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2019/11/22

敷居のひくいMIT


ハーバード大を見物したら、次はMIT、マサチューセッツ工科大学のキャンパス拝見。
ハーバード大からは自転車で10分くらいの距離。
お天気がよかったので、例のブルーな貸し自転車を利用してみました。無事転ばず、大惨事なしに到着。よかった。

シアトルではサウスレイクユニオンのアレン脳科学研究所の前にあるジャウメ・プレンサ作品(先日アップした写真のやつ)ですが、MITにもプレンサさんの作品がありました。

こちらのタイトルは「アルケミスト(錬金術師)」。アルファベットや数字でできている人。

シアトルにある「Meeting of Minds」はアルファベットや漢字など、言語をあらわす記号でできている像ですが、こちらは理科系大学にふさわしく、「ことば」ではなくて数式の記号でできている。

言語や数式を使って世界をつくっていくのが人間というもの。だから「錬金術師」ということなのか。石から黄金をつくりだす存在。

アルケミスト」 というベストセラー小説もありましたね。

この像は、匿名の卒業生がぽんと寄付したそうです。ふーん。
それくらいぽんと寄付できる卒業生がいっぱいいるでしょうからねぇ。


MITの中心的な建物は、「グレート・ドーム」。

1916年建造。ちょうど、シアトルではワシントン大学のスザロ図書館が構想されていたときです。(スザロ図書館は1923年着工)

この時代のアメリカの建物って、壮大な自信にあふれてるなあ、と思う。これからは俺らの時代だ!という気概がびしばしとつたわる。

このビルは、新古典主義と当時最新のエンジニアリングのミックスだそうです。


ギリシャ神殿もびっくりの、壮大なスケールの円柱です。


巨大でこのコラムの狭さがドラマチック。ちょうど素敵なかげんの日差しでした。


おもての壮大さにくらべて、内側は駅の待合室みたいにすっきり簡素なのも理工大学らしいかんじ。
このビルの1階はアドミニストレーションオフィスになっている。


このMITロゴがかわいい。

そしてこのビルのてっぺんの「グレートドーム」の内側はライブラリーになっていて、狭いエレベーターで誰でも上がっていけるようになっている。

おハーバードよりだんぜん敷居が低いですね(見るだけならな)。


「エンジニアリング・ライブラリー」。デスクとソファが配置されていて、コンピュータに向かって一心不乱に何かしている人びとが10人ほど。全員がMITの学生ではないような気がした。でもとっても静かでした。

小さな子ども連れの観光客も見にきていました。


ドーム内側の意匠はわりあいにシンプルです。天井にスカイライト。これもやっぱり駅の待合室をおもわせる。

このライブラリの周囲も小さな学習室やミーティングルームになっていました。思ったよりもダウントゥーアースな印象のMITだった。


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2016/09/14

図書館とマネー


今回のソイソース『たてもの物語』は、シアトル中央図書館を紹介しました。
ブログで中央図書館の記事を書いてから、もう2年なのねー。季節はめぐるー。

シアトルの人って、どんだけ図書館好きなんでしょうか。と、いつも感心する。

このコールハース&ラマスさん設計の中央図書館ができたのも、1998年、市内の図書館を一新するために1億9,600万ドルという破格の予算がついたから。

さらっと200億円っすよ。国とか州ではなくて、人口100万人に満たない市の予算ですよ。

これは自治体の図書館予算としては全米でも破格のスケールで、いまだに前例がないようです。

当時はマイクロソフトが天井知らずの成長を遂げていたころ。

図書館のサイトにある「シアトルとしょかんのれきし」というコーナーにも、その当時の状況についてこんな一文が。

Circulation had soared past 5 million items by the mid-1990s, the Library's annual donations topped $1 million, and the dot-com frenzy was fueling an economy that seemed to promise a limitless future.

