2021/10/14

犬のいる市場とIKEAのプライバシー


ホノルルにお住まいの波乗り翻訳者、えりぴょんがまた弾丸で遊びにきました。

ホノルル発シアトル着が日曜朝8時。翌月曜日の朝にまたホノルルに向けて旅立つという、ほんものの弾丸スケジュール。元気だなあ。

今回はライトレールで、できたてほやほやの(路線が伸びて、今月開業したばかり!)University District駅まで来ていただき、そこでピックアップしてファーマーズマーケットへ。

…という、水も漏らさぬスケジュールのはずが、とんでもなく寝過ごしてしまい、新駅に放置してしまうというハプニングが。もちろんそんな吹きさらしのところでダラダラ待って時間を無駄にするようなえりぴょんではありません。カフェを見つけてちゃんと朝ごはんを食べていてくれた。よかった。

バラードのファーマーズマーケット、寒くて、雨がときどきパラパラと降ってくる空模様だったにもかかわらず、かなりの人出でした。ここに関しては完全にコロナ前に戻った感じ。


あいかわらず、犬連れ率の多いバラード。


明るい黄色が目を惹いたオシャレファミリー。



今回は冒頭のシシトウを買いました。赤いシシトウははじめて見た。すごく辛いのかと思ったら、緑のよりも甘みがありました。

そして大型かぼちゃ。ファーマーズマーケットの野菜は普通のスーパーよりも高めだけれど、たまにとてもおまけしてくれることがあります。2キロ近くあるずっしりしたかぼちゃ、まるごと1個が3ドルだった。これは激安。 


花屋さんはまだダリアでいっぱいでした。


午後からはIKEAへ。コロナ禍以来初めてです。

久しぶりなので二人とも興奮して、すみずみまで見てまわり、えりぴょんはソファやテーブルを眺めながら「ホノルルに持って帰れたらなー」と遠い目に。

リネン類、タオル、紙ナプキン、ローソク、コケモモのジャム、はさみ、リントローラーなど、なんだかんだと小物を袋にいっぱい買ってしまいました。


トイレの個室のドアについていた「THE PRIVACY COVER」(プライバシーカバー)。

アメリカのトイレの個室というのは、犯罪防止のため足元30センチばかりが開いていて、なかに座っている人がどんな靴を履いているのか観察できます。そのうえ、故意にかどうかはわからないけれど、扉の隙間がたいてい1センチ前後開いていて、見たくなくても中の人がチラリと見えてしまうこともあるのです。

このカバーは、そのようなドアの隙間をふさぐもの。こんなの初めて見た。さいきん出かけないので、こういうのが普及しているのか、IKEAならではなのかわかりませんが。



当然カフェへ。日曜の夕方のことで、長い行列ができていました。

コケモモのジャムとマッシュポテトとサラダを添えた「プラントボール」(偽肉ボール)、マカロニ&チーズ、コケモモのドリンク。

IKEAに通って12年。(シアトルに引っ越してきてすぐ、ベッドを買いに来て以来、お世話になっています。)わたし、「リンゴンベリー」がコケモモのことだと、なんと初めて知りました。

コケモモって、『やかまし村』シリーズによく出てきたよね、と、同年代のえりぴょんと思い出話。

リンドグレーン作の『やかまし村』シリーズは、スウェーデンの小さな集落に住む子どもたちの、四季の自然にかこまれた生活を描いたお話で、小学校時代、超お気に入り本でした。このシリーズ3冊の単行本は今も持っています。子どもの時からずっと持っている唯一の本かもしれません。

そういえば、小中学生のとき、インテリア雑誌で見るIKEAのデザインにもはげしく憧れていたなあ、と思い出しました。当時は、こういう大衆プライスの大型店とは思わず、高級なブランドなんだと思っていましたが。

IKEAのあとは、マーサーアイランドのP邸にもちょこっとお邪魔し、ねこたちやアライグマにも対面。久々のおしゃべりが楽しかった1日でした。


 

