2019/10/18

のどかな死後の世界


ポーツマスの町を歩いていたら、お墓があった。


クラブアップルの実が散らばる芝のなかに、薄い石版が無造作な感じに点在していて、みんなちょっとずつ傾いてます。

17世紀の墓碑もあった。あとでググってみたら、ここはポーツマスで一番ふるい墓所なのだそうです。


羽根の生えたかわいいガイコツ(死の天使かな?)が彫刻されてます。気の利いたハロウィンの飾りみたい。
これは、17世紀末、1692年になくなった方のお墓です。

どれをとっても、ガイコツなどの装飾をこらしたオシャレな墓石ぞろいでした。



墓碑には、「ここに(故人のお名前)の身体が埋められている」と、きわめて直截な内容が書かれているのです。

この下に埋められているんだ…と思うと歩くのを遠慮してしまうのでしたが、観光客らしい人がけっこう何人もお墓を鑑賞していて、白人のおじさんが二人、デジタル一眼レフカメラを構えて墓石ににじり寄って写真を熱心に撮ってました。

長いあいだ放置されて荒れるにまかされていたのを、今では市が管理して整備したり、墓石をきれいに洗ったりしているそうです。

後世の人に大切にされている、どことなくのどかで明るい感じがする墓所。

観光客が上がりこんできてパシャパシャ写真を撮っていくのも、まあいいんじゃない、ご覧になっていきなさいよ、と鷹揚に迎えてるような墓所でした。


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