2016/12/10

新しくなったスミス・タワー展望室 その1


今回のソイソース『たてもの物語』はシアトル最古の超高層ビル、スミス・タワーを紹介しました。

ここにはもう3回くらい行っている。 シアトルに来た最初の年にもCTちゃんと行ったのだった。
最後に行ったのは2012年。4年前!あっという間だなあ。

7月にコラムに取り上げようと思って行ってみたら、その時は展望室が改装中だった。

展望室はこの8月にリニューアルオープンしたばかり、という情報を確認し、事務所に連絡して出直してみました。



このあいだの日記でもちょっと書いたけど、2012年に行ったときから比べるとこのビルの西側にあたるパイオニア・スクエアのあたりはほんとうに変わった。
以前は夕方になってから一人で歩くのはすごく嫌な地区だったのに、すっかり綺麗になってオシャレな人が増えて。

そしてスミス・タワー自体も、4年前はしーんとしてて寂れた感が漂っていたのだけど、今回行ったらものすごく変わっててびっくり。

以前はシカゴかどこかの不動産会社が買って、半分をコンドミニアムにしようとして失敗したとかで、テナントがほとんど入ってない状態だった。

当時のオフィス入居率は30%程度だったらしく、1階にあったスタバも撤退してしまって、ほんとに寂しそうなビルだったんですよ。

その後、別のデベロッパーが激安価格(36ミリオン)で買って積極的にリノベーションし、IT企業やデザイン事務所なんかを誘致。

去年、シアトル地元のUNICO Propertiesが買い取ったときには2012年の2倍の値段になっていたそうですよ!36Mが74M!えーと3年で約30億円の利益ですね。
 デベロッパー冥利につきるでしょうねえ。

で今回行ってみたら、オフィス部分の入居率は90%になっているんだって、エレベーター係のお兄さんが教えてくれた。 すごい!

たしかに、もう見るからに活気が戻っていた。


1階にはチケット売り場を兼ねたオサレな売店でサンドイッチが食べられるカウンターもある「Provisions General Store」と、隣りにDiva Espressoができてた。
 
展望室へのチケットは大人$12、ワシントン州民は$10。

「ゼネラルストア」のうしろに、スミスタワー建造当時、1910年代から20年代のオフィスなどを再現したコーナーも出来ていて、展望室への見学ツアーはここから開始。


ここを通って、さらに階段を上がって2階からエレベーターに乗るしくみ。


2階への階段とロビーの壁は、建造当時のままの分厚いメキシコ産オニキス大理石のパネルがはりめぐらされていて超豪華。ほかにアラスカ産の大理石も使われてます。


エレベーターホールの手前には、むかしの交換台を再現した部屋もあり。


このビルで必見は、このエレベーター。


1914年のビル完成時からほとんどそのままという、スチームパンクな人びとが泣いて喜びそうな真正アンティーク。


右側のパネルは新しくつけ加えられたものだけど、機械はそのまま、100年を超えて現役。


以前にいた小さいおじさんはいなくなってて、このお兄さんがいろいろと説明しながら35階の展望室へ案内してくれた。

ぴかぴかの銅板の壁に真鍮のグリルのエレベーター。

ガラスと真鍮製のカゴ越しに外が見えるので、他の階がほんとにみんな使われていて、ハーマンミラーのオフィスチェアと大きなモニターを備えたいま風のオフィスになっているのがチラチラと見えた。

マイクロソフトの研究部門のひとつもここに入ってるんだとか。そのほか、IT企業、法律事務所、デザイン事務所なども。


展望室。以前は「チャイナ・ルーム」という名で、中国風のどっしりした家具が備え付けられていたけど、内装はすっかりモダンに変わってました。

 つづく。

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2016/12/09

雪の日の夜中の散歩


木曜の午後は雪の予報。
低い雲は雨雲よりも少し明るくて、なんとなく雪の予感。



午後8時くらいから降り出しました。
今冬2度めの雪。1度目は積もらなかったけど、今回は3〜4センチくらい積もった感じ。

夜中の1時すぎに、ちょっと近所を散歩してみた。


去年はたしか一度も出番のなかったもふもふスノーブーツと手袋をいそいそと箱から取り出し。

稚内より北にあるのに東京より温かいシアトルでは、 もふもふブーツを使う頻度はおせちの重箱なみに少ないので、軽くおまつり気分。


近所がクリスマスカード仕様になってたよ!