 

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2021/10/13

甘い香りの木といえば


急に寒くなったシアトル。今朝は6度C! 急に温度が下がったので、今年は紅葉の色がひときわ鮮やかな気がします。


桂の木の葉も甘い香りになってきました。

関東ではあまり見かけなかったけれど、学校の近くの井の頭公園に大きな木が数本あって、この丸いかたちの葉が散ると、その木立ちのところだけ黄色の葉が散り敷いてぱっと明るくなって、なんとはなしにほかとは違う空気になるので、大好きな場所でした。葉の形も好きだった。

でもかなり大きな木だったからか、そのときは香りには気づきませんでした。



桂の木の葉の香りに気づいてびっくりしたのは、シアトルに引っ越してきてから。

近所にも桂の木がたくさん植えられていて、散歩中にふっと甘い綿菓子のような香りが漂ってくるのに気づいて、CTちゃんと一緒に、いったいこれは何だろうと不思議がっていたのでした。

北海道では街なかによくある木なので、北海道民には懐かしい香りだそうですが。

ライラックといい、シアトルの庭木や街路樹は北海道の街のにラインナップが似ているんですね。

原産は日本と中国で、英語名も日本語と同じkatsura。「香りが出づる」が語源だという説もあるそうです。へー。

 


 

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2021/10/12

「アンノン族」の時代から来た言葉


なんだかわからないけれどとても綺麗な赤い実。なんだろう。秋の色は本当に鮮やかで目が驚きます。

断捨離をじわじわと進めていますが、本棚はほぼ、アンタッチャブル。

とくに海外にいると、読みたい本があればいつでもBook Offやツタヤに行って買うというわけにもいかないので、日本に行くたびにいったいいつ読むんだと自分でもツッコミをいれるほど本を買い込み、「いつか読みたくなるときのために」ため込んでいました。

引っ越しなどの機会があるごとに、かなりバッサリと本を処分してきたけれど、やがてまた積もるように積ん読本がたまり、棚からあふれていきます。

しまっておいても「いつか着る」機会がやってくることはほぼない服とは違って、本の場合には「いつか読みたくなるとき」が実際にとつぜん巡ってくることがあるので、断捨離の原則はやっぱり本には当てはまりません。

先日はアシモフの『ファウンデーション』が本棚にあって本当によかったなと思ったし、今はなぜかドストエフスキーの『罪と罰』を生まれて初めて読んでいます。『罪と罰』は、きっと10年くらい前に、いつか読みたくなるはずだと思って買ってきたんだと思う。決してそれほど読書家ではないのに、本を持っているのが好き。

頻繁に読み返す本は多くないけれど、本棚に置いておきたいと感じる本の中には、なにか自分に必要なものが確実に潜んでいるようです。

この熊井明子さんのエッセイ集もそんな本のひとつでしたが、つい最近読み返してみて、いろいろと驚くことがありました。



熊井明子さんは、映画監督の故・熊井啓さんの奥様で、1970年代はじめ頃からエッセイストとして活躍されている方です。

わたしは小学生のときから、『私の部屋』という雑誌に連載されていた熊井さんのエッセイの大ファンでした。

『夢もようのタピスリー』は、1977年から79年に雑誌「ノンノ」に連載されていたエッセイを集めたものです。

「アンノン族」という言葉がはやったころ。

「ノンノ」や「an・an」などの記事にインスパイアされて、ロマンチックな風景を求めて旅に出る若い女性たちが爆増して、「アンノン族」と呼ばれたのでした。そのお嬢さんたちの需要にこたえて、軽井沢や清里をはじめ、日本のあちこちの観光地がメルヘンな町並みに変わってしまうほどのパワーがあったころでした。

