2021/09/03

9月のダリア


いやはや9月ですね。

東には嵐と洪水、西には山火事。ニューヨークの地下鉄に水が流れ込む光景にも驚きました。文明ってなんてはかないんでしょうか。


祈るばかりです。



今週はちょっと人並みに忙しかった。
でも家から出ずに仕事ができて、賢い人たちと仕事でつながれるのは幸せです。
相変わらず自分のへっぽこぶりを確認しつつの。


日曜日はバラードのファーマーズマーケットへ花を買いに長めの散歩。

快晴の日曜日、かなり密でした。シアトルはワクチン接種率高いけど、約7割くらいの人がマスク着用。


今週も地元のダリア。
店じまいの直前だったからか、これで6ドル!という激安価格でした。





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2021/08/27

攻撃性を手ばなす。ラクダ、不思議なゾウ、元オウム真理教のあの人

 

これも先月、シアトルに遊びに来てくれた友人たちと、アジア美術館に行ったときのです。
入り口のラクダ君。

新装オープンしてから行ったのは2回め。


このたび目を惹かれたのは、この白ゾウたちでした。
牙が3連です!!
口のなかがいったいどういうことになっているのか…。しかし目がとても優しく表情豊かに描かれていますね。耳もとても不思議な形状で、柔らかそうです。



たしか日本の江戸時代の掛け軸で、文殊菩薩?をのせている象たち。

ゾウたちは花の上に立っている。一種の曼荼羅だったとおもいます。
(うろ覚えごめんなさい!メモってこなかった)

そして象たちの下には!


さらにミニチュアな象たちがぎっしりと、世界を支えているのです。

密!!


こんなにぎっしりいるとゾウでなくても怖いけど、みんなニコニコしていて楽しそう。

 


このお仏像の右手、奥のほうに飾られているのが全体図です。

美術館はやっぱりほんとに楽しいです。


 数日前に、波乗り翻訳者えりぴょんが面白い動画を紹介してくれました。

 もとオウム真理教のスポークスマンだった上祐史浩さんの、最近のインタビュー動画。

(リンクがここのブロガーの中からはうまく見つからないので、検索してみてね)

 インタビュアーはサリン事件のとき小学生だった世代の人で、あまり事件についてもよく知らず、素人っぽいのだけれど、上祐さんが淡々と語る姿勢に、心動かされました。

わたしはこの人、死刑になったオウム幹部たちの中にいたのかとぼんやり思ってました。

1995年、地下鉄サリン事件の後しばらくは、テレビをつければパジャマみたいな奇妙な服を着てこの人が喋っていたのを覚えてます。うちの青年が生まれた年でした。

上祐氏は、地下鉄サリン事件のあったときにはずっとロシアにいて事件にはかかわっていなかったものの、事件後半年ほどは教団のスポークスマンとして、教団を代表し、擁護する立場だった人。その後サリンとは関係のない件で逮捕され、4年服役していたあいだに、麻原彰晃の教えから徐々に離れることができたそうです。

それまでは、本当に麻原のいう「ハルマゲドン」が来ると信じていたけれど、世紀が変わろうとしても予言はひとつも実現しないし、教祖も逮捕されてしまった。その中で、麻原の妄想は、「日本の過去の暗部である大日本帝国のリバイバル、拡大投影だったのではないか」と思い至るようになったと言ってました。

そして、今年アメリカで起きたトランプ支持者による議事堂の襲撃事件や、トランプが自分が選挙に負けたことを陰謀だと言い張っていることが、末期のオウム真理教に重なって見えることを危惧している、とも。

 

トランプ支持者やQアノンの言説の方向が、まったくもって麻原の妄想に重なって見える、という言葉は、まさに凶暴化してしまったカルトの渦中にいた人の言葉として、とても重い。

麻原彰晃も、当然勝つつもりで選挙に立候補したものの、ことごとく落選して、それを世の中の陰謀だと言い張り、そのへんから暴走が始まったようです。

わたしその頃、麻原が立候補した選挙区である杉並区に住んでいて、よく荻窪駅や阿佐ヶ谷駅の前で、ゾウのお面をかぶった信徒たちが「ショーコーショーコー♪アサハラショーコー」と踊りながら歌っている選挙活動を目撃したことがあります。

そのころは単に笑いものにしていたけれど。

 


 

上祐さんは、いまだに麻原の教えを信奉する教団「アレフ」とは決裂して、現在は宗教団体ではない仏教サークルのような団体の代表をつとめ、サリン事件の被害者団体とのあいだで取り決めた賠償金を支払い続け、「アレフ」を脱退したいと悩む信者の相談にも乗っているという。

