ロードトリップ、第2日。
ユタ州のプロボから、ザイオン国立公園への途上、「地球最大の生命体」であるというアスペンの森を見に行きました。
プロボから3時間ほど。ユタの南端にあるザイオン国立公園までの道のりの、ちょうどまんなかあたりでした。
アスペン(日本名:カロリナポプラ/学名Populus tremuloides)の木というのは、「1つの根系から遺伝子が同一の新芽が生まれ、無性生殖で増えていく」んだそうです。
みょうがや竹と同じように、根系でぜんぶつながっているんですね。
で、このユタ州のフィッシュレイクの近くにあるこのアスペンの森は、「ザ・トレンブリング・ジャイアント(震える巨人)」または「PANDO(パンド:ラテン語で「広がる」という意味だそうです)という固有名詞がついています。
根でつながっている株数は約4万7,000本。43.6ヘクタールにわたってひろがる、単一の生命体としては世界最大の植物なのだそうです。
重さは推定6,000トン。
しかも、その樹齢(というのが正しいのか…それぞれの「クローン」の樹齢はそれほど古いようには見えませんでしたが)は、1万7,000年だと推定されていて、世界最古の生命体のひとつでもあるという。
なんだかいろいろすごい。
たまたま、旅行の直前に猫パパぴゃっとさんに茗荷とコーヒーをもらいにいったときに、この「パンド」のことを初めて教えてもらい、せっかくすぐ近くを通るんだから、ちょっくら見に行こう、と思ったのでした。
ざんねんながら葉っぱは全部散っていて黄葉は見られませんでしたが、すかっと晴れた深い青空をバックに立ち並ぶアスペンの木々がみられました。
これがみんなひとつの「個体」…。根系でつながっているそれぞれの木は「クローン」と呼ばれてます。
個体ってなんだろう、て思わされます。
キノコもそうだけど。ヒトの頭脳が思うことも、実はこんな具合につながっているのかも、なんて思ったり。集合意識ってやつですね。
このPANDO、近年だんだんとあちこちで枯れはじめているそうで、保存のために専門家が奔走しているそうです。
なぜ「震える巨人」かというと、アスペンの木というのは、あまり風がなくても葉っぱがサラサラと揺れて、いつも葉擦れの音がしているからなのだそうです。
Populus tremulaという学名の「tremula 」は、ラテン語知らないけど、きっと英語のtremble(震える)という意味なんだろうなと推測。
ポプラの日本名はハコヤナギ、または「ヤマナラシ」なんだ。って、今知りました。へー!
そして、ポプラってヤナギ科なんだ。へー。
震える葉擦れの音が、「山を鳴らす」ということなのでしょうね。
日本にもPopulus tremulaという近似種が自生しているそうです。知らなかった。
WIKIで見ると、この木(「山鳴らし」)の葉は、ポプラのようなスペード型の葉でなくて、どちらかというとヤナギに近くて細長い。欅の葉のようなかたちです。
ふつうに街で見るびょーんと背の高いポプラ(「イタリアンポプラ」なんですって)の木も、よく葉が鳴りますよね。うちの近くにも立派なポプラが3本並んでいて、風の強い日は葉音がよく響いています。
春から秋の、葉のあるアスペンの森も歩いてみたかったなー。
これだけの規模の「震える巨人」の葉音を聞いてみたい〜〜!
PANDOへの道も、そこからザイオンへ向かう道も、のどかな牧草地や木立ちや岩山が次々にあらわれて、まったく見飽きませんでした。
そしてさらに興奮の岩山だらけのザイオン国立公園へ。