熊井さんご自身は1940年うまれ。うちの母とほぼ同じ、戦後第一世代。小学校のはじめから、戦後に一新された教育を受けた最初の世代ですね。

1970年代には30代だった熊井さんは、アンノン族ジェネレーションの若い女性の読者にむけて、ときにピリっと厳しい率直なアドバイスをまじえつつ、想像力をはたらかせ、美しいものを追い求めて、自由にのびのびと生きるように励ましています。

思うように物事が運ばないとき、若い女性は占いや人の意見に頼りがちだが、「それではいつまでたっても大人になれない。人は皆、目に見えないところえで多くの人に支えられて生きているのだが、そのことを謙虚に認めた上で、できる限り、自力で解決すべきではないだろうか。………それには、強い意思を持つと同時に、ちょっと心を遊ばせる術を知っているといいと思う。そうすることによってゆとりが生まれ、また違った眼でものごとを見られるようになり、エネルギーもわいてくる。花とか香りとか詩歌といった、リアリストに言わせると『無駄なもの、贅沢なもの』が役立つのは、そんなときだ」。


熊井さんは信州・松本のご出身です。「私の部屋」に連載されていたエッセイでも、松本の風物やお店のことをよく話題にされていて、子どもの私はそれを読んで、洗練された街なのだろうなあ、と、松本に憧れていました。

エッセイにときどき登場していた松本のフランス料理店「鯛萬」は、いまだに未踏、いまだに憧れ。

いま、この70年代後半に書かれたエッセイを読むと、戦後の松本という文化的な都市の、教養と品格のある落ち着いた中流家庭で大切に育てられた聡明で才能ある女性の姿がくっきり見えます。

ポプリ、猫、赤毛のアン、といったキーワードが並び、繊細で美しいものへの賛辞が詩的な言葉でつづられてはいても、熊井さんの文章はけっして「ゆるふわ」ではなく、きりっとした意思の強さと筋の通った見識に貫かれています。

極端に個性的なところはなく、全体におっとり控えめなのに、とても印象に残る。

詩でも人物でも香水でも、紹介するものへの心からの愛情と、快いもの、美しいものへの情熱とが、それこそ香り立つように感じられるうえに、生きる姿勢がしっかりしていて、あくまでも明るくポジティブで心優しい。

熊井さんのエッセイを通して知ったものや好奇心を刺激されたことがいかに多かったかに、今回読み直してみて、改めて驚きました。

そして、香り、文学の言葉、紅茶やコーヒー、食べもの、映画などの楽しみ方についても、ずいぶんたくさんのことを熊井さんの文章から学んだのだった、と気づきました。




驚いたのは、ポートランドの書店で見つけて読んで気に入り、あまりに好きすぎていくつかの章を勝手に翻訳したうえ、シノプシスもつくったことのある『クロス・クリーク』が、このエッセイ集のなかで言及されていること。

「物語の中のお料理を追って」と題されたエッセイに紹介されているのは、『クロス・クリーク』に出てくる料理があまりにもおいしそうなので、レシピを問い合わせるために著者に連絡をしようとし、アメリカ文化センターに問い合わせたらもう著者が亡くなっていることを知り意気消沈したけれど、『クロス・クリーク』に出てくる料理を集めた料理本を偶然洋書店で見つけて驚喜し、さっそく「カニのニューブルグ」を作ってみたけれど、期待したような味ではなかった…というエピソードでした。

(ウィキペディアもAmazonもない時代には、情報はこれほどゆっくりと世界をめぐっていたのだ、ということにもあらためて驚きます)

たしかに私はこのエッセイを昔読んだことがあるようです。でも、『クロス・クリーク』の原書を読んでいるときにも、シノプシスを書いたときにも、そのことを完全に忘れていた。

自分の記憶力の悪さはいまさら驚くまでもないのだけれど、もしかすると、このエッセイで読んだ内容が意識にのぼらない記憶のどこかに書き込まれていて、それもあって『クロス・クリーク』の原書を手にしたときに心惹かれたのかもしれません。
そう思うと、意識の下の記憶(のようなもの)に自分が動かされていくことの不思議に打たれます。

