づけばここは、万葉の舞台のどまんなかなのである!

案内所の方に聞いたらパーキングに車を停めて頂上まで1時間あれば行って帰ってこられますよとのことだったので、レンタカーを借りてすぐGO。

カーナビをたよりに、藤原宮跡をさくっと通り過ぎて、ついた!…はず!


 ………。これ…か?

「わたしが天香久山ですよ」というオーラをすごく放っているのですけど、でも…、それにしても…、低っ

葉山の森戸の裏の竹やぶ山の半分くらいしかない。

ほんとうにこれでいいのか?と何度もグーグルマップを確かめ、そして農家の間を縫っていくくねくねした道の先に進んでもよいものか、車がUターンできるだろうか…と無駄に悩むことしばし。昔、鎌倉の細道の奥に車で入り込んで転回できず大汗をかきながらバックで出てきた苦い記憶がよみがえりました。


 青い田んぼに囲まれた道でした。すこし進むと急にくねくね曲がりくねりはじめ、側溝があってバックで戻るのはつらい道。

天香久山に、住んでいる人がたくさんいるのです!

国立公園のような場所を想像していたので、このあまりにも世俗的な風景にもびっくり。

L字型になっている狭い道路をおっかなびっくり進んでいくと、原チャリに乗ったおじさんが民家から出てきたので、「あのー、天香久山はこちらでしょうか」と尋ねてみた。

そしたらこのおじさんがとっても親切で、「神社に行くならこのさきだよ!駐車場?えーとどこかなあ、ちょっとまってね」と、その家に戻って「おかーさん」に尋ねてくれ、さらにすぐ先の神社まで先導してくれて、「いいよここに停めちゃって!」と、急に大いなる権威を発揮して、狭い道で切り替えして神社の前に車を停めるのも手伝ってくれた。



鳥居の手前に停めさせていただいた、レンタカーのヴィッツちゃん。

小さいけれど古式ゆかしい、雰囲気のあるお社でした。

このおじさんによると、この山はすべて私有地なのだそうで、宮司さんはいないそう。

神話にも出てくる赤土(その赤土で「天の八十平瓮(やそひらか)」という器をつくって神事を行い、国の無事を祈るというのが古事記にあるそうです)を採取したといわれるのは「あっちの畑んとこらしいよ」と、古事記の時代と現代がオーバーラップする案内をしてくれました。

この木の皮で香具山の雄鹿の骨を焼いて吉凶を占ったといわれる「波波迦の木」にもしめ縄がありました。



久方の天香久山このゆふべ 霞たなひく 春立つらしも

という柿本人麻呂の歌碑がありました。



大和の大きな舞台をなす場所のはずですが、お社はどこかの無人駅のようにローキーなたたずまい。


そして一歩なかにはいると、蚊が、複数、ものすごい勢いで顔面を直撃。
ご挨拶もそこそこに失礼しました。

「もうちょっと勉強してから来なさい」と持統天皇に怒られたのかもしれません…。

おじさんに話を聞いているうちに、どうやら自分は山の反対側に来てしまっているらしい、ということに気づく。

別の駐車場に行ってそこから山頂をめざすには、もう時間が足りなくなってしまいました。

おじさんにお礼を言って車でもとの道に戻る途中、「月の誕生石 見学はこちら」という手書き看板があったので、なんだか知らないけどついでに行ってみる。

民家と畑の横を通って、茂った夏草をかきわけながら山の小道を数分歩いた先に「月の石」がありました。


古事記などに出てくる場所ではありませんが、この巨石から月が生まれたという民話があるそうです。

ちょっとだけ分け入ってみた天香久山は、夏草が生い茂ってなんとなくどろーんとした感じの丘でした。

藤原京…。奈良に移る前にあった都だというくらいの認識でしたが、平城京や平安京よりもさらに広かったのだそうですね。

藤原宮跡は、ちょっと広い運動公園くらいの大きさという印象だったけど。そしてあちこちに教科書で読んだ古墳がいっぱいある。

機会があったら今度はゆっくり頂上へ上ってみたい、でも夏ではなくて春か秋がいいです。


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2018/07/17

過眠ペンギンと紫蘇ジュース


シアトルはシアトルなりに猛暑なり。…でも、天国のように涼しく感じられます。
昨夜は暑くて寝苦しいくらいだったけど東京に比べたら(以下略) 。

旧友みもりんがくれた、ふざけたおみくじ。むかし駄菓子屋にあった「点取り占い」みたいだな。
出口かずみさんという人の絵本といっしょについていた。
とにかくよく寝てしまうペンギンの話の絵本。身につまされる。

