2020/11/18

生まれも育ちもグランドキャニオン [DAY7]


グランドキャニオンでの宿泊は、公園内のMaswik Lodgeというホテル。
公園内には5軒か6軒くらい(ロッジという名の)ホテルがあるのですが(すべて民営)、ここだけが旅行の1週間前に奇跡的に空いていました。

ベッドサイドのラバちゃんランプがかわいい。内装は控えめで落ち着いててよかったです。


ラバちゃんに寄り添っているのは、白金マダムMちゃんから、ニューヨークの旅でいただいた(というか強奪した)サイトウさん。目が光ります。旅のおともです。




 部屋は広いし、静かで、快適でした。ベッドも寝心地よかった。ここではかなりぐっすり眠れました。

バスルームも広くて、なんとなく米軍用のホテルみたいだった。(うちの元夫は米国海軍の所属だったので、結婚していたころはよく米軍用ホテルに泊まった。東京のもハワイのも、快適なのだけどなにか居丈高で殺風景なところがある建物でした)。窓の外は松林。

しかしひとつだけ失望したのは、コーヒーメ―カーも、ケトルも部屋になかったこと。

コロナ禍対策のために、メモパッドや紙コップを撤去しました、と書いてあったけど、コーヒーメーカー撤去の意味がわかりません。

フロントに食い下がってみたけど、まとめてしまい込んであるそうで出してくれませんでした。

寝る前にあたたかいハーブティーをぜひとも飲みたかったので、しかたなく、青年に保温ポットを持ってフロントのある棟のフードコートまでお湯をもらいに行ってもらいました。

 



2日目のおひる。公園の外の空港近くまで行ったので、ウェンディーズのサラダ。
これが異常なほどおいしかった。ペカンナッツ、ロメインレタス、青りんご、クランベリー、ブルーチーズのくみあわせ。あまりにおいしかったので翌日も別の場所でリピートしました。

国立公園内やその近郊で格別においしいものを食べようというのは、間違いです、たぶん。

公園内にはホテル(民営)が5軒か6軒あり、有名人が泊まったという偉そうなホテルに雰囲気のよいファインダイニングもあるのだけど、レビューは散々。「世界各国から人が集まるのに、サウス・リムには何ひとつ美味しいものがないとは何たることか!」と書いてる人もいました。うんうん、わかるよー。

ホテルがかたまって建っているあたりは、「ビレッジ」といわれてて、ホテルだけじゃなく、スーパーマーケット、診療所、郵便局、消防署、銀行(CHASE)、学校もあります。

到着した最初の晩は、ホテルのフロントデスクの奥にあるフードコートで食事をしました。

わたしはアルフレッドソースのパスタ、息子はブリトー。各10ドルくらい。パスタは茹ですぎでソースはおどろくほど味がなかった。

食べものもインテリアも高校のカフェテリアみたいだったけど、スタッフはみんなとても親切でフレンドリーで感じがよかったです。

パスタとブリトーをサーブしてくれたお兄さんは、「生まれも育ちもここ(ビレッジ)なんだ」と言ってました。ビレッジには公園内で働いている職員の住宅街もあって、幼稚園から高校までの学校もあるのです。

高校は学年、全部で何人いたの?と聞くと、16人だって。

「ポール・マッカトニーに会ったこともあるよ」と自慢してました。

グランドキャニオンで育つってどんなでしょうね。わたしが母だったら、子どもが崖から落ちないかどうか心配で仕事が手につかないかもしれない。




ビレッジの真ん中にあるマーケットに行ってみてびっくりしました。でかい!!

ふつうの大型スーパーとおなじサイズでした。

キャンプ場もあるし、住人もいるので、まあ当然なのかもしれないですが、シアトルのうちの近所の大型スーパーFredMeyerよりも品揃えがよいくらいのスーパーでした。

 


お値段はさすがに山の中だからお高めではあるけれど、めちゃくちゃ高いというほどでもない。

冷凍食品の棚もこのとおり、アイスクリームの巨大容器がどーんと並んでました。

酒屋のコーナーもあるし。
キッチン用品やドッグフード、キャットフードもずらっと並んでるし。

ここでパストラミとパンとサラダ用グリーンを買って、翌日のロードトリップ用のサンドイッチをつくりました。





2日目最後に行った、峡谷沿いに建っている「ホピ・ハウス」。

これもメアリー・コルターさんの設計で、完成は1905年。ホピ族の村にある古い建物を下敷きにしているそうです。砂岩の外壁がなんとも素敵。
店内は白壁によく手入れされた木の床。