息子が背中を痛めていたこともあり、ここ数年はスキーにも行ってないので雪景色は久しぶり。

いつも数センチでも雪が降ると大混乱に陥るシアトルだけど、今回は夜中すぎに雨に変わって、それほど積もらなかったのであまり大変なことにはならなかったみたい。
とはいえ、通勤の方々は渋滞で大変だったかも。お疲れ様でした!

今日は1日家で仕事で、夕方4時すぎに外に出てみると、こんなになっていた。


裏道の舗道にはまだけっこう雪が残ってて盛大なぬかるみ!あちこちの家の前には、雪だるまたちの残骸が、たたかいに敗れて疲れ果てたというようなかっこうで、累々と転がってました。

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ねこの時間


ぎゅーんと冷気がやってきました。

月曜日には積もらなかったけど初雪も降り。また今日、雪が降る。

この火曜日、 わたしの大切な友人だった猫のたまちゃんが、具合が悪くなって、あっという間に旅立ってしまいました。


これは初めて会ったころ。
もう5年前!


とてもおとなしい小さな子でした。


強烈に我が強い男の子二人をいつもちょっとさめた目でうかがいつつ、誰もいなくなるとすっとそばに寄ってくるのだった。


このあいだの土曜日の夜、わたしが仕事をしてると、何かいいたそうにこっちを見ながら目の前をすごく何度もいったりきたりしてたのに、もうちょっとして手があいたらお話をききましょう、と思いつつ、腰をあげなかった。

あきらめたたまちゃんはぷんとして外に出ていき、寝る時間まで帰ってこなかった。
思えばそれが、元気なたまちゃんと語り合える最後のチャンスだったのに。

日曜の夜に急に具合がわるくなって、病院につれていったきり、帰ってくることができなかった。


ねこの時間はゆっくりと流れているようで、とても速い。


たまちゃんの時間の中に、少しだけど一緒にいられたことをほんとうに嬉しく思う。


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2016/12/07

シアトル市の街角アートボックス その2


信号のシステムが入っているという、街角アートボックスのつづきです。
今回のはすべてダウンタウン。 これはセカンドアベニューだったかな。

かなーり前に撮って、フォルダにいれたまますっかり忘れていたので夏の写真が多いです。

セカンド・アベニューとスチュワートの角。


キャピトル・ヒルのおされレストラン「Poppy」の前。お店のテーマカラーとコーディネートしている。


シアトル・ユニバーシティの前。スケボーですね。



これもキャピトル・ヒル。 わんこがいい感じにコーディネート。


ダウンタウンのどこだっけ。たぶんセカンド・アベニュー。
いまだに健在の新聞販売用ボックスとカラーコーディネートされている。
ほんとにみんなレベルが高い。洗練されてる。
その場所で商売をしてたり住んでる人たちが計画してアーティストに頼んでおカネを出して作るから、こう街角にぴったり溶け込むアートボックスになるんでしょうね。


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2016/12/05

シアトル市の街角アートボックス その1


シアトルの街を歩いているとよく目につく、アートなボックス。

これはフリーモントの交差点。この人の作品好きー!

これは、信号機を制御するなにかが入っている箱(雑な説明)だそうです。

シアトル市の交通局が、らくがき防止と美観向上のためにやっている…というか、このページをみると「市がやってる」んじゃなくて地元の人に「許可している」というシステムですね。

市がおカネを出すのではなくて、「うちの近所のこの信号の箱に絵をつけたい」という地元の人がおカネを調達し、アーティストをやとって、プランを提出し、許可がおりたらアーティストが絵を描く、というしくみ。