(1990年代なかばには貸出し数は500万件を超え、図書館への寄付も年間100万ドルを超えるようになった。怒涛の勢いで成長するドットコム業界は経済を大きく成長させ、無限の未来を約束しているようにみえた)
…ちょっと泣ける…。

このときの住民投票では69%が賛成だったそうです。

結局、この1998年の「Library for All (すべての人に図書館を)」予算は、当初の1億960万ドルに加え、ビル・ゲイツさんやらあちこちからの寄付などを加えて、2億900万ドルのプロジェクトになったのだった! 290億円。ちーん!

この予算で国際的中央図書館が建ったのみならず、市内の22の分館はすべて新築または改装されたので、シアトル市内の図書館はみんなとってもオシャレ。



こちらはご近所のバラード図書館。

ソイソースの記事ではさらっとしか触れられなかったけど、2012年8月に住民投票でゴーサインが出た図書館の目的税(Library Levy)もすごいなあ、と、つくづく思う。

私がシアトルに移り住んでしばらくたった2012年ころには、不況で市の財源が減らされて、図書館の開館時間も大幅にカットされてたんですよ。

日曜日に開いている図書館が少なくなり、あちこちのネイバーフッドの図書館も週に何日かは休館したり早い時間に閉めたりして、経費削減に対応していた。

それを、目的税を設定することで7年間にわたって毎年1,500万ドル以上の図書館運営費を確保した。7年間で1億2,300万ドル。

さらっと年間15億円。
内訳は、Keep Library Open (「図書館を開けておきましょう」)予算(週末や夜間も図書館を開けておくための人件費など)、書籍や資料を購入する予算、オンラインサービスやコンピュータ機器のアップグレード予算、建物のメンテナンス予算。

2000年代の不況を経て、また今、シアトルはバブリーなまでの成長中。
図書館にむこう7年間お金をつぎ込むだけの余裕を感じているのでしょう。いいことですね。



バラード図書館は、エコな仕掛けがいろいろフィーチャーされている。


屋根に草を生やしてあったり(グリーンルーフというそうですよ)。
これが10年間でどんだけうまくいってるのかはちょっと謎だけど、まあそこはそれ。
ソーラーパネルもあるらしい。


かっこいいでしょうー。とりあえず、町の誇りが図書館っていいよね。

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2015/05/18

ツタのからまるキャピトルヒルの図書館


先日、調べもので本を検索していたら、見たかった本がシアトルではCapitol Hill の図書館の棚にあるというので、行ってきました。
(ネットで頼めば他の分館にも取り寄せができるんですが、それだと数日かかっちゃうので)

キャピトルヒルはダウンタウンからちょっと丘を上ったところにある古い住宅街。中心部はパーティータウンとして(ゲイの町としても)有名で、レストランや劇場やクラブやバーやカフェやブティックや大人のショップや画材屋まで色々と強烈に個性的な店がひしめきあってますが、少しはずれたこの図書館のあるあたりは、古い住宅街の面影が残っています。

1930年代くらいに建てられた煉瓦造りのアパートメントのビルが多く、その多くは現役で使われてます。

この図書館は2003年に完成したものですが、まわりの古い建築に溶け込むように、外壁も内壁も煉瓦を使用。

シアトル市内には27館も図書館があるんですが、その1つ1つがみんな個性的でエコでオシャレで、本当につくづくシアトルな感じです。




このキャピトルヒル分館では、外壁にフェンスを張って植物をからませてるだけじゃなくて、建物の内側の壁にも!植物が這わせてあるのにびっくりしました。

アトリウム風の広々した一面の窓と2階分吹き抜けの空間が素晴らしい。

その広い読書室の四隅に、植物の絡まる煉瓦の壁があるという演出。

吹き抜けの両側には「quiet room」が並んでいます。特に静かに集中して作業や勉学に励みたい人のための部屋。

図書館の「Building Fact」 のページを見てみると、この場所は「商業地区と住宅密集地の中間くらいに位置する」ため、「この2つの地区をつなぎ、ハイエナジーな商業地区のオアシスとして、また活発なコミュニティの中心にある静かなリビングルームとなるように」設計した、とあります。

