2019/05/14
聖人の指 <フィレンツェ思い出し日記 その14>
ドゥオーモ美術館でもう一つ、ほぇぇー!とたまげたのが、聖遺物の間でした。
ベネツィアのサンマルコ寺院にも少しあったけれど(聖マルコの遺体が最大の聖遺物というべきでしょうし)、このフィレンツェの聖堂とサン・ジョバンニ洗礼堂には600以上もの聖遺物があったそうで、そのうちのいくつかが展示されています。
このきらびやかな十字架の説明書には「Reliquary of Passion」とあった。
キリストが磔になったその十字架の一部、というわけです。
あまりにもきらびやかに宝石と金箔で飾られているので、いったいどこに遺物があるのかぱっと見ではわかりません。
よく見ると、中心は真珠と黄金でイバラの冠が表現されてます。
聖遺物はここにあった。十字架の両側、黄金の天使の顔に囲まれたこの石。たぶんこれが、ゴルゴダの丘に立てられた十字架の下にあった石というわけなのでしょう。
十字架の細工は、11世紀から18世紀までさまざまな時代のものだと説明されてました。
こちらは「聖アガタのベール」が収められているもの。
聖アガタって知りませんでした。シチリア島で3世紀に殉教した聖女で、両乳房を切断されるという拷問を受けたという(ひー)。
「 そのために彼女は切り落とされた乳房を皿の上に乗せて持つ姿で描かれることが多い。彼女が捧げ持つ乳房の形との関連からアガタは鐘職人やパン屋の守護聖人とされてきたが、近代に入ると乳癌患者の守護聖人ともされた」by ウィキペディア。
パン屋の守護聖人………。
そんな美しい聖女アガタの遺物を収めるいれものは18世紀の細工。
そしてこちらが、「洗礼者ヨハネの指の骨」を収めたもの。
たしかに指の骨らしいものが。
細工は15世紀はじめのもの。アーチがゴシックだ。
聖遺物って、新世界アメリカの教会ではたぶんお目にかかることはないもの。
ローマカトリック教会の分厚い歴史をまざまざと見た感いっぱいになりました。
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