MITのメディアラボの近くを歩いていて目についたビル。なんだこりゃ!
フランク・ゲーリーさんの設計でした。
「ビルディング32」。
MITはいかにもエンジニアらしく、ビルの名前をほかの大学みたいに偉い人の名前つきの「なんとかホール」とかでなくて番号で呼ぶ。
このビルにも「 Ray and Maria Stata Center」という名前があるのだけど、通常は「建物32」と呼ばれているようです。
アパートみたいな外観なのでドミトリーかと思ったらそうではなくて研究施設。
ここにはAI研究ラボもはいってるそうです。こんな童話みたいな建物の中にねえ。
しかし使いやすさはどうなのだろうか。
完成後、水回り支障が出たり、寒冷期に一部が崩落したりしたためにゲーリーさんはMITに訴えられ、のちに和解したそうですが。ゲーリーさん……。
メディアラボのすぐ先にある「MIT List Visual Arts Center」(視覚芸術センター )。
無料のギャラリーがあります。
Alicija Kwadeさんというアーティストの作品展をやっていた。ベルリンを拠点とする女性。
弥生式土器みたいな、壺?とおもってよく見ると、これは樹脂製。
なんと、iPhoneを粉砕し、樹脂でかためた壺でした。
こちらは「Computer」(2017年)。
Power Macを粉砕してかためてつくった壺です。
近づいてみると、チップや筐体だった金属片がキラキラしている。
ほかにも、自転車を粉砕してつくった椅子など、日常につかわれるものをまったく違うかたちに変身させたオブジェたち。
最初はふーん、ご苦労さまです、とあまり積極的に興味をもたず眺めただけでしたが、かつてコンピュータや自転車だったものをじっと眺めていると、とても不思議な気持ちになってくる。
諸行無常的な。
諸行無常を英語でなんというか、ふとおもいついて英辞郎くんに聞いてみたら
the impermanence of all things
だという。ふーん。どうしてもこう、四文字熟語のインパクトはなくなるよねー。
漢字の情報量ってすごい。
こちらは、一方の端に球体、反対側の端に立方体があり、その間にいくつかの天然石や人工の物体が置かれている「Trans-For-Men 11 (Fibonacci)」 (2019年)。
各オブジェクトの間には鏡が置かれ、ちょうど隣のオブジェクトと半分ずつ形をわけあって、変化していくように見える。
こちらのサイトにもっとよい写真があるので見てみてね。
球から立方体へ、曲線から直線へ。端から端へゆっくり歩きながら見ると、そのトランスフォーメーションが実際に起きているように見えて、とてもおもしろい。
こちらはビーズのカーテンでつくられた、ある種の宇宙のモデルのようなインスタレーション。
コンセプチュアルなだけでなくて動きがあって、詩的で、「もの」として面白い作品ぞろいでした。
廊下の反対側に第2ギャラリーがあり、Farah Al Qasimiさんというアラブ首長国連邦出身の女性アーティストの作品が展示されてました。とても若い人です。
こちらも痛烈な作品が多くて、ビデオ作品もじっくり見たかったけど、情報を咀嚼しきれず。
小さなギャラリーだけどとてもおもしろかった。しかもタダ。MITは太っ腹でオープンですね。隣のハーバードにくらべてはるかに。
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