もうひとつ驚いたのは、葛原妙子の短歌が紹介されていたこと。

つい2年ほどに初めて歌集の一部を読んで衝撃を受けて以来、葛原妙子は大好きな歌人のひとりになったのですが、それまで「ぜんぜん知らない」歌人だった、と思っていました。でも実はここで読んでいたとは。深尾須磨子の名前は熊井さんのエッセイに頻繁に出てくるので覚えていたけれど、葛原妙子は記憶に残っていなかった。


その後の人生で真正面から出会うものの多くに、熊井さんのエッセイですでに紹介を受けていたとは、恐ろしいような気もするし、やはりそうなのか、という気もします。



この本そのものは、若いときからずっと大事に持っていたものではなくて、多分数年前にどこかの古書店で買ったもの、だと思うのだけれど、いつどこで買ったのか、日本だったかこちらの古本市だったかも覚えていない。

そして、はるか昔、この本を読んだのはいつだったか。中学の頃に図書館で借りたのか、もっとあとに自分で買って持っていたのか、はっきりと記憶には残っていません。

あまりにも朦朧とした記憶力に自分でもあ然としつつ、不思議な縁をむすんでくれた旧友のような本との再会に感謝です。こんどはホノルルの波乗り翻訳者えりぴょんのところへお嫁に送り出しました。


 

 

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2021/10/07

丘の上の巨大猫


今日も快晴で爽やかな一日でした。

ハロウィンが近いので、近所の家の前にはかぼちゃや蜘蛛や墓石やガイコツが飾られています。

丘の上のフィニーリッジに散歩に行ったら、巨大ねこがいました。



でかっ。

そして、あちこちで、リンゴやブドウや梨やイチジクなど、いろんな果物や木の実がたわわに実ってます。



 これはマルメロかな?

たわわに実っているのに放置されている木がほとんどで、収穫のお手伝いを申し出ようかと思うほど…。


モミジの赤はやっぱり青空に映えます。毎日色が変わっていくのが楽しみです。



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配慮に欠く表現


 シアトル・ダウンタウンにできた、新しいビル、レーニア・スクエア・タワー

ミノル・ヤマサキの設計した、棒つきアイスみたいな形をした「レーニア・タワー」(1974年完成)と呼応する、末広がりなデザイン。

全面ガラス張りの外壁にアクセントが配されていて、遠くから見ると編んだ籠のように見える表面のデザインも面白く、空を映して品よくキレイです。

「こんなビルができるんだって」というブログ記事を書いていたのが5年半前、2016年でした。

トランプ以前の時代です。

この5年のあいだに、世間にもわたしにもずいぶんいろいろあって、世界はいろいろ激変しました。世の中は、目に見えている以上に、ものすごく変わったと思います。たった5年で。

そして5年たてば、以前は影も形もなかった58階建てのビルが完成していたりもする。

 

2016年の段階では2019年完成予定といわれてましたが、結局オフィスと住居のテナントが入居開始したのはつい先月だそうです。

オフィスの一部にはAmazonが入居するはずだったのが、とりやめになったそうな。

オフィスビル需要、コロナのあと、どうなるんでしょうねー。

まだまだ、シアトルのダウンタウンの真ん中は人影がなく、オフィスビルは静まり返ってひと気がない感じです。新しく完成したのも古くからのも。

AmazonもAppleもまだほぼ全社リモート勤務が続いているそうです。

うちの青年の勤務先も、まだ役員以外は全社リモート勤務。9月にはボストンでのオンサイト勤務を再開するはずが、11月に延期され、さらに来年1月に延期されました。

日本の会社では、かなりオンサイト勤務が戻っているのでしょうか。

一昨日、Twitterで品川駅の構内に掲示された広告の写真が炎上していて、それにも驚いたのだけど、それに加えて、ふつうに出社の人がこれだけいるんだ?というのも意外に感じました。


もちろんコロナ以前のラッシュ時はこんなものではなかったとはいえ。

 