中はギフトショップですが、ホピ族をはじめとするネイティブアーティストの作品を多く扱っていて、単にショップというだけでなくオーセンティックなギャラリーという感じで楽しかった。

あまり時間がなくて、さっと見ただけでしたが、ゆっくり味わって見たいお店です。




ホピ族のデザインは、うちの息子がむかし描いていた絵に雰囲気が良く似ていて、親近感があります。前世はホピだったかな。




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2020/11/17

後遺症と白菜ミルフィーユ



旅に出る前に、ジェニファーちゃんにいただいた花を逆さに吊るしておいたら、ちゃんとドライフラワーになってました。

不思議な色のアジサイもそのままに。

先日(11月13日)デジタルクリエイターズに掲載していただいた長文を、NOTEにアップしました。トランプ政治についてなにか言いたかった。

お暇がありましたらご笑覧くださいませ。
こちらです。「異常な選挙とトランプ後遺症

これは日本のシバタ編集長のために書いたつもりですが、結局は自分のために。

ダラダラ長いまま3回に分けて載せてあります。情報としては今さらだけど、自分で情報を消化するいちばんよい方法は、よい聞き手に話すか、文章にしてみることなのですね。
書いたり話したりすると、初めて、自分が何を(何も)知らないかがわかる。

でも、これからはもうすこし短いのを書こうと思います。



今日はー、また突然Windows上の翻訳支援ソフトウェアが動かなくなり、OSをアンインストールして入れ直したり、そしたらOFFICEのライセンス認証ができなくなってそっちを入れ直したり、そしたら日本語入力ができなくなって入力設定をあちこちいじったり。そんなことに3時間もかかってしまいました。

消耗……。ウィンドウズ君……。


ParallelsにWindows7と10が両方入ってるんだけど、ソフトウェアは全部7の上で動いている。これを入れ替えたほうがいいのだろうけれど、全部アンインストールしてから10に入れ直せばいい話なのだろうか。ふとしたきっかけでまた元通りに動き出したりするので、何もかもすっかり忘れてまたなにごともなかったかのように使い始め、次に不具合が出るとまた呆然とする繰り返し。懲りない。



うーん、「7」はやっぱり断捨離すべきか。

ナスタチウムは、種をまいたのが遅かったので花は咲きませんでした。小さい葉っぱだけ摘んで食べている。



先日の豚バラ白菜ミルフィーユ。酒大さじ1くらいと鶏ガラスープの素をすこし入れると、抜群においしくなるのを知りました。常識だった?

しかし鶏ガラスープの素がもうそろそろ底をついてきた!チキンブイヨンでもいけるかな。

3人用の土鍋いっぱいつくっても、うちではあっという間になくなります。




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2020/11/15

デザート・ビューのアクロバット飛行 [DAY 7]


 
グランドキャニオン2日目の午後は、「サウス・リム」の東側を見にいきました。

東側エントランスは、隣接するナバホ・ネイションがコロナ禍で深刻な状況のため閉鎖されていましたが、エントランスへ向かう道、「デザート・ビュー・ハイウェイ」の途中までは開いていました。

このハイウェイ沿いに5つほどの展望ポイントがあります。グランドキャニオンを見物しに東部から人がやって来はじめた頃は、この東側が観光の拠点で、ホテルがあったとか。



この↑写真の右側にちっちゃく見えている塔は、1932年に建造されたデザート・ビュー・ウォッチタワー

女性建築家メアリー・コルターさんの設計で、古いプエブロの塔をベースにしているそうです。

近代の建築とはいえ、雅な趣がある塔。ぜひ近くで見てみたかったのですが、こちらも閉鎖中で行けませんでした。



「デザート・ビュー・ドライブ」沿いのポイントを3つほど見て回りました。

こちら側は少し離れているので、ビジターセンターがある中心部よりずっと人が少なくて、とても静かでした。


さすがにザイオンのコロブ・テラスみたいな人影のかけらもない空間ではありませんでしたが、ぱらぱらと人がいるだけなので、好きな場所に好きなだけ陣取っていられて幸せでした。




