2014/03/19
キーボード
去年の引越し後、右腕がずっと痛かったので、本がぎっちり入った箱を無理して持ち上げたりしたせいかと思っていたら、しばらくして右腕の痛みが緩和するのと同時にこんどは左が同じように痛み出した。
…どうやらキーボードのせいなのかも、とようやく思い至ったのが最近という、デスクワークを生業としている割には、まったくお恥ずかしいていたらく。
友人にはマウス使いで右手が腱鞘炎になったなんていう人もいるのですが、私はこれまで「へー」なんて思ってるだけで、会社づとめのときも(リストパッドは使ってましたが)ほとんど気を使ってなかったのが、ここに来て急に一気にツケが出て来た感じです。(目のほうはもう、かなり前からやられてますけど)
で、ようやくエルゴノミクスのキーボードを急ぎ購入。
真ん中がもりあがってるー。馴染むまでに数時間かかりましたが、慣れたらこれはラク!
ほぼ同時にマックのほうのキーボードにコーヒーをこぼしてしまい、何も触っていないのに
oooooooooooooooooooooo;;;;;;
などと言い出すようになってしまったので、仕方なく新品を購入。
新しいエルゴノミクス君(マイクロソフト)より、そっちのほうが倍近く高かった…。
ウェブで探したら非正規品の10ドルくらいのもあったんだけど、東海岸から届くのを待っている余裕はなかったので、アップルストアにまたもや売上貢献してしまいました。ぐぬぬ。
iMacはもうほとんどどんなアプリにも相手にしてもらえないほどOSが古いので、早く入れ替えなくちゃ、ともうかれこれ半年思ってるのですが…
この新しいキーボード君も、見た目はまったく同じなのに、ショートカットキーに対応してくれてない(涙)。
来月必ずやってしまおう。
ウィンドウズのラップトップもそろそろ4年だから、もう買い替え時なんですよねー。Windows8はどうなんでしょう。
アプリの互換性のこととか考えるとほんとに入れ替えや買い替えって面倒で、腰があがらない。
もうあと1年くらいは働いてほしいと思っているのですが…。
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2014/03/14
2014/03/11
バンクーバーの収穫
たまに青空がのぞく、2月のバンクーバーでした。
バンクーバーって、去年行った時にも思いましたが、街の顔が香港に似ている。
新しいビルの意匠、そしてこのせせこましい建ち並び方が、とってもアジア的に感じます。
バンクーバーのダウンタウンは、シアトルのダウンタウンとベルビューをくっつけたらこうなるかも、という感じです。シアトルよりもずっとコスモポリタン。
住宅街は、それほどあちこち見て回ったわけじゃないんですが、わたしはシアトルの方が風情がある気がします。
庭木の手入れとか、小さな古い家をこまめに改装して住んでいる手の込み方とか、家に対する情熱にかんしてはシアトル住人のほうが群を抜いているような。
バンクーバーはとにかく、アジアのお金が大量に流れ込んでるな〜って感じがありありとしました。
売りに出ているおうちの不動産エージェントの多くは中国の名前でした。
今回はちょっと用事があって、Burnaby というエリアに行ってきました。
ダウンタウンから車で20分くらい、えんえんと広い幹線道路を走って行ったのですが、途中、チャイナタウンを出た後のエリアはちょっと荒んだ印象でした。
いろんなエスニックタウンを通っていくのが面白かった。
アジアのありとあらゆる国の料理やさんの看板が並んでいました。
バーナビーには日系プレースという場所日系のシニアのためのハウジング、小さなミュージアム、コミュニティホール、小さな食料品店までありました。ここで古本市をやってたのでちょっと寄って覗いてみました。
とっても盛況でした。バンクーバーも日本&日系コミュニティが活発なんですね。
日本語学校もこのへんにあるみたいです。
収穫〜。スティーリー・ダンのLP2枚、各25セント!ジミヘンのCD2枚、各50セント。
角川新字源と新明解国語辞典、各1ドル。
その他文庫本などいろいろ、ぜんぶ美品で合計15ドル未満!
