いわゆるタッパー(一般名称)という、残りものをいれたりする食品用容器って、なかなか良いデザインのがないと思いません?
気に入ったのがないなーとずっと思っていて、ある日、IKEAでこの赤い容器たちをみつけ、即買い。
すっきり重ねられるし、無駄のないスリムなラインと、そしてなによりこの赤がキレイでしょ。
ひと目でフォーリンラブだったのです。
ひっくり返して底面を見ると、メイド・イン・イタリーとかいてある。うんうん、イタリアの赤ねー。
しかし、その下に
電子レンジはダメ
のマークが。
えっ………。と思ったけど、この赤のあまりの美しさに負けて、やはりまとめ買いをした。
見栄という問題ではなくて(冷蔵庫で使うもんだしね)、こういうような場合の自分の判断基準が賢明とはいいがたいことは、認める。堅実な性格の人ならこの時点で即座に却下でしょうね。
冷蔵庫の中で使うぶんには、重なり具合がすっきりで、とても気持ちよく、とても満足。
冷たい残りものを温めるときにはほかの容器に移し替える必要があるのが面倒だけれど、まあそのくらいは我慢してもいいか…。
と大目にみていたんだけど、やっぱりこの子たちは食べもの容器としてはかなりのヘタレであることが、徐々に分かってきた。
まずフタがね、密閉じゃないので、汁物をいれて移動は大変に危険なのだった。
お正月に
黒豆の煮汁をすべてクルマの床にこぼす惨事を引き起こしたのも、この容器。
そして先日は息子が何を思ったか、この容器にカレーをたっぷりいれてランチ用にバックパックにいれ、大学へ。ランチの前にさあ大変。バックパックの中がカレーの海になっていたそうです。
親子で同じ過ちを。
さらに使い始めて半年後、電子レンジにいれてもいないのに、大きな容器のひとつが、ひび割れた。
なので、もう汁物はいれられない。しかたがないのでその割れた子には猫のマスキングテープを貼って、ごはんなど汁気のないもの専用にしている。
さらにさらに、このように重箱型に重ねられるのはいいんだけど、重ねてしまうと取るのが難しいw。
ぴったりはまっちゃうから垂直に両手で持ち上げなければ取れないんですよ。コツがいる。
ヘタレというよりも、
最初からやる気のないイケメンて感じですね。
仕事を頼んだら、「オレってそういうことには向いてないんだけどなー」みたいなことをつぶやき、「やっぱりダメだったー!☆チャオ」と書き置きを残して仕事途中で帰っちゃうみたいな、そんな奴。
でも見た目だけはいい。わかってたはずなのに、あんたがそういう奴だってことは…。
だいたい食べ物をいれる容器で電子レンジ不対応って、考えるとすごい了見だ。
オチを言わないで帰っちゃう落語家とか、印籠のない水戸黄門みたいなもんだよね。
いやそれを承知で買ったんですけどね。
イタリアンのヘタレといえば、前に村上春樹氏のエッセイで、ヨーロッパで乗ったイタリア車のひどさをつらつらと書かれていたのを読んだ。どの車だか忘れたけど。
この美しく、しかし突っ込みどころ満載の容器を使っていて、その話を思い出してました。
この間IKEAに行ったらもうなかったから、やはり廃番になってしまったのでしょう。
そしてやっぱり、この見てくれは全然イケてないけど逆さにしてブンブン振ってもちびりもせず、黙々と淡々と仕事をこなすRubbermaidくんが頼りになるのね。
二つを兼ね備えた容器はないものですか。庶民価格でね。