青年は、でっぱった岩の上まで下りていって、峡谷と対面。

この岩の下、ほぼまっすぐ谷底です。
わたくしは、上から見ながら脇汗ダラダラ。

いくつになっても、子どもが崖のふちに座ってたり、自転車に乗ったり、スケボーに乗ったりすることを考えるだけで脇に汗が。




これは「Lipan Point(リパン・ポイント)」。ここに2時間ほどいて、岩を見たり、からすを眺めてすごしました。

シアトルにいるカラスたちよりも少し身体が細く小さくて、うちの青年にいわせると「ピュアでクリーン」なカラスたち。





峡谷の上にできる気流をよく知っていて、サーファーが波に乘るみたいに順番に2羽から3羽グループになって風に乗って遊んでました。

上手な子は、風に乗ったところで、身体をくるりと180度ひねって背中を下にして飛び、またくるりとひねって元通りにするアクロバット飛行をしてました。上手な子は本当に上手。

飛び方を覚えたてないのか、風に乘るタイミングがうまくつかめない子もいたり、ほんとに面白そうでした。

見てると、サーファーがサーフポイントまでパドリングしていってボードに立つみたいに、風に乘るポイントがあるようでした。でも気流なので、そのつど変わる。カラスにはちゃんと見えているのでしょうね。不思議。

啼き声もいろいろで、胡桃をこすり合わせるような音を出したりもしてました。

動画に撮ろうとずいぶん苦戦したのですが、タイミングが難しく、360度回転飛行をとらえることはできませんでした。残念。

 

 


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またロックダウン。そしてブリスケット。


雨の予報が外れて、意外にからりと晴れた日曜日。

ワシントン州のインズリー知事が、きょう、ふたたびのロックダウンを発表しました。

KOMOニュースのサイトによると……

同居している人以外が屋内で集まるのは禁止。
屋外での集まりも、同居人以外は5名まで。

飲食店での店内での飲食は禁止。屋外席はひとつのテーブルに5名まで。

ボウリング場と映画館の屋内営業は禁止(ドライブイン映画館はOK)。

カンファレンスはトレーニング等一部を除き禁止。

小売店、対面式サービスは、定員25%まで。

美術館・博物館、水族館、動物園は屋内営業禁止。

宗教上の集会は、マスク着用の上定員の25%未満か200名まで。

…だそうです。

ああ、来週はミュージアムに行きたいなんて思っていたのですが、仕方ないですね。

10月末からの2週間での感染者数が恐ろしい勢いで跳ね上がっているのです。

キング郡だけで1日の新規感染者が627名、ワシントン州の1日の新規感染者は1,429名。

これからもっと寒くなりますが、この措置で収まりますように。

実施は16日月曜日の午後11時59分より、12月14日までの1か月です。

はぁー長い冬ですね。




『The Marvelous Mrs. Maisel』の主人公ミリアムちゃんの得意料理、「ブリスケット」の蒸し煮というのを食べてみたくなって、作ってみました。

ブリスケットとは牛の肩バラ肉のことで、日本だと薄切りで売られる部位ですが、米国ではどーんと800グラム〜1キロ以上のカタマリで売られています。
使ったレシピはこちら。

大量の玉ねぎとニンニクを炒め、その上に塩コショウした肉を乗せて、トマトペーストを塗り、小麦粉を溶き入れた牛ベースのスープを注いで、人参、セロリ、ローレルを乗せて、オーブンで3時間半。

寒い雨の日にはちょうどいいオーブン料理です。





肉はさすがに柔らかくなりました。うううきたない盛りつけだー。すみません。
味は、もうすこしパンチがあってもいいなー、という感じ。

猫ママにゃを子さんから以前にいただいたル・クルーゼのお鍋を、青年がボストンに置いてきてしまった(炊飯器がないのでごはん炊く用に持っていかせた)ので土鍋を使ったのですが、華氏350度で3時間半オーブンに入れられるというのは土鍋にとってはかなりのアビューズだったようで、うっすらヒビがはいってしまった。ごめんよ土鍋ちゃん。



 

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空から見る。[DAY 7]



グランドキャニオンでは公園内のホテルに2泊しました。着いた翌日はサンセットを観てごはんを食べて、さっさと就寝。

翌朝は、わたしとしてはあり得ないほど早く起きて、近くのブライト・エンジェル・ロッジでコーヒーを買って、峡谷にさしこむ朝日を見に行きました。

このすぐ近くから、「ブライト・エンジェル・トレイル」という峡谷の谷底に降りていくトレイルがあります。上の写真で、下の真ん中の川沿いに続いている細い道。

ロバやラバでこの道をおりて、谷底のキャンプで一泊して翌朝上がってくるツアーなどもあります。

体力に自信があっても谷底まで歩いて下って同じ日に上がってくる計画は立てないようにと、あちこちに注意が書いてありました。若くて健康で頑丈なハイカーでも、熱中症や疲労で本当に亡くなってしまう人が珍しくないのだそうです。