「今日の仕事は楽しみですか。」

この広告が大炎上して、「サラリーマンの心を折る」と批判にさらされ、たった1日で取り下げることになったそうです。


Yahoo!ニュースにも取り上げられて、話題作りとしては大成功でしょうけれども、この広告を作って出したプラットフォーム&メディア企業が「ブランドメッセージにおいて、当駅利用者の方々への配慮に欠く表現となっておりましたことを心よりお詫び申し上げます」
というお詫びをしているのに、またびっくり。
 

「配慮に欠く表現」というのも、この5年くらいというもの、いろいろな意味で注目された考えでした。

「配慮に欠いていたことをお詫びする」とは、つまり、自分の言動が誰か特定の人をいちじるしく傷つけていることに思い至らなかったこと、その人たちの体験に対して想像力が働いていなかったこと、自分が無自覚により精神的な暴力をふるっていたことに気づき、そのことを詫びる、という意味です。

以前は当然のこととして見過ごされていた他人種・他民族・マイノリティへのあからさまな差別表現がいろいろな場面で見直されるようになったのも、ここ最近のことです。そういった見直しを快く思わない人たちからの反発も、当然ながら目にすることが多かった数年間でした。

でもこの広告主がこういう形で「お詫び」するのはどうなん?というか、本当にそう思ってるのかな、と疑問に思います。しかもブランドメッセージという、基本姿勢を示すべき場で。

そもそも、この広告は、どんな狙いで誰になんのメッセージを届けたかったのか。

「仕事は楽しいですか」

という問いは、生き方を問うています。それは、
<毎日仕事が楽しいと感じるのが人間の生活であるべきだと私たちは考えていますけれども>
という前提があっての問いのはず。

そしてそれは、
<楽しくないなら、あなたの毎日は何かがちょっとおかしいんじゃないですか?>
という挑戦をはらんだ問いでもあるはず。

これが広告である以上、
<うちのサービスを使えば、そのおかしい現状を是正して、仕事が楽しい毎日にシフトできますよ>
というメッセージがその後ろにあるはずだと、ふつうは読める。

そしてこの挑戦は、
<この広告ターゲットである、品川駅を歩いている人たちは、このメッセージを受け止め、理解し、あるいはショックを受けて、自分の生き方を変える力のある人々である>
ということを前提としていないのであれば、単なる嫌がらせになってしまう。

「アートは人を傷つけるものだ」と、社会学者の宮台真司さんがどこかで(批判が殺到して話題になった愛知のトリエンナーレについて)言っていたけれど、広告コピーもしかりで、インパクトの強いメッセージは、人を傷つけるものです。

そして送り手の側がそのことに自覚的でなければ、アートであっても広告であってもまったく成り立たないはずですよね。

自分のメッセージがどのような人々にどのような効果を与えるかということに自覚的でないなら、アーティストもコピーライターも送り手として資格がないことになります。

わたしは、この上の写真を最初に見たとき、なかなか秀逸な広告コピーだな、と思いました。

だけど、このコピーを見て、楽しいわけがないだろう、上から目線でイラつく、何が言いたいんだか意味不明、と反応する人たちがかなりの数にのぼることを知って、そのことに衝撃を受けました。

日本がもっともっと元気だったバブルの時代、80年代〜90年代前半の東京で同じコピーが同じように掲示されていても、絶対に炎上などしなかったと思います。
当時はもっと過激な挑戦的なコピーがたくさんあったと思うし。

この広告への反応は、いまの日本がいかに弱っているかを、まざまざと示してしまったようです。

日本が一番浮かれていたころに、井上陽水が「みなさん、お元気ですかぁ〜〜〜」と呼びかけるCMがあったんですが、あれも今やったら「元気なわけねえだろう(怒)」「おめえ何様」って炎上するのかも。

このプラットフォーム&メディア企業は、日本のオーディエンスがいかに追いつめられてイライラしているのかを見切れていなかったのか、それとも、もしかして意図的にそういうストーリーを作りたかったのか、どっちなんだろう。