シアトルって、こういう自主的なしくみがすごくうまくいってると思う。


そして、クオリティもほんとに高くて、街に溶け込んでる。

これはパイク・プレイス・マーケットの近く、「フリーピープル」の前の。


これも同じ通りのマーケットの前。多分同じアーティストさんですね。
だいぶ前に撮ったもの。真夏だった。


こちらも真夏のダウンタウン。


立体をうまく使ってる。これもダウンタウン。色使いもオシャレですねー。

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2016/12/03

孤独のグルメといせやの焼き鳥


『孤独のグルメ』第一話をみたら、むちゃくちゃ焼き鳥が食べたくなってしまった。
門前仲町のつくねが、うまそうすぎる。

こちらの焼き鳥は、この夏日本にいったときの吉祥寺「いせや」。


ワカモノ2名に「好きなだけ食べなさい!」といってがっつりビールも飲んでお会計5000円以下でしたし!!

うちの息子の高校の同級生だったカイラスちゃんは、ワセダ大学に交換留学で1年間日本文学を学びにいき、腕にでっかい牡丹の刺青を入れて帰ってきたお嬢さん。

シアトルでは個性的なタトゥーをいっぱいいれていらっしゃる人がとても多いのです。

でも日本ではうら若いブロンドの女の子が牡丹のスリーブを入れているのは珍しいようで、お祭りでどこかの組の親分に腕をつかまれ、しげしげと観察されたうえに酒を振る舞われたという。


日本の外食文化ってすごいと思う。
シアトルだとちょっと小洒落た気の利いた店で食べようとすると一人50ドルとか軽く行っちゃうし、庶民なお店はセレクションが限られているし。

ほんとうにおいしくて多彩なものを食べさせてくれる、なんでもない店構えの街角グルメがこれだけたくさんあるって、すごい文化だ。

「いせや」は有無をいわさぬ相席制。

肘がぶつかるほど狭いテーブルで隣り合った、文庫本を読みながら一人で焼き鳥を食べていた初老のおじさまが、「ポテトサラダがうまいよ!」とすすめてくれた。
別にしつこく話しかけてくるでもなく。孤独のグルメの美学だわ。

やきとり行きたいなあ…。


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スタバのホリデーカップと1969年のハンガー・ゲーム


冷たい雨が降って薄暗いシアトル近辺です。今年の11月は雨が多かった。

暖炉のあるスタバに行って資料読み。

スタバのホリデーカップ、今年のは何種類かあってみんなかわいい。

ホリデーカップを見るとなにかテンションの高いものが飲みたくなるので、カイエンペッパーふりかけのピリ辛チリモカ。

街中のテンションが高くてつらい。

きのう台所を片づけながらラジオをきいていたら、1969年にベトナム戦争徴兵の抽選番号がラジオで発表されたときの話をやっていました。

ベトナム戦争が泥沼化していたとき。
それまで、大学に進学していた男子生徒は徴兵をまぬがれていたのが、あまりにも不公平だということで抽選制で誰もが徴兵にあたることになり。

誕生日ごとに抽選で番号が割り当てられて、低い番号なら高い確率で徴兵されることになっていた。
番号の抽選は、1969年の12月1日にテレビとラジオで全国に生中継されたんだそうだ。

アイビーリーグのダートマス大学でも、その年の4年生がランダムなくじ引きで徴兵の対象になるので、みんながラジオに釘付けになっていたという。

自分の誕生日が小さい番号であれば、何ヶ月か後に卒業したあと、すぐにベトナムに送られる可能性が大で、無事に帰ってこられない可能性もとても大だった。

「まさに『ハンガー・ゲーム』ですね」と女性のアナウンサーが言っていた。

うちの息子がちょうど今年、大学4年生なので、クリスマスを前にしてリビングでその番号の発表に耳をかたむけていた本人や家族の気持ちは、とても他人事と思えない。

いまの日本やアメリカの日常って、豊かで平和であることに気づかないほど豊かで平和な世界。

たくさんの若者が、行きたくない戦争に行って死ななくてもいい世界。

この中で生まれ育ってきたのでこれが世の中の当たり前だとつい思ってしまうけど、わたしたちってほんとうに歴史上珍しい、むちゃくちゃ恵まれた時代と場所に生きているのだったよね。
 

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