「ちょっと横になるはずでも気付くと8時間ねている」どころか、きょうは気付くと9時間半寝ていた。飛行機でもあまり寝られなかったので時差ボケというより単に疲れていたのだとおもう。

よく寝て明日から通常運転に戻さなくてはー。


みもりんたちとの密談は、西荻窪の古民家カフェで。
いまどき流行りの丁寧なくらしの感じで。大賑わいでした。



綺麗な紫蘇ジュースが爽やかでした。



昭和中盤の杉並区を知る同年の友人たち。
汗を拭きながら、なくなったキャベツ畑の話や、むかしは畑に囲まれていた教会の隣に建ったマンションの話をした。

なくなった畑や雑木林の数、そして増えたエアコンの室外機の数をおもえば、今日の東京の暑さも不思議ではないのかもしれません。



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2018/07/16

深川不動尊、お茶漬け、カフェ犬、漱石先生墓所


本日シアトルに戻りました!涼しい!いやシアトルにしたらマックスに近いくらい暑いけど、東京に比べたら天と地です。だって散歩をしても全身汗まみれにならない。

さっき近所のスーパーに行ったらレジのおばちゃんが、あついからミニ扇風機を据え付けているのだと自慢したので「いや実は今日トーキョーから帰ってきたんだけどね…」と、昨日までの地獄の暑さをひとしきり自慢してきました。暑さマウントしてどうする。

そんな熱暑のトーキョーの最終日ちかく、にゃを美先生と訪ねた深川不動尊。
この写真だと人気がなく見えるけど、午後の不動尊はけっこう賑わっていました。


旧本堂の隣にあたらしいビルが(こっちが新しい本堂だそうです)完成してて、全体が梵字でおおわれている、斬新なデザイン。

ほかの場所だったら80年代ディスコのように見えてしまうであろう黒と金のカラーも、この場にはふさわしく、かっこよい。

不動尊のサイトによると、やはりこの梵字は不動明王の真言だそうです。


やさしい笑顔の童子さんが両脇に。
にゃを美先生はこの童子さんがことにお気に入りのようすでした。


午後3時のお護摩に参加しました。ここは1日に何度も護摩があり、祈祷を申し込まなくても誰でも参加できます。外国人観光客さんも何組か来てて、最前列に座ってました。

堂内はもちろん撮影禁止なので写真はないのだけど、ここのお護摩はすごい迫力です。

大太鼓が3基に、読経される僧侶の方は4人か5人。

それほど大きくないお堂のなかに響く、太鼓の威力がすごい。中心の太鼓をたたく僧侶の方の後ろ姿がまたかっこいいのです。

時間は40分ほど。最後に、若い僧侶の方が10分ほど、心のこもったお話をされていました。


そして前々から行きたかった、門前の角にある「近為」(きんため)のお茶漬け定食!

深川あさり茶漬けの定食にしました。お漬物がたくさん、鮭の西京焼き、切り干し大根の煮付けもついてくる。
お茶漬けのお湯はまんなかの釜から木杓ですくうシステム。

京都のお漬物やさんだけど、この江戸下町の門前町にぴったり溶け込んでます。
お茶漬け定食1650円はちょっと贅沢だけど、また来たくなる


その数軒先は、新しそうなオサレカフェ。

お向かいが仏具屋さんという絶妙なロケーションで、オーナーさんなのか近所のおじさんなのか、柴犬を連れたザ・下町という風情ある素敵おじさまが、縁台でカフェラテを飲みながら、道行く顔見知りさんたちに挨拶をしていた。