青年は前の晩、この谷底に下るトレイルの入り口付近に散歩に行って、峡谷の反対側のノース・リム(北の縁)を朝早く出発して谷を横切り、南側の崖道を登って到着したばかりの一行に出会ったと言ってました。元気だねぇ。


 

崖の途中に、立派な角を持ったヒツジ(オオツノヒツジ)が佇んでいました。谷の下のほうを見つめて長いあいだ沈思黙考しておられました。何を考えているのだろうか。


頭がとても重そうです。





朝ごはんを簡単に済ませて、国立公園のすぐ外にある小さな空港へ。

うちの青年がサプライズでヘリコプターのツアーをブッキングしててくれました。びっくりした。

レトロな飛行機をイメージしたらしい、待合室の特注家具がかわいい。





ヘリコプターに乘るのは、覚えてる限りでは生まれて初めてです。

子どもの頃、ヘリの免許を取りたいと熱望していたこともあったのでした。




パイロットさんはイギリスのウエールズ出身でした。

乗客はうちの親子と、白人のおばさま2人の4名。

機内ではヘッドフォンを着用します。

離陸時には威勢のよいアメリカン・ロックの曲がかかり、地勢や歴史の説明などのアナウンスが流れました。





しばらく針葉樹の森の上を飛ぶと、やがて峡谷の縁が見えてきて…





ちょうど峡谷にさしかかり、全貌が見えてくるところで、ヘッドフォンからは『2001年宇宙の旅』で有名な『ツァラトウストラかく語りき』のあの荘重なテーマが、じゃーん、じゃーん、じゃーん、ちゃちゃーん!と鳴り響き。

青年と思わず顔を見合わせて笑いつつ、号泣寸前でした。



泣くよこれ。

 



正味30分弱の短いフライトで、峡谷の上を飛ぶのは10分くらいですが、こんなところから岩たちを眺められるなんて、不思議すぎる。

 


今、写真を見ても、やっぱり現実感がありません。不思議な空間で不思議な旅をしてきたという感じです。




アングルが斜めってます。

ロバに乗って来た19世紀の旅人には見られなかった景色。ありがたや。
なんて便利な世の中に生まれたことか。

世界はとんでもなく不可思議でとてつもなく美しいです。




パイロットさんに聞いてみると、例年のピークシーズンなら1日10回くらい飛んでいたけれど、今年はその何分の一だか、とにかく激減してますよ、とのことでした。

縁から眺めるだけでも圧倒されるのに、この地形のスケールを上空から見られたとは、まことにありがたや。の朝でした。




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マーベラスなガールズトーク



ある日のひじきごはん。ひじきも素晴らしい。

ワシントン州はどうやらまたロックダウンに戻りそうです。寒くなってきて感染者が増えているし、ホリデーでたくさんの人が集まったり移動して感染が広がらないように、大きなクギをさしておかなければってことなのでしょう。

旅行から戻って以来、散歩以外ほとんど外に出てないし、うちにはほとんど影響がないけれど。
接客業にあまり大きな打撃にならないとよいのですが。




ここのところ、Amazonオリジナルのコメディ番組『Marvelous Mrs.Maisel(マーベラス・ミセス・メイゼル)』 に、はまってました。

選挙の日もその後の数日間も、うちはニュースを見ないでこのコメディを見てたのでした。

この番組がなかったら、選挙後の数日はきっと、もっとずっと辛かった…。これがあったから乗り切れた。


なんだか久しぶりにほっこり笑えるドラマを見た気がする。最近自分に足りなかったジャンル。


 



この3週間あまり、毎日晩ごはんを食べながら大切に1話ずつ観ていたのが、シーズン3を見終わってしまって、今、かなりのロスに見舞われています。


主人公たちは次々に色々な災難に次々見舞われるのだけど、全体にトーンがとっても明るくてドライで、可愛い。

舞台は1950年代後半のニューヨーク。主人公はアッパーウェストの高級アパートに住む裕福なユダヤ人家族の娘、ミッジ(ミリアム)。専業主婦で2児の母であり、何不自由ない幸せな生活を送っていたのに、突然夫が浮気をしたうえ家出したことがきっかけで、なぜかスタンダップコメディの道を歩みだす、というお話。