20代前半のころ、JAXAの前身であった宇宙開発事業団に就職していたのに、出家したために1か月で辞め、結局は教祖の妄想に巻き込まれて犯罪の片棒をかつぐことになり、多数の死傷者を出した大事件の責任の一端を担って、つぐないつづける人生。 

そうでなければ、いまごろ「はやぶさ」の開発に携わったり、まっとうに家庭を持っていたりしたかもしれないのに。

テレビ番組に出たときにコメンテーターから「あなたは自殺してしかるべきだ」と言われたという。

他人に対してそういうことが言える神経はちょっとよくわからないけれど、上祐氏は、「その人は、もし自分が私の立場なら死んでいただろうと考えたのかもしれませんね」と淡々という。

ああこの人は、過去とも自分の現在とも、きちんと向き合い続けているのだな、と思わされました。今目の前のことに真摯に取り組んでいるのだろうし、だから表情が穏やかです。

遺族の方や被害者の方の中には、とても許せないという人も多いと思うけれど。
罪を犯した人には悔やみ続けてほしい、心の平和など持たないでほしい、と憎み続けている人がいたとしたら、その心こそ地獄ですよね。

自分で選んだというよりも、流されるようなかたちでいつの間に大きな間違いを起こしていたなかで、心静かに「胸を張るというのではないけれど、死なずに生きることを選ぶのだったらこれしかできない」という生き方を淡々としている。

瞑想と、自然の中に行くことで心が癒やされていると言っていました。

20代のころに教祖の妄想に巻き込まれたのは、やはり自分が特別でありたい、充足したい、秀でたい、超越したい、という欲望を持っていたからこそであり、そのことがつまづきになったことをよく見つめて、自分を麻原の被害者にしていないこと、責任を負っていることが心の平和をもたらしているのだろうなと、勝手に思いました。

身近な人を見ていても、トランプ周辺の支持者や陰謀論者を見ていても、自分が被害者だと思っている人は、絶対に幸せになれないし、攻撃の連鎖をやめられないんですよね。

わたし自身、いまも、攻撃性が心のなかにたくさん巣食っているのを発見して唖然とすることがあります。
けっこう毎日あります。
もう無いだろうと思った瞬間に見つかります。

怒りや攻撃性はヒューマンネイチャーだしそれは有効に使うべきエネルギーだっていう論もあるけれど、人類の歴史でそれを野放しにしていままでろくなことは起きてこなかったので、もうそろそろ人類的にもそれを別の方向から考えて手放すときに来てるのかも。

人類的にどうしたらいいのかはわたしの手には余るので、とりあえず個人的にさっさと手放す実験を死ぬまでつづけていきたいと思っています。

と、思っていたところにタイムリーに上祐さんの動画がやって来たので、うんうん、そうですよね、と思いました。


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2021/08/26

今週のトレーダージョーズさん:干さなくてもよかったのに


うちの温室。うそです。ボランティア・パークにあるグリーンハウス。先月、友人たちが遊びに来てくれたときに行ってみたら閉まってて残念でした。

あれからもうひと月経つんだ! 早いー。まもなく8月も終わってしまいますね。


こちらがうちの植物。
今年の夏は出張も旅行もないので、せめて花でも植えようと、ハチドリの好みそうな花の苗を買ってきて植えたら、まんまと来てくれました。

まだ一度しか見てないけど、建て込んだせせこましいベランダにハミングバード。




先週買ったやつです。「ウォーターメロン・ジャーキー」つまり西瓜ジャーキー。
ええ、スイカです。スイカの干物。

つぎつぎにあらわれては消えてゆくトレジョの新製品のなかでも、不思議度では間違いなく群を抜いているかと思われます。

 ごらんのように、見た目は、まさにジャーキー。色は鮮やかな赤をとどめて、肉々しい外見です。

でもさわると、とてもべたべた。手にくっつく。3枚ずつぴったりくっついて一心同体化しており、無理やり引き離そうとしても容易に離れません。

そして味と食感は、べとべとするヌガー的ななにか。スイカっていわれれば、まあスイカの香りがしないでもない。




袋の下に、

It took 6 1/4 lbs of fresh watermelon to make this bag of jerky

(このジャーキー1袋を作るために、6.25ポンドのスイカが必要でした)

とあります。6.25ポンドとは、約2.8キログラム!