ご近所感がとてもステキなカフェ。昭和モダンふうのすっきりした内装もオシャレで
水出し珈琲もおいしかった。

この日は東京ではお盆の入りで、路地では迎え火をたいている家もありました。


お盆に合わせたというわけでもないのだけど、不動尊に行く前に、夏目漱石先生の墓所へもおまいりしてきました。

この次東京に行ったら行こうと思ってリストにあげてあったので、日傘、水筒、扇子で装備をかためて決行。

大塚駅から都電に乗って雑司が谷駅へ。


霊園は駅から1分。しかし入り口から漱石先生のお墓まで7分くらい。

そのあいだに推定200ミリリットル分くらい汗かいた。日傘をさしても、あちかった。


ありました!駅前の花屋で買ったリンドウを心ばかりのお供えに。

ミンミンゼミが啼いていた。
あちかった。お線香に火をつけるあいだにも、どぼどぼと音がするような滝汗がしたたる。


裏側。漱石先生と奥様の鏡子夫人(本名は清さん)、そして『硝子戸の中』だったかな、作品にも出てきた、幼くて亡くなってしまった娘さんの名が刻まれてました。

猛暑だけれど、青空は爽やかでした。


しかし、まぢであちかった。

東京および日本の暑いところにいらっしゃる皆様! どうぞ水分たくさんとって、残りの夏を乗り切ってくださいね!!


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2018/07/15

だんご虫のハンカチーフ


30代のころに女性雑誌のコラムかなにかに感化されて、大人だからハンカチは白の麻にしなくちゃと思ったことがあった。しばらく白いハンカチを使ってみたのだけれど、やっぱりどうにも自分のキャラには合わなかった。

よく考えたらわたくしは、『家庭画報』に出てくるマダムでもなく、タイトスカートのスーツを着こなすキャリアウーマンでもなく、要するにきちんと糊のきいた麻のハンカチが似合う女ではなかったのである。

どちらかというと間の抜けた、しかしどこか麻のハンカチとはまったく違うところに気合いのはいったハンカチを持っていると気分が上がる宿命なのであった。

そんな夢見るお花畑のおばちゃんホイホイのような雑貨店が吉祥寺にはたくさんあり、そのひとつでみつけた「挿絵画家Morita MiW 」さんと「楠橋紋織」さんのコラボハンカチーフに、まんまとやられてしまった。

