カップケーキは謎の存在です。
アメリカでは子どもの誕生日や学校の行事や、なにかというとカップケーキが登場しますが、とても食べ物とは思えない色(蛍光ブルーとか目の痛くなるような赤とか黄色とか)の、何で出来ているのか良くわからないじゃりじゃりとしたクリームがべっとり乗った、水気もなにもないぱさぱさの生地の「ケーキ」をなぜ人は喜んで食べるのだろう、と不思議に思っていました。
私にとっては「個別に配りやすい」以外の利点が思いつかない食べもの、それがカップケーキでした。
近年、アメリカの各地ではカップケーキが大流行りらしくて、シアトルにもカップケーキ専門店がいくつかあります。
Cupcake Royal はシアトル市内とイーストサイドにあわせて6店舗をかまえる人気店。
バラードの映画館の隣のお店に行ってみました。
まずは食べてみる。「ストロベリー・ルバーブ」にしました。夢見るようなベビーピンクにブラウンシュガーがぱらりとかけてあって可愛らしい。
あら、クリームも意外に甘さがきつくなくて、おいしいかもー。
生地もしっとりふわふわしていて、ぜんぜん大丈夫じゃないですか。
スーパーで売ってる絵の具のチューブから絞り出したような色のとは、かなり違うものでした。このほかにも「ティラミス」「塩キャラメル」「ラベンダー」など、わりにそそるラインナップ。
原材料の乳製品はみな地元の契約生産者から仕入れているというところも、さすがシアトルですねー。
パーティ用のトッピングもいろいろ選べるようになってます。
店内はピンクと茶色のガーリーな内装。Wi-Fi フリーなので、ここで50代くらいのおじさんが無心にラップトップを叩いている図もけっこう見かけて、それはそれでおほえましい。
でもやっぱり、女の子が似合うお店です。
オリジナルのアイスクリームもあり。
アメリカ人にカップケーキが人気なのは、基本型を逸脱しない超シンプルな形がほっとするからかもしれないな、なんて思います。
これ以上シンプルにできないくらいのシンプルなプラットフォームで、かつクリームや飾りつけで大きく個性が変わるところが、個人主義なのに(むしろ、だからこそ?)スタンダードが好きで、毎シーズン変わる新製品よりも昔ながらの完成されたデザインを好む傾向が強いアメリカ人にぴったりなんじゃないしらー。
追記:心配になって、もう一度食べにいきました。「ティラミス」味を試してみましたが、クリームはちゃんとしたマスカルポーネとココアパウダー味で、おいしかったです!
でも、「塩キャラメル」は、ふーん、という感じ…。
若い女の子二人連れやグループが多かったけれど、やっぱりラップトップおじさんがちらほら。
もしかして、女の子に囲まれたくてOR 目の保養がしたくて(笑)隣りのカフェじゃなくてカップケーキ屋さんを選択しているのかもしれない、と邪推してみる。