ボストンに着いて数日目の朝、少し寝坊していたら、窓の外でけたたましい啼き声がきこえました。
リスでした。
窓のすぐ近くまでやって来て、ひた、とこちらをのぞき込み、はげしい口調で何か言っていたのですが、なにを言われていたのかさっぱりわかりません。なんだかすごく怒ってるようでした。
リスが窓までやってきたのはこの日だけ。
なんだったんだろう。
すぐ近くの公園(「パブリック・ガーデン」と「コモン」)は、りす天国。
とにかくうじゃうじゃいます。
リス的には1年でいちばん忙しい季節ですので、だれもが脇目もふらず働いています。
一心不乱に木の実を探しては食べ、すぐに食べないと決めれば埋める。どうやって決めているのかまったく謎です。たぶん本人もまったくわかっていないと思う。
そして次の瞬間にはまた地面にはいつくばって、くんくんニオイをかいで木の実を探しまわり、だれかが埋めた木の実を堀り出す。
たぶん、ちょっと前に自分で埋めた実もほじくり返して食べたり、また別のところに持っていって埋めたりしてるに違いない。
まったく無駄にエネルギーを消費しているようにみえますが、まあよく冷静にかんがえてみたら、人間も似たようなことをしてるのかも。
ここにいるリスたちはシアトルにいるのとまったく同じ種類のようですが、この公園では観光客だけでなく地元の人もよくリスにエサをやっているので、リスたちは人間を食糧供給源だとみなしています。
ある日、ファーマーズマーケットでアップルサイダードーナツを買ってきて、お天気も良いし、この公園で食べようと思って、ベンチに座ってドーナツのパッケージを開けた瞬間。
5メートルくらい離れたところで地面のニオイをかいでいたリスが、プラスチックの容器を開ける音をききつけたとたんに棒立ちになって、こちらをカッ!と見たかと思うと、脇目もふらず突進してきたのです。
そしてあっという間にベンチの上に上がり、ドーナツの前に立ちはだかっていました。
もちろんリスとドーナツを共有する気はまったくなかったので、追い払ってからドーナツの写真を撮りました。
ちょっとでも躊躇していたら一個取られていたかもしれないくらいの勢いでした。
リスって、このしっぽと小さな前あしのおかげでトクをしてます。
このしっぽがこんなにふわふわじゃなくてネズミと同じミミズ型だったら、たぶん公園からはとっくに駆除されているのではないか。
少なくともこんなにうじゃうじゃ、公園の風景の一部として存在をゆるされていないと思います。
前あしで木の実を抱えてたべる格好がこんなにかわいくなかったら、きっと誰もエサをやろうとは思わないはず。
リスが木の実を食べるとこって、ほんとにおかしいくらいかわいくて、見飽きません。
パブリックガーデンのジョージ・ワシントン像の前からコモンウェルス通りという通りが始まっていて、通りのまんなかに緑地にはさまれた遊歩道があります。
うちの息子が借りているアパートはこの通り沿い。
ここの緑地にもリスがいっぱい。
ここには一匹、白いリスもいました。近所では有名みたい。
リスはどんぐりを埋めた場所を覚えてないと言われています。
返信削除愛らしいから駆除されない❗確かに