なんということをしたんでしょうか。
そもそもなぜスイカをジャーキー化しようと思ったのだろうか。

スイカの美味しさはシャリシャリの食感と水分にあり…ということが改めて実感できた、干しスイカでした。

夏が本当に終わってしまう前に、もう一度、干してない生スイカを食べなくては。

 

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2021/08/23

裏庭の座敷わらしたち


冷え込んだ土曜日、久しぶりに小さな舞踏のパフォーマンスに行ってきました。


グリーンレイクの閑静な住宅街。
トマトやコスモスが植えられた、ごくまっとうな家庭的なお庭が、いっとき不思議な空間に。




ひとつめの演目はJoanさん(Joan Laage/Kogut Butoh)の「The Inbetween」。

この方の舞踏はいつも、からだを持って生きることの苦痛、からだと共にあることののっぴきならない違和感のようなものが表現されていると感じます。

今回の演目は30分ほど。顔には茶色のベール、汚れたコートと古いブーツ、といった路上生活者をおもわせるいでたちの演者が、苦しみながら着ているもの(不織布マスクも!)をひとつひとつ脱ぎ捨て、枯れ草とともに退場してゆく物語でした。


ふたつめは、Aoiさん&Kaoruさんのひさしぶりの二人舞台。

階段を下りてきた白塗りに赤い着物のふたりは、「座敷わらし」?無垢なこどものような魂たち。

『攻殻機動隊』の「傀儡謡」と寺山修司の歌にのってさまよいだしてくる、童子の魂。



トマトと人参のあいだをはじけて踊りまわったり。



魂の緒のようなものでつながったり。



そして、地上と天上界との中間のどこかみたいな階上にもどっていく。
巫女か、ひもろぎなのかもしれません。

舞台の背景として、ときどき飛行機が通っていく、どんより冷たい曇り空がまたぴったりでした。



 素敵なインスピレーションをいただけたパフォーマンスでした。

 

 

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空港へ


しばらくどんより曇り空で寒かったシアトル。きのうの夜は冷え込んでヒーターまでつけてしまった(12度C)けれど、きょうは午後から久しぶりに気持ちよく晴れました。

でも日が落ちてからの散歩はやっぱりダウンジャケット着用。

ファーマーズマーケットでダリアの花を買ってきました。


青年はきょうから2週間ほど、仕事に関連してイタリアとオランダへ。素材のワークショップに招待されているのと、数年前からおつき合いのあるイタリアの靴工場のリエゾンさんたちとのうちあわせだそうです。

CDCではオランダはまだ「レベル4」で「Very High:渡航は避けてください、行くなら必ずワクチン接種を」対象国。イタリアは日本とおなじく「レベル3」で「High」。もちろんワクチンは接種ずみですが、忙しい旅先で睡眠時間も少ないと免疫力が落ちるので、Airborne(ビタミンCその他の水に溶かして飲むサプリ)をたくさんもたせました…。ちょうどニューヨーク・タイムズに、「ワクチン接種済みだったのにヨーロッパの旅行先でコロナ陽性になって大変だった人たち」の記事を読んだばかり……。


 

ニョロニョロのバンドをつけたスーツケースでアムステルダムへ。まーとにかく気をつけてー。



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2021/08/21

夏の終わりの


もう8月も後半ですね。今日のシアトルは肌寒くて、日没頃の気温は14度C。
まだこれから暑くなるのかもしれないけれど、すっかり夏が終わってしまった感じで、うすら寂しい。

日の暮れもはやくなりました。きょうの日没は午後8時12分。

きょうはどんよりと曇って、それだけでもメランコリーなかんじの夕方。



アフガニスタンの情勢をみても、心が塞いでしまいます。

祈るほかになにができるだろうかと。

 


 近くのスーパーの花売り場には、郊外で栽培されているダリアがたくさん並んでいます。

あしたは明るい色の花でも買ってこよう。

 


 また近所の狩人が屋根にスタンバイしていました。

 


近所では、また建設中の家が増えてます。前にもなんどか書いたけれど、築70年くらいの、広い裏庭のある小さなおうちが取り壊され、そこにぴっちりくっついたタウンハウスが2棟か3棟、6戸分かときには9戸分くらい建つ。


いま建設されている家たちの建材は、どれも、樹のカケラを糊でかためた「OSB合板」です。

日本でも今ではそうなのかもしれないけれど、大工さんたちの使うツールは金づちではなくてネイルガン。トントントンという音じゃなく、バシュッ!バシュッ!という激しい音で、聞くたびになぜかホチキスで留めていくイメージが浮かびます。
 


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2021/08/15

夕日のフェリー


ウィドビー島からの短いフェリー。この島は北端で本土と橋でつながっています。
行きは陸路で、帰りは船にしました。

ちょうどサンセットの時間。


レトロなかたちの窓に、一番綺麗な時間の海。



島影の多い内海です。


平らな島のうしろに沈む夕日。


このフェリーは乗船時間ほんの20分ほどで慌ただしいですが、車に乗りっぱなしはもったいなくて、やっぱりデッキに出てきます。

すこし離れたところに、いるかが一頭泳いでいるのが見えました。


豪華なサンセット。


フェリー客席の、20世紀中盤アメリカン仕様の愛想のない質実剛健なインテリアもなかなか素敵です。



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