国境をこえてバーナビーまで古本買いに行ったわけじゃないんですが、ほくほくな雨の午後でした。
同じ建物でやっていた浮世絵展も、小規模でしたが面白かったです。
2014/03/09
バンクーバーのビーフロール
2月の寒い週末、バンクーバーに行ってきました。ほぼ1年ぶり。
お天気はいまいちでした。2月のバンクーバーですからね。晴れればラッキー。
今回は、フードチャンネルの「Diners, Drive-ins, and Dives」で紹介されたPeaceful Restaurant (和平飯店)という店にどうしても行きたいと言い張る人がいたので、雨の中、10分ほど並んで入りました。
ダウンタウンからはちょっと離れた、市役所の近く。ロブソン通りのあたりとはまた雰囲気が違います。
名前はでかいが店は小さい。土曜日の昼ということもあり、満員御礼でした。
山手線の車両くらいの幅しかない店内を忙しくチャイニーズのおねえさんが行き交ってます。
お目当ての「ビーフロール」。
ぱりぱりの皮に、肉味噌的な香辛料のきいた牛肉の薄切りがはさまってぐるぐる巻かれているロール。
これはさすがに、このために人が並ぶだけあって、うまかったです。
これがなかなか登場しなくて、先にエンドウ(これもうまかった)や餃子を食べてしまった後だったので、一見してこれは無理、と思ったけど、ぜんぜん問題なし。脂っぽくなくて、さくさく完食できちゃいました。
どこかしら、屋台系の味。
もちろんラーメンも行ったんですが、 うーーーん、期待しすぎたかなー。
元町食堂の塩ラーメン。前回の黒味噌ラーメンのほうが感動があったなー。
バンクーバーって、リッチモンドの方はもちろんですが、ダウンタウンもそれを取り巻く住宅街も、チャイナな色が強いです。
朝はお粥が食べたくてリッチモンドのお粥やさんへ。
お粥についてきたこの頼りない餅みたいなのも、うまかったです。(なんだっけ?)
日曜の朝、店内は中国の人ばかり。おばちゃんが中国語の小説を読みながら一人でお粥を食べていた。
フェイク香港体験もリッチモンドの楽しみ。
2014/03/07
グーグル先生の野望
どうも奴らが信用できない。
もはや、あの人たち無しでは毎日が考えられないくらい、すごーくお世話になっているのですが。
とっても便利なサービスを提供してくれるし、次々にすごく気になる面白そうな新しいものを持ってきては、ホラっどう?おもしろいでしょー、良かったら使ってみてよ♥と気前よく使わせてくれる。
しかもタダで。
言うことがまた、すがすがしい。
「僕たちは、悪いことはしないって決めてるんだ!」
そんな人たちのことを、信用しても良いものだろうか。
もちろん、Google先生のことです。
気づけばもう数年来、生活の多くを Google に頼っている。
何かわからないときには、思考するより早くグーグル先生に聞いてみると、思考するスピードの1000倍くらいの早さで答えを返してくれる。
仕事の日はほぼ1時間に10回くらいの勢いで、グーグル先生に頼りっぱなし。
メールは全部Gmail 。
メールアドレスは独自ドメインのを持ってるけど、それもGmail に転送すればどのPCからもマックからもスマートフォンからもすぐに見て返事ができるし、なんといっても下書きだって即同期してくれるさっくさくのシームレスさ、連絡先やフォルダの使い勝手の良さは圧倒的。最近追加されたプロモーションメールの振り分け機能も超べんり。
不気味なスパムメールがほぼ一切といっていいほど来ないのも、本当に快適。
このブログだってGoogle の無料サービス使用中ですし。
道がわからない時も交通機関を使いたいときも、新しい場所に行ったときも、Googld Mapが頼り。サンディエゴでもサウスダコタでも、ワイオミングの山の中でも、グーグル・マップがなかったらどれだけ不便だったことか。
だから地面続きのカナダに行って、ローミングしたくないのでグーグルマップが使えないのには、心底いらついた。
写真や書類の保存はGoogle Driveにもお世話になっております。
もうグーグル先生なしには、人間としての生活が成り立たないくらいになってしまっている。
ではあるけど。というか、だからこそ。
ここまで生活を一企業に頼って良いのだろうか、と、ふと不安になる。
Google Drive は容量の多い有料版にして月に3ドルくらい支払ってるけど、まあそれだってタダみたいなもの。
ほとんどお金も払わずに、ここまで生活のコアを頼っているってどうなのか。
