シアトルART WALKつづき。
前回も驚いたけれど、本当に本当に、ギャラリーが増えましたね〜。数でいったら銀座やニューヨークにもひけをとらないのではないかと思うほどの密集ぶり。パイオニア・スクエアのいままで使われていなかったビルのほとんどが画廊になってしまったのではないか。ものすごく広いスペースを持つギャラリーもいくつもあるし。
玉石混交というか、アマチュアからエスタブリッシュメントなアーティストの作品まで実にいろいろな作品を扱うギャラリーが隣り合っているのも面白いところ。
そして本当に、人が多い!
雨まじりの寒い12月の木曜日の夜だったのだけど、パイオニア・スクエア、ほんとにいっぱい人が歩いていた。ドットコムの会社にお勤めって感じの若い衆たち、アーティストふうな若い衆たち、ベビーカーを押した若いカップル、ゲイのカップル、おばさまたち、おじさまたち。年齢層も志向も階層もさまざまなピープルが集っていました。
5年前のパイオニア・スクエアからは隔世の感。シアトルってほんとにお金が集まってるんだなあ、とあらためて思いました。まるでお金の音が聞こえるようであった。ザクザク。こっちにも入ってきますように、ちゃりんちゃりん。
これはかなり高名なアーティストの作品を扱っている大ギャラリー、Greg Kucera Galleryの屋外デッキ。人気アーティスト、デボラ・バターフィールドさんの馬の作品です。
流木でできているようにしか見えないけど、これは流木の型をとったブロンズ製。
この人の作品についての記事を、以前にハワイのマガジンのために翻訳したことがあったのです。
この画廊もすごーく広くて、こんな屋外デッキまであるなんて。すぐ目の前にアムトラックの線路が走っています。
普段はちょっと敷居が高いギャラリーにもずんずん入っていけるのがART WALKのうれしいところ。しかも飲み物をくれたりする。
ここのギャラリーでは、黒人アーティストポール・ラッカーさんの「Forever」展もやっていました。
メドガー・エヴァーズなど公民権運動の中で殺害された運動家たち、公民権運動の引き金となった被害者エメット君、アラバマの教会が爆破されたときに亡くなった少女たちなどを「FOREVER」記念切手の形にして掲げるという、心動かされる作品。
こちらの展示は12月21日までです。
画廊の前半分は、ノーマン・ランディンさんのミニマルで静かな風景画。
こちらはなぜか写真をとらなかったので、画廊のサイトより。
大型のクリーンな画面。エドワード・ホッパーのような、さばさばした光に照らされた無人の風景。たぶん多作な人なんだろうと思います。こういう絵を飾れるスペースも、シアトル周辺には増えているんだろうな。
以前シアトル・アートフェアで見たお気に入り、Sarah McRae Mortonさんの新作も出てました。
被写体ブレのようなボワボワ効果が増えていた。あのアートフェアは2年前だったのね。
こちらはARTXchangeギャラリーにて。日本人アーティスト、Yuko Ishiiさんの作品集です。
幻視の中で受け取ったイメージをそのまま絵にしているという人。
ご本人が在廊されていました。
不思議な文字が描いてあるのでこれは何ですかと尋ねると、見たまんまを描くので自分にもわからないのだそうです。
塔と、回路図。曼荼羅ふうの装置。鏡文字。
おもしろーい。もっと見たい。
老舗のDavidson Galleriesにあった妙な魚の図。
浮世絵や古い版画も扱うギャラリー。小品は100ドル台からあったりするのです。
消防署にも、こんないかした消防士アートがついてました。
切り絵みたいで素敵。