このミリアムという主人公のキャラクターがとても面白くて。

何不自由ない環境に生まれて、容姿端麗で才気煥発、常に完璧なプロポーションに気を配り、家事も社交も完璧で、弁が立ち、機転が利き、まわりの人の心を瞬時につかんで物事をスムーズに進められる、つまりなんでもできちゃう人。

これが少しの嫌味もない、素直で正直な主人公として描かれている、無理なく。

ミリアムちゃんがあまりにも何でもできすぎるので、夫のジョエルは自分の男としての沽券がぐらついてしまい、発作的に彼女のもとを去り、それがミリアムのコメディエンヌとしての道をひらくことになる。

ミリアムは、自分がいかに恵まれた境遇に生きているかに、ほとんど注意を払わない。そういう意味では傲慢ともいえる。でもこのキャラクターが嫌味でないのは、常に前向きで明るく、へこたれず愚痴もいわず、面倒なベタベタした感情にとらわれず、目の前のことに全力で集中して自分の意思で生きているから。



あと、50年代〜60年代の洋服やキッチン用品やインテリアがめっちゃカワイイです。

ミリアムちゃんは高級アパートメントの一室に6畳間くらいの衣装部屋をママと共有しているので、毎回違う素敵お衣装で登場。特に、鮮やかな色のAラインのコートは超かわいい。




1950年代、女性にも男性にもまだ確固とした役割が振られていた時代に、美しくパリッとして折り目正しい女子としての審美的価値をキープしたままで、コメディという無法地帯に切り込み、カチカチの常識にゆるやかに挑んでいくファンタジーです。実際にはありえなかっただろうけれど、こういうあり方はかっこいいなあ、と思わせる。

妊娠や出産について喋りはじめたとたんに、ミリアムちゃんが舞台から引きずり降ろされる場面がある。男性の局部について笑い話にするのは許されても、女性の生理や妊娠については公の場で語るのはNGというのが常識だったから。…というような、当時のアメリカ社会がいかにヘテロ白人男性の「良識」でコチコチだったかの描写や、マッカーシズムの影響なども、ちょろちょろと軽いジャブを出すように描かれています。

伝説のコメディアン、レニー・ブルースも、ミリアムちゃんのメンター的存在として登場します。
 

どうにもカチカチの固定観念でかたまった50年代〜60年代に、政治的にはまったくナイーブな女子が、ガールズトークと正直な観察とウィットでもって観客を笑わせて自分のものにしていくという、楽しいカタルシスが毎回適度に用意されていて。

ニューヨークの女子コメディというと『セックス・アンド・ザ・シティ』がどうしても浮かびます。わたしはあのシリーズ、リアルタイムでは見てなくて、去年コンプリートしたのだけど、最後のほうになってかなり食傷してきて、特にパリが舞台の最終回は、はぁぁああ?と、かなり頭に来ました。

少し前になにかでSATCの話になって、白金マダムMちゃんに「どのキャラが好き?」と聞かれて答えに詰まってしまったんだけど、考えたら仲良し4人組の誰もあんまり好きじゃない。

マンハッタンに住んで好きな暮らしができるほどキャリアに恵まれていながら、どうしてこの4人のWASP女性は毎回恋愛や結婚やゴシップにばかりエネルギーを注がなければならないんだろう?なんでお互いによりかかり合うんだろう?どうして「本当の愛」とやらを探してウロウロしているんだろう?と、だんだんイライラしてきたのです。そして、最終回で、キャリアを捨ててまで「本当の愛」をはぐくもうと思ってパリについてきたのに、あなたはわたしのことをまともに愛してくれないじゃないの、とくってかかる主人公キャリーにはまじで腹が立ちました。自分だって自分のことしか考えてないじゃないよ!自分の仕事を大切にしなかったのは自分じゃないんですかー?