知らないうちに、自分の情報のすべてがGoogleの手に握られてる…ていうと妄想の世界のようであるが、実際、わたしに関する情報の多くが、もうすでにグーグルのサーバーの中に永久保存されているのはまぎれもない事実。
Google + をあんまり使いたくないのも、グーグル先生にソーシャルメディアまでお世話になりたくないからだ。Gメールをヘビーに使っているので、そこに直結したソーシャルメディアっていうのには抵抗がある。
でもブログサービスも使ってるので、囲い込みが最近アグレッシブだ。
Blogger にも最近、Bloggerプロフィールの代わりにGoogle + のプロフィールに替えませんか?というお誘いがついてたりする。
きっと先生は、ユーザー情報をぜんぶ統一してもっておきたいのだ。
それも恐らくは親切心から。
(ついでに、最近Gmail で添付書類のダウンロードボタンのよこにGoogleドライブのボタンがついてくるようになって、うっかり間違ってクリックしてしまうと、ローカルドライブや別の場所に保存しようと思っていたものもあっと言う間にGoogleドライブに保存されてしまって、後からわざわざ消すのが面倒だったらありゃしない。
あれももしかして、グーグルのサーバーに情報をたくさん集めるためのギミック?なんて疑りたくなる)
グーグル先生っていったい何を考えているんだろう。
たとえば、Google Glass。
今年発売されても、まだ本当に実用的になるにはあと数年かかる予定だそうで、実際に普及レベルにするのは2020年だというけれど。
あれ、今は単に面白いガジェットのレベルで取り上げられてるけど、本当に普及レベルの製品になったら、今のスマートフォンどころじゃない、破壊的に日常生活を変えるモノになるのは間違いないと思う。
それから、Google に買われたロボットたち。
それから、ストリートビュー。
それから、You Tube。
先生は一体、なにをされたいのですか?
多分グーグル先生はまだ自分たちの世界征服の野望に自覚がないのかもしれない。
善意と熱意で始まった物事が、 いつのまにか妙な方向に行っちゃったことは、歴史をみれば枚挙にいとまがない。
ていうか善意のほうが、あからさまな悪意よりも始末が悪いことも、往々にしてある。
グーグル先生たちにはいつまでも末永くスローガンである「 DON'T BE EVIL」を実行してもらいたいものだけど、その前にそれをきちんと具体的に定義してくれないかな。
このロボットはちょっとやっぱりどこか EVIL に見えるんだけどな。
グーグル先生はきっと純粋に世界中の情報をすべて知りたいのだと思う。
むかしむかし、インターネットという単語がまだ世にあまり知られてなかった頃、初めてアメリカに来たときに、サンディエゴの書店で敬愛するアーシュラ・K・ル・グウィンの、日本語版未訳だった『Always Coming Home』という小説のペーパーバックをみつけて買った。
これは遠い未来の、米国北西部海岸地方の話。文明は衰退して、人びとは狩猟と採取の生活を送っている。いくつかの部族が海岸地域に点在していて、主人公の女の子は内陸の騎馬族の酋長を父に持ち、海岸の部族の娘を母に持つハーフ、という設定だった。
その部族に伝わる歌や伝説を織り交ぜた、野心的なファンタジーで、当時のわたしの英語読解力ではかなり難解だった。途中で何回も放り出しつつも、(紙の)辞書をひきながら苦労して何年もかけて読んだ。
うろ覚えなんだけど、たしかその中に、以前の文明世界で人間が作ったコンピュータが独立した知性を持つ存在になっていて、人間からいろんな情報を集めようとしている、というのが出て来た。
人間の文明が衰退してしまった後で、人工知能が独自に勝手な発展を遂げ、機能や目的とは無縁の超越的な存在になっている。
そのシステムは、別に人間に対する悪意や害意はなく、ただ純粋に、周りの世界で起こっていることを知りたがっているだけなのだ。
グーグル先生のことを考えるたびに、そのコンピュータのことを思い出す。
純粋な、子どものように飽くなき好奇心と巨大な知性をもった、頭脳だけの存在。
グーグル先生を動かしている中の人たちは、ものすごく頭が良いとはいえ人間にはちがいない。でもトップの人がどうこうじゃなくて、グーグル先生そのものが、なにか有機的に、ふつうの企業の原理とは全然違う原則に動かされて広がっているという、そういう気がする。
「2001年宇宙の旅」のHALよりももっとずっと複雑で有機的な、生きもの的な存在。
浦沢直樹版の「アトム君」みたいな、なんかそういう存在なイメージ。