この植物のからまるフェンス、「living facade」はアーティストのIole Alessandrini さんの作品だそうです。

何という植物なのかは書いてなかった。かなり大きな葉の蔓植物で、もう蔓そのものはかなり太く成長してます。


使われている煉瓦についても、近隣の「Anhalt Apartments」という古い煉瓦のアパートなどの建物群とバランス良く映えるものを選び、「人間のスケールでカクカクした感じを表現できるよう」煉瓦のテクスチャーも慎重にデザインした、と説明されてます。

ほんとによく見ると、煉瓦の色やテクスチャーも壁の場所によって違う。
きめ細かく配慮されてます。


外壁の植物は何種類か混ざっているもの。

この東側の壁に並んでいる窓は、内側の窓辺に薄いクッションが敷いてあって、読書用のコーナーになってます。
こういう壁のへこみや出窓などに作ったちっちゃなコーナーを英語では「Nook」と呼びます。
居心地の良い、ゆったり本が読めそうな感じの一人用のスペース。自分ちにあるといいですね。


建設などの費用(capital cost)は570万ドルだそうです。えーと、2003年のレートだと5億7000万円くらいですね。今だったら円安だから6億8000万円ですよ。ひぇー円安恐ろしい(涙)。

とにかく公共の建物にこれだけ個性的でオシャレな建築とアートが組み込まれているというのは嬉しいことです。



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2014/06/12

シアトル中央図書館の10周年



シアトル中央図書館が新装オープンから10周年を迎えたそうです。

シアトルで一番目立つ建物の座をEMPと競っているこのカッコ良い図書館を設計したのは、 オランダの建築家、レム・コールハースさんとシアトル出身のジョシュア・プリンス=ラマスさん。

フランク・ゲーリーさんの、のたうつ有機物のようなEMPとは対照的なカクカクした大胆な多面体デザインが目を惹きます。


シアトルに一番最初にあそびに来た時にも、コールハース・ファンのCTちゃんに連れられてまずここを見に来たのでした。


向かいのビルの前にある、オーガニックな形のヘンリー・ムーア彫刻とも好対照です。


入り口のブックポストで本を返却すると、このベルトコンベアに乗ってカウンターの後ろに運ばれる仕掛け。レトロな工場っぽくて素敵。


チェックインカウンターの前の床には世界各国の文字の活字がデザインされています。日本の文字もあり!

チェックアウトはもうどこの図書館もセルフサービスになってしまいましたね。



 こちらは1階上がった6th Avenue 側のロビー。坂道に建っているので1階と3階に玄関があります。
3階のほうのロビーにはシアトル地元のショコラ屋さんChocolati のスタンドもあって、濃厚チョコレートやエスプレッソを飲みながらまったりできます。
その隣には図書館グッズや地元アーティストの作品などがあるギフトショップもあって、けっこう楽しい。
どちらも営業は午後5時まで、Chocolati のスタンドは日曜のみ午後4時までです。



上階へはこのドラマチックな黄色いエスカレーターで。


エスカレーターの途中にはアートの展示。


上がると5階の Mixing Chamber という広いホール。ここは備え付けのPCが無料で使えるところ。


オサレ空間ですが、使っているのはダウンタウンに居住しながらPCを所持していない人びと、すなわちホームレスの人が結構多かったりします。



誰にでも開かれた空間であることを目指すお洒落な図書館ですが、ダウンタウンの真ん中に位置するだけに、住宅街にある図書館とは違うセキュリティ面の葛藤が伺えます。

たとえばトイレの壁には「ハウスルール」として、「麻薬、アルコール、煙草の使用の禁止/ 身体を洗う、ひげを剃る、髪を切るなどの行為の禁止/洗濯および着替えの禁止/睡眠やみだらな行為の禁止」が貼りだされてます! つまりそう書いておかないとそういう行為があとをたたないということ。


私もちょうどこの階の ↑ 左側の書架の間で、「みだらな行為」を目撃してしまったことがありましたΣ(゚Д゚|||)

警察官が見まわっているし、酒気を帯びていたり見るからにヤバい人はすぐつまみ出されるのですが、特に上のほうの階のひと気のないところでは、女性一人でのんびり読書はお勧めできません。