ミリアムちゃんは、SATCの主人公とは真逆で、自分が恋人よりもコメディエンヌのキャリアを瞬殺で選んでしまったことに自分でびっくりしつつ、イケメンで長身で自分にぞっこんの外科医という理想の相手をさくっと置いて、ツアーに出てしまう。前のめりだけれど、視線が自分軸なところがとても好き。だから人を傷つけてしまい、その結果をいつも頭から浴びて、ひるんでも悪びれないし、負けないし文句もいわない。

頭のてっぺんから爪先までガーリーでありつつ、腹がすわってるキャラって、肩の力が抜けてていいなと思います。

そして、富裕なニューヨークのユダヤ人家庭のデフォルメされたユダヤ人ギャグも、よくわからないなりに面白いです。



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2020/11/12

ナバホ国のココペリちゃん [DAY6]



ホースシューベンドからグランドキャニオンまでの道も、多彩な景観がつぎつぎにあらわれます。

 


ホースシューベンドからアリゾナ州を南下する国道89号線沿いは、Navajo Nation(ナバホ・ネイション、ナバホ族の独立国)だったのですね。

ナバホ・ネイションはとても広い。


ホピ族のリザベーション(保留地・居住地)がナバホ国のなかにすっぽりおさまっているなんて、知りませんでした。ホピ族はもっと南のほうなのだと思い込んでいた。

下の地図の淡黄色の部分がナバホ・ネイションです。ホピ・リザベーションを包んでいます。


まさに、このナバホ国の西の端をとおっていくのです。

ナバホ国は今、ほかの場所よりもひどくコロナ禍に襲われているために(米国内でも先住民をはじめとするマイノリティの被害が特に際立って高いのです)、グランドキャニオンの東側のエントランスは閉鎖されています。だから、U字型を描いてずんずん南下してまた北上するルート。




上の図にルートが乗せられないので、再度経路図をこちらに。「進入禁止」標識があるところが、閉鎖されている東側エントランスです。






不思議な雲が南西の空から流れてきました。

このあたりに山火事はなかったけれど、アリゾナ南部やカリフォルニアからの山火事の煙が流れてくるらしく、晴れているのに西の空は濁った色になっていました。



奇妙で美しい色の砂山。


でも、ちらちらと車窓から見えるナバホ国の人びとの暮らしはまったく恵まれていないのがとてもよくわかる。


道の両側にぽつんぽつんとあらわれる家々は、ほとんどが「トレーラーハウス」と呼ばれるプレハブの安い家ばかり。まわり電気が通っているのかどうかもわからないような荒れ地。木の一本もめったに生えていない。

それが、ナバホ国を出てフラッグスタッフという小都市の近郊に入ったとたん、緑の木々が濃い豊かな風景があらわれるのです。これはいったいどういうことなのか。

ナバホの国は広いとはいえ、その土地のほとんどが荒野です。
水源の多い緑の沃野は、白人がたくさん住む街。

先住民の権利を主張する運動は、人口が少ないだけに、この国で一番声が聞こえづらいし、一番見過ごされていると感じます。ハワイを除いて。

トランプのスローガン「Make America Great Again」(アメリカをもういちどグレートに)の帽子をかぶっている方は、それを叫ぶ権利を一番持っているのはこの人たちだということを一度でも考えたことがあるのだろうか。

バッファローをもとに戻せ!
1800年以降の入植者は全員出ていけ!白人が来る前のこの土地はグレートだった!
という主張をされたらどう思うのでしょうか。



98号線沿いには、道の両側にネイティブ部族のひとたちの屋台がたくさんありました。

ざくざくお金を落としてはいけませんが、ほんのちょっとだけでも貢献しようと思い、そのひとつに停まってみました。

一言も口をきかないし目が宙に浮いている、商売やる気まったくなしのおじさんが奥に座っていました。わたしたちが品物を見ていると、前に停まっていた車のなかから、奥さんなのか、きびきびした中年の女性が出てきて応対してくれました。

……なんとなくハワイを思い出した。ハワイにいそうな感じのアンティ(おばちゃん)だった。

このあいだ、猫バッグといっしょにランドリールームの鍵を異次元のすき間に紛失したので、大家さんに新調してもらった鍵につけるために、今回の旅のどこかでキーホルダーを買おうと思っていました。

なんとなく「ココペリ」のがいいなと思っていたのですが…。



…この屋台にありました。

銀細工で軽くて、ターコイズの色も、銀の板の薄さも触り心地も快くて、完璧です。

おそらく中国製らしい安いアクセサリーも並んでいたけれど、これは地元アーティストの作品。とても素朴で心がなごみます。

うちの鍵たちを新たな異次元の隙間から守ってくれそうです。



グランドキャニオンには、またまたちょうどサンセットに間に合いました。




コロナ禍につきビジターセンターは閉まってました。

パーキングが簡単に見つかる空き具合に、ここでも青年は感動してました。

マザー・ポイントという有名なポイントでサンセットを拝見いたしました。

ここはまたスケールが違って、自然すごすぎる。



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