少し前ですが、『Twin Peaks』のロケ地、North Bend に行ってきました。シアトルからは車で30分くらい。わりに近所です。
ドラマの設定では、「ツインピークス」町は、シアトルから10マイルではなくて、ワシントン州北東部にあることになっていました。カナダ国境に近い町、という設定だったのでした。カジノ&娼館の『One Eyed Jack(ワン・アイド・ジャック)』 は国境の反対側、カナダに入ったとこにあるって設定でした。
クーパー捜査官も宿泊する重要な舞台「グレート・ノーザン・ホテル」として登場する滝の上のホテルは、外見はそのままだけど今は「Salish Lodge & Spa」という高級リゾートホテル&スパになっています。
中には入ったことはないけれど、グレート・ノーザンの内装(改めて見ると、ドラマに出て来るホテルのロビーなどにはネイティブアートのモチーフがたくさん使われてて、正統派ノースウェストです!)とはかなり変わっているものと思われます。
この滝、本名はSnoqualmie Falls (スノコルミー滝)。今年は冬にたくさん雪が降ったので、まだまだ水量が多くて迫力です。
滝の周囲は現在工事中。滝の下のほうまで下りるハイキングコースは、残念ながら来年まで閉鎖中です。『Twin Peaks』第1話でローラの遺体がみつかったのもこの滝のほとりでした。
最近NetFlixのストリーミングで全話見られるようになったので、このところ毎晩連続で『Twin Peaks』マラソン中。20年ぶりくらいに見るけれど、やっぱりヘンで、面白い。すっかりはまっています。
ジャイアント、どうしてもっと早くわかりやすいヒントをくれないのか…(しかしやっぱり嶋田久作そっくり…)。そしてクーパー捜査官、若い!みずみずしい!(ちょっと前、『デスパレートな妻たち』に出てきてて、あれ懐かしいと思いましたが…)
女の子たちも、ほんとに皆可愛い。アンゴラのセーターを着たララ・フリン・ボイルなんか、ほんとうにうっとり見とれてしまう。ペーター佐藤のパステル画に出てくるようなキュートなアメリカンガールでした。
そして、木材の町ということで、木材工場が重要な舞台だったのを、すっかり忘れてました。最初のテーマ曲が流れるところでも、木材工場が出て来るし。丸太を抱えている「log lady」マーガレットさんもいましたねー(笑)。ドラマに登場するような、巨大な木材を積んだトラックは、オリンピアのあたりまで行くと見かけますが、シアトル近辺では現在はあまり見かけません。
滝の近くの旧街道沿いに、廃止された線路の上に古い列車がコレクションしてある場所があり、「きかんしゃやえもん」みたいなエレガントな小さな機関車や、中西部から新鮮な食糧品を運んで来た昔の「冷蔵車」、工事に使われた蒸気エンジンのクレーンなど、 往年の列車たちが静かに並んでいます。あんまり保存状態はよくなくて、屋根から木がひょろっと生えちゃっていたり、壊れたものもそのまんまだったりするところが、なんとも大雑把というか、哀愁が漂っています。
ローラの殺人現場も、古い列車の中という設定でした。
この列車たちが当時からあって、ドラマのヒントになったのかどうかは謎ですが、たしかに人が乗らなくなって放置された貨車は、少しぞっとさせられるような怖い雰囲気。
そして、ドラマに毎回登場する、ダイナー!
この店は、数年前に放火にあって、内装はすっかり変わってしまっています。
看板だけはそのまま。
ここで食事をしましたが、サービスも食べ物もかなりガッカリでした。
どういうわけかピンクのカツラをかぶっているウェイトレスの女の子は(ノーマやシェリーほどではないにしても)可愛くて愛想は良いのだけど、デザートのパイをメインの食事よりも先に持って来るし、心ここにあらずって感じで、もう全然ダメ。店全体にやる気が感じられなくて、投げやりな感じが漂ってて残念でした。
チェリーパイも、まあこんな感じ。
そうそう、ドラマを見ていて、約20年前に見たときには気づかなかったことにいろいろ気づくのですが、今回は、このダイナーで使われているカップが、気になる。
これです。
直線的だけれどなぜかちょっととぼけた感じがするところが、すごく良い。
判事が保安官の事務所で使っている、ファイヤーキングっぽい翡翠色のマグも可愛い。
この「ジェード」はかなりの貴重品なんですよねー。
「アンティーク」と銘打っている店に行くたびに探すものの、なかなか巡りあえません。