いずれにしても、
<うちのサービスを使えば、そのおかしい現状を是正して、仕事が楽しい毎日にシフトできますよ>
なんていう提案を届けるにはいたらず、ただ疲れている人たちを言葉で殴ったうえに、謝って逃げることになってしまった。

謝るくらいなら最初から殴るなよ!と思うのだけど。
殴るんだったら最後まで、矢面に立ってその理由をきちんと説明する姿勢が見たいです。

「配慮に欠く表現でした」という曖昧な言い方は、逆にオーディエンス、または批判している人たちを見くびっているように感じます。

「傷ついた」という批判に対しての答えを持つということは、ほかの人の経験への想像力を持ち、そのうえ自分の立場を明確に説明できること。

言葉は暴力になるということをよく自覚して、自分の言葉にどんな意図があるのか、個人のレベルでもちゃんと考えなくては、と思わされます。

 


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2021/10/05

握られている!


もうすでに花がいっぱいのところに、またまたダリアの大きなブーケをいただきました!

ジェニファーちゃんが買ってきてくれた。ダリア園を営む花屋さんからだそうですが、ユーカリやガマっぽい穂もくみあわせたオシャレな花束。

花瓶がこんなジェネリックなのしかなくて残念。美しい白磁か有田焼かなんかの豪華な花瓶に活けてあげたい。



でも午後の日差しを浴びて、うちのワークスペースがまあなんと豪華に。

 



きょうは引き続き仕事中で散歩もなかなかままならないのですが(起きてくるのが遅いからね)、リビングも秋の色だし(積ん読本が散乱してますが)、ここに金木犀の香りが漂っていて、うちにいるだけでも引き続き幸せこの上なし。

いまのプロジェクトはあともうちょっとで終わりです。最後のスパート。
翻訳の仕事は、大きめのプロジェクトが終わったときの解放感がなによりも嬉しいかもしれませんw 

ところで今朝起きたら、Facebookとインスタグラムとワッツアップが世界同時に全面ダウンしているというのでびっくりしました。いったい何があったよ!

数時間で復旧したみたいですけど、うちではザッカーバーグの仕業だという説が有力……。
あやしいよ!

それにしても、私企業に生活のかなりの部分をいろいろとがっつり握られていることに、あらためて気づきますねー。GAFAとついでにLINEがそろっておやすみしたら、ほんとに生活が機能しなくなるですよ。

 


きょうのサラダ、青年の作。いい感じに熟したプラムとゴーダチーズ。
ゴーダは果物に合いますね。



 

 

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2021/10/04

今年も金木犀&鶏めし弁当


今年も、金木犀の枝をいただきました。なんて幸せ〜〜〜!

猫ママにして陶芸家、そして緑の指をもつにゃを子さんがカークランド某所で丹精されているお庭の木が、今年はたくさん花をつけたようです。ファビュラス〜!!


うちの小さなリビングがいま、極楽の香り。

香りって、思い出そうと思ってもなかなか復元できるものではないけれど、かいだ途端によみがえる。不思議なものですね。






今週はやや人並みに仕事をしてる自分をねぎらうために、土曜日はこずも食堂さんの鶏めし弁当を注文!

栗に、オクラに、白あえに、かぼちゃに、牛肉に、お漬物、しいたけ、飛竜頭、その他いろいろ、細やかな品目がちりばめられた秋の錦のようなお弁当。

東京駅から新幹線に乗り込んだつもりで。ひととき行楽列車の妄想をたのしみつつ。

青年のために大容量唐揚げも注文しました。うまうまです。

特製おからのケーキもふわんふわんで、しっとり上品な味。美味しかった〜。





今週末は眠いうえに仕事がたてこんで、起きてる時間は(短い)デスクにむかってる感じですが、うちじゅうに秋の花があって豪華で癒されまくりです。



 

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