6階から9階は大きな螺旋を描いて書架が並ぶ階で、「スパイラル」と呼ばれてます。



オズの国行きみたいな黄色いエスカレーターを乗り継いでいくと、最上階のリーディングルーム。(ここは明るくて見通しが良く、いつも比較的人が多いので安全です)


ここには歴史的資料を保存している「シアトル・ルーム」という資料室があって、だれでも閲覧することができます。
資料室の開いている時間はスタッフが常駐していて、私も何度か調べ物に行ったのですが、これこれこういうのを探してるんだけど、と尋ねると本当に親切にいろいろと助言してくれました。


自然光をたくさん取り入れた贅沢なリーディングルームは、のんびり仕事や勉強ができるスペース。

もちろん全館で無料WiFiが使えます。無料WiFiはシアトル市内の図書館27館どこでも共通。
 
この中央図書館が建ったころのシアトルはきっと最高に景気が良かったのじゃないかと思います。

最近は市も予算不足で、2年前だったかには、市内の図書館のほとんどが営業時間をカットされていました。



しかしすごいなと思うのは、Seattle Public Library Foundation という財団が活発に活動していて、毎年かなりの寄付を集めていること。

今年の春のキャンペーンでは1200名ほどの寄付者から$204,000を集めたとお知らせが来てました。この寄付金は書籍やコンピュータの購入、オンラインシステム整備、講演会やイベントの企画運営、移民のためのさまざまなプログラム運営などに使われるそうです。


 1階にある「マイクロソフト・オーディトリウム」では毎週のように無料のコンサートや著者を招いての講演などが行われてます。

私の敬愛するSF作家、アーシュラ・K・ル=グウィンさん(おとなりのオレゴン在住)も年に1回くらいの割合でここの図書館に来て講演してるんですが、いっつもなにかしら避けられない用事が出来て、まだ一度も行けてません。今度こそ~。


人口63万人の都市で図書館が27もあって、そして春のキャンペーンで2000万円がさくっと集まってしまうなんて、シアトルの人は図書館がほんとに好きなんですね。
 Seattle Public Library Foundationのサイトでは、遺言書で財産を図書館に寄付するようにしておいては、とか、万一不慮に亡くなった時には積み立てた年金の受け取り人が図書館基金になるようにしておいてはいかがでしょう、という提案もされてて、財産ができたら一定の寄付をするという文化が浸透してるなあと思わされます。

ちなみに東京都杉並区は人口約55万人で、図書館の数は13館。杉並区の図書館は優秀だと思ってましたが、その2倍の数があるとは。(土地の面積ではシアトル市は杉並区の約10倍ありますが)

ホノルルに住んでいた時にがっくりしたことの1つは、図書館があまりにも早く閉まってしまうことでした。ダウンタウンの中央図書館は気持ちの良い中庭のあるクラシックな建物で好きだったのですが、なんと午後5時閉館。しかも日曜休館。
ていうかオアフ島の図書館はすべて5時閉館で、日曜日に開いている図書館が島中で当時1箇所しかなくて、週末に子どもの宿題のために図書館に連れて行って資料を探さねばならないのに、とても困ったものでした。

シアトルの図書館は中央図書館だけでなく小さな図書館でも平日午後8時まで開いているし、週末も土日ともオープンしてます。でなければ勤め人は行けませんよね。


 エレベーターの中もエスカレーターとお揃いの蛍光イエロー。



そしてミーティングルームの ある4階は、真っ赤! SF映画みたいな不思議空間。


このウルトラモダンな建物には好き嫌いがあるようですが、あまり好きではないという人も、ワールドクラスの建築家によるワールドクラスの図書館があるのはシアトルの誇り、という点では一致してます。

市で一番立派な建物が市庁舎とか裁判所なんかじゃなくて、誰もが気軽に日常使える図書館っていうところが良いではないですか。


ギフトショップにはこんなポストカードもありますよ!
 映画『アメリ』に出てきた、旅をするノームが黄色いエスカレーターに乗ってる図。

シアトルに住んでてまだ中央図書館に行ったことないという方、これからシアトルに行く方、ぜひぜひこの建物を体験してみてください。 個人的には、スペースニードルよりずっと面白い観光ポイントだと思います。