なんだろうこの人好きだなあ。

ダンゴムシとアルマジロ、雷ちゃん、そしてコモドドラゴン。

お花畑にいるコモドドラゴンのハンカチは和歌山県か三重県のどこかでなくしてしまい、諦めきれなくて買い直したのです。

ああそして白桃。夢のような白桃を3つも食べて、これからシアトルに帰ります。


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2018/07/14

ここは熱帯


連日、関東地方は35度越え。華氏95度!ときくと、さらに驚く。

中国地方や四国にも甚大な被害があった先週の水害、この猛暑の中でライフラインが復旧しないところもあると聞きます。一日も早く落ち着いた生活に戻りますように。


しかしこの時期にこの東京でオリンピックをやろうとしているこの国は正気なのか。

64年の東京オリンピックは10月だったのですよね。
その時よりもずっと暑くなっているのに。

エアコン室外機の熱気と、アスファルトとコンクリートが輻射する熱。

外に出るとサウナに飛び込んだみたいにもわっとする。もはやここは熱帯地方。



お願いだから7・8月はアロハシャツを官公庁のオフィシャルウェアにしてほしい。
この暑さのなかで見るスーツは暑苦しい。

スーツは熱帯で着るものではありません。


10分も歩けば1リットルくらい汗をかく感じなので、2日で1キロ半くらい痩せた。

真夏の東京はデトックスにはよいかもしれません。



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台形


国立にある不思議なダイニング「台形」。

とても意味ありげなこの名前ですが、 台形の土地にたっているから台形。なのだそうです。


ご主人が世界各地や日本各地であつめているという、不思議な骨董品にかこまれたお店。


 壁には、古い護符や異国の家族の古い写真。

ところで大黒天というのはシヴァ神の化身だったんですねー。
印度では憤怒の神が、日本へ来ると打ち出の小槌を持った微笑みの神になるふしぎ。


マダムMが以前からとても気になっていたお店だそうです。
飾ってあるものも、食事に使ううつわもすべて骨董品で、売りもの。
江戸時代のものが多いようです。


七品のコースをいただきました。このディナーは金曜と土曜のみの営業。


食事はすべて奥様が一人で作っていらっしゃる。

『舟を編む』にでてくる、宮崎あおいちゃん演じる美人板前の香具矢さんみたい。白いシャツの似合う、すきとおった感じのかわいいシェフさんでした。


本日は貸し切り。小さな店なので、予約は一度にひと組かふた組しか取らないそうです。

ドアの内側に、なにか生えている。


古い染め付けの、修理してあるお皿ででてくる、「美生柑」、りんご、ズッキーニ、生ハムのサラダ。

 銅のおなべで登場、海老のグラタン仕立て。


ヨーグルトと酒粕のデザート。ふんわりした優しい味でした。

紅茶のカップは、向付のための器だそうです!これも江戸のもの。
どこかの小さなお大名のお食事に使われたのかもしれませんね。


最初に目についてとても気になったステキな不動明王。これは江戸時代の版木だそうで、きっと護符を刷るためのもの。

ちょっと棟方志功ふうの、素朴で温かい明王さんです。

こんなに優しい顔のお不動さんは見たことないと思う。
マダムMは悩んでいました。買っちゃいなよ!


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セーラー服おじさんにお会いしてきました


セーラー服おじさんにお会いしてきましたー。 


待ち合わせ場所は中野駅。
平日のお仕事帰りなので「B面」(サラリーマン姿)で登場かと思ったら「A面」(ごらんの服装)で改札にご登場されたので、同行のマダムMともども大騒ぎ。

途中、カラオケボックスで着替えてくださったそうで、着替えのはいったスーツケースをゴロゴロ引いてきてくださいました。



マダムともども超ハッピー。ありがとうございましたー!!



まずは焼き鳥屋さんにて。もつ煮込み、つくね、焼き鳥その他。

本業の学会にもこの格好で参加するので、会社(一部上場の大企業です)の経費で落とせないのだそうで…!しかしその上、このコスチュームで質問などをするため、登壇者にも非常にインパクトが強く、よく覚えてもらえるから、ちょっと普通ではコネクションがつかないような講演者の方ともつながったりするんだそうな。


道を歩いている途中でも、お店でも、何度も「写真を撮らせてください」と呼び止められる。
カバンについたしっぽとかピンクの腕時計とか、ディテール!
ハイソックスが似合いすぎ。


中野北口の奥に、こんな迷路のような飲み屋街がくねくね続いているなんて知らなかった。


2軒めは「坊主バー」。
カウンターにはお線香が燃えてました。カウンターに入ってらっしゃったのは浄土真宗の僧侶の方。今回、セーラー服おじさんと懇談していたため直接お話はできなかったけど。

 そしてこのバーが入っているビル「ワールド会館」がまたすごくて。


 ポストモダンなデザイン……なのか、非常に斬新なビルである。
むかしはホテルもやっていたらしく「ホテル入口」の看板が残っている。
アニソンカラオケとか坊主バーとかが入居してて、「攻殻機動隊」か『ブレードランナー』に出てきそうなカオス感。

こちらをいただきました。

 抹茶の入ったカクテルです。
マドラーを置くのは金剛杵。


お店にあった、ちょっと変わった曼荼羅。たしかネパールのだそうです。

デジタルクリエイターズのコラムに書かれてるとおりの知的な方で、最近いちばん面白いと思う、「意識について」の話などもっと聞きたかった。

セーラー服おじさんに「悩みはない」そうです。

私もこのところ、いわゆる悩むことに時間を使うのは気づいたら瞬殺でなるべくやめるようにしています。

自分のしたいことを考えていると、悩んでいる時間がもったいなくなってくるのですよね。

しかしあいかわらず欲は深いので煩悩はなくなりません。
日本にいると物欲が毎日炸裂しっぱなし。

滞在はあと数日。昨日は買ってしまった書籍を船便で送りました。その重さ8キロ。
送料約5000円なり。

でもまだ日本からだと船便があるので助かる。(米国から日本への船便はもうずいぶん前になくなってしまった)
郵便局の人がすっごく親切に手伝ってくれて、送料が次のレベルにいかないよう、8キロちょっきりに荷物を作ってくれました。

前回は運び屋(息子)がいたのでラクだったなー。お魚ロースターも手荷物で持たせられたし。


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