シアトル美術館で開催中のMonet at Etretatをみにいってきました。
ノルマンディー地方のエトルタという海岸で描いた作品を中心にした小さな展覧会です。
点数は少ないものの、見応えがあって面白かったです。
今あんまり体力がないので、規模的にちょうどよかったかも。
当時から観光地だった、エトルタ。日本でいったら「松島」みたいな感じの景勝地なのかな。
モネさんは、海を目の前にした、こんな可愛らしいホテル↑に泊まって制作をしていたそうです。
モーリス・ル・ブラン作アルセーヌ・ルパン・シリーズの『奇巌城』に出てくる有名な海岸で、この海岸に突き出した奇岩や波の表情を新鮮に捉えるために、モネさんは崖のうえから眺めたり、後ろ側からみたり、色々とご苦労をかさねたようすがわかります。
このエトルタの海岸は、画家たちにも人気のスポットであったそうで、有名作品もたくさん生まれています。
同じ場所で制作していた、モネさんよりちょっと先輩の世代の画家たちの作品も並べて展示されていました。
クールベさんとコローさんの作品が印象的だった。
クールベさんの作品は、自然をあくまでも対象/他者として見ていて、その自然のなかにはなんなら敵意に近いようなものも、危険な性格も、見ようと思えば見ることができます。
一方で、モネさんの絵は、ひたすらに自然と一体化してる感じがします。
描かれた波のひとつひとつにエモーションのようなものを感じてしまうほど、波や光に心を寄せているというか。でもエモーションではなく、それ以前のもっと未分化なエネルギー。
自分の感情を自然に投影しているのではなくて、あくまでネタはネタとして冷静に見つめながらも、生命が響き合っている感じ。
そのような自然との一体感が、とくにモネさんが日本人に超絶人気がある秘密の一つなのではないかと、今回クールベさんの絵のとなりでモネさんのこの波の絵を見ていて、そう思いました。
モネさんの絵は、とにかくまっすぐにキレイなものを見ることの純粋な楽しみを提供してくれるっていうことを、あらためて感じた展覧会でした。
眼福ってやつですね。 この楽しみっていったい何なのだろう。
楽しかったです。お風呂と美術館は命の洗濯です。
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