こちらもよろしく。↓
PONDZU WORDS BOOK  (1 of 1)
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2012/02/23

日曜日のホグワーツ(違


日曜日、ワシントン大学のスザロ図書館へ。
いつ行っても、ホグワーツな雰囲気です。

いつもは大学構内、1時間につき4ドルくらいのパーキング料金がかかるのですが、日曜&祝日は無料〜。クルマで行って見学するなら日曜が狙いめですよ。

もちろん閲覧室は誰でも使えます。


 大閲覧室は相変わらず静まりかえっていましたが、記念撮影している人も結構いました。
ここは天井が高いので、小さな音でも風呂場のようにわんわん響き渡ります。

シャッター音が響くと、静かに読書をしている人がちらっと目をあげる、視線が厳しい。

日本でもホノルルでも、図書館は飲み物食べ物持ち込み厳禁だったけど、シアトルの図書館は市立のも大学のも、まったくノーチェック。

本を読むのにコーヒーなしでどうするの?っていう文化なのか。
さすがにお弁当を食べている人はいませんが…。

ここも図書館1階のカフェテリアに(シアトルの施設だから当然)エスプレッソバーがあるので、カプチーノやアメリカーノを買って来て温かいカップを片手に、ゆったり読書ができちゃいます。
 

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2010/10/16

都会でニワトリ


シアトル市図書館から、毎月Eメールで「今月はこんなことやってます」というお知らせのニューズレターが届く。作家や建築家の講演や、キッズ向けのイベントなど、各図書館での催し物がかなり充実していて、実際に行ったことはまだないけど、面白そう。今回はニワトリの写真が目をひいた。

Urban Self-Reliance (都市的自足生活)』というお題のワークショップ。ヒップな町の真ん中のキャピトルヒル図書館で、8回連続で開催中。


Sustain your household by consuming less and saving more.
「消費を抑え、より多く貯めて、家計を支えましょう」

というテーマで、毎回ぜんぜん違う方角の講義が行われる。たとえば「保存食の作り方」「家計予算の立て方」「自転車通勤の初歩」「自転車メンテナンスの基礎」「家庭菜園ワークショップ」そして、「都会でニワトリを飼う」…。

通勤通学は自転車でガソリン代を抑え、 食べるものも出来るだけ裏庭で調達して、環境にも財布にも優しい生活をしましょう、というワークショップなのだ。いかにも不景気の時代らしく、すごくシアトルらしい講座だなあと思った。

シアトルは、自他ともに認める「tree hugger」、環境保護派の人が多い。どのくらい多いのかの統計は見てないけど、たしかに多い。アメリカの平均値から比べたら、エコな人の割合はかなーり濃いとおもう。ビル・ゲイツ財団の屋根も市庁舎の屋根も環境のために草を生やしてるし、エコバッグの普及率も相当なものだ。 環境への影響を軽減することに、大真面目に取り組んでいる個人や企業が目立つ(もちろんみんながみんなというわけじゃないけど)。

「サスティナビリティ」は「持続可能性」という訳語が固まっているけど、この漢字熟語は意味を少し取りこぼしている気がする。
「Sustain」のもつ、供給する、支える、という意味を「サスティナビリティ」も、その背景にニュアンスとしてもっている。「サスティナブルな事業」というような言い方がされる時には、やり方を変えたり、積極的に働きかけることで継続を可能にする、という行動と責任の自覚が意識されている。「自律的な存続可能性」くらいの意味が込められている場合も多いと思う。

このワークショップは、経済的な自律性と環境への責任とを一挙に満たしてしまおうという試みで、超ミクロに地に足がついたとこが良い。

企業や官庁の「サスティナビリティ」への取り組みは過分に宣伝されてるなと思うことも多いけど、個人レベルでとりあえずできることを地道にやろうという人がたくさんいるのは頼もしいし、健康的だ。
そのうち、ペット可じゃなくて家畜可のアパートとかも出来るんじゃないかな。シアトルだから。