2015/05/18

ツタのからまるキャピトルヒルの図書館


先日、調べもので本を検索していたら、見たかった本がシアトルではCapitol Hill の図書館の棚にあるというので、行ってきました。
(ネットで頼めば他の分館にも取り寄せができるんですが、それだと数日かかっちゃうので)

キャピトルヒルはダウンタウンからちょっと丘を上ったところにある古い住宅街。中心部はパーティータウンとして(ゲイの町としても)有名で、レストランや劇場やクラブやバーやカフェやブティックや大人のショップや画材屋まで色々と強烈に個性的な店がひしめきあってますが、少しはずれたこの図書館のあるあたりは、古い住宅街の面影が残っています。

1930年代くらいに建てられた煉瓦造りのアパートメントのビルが多く、その多くは現役で使われてます。

この図書館は2003年に完成したものですが、まわりの古い建築に溶け込むように、外壁も内壁も煉瓦を使用。

シアトル市内には27館も図書館があるんですが、その1つ1つがみんな個性的でエコでオシャレで、本当につくづくシアトルな感じです。




このキャピトルヒル分館では、外壁にフェンスを張って植物をからませてるだけじゃなくて、建物の内側の壁にも!植物が這わせてあるのにびっくりしました。

アトリウム風の広々した一面の窓と2階分吹き抜けの空間が素晴らしい。

その広い読書室の四隅に、植物の絡まる煉瓦の壁があるという演出。

吹き抜けの両側には「quiet room」が並んでいます。特に静かに集中して作業や勉学に励みたい人のための部屋。

図書館の「Building Fact」 のページを見てみると、この場所は「商業地区と住宅密集地の中間くらいに位置する」ため、「この2つの地区をつなぎ、ハイエナジーな商業地区のオアシスとして、また活発なコミュニティの中心にある静かなリビングルームとなるように」設計した、とあります。

この植物のからまるフェンス、「living facade」はアーティストのIole Alessandrini さんの作品だそうです。

何という植物なのかは書いてなかった。かなり大きな葉の蔓植物で、もう蔓そのものはかなり太く成長してます。


使われている煉瓦についても、近隣の「Anhalt Apartments」という古い煉瓦のアパートなどの建物群とバランス良く映えるものを選び、「人間のスケールでカクカクした感じを表現できるよう」煉瓦のテクスチャーも慎重にデザインした、と説明されてます。

ほんとによく見ると、煉瓦の色やテクスチャーも壁の場所によって違う。
きめ細かく配慮されてます。


外壁の植物は何種類か混ざっているもの。

この東側の壁に並んでいる窓は、内側の窓辺に薄いクッションが敷いてあって、読書用のコーナーになってます。
こういう壁のへこみや出窓などに作ったちっちゃなコーナーを英語では「Nook」と呼びます。
居心地の良い、ゆったり本が読めそうな感じの一人用のスペース。自分ちにあるといいですね。


建設などの費用(capital cost)は570万ドルだそうです。えーと、2003年のレートだと5億7000万円くらいですね。今だったら円安だから6億8000万円ですよ。ひぇー円安恐ろしい(涙)。

とにかく公共の建物にこれだけ個性的でオシャレな建築とアートが組み込まれているというのは嬉しいことです。



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