グーグル先生のサーバーに集められた世界中の情報は、あと何十年か後には今の私たちが全然考えもつかなかったような用途に使われるのではないだろうか、なんて気もしたりする。
「ビッグデータ」から何かを抽出するとかその程度の意味じゃなくて、なんかもう本当にとてつもない規模で。
こちらもよろしく
2014/03/05
スウェディッシュパンケーキ
先日北欧ヘリテージ博物館のショップで「スウェディッシュパンケーキ・ターナー」という器具を買ったので、さっそくスウェーデン風パンケーキを作ってみました。
レシピはターナーについてきたもの。
卵 大3個
ミルク 2カップ (またはミルク1カップ&ライトクリーム1カップ)
小麦粉 1カップ
バター 大さじ6
塩 小さじ1/2
卵を割りほぐし、ミルク1/2カップ分を注いで2分から3分泡立器でよく混ぜる。
小麦粉を一度に入れ、なめらかになるまで混ぜる。
残りのミルクを入れ、最後に溶かしバターと塩を混ぜる。
と、これだけ。
クレープのように冷蔵庫で寝かせる必要はありません。
レシピには(バターがたっぷり入っているので、スキレットにはバターを足す必要はほとんどありません)と書いてある。
なるほど。
2種類のフライパンで試してみました。
まずステンレスのフライパン。
みごとにくっついてしまいました。熱し方が足りなかったか。
次にキャストアイロンのスキレット。
こちらは大成功ー。
あたためたスキレットにそのままタネを流しただけで、まったく油は足しませんでした。
なにしろバター大さじ6ですから、奥さま。
焼き上がりつつあるパンケーキの周りにじわじわとバターがにじみ出てました。
ノンスティックのフライパンでももちろん良いんですが、余分な油を鍋肌に吸い取ってくれるキャストアイロンのスキレットのほうが、焼き上がりがべたつかないかもしれない。
なにしろバター大さじ6ですから、毎日食べたら大変なことになりますが。
パンケーキの上の赤い物体が、スウェディッシュパンケーキ・ターナーです。
今後いったい何度、スウェディッシュ風パンケーキを作るかは謎ですが、「スウェディッシュパンケーキをひっくり返す」というこの一点だけに絞って開発された点に心を打たれて購入してしまいました。
どちらかというと、スウェディッシュパンケーキターナーには申し訳ないが、卵焼きや普通のパンケーキなどをひっくり返すほうが出番が多くなると思われます。
スキレットは去年買ったばかりですが、肉も野菜もステンレスやノンスティックのフライパンで焼くよりずっとおいしくかりっと焼けるので、重宝してます。
焼うどんも激うま!
火力がいまいちな電気ストーブでも、チャーハンがぱりっとできるのも感動です。
追記。
焼うどんの話ですっかり忘れてしまいましたが、 スウェディッシュパンケーキの生地はパンケーキよりももちもち感がつよく、素朴でおいしいです。
ほんとに素朴なので、バターと牛乳の味で決まる気がします。
四つ折りにしたり、くるくる巻いたり。
中身はなんでも。サーモンや卵でもよいかもしれませんね。
バターがたっぷりなので、生クリームはちょっとヘビーすぎるかも。
先日IKEAで買ってきた、リンゴンベリーのプリザーブをはさんでみました。 酸味が強くてさっぱり系で、やっぱりさすがに良く合います。正統派北欧。
これにホイップドクリームチーズがお気に入りです。
2014/02/28
バラードの北欧博物館
Nordic Heritage Museum (ノルディック・ヘリテージ・ミュージアム)に行ってきました。
北欧タウン、バラードのご町内にある。うちから車で5分もかからなかった!
この界隈に4年半住んでいて、今まで行ったことがありませんでした。
住宅街の真ん中にぽつんとある建物。
あまりにほかに何もない場所なので、グーグルマップを何度も見直してしまいました。
昔は小学校だったそうです。20世紀初頭につくられた重厚な建物でした。
いきなり塀にバイキングが登場。
こちらが正面入口でした。スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、フィンランド、アイスランドの5カ国からの移民の歴史を振り返り、功績をたたえ、北欧の芸術や文化を理解してもらおうという趣旨。
3階建ての建物に常設展示とアートギャラリーが入っていて、かなり充実の内容。
建物は地味ながら、なかなか活発に活動してるミュージアムです。
数年後にはバラードのダウンタウンに新しいビルを建てて転居すべく、ただいま資金集め中。もう土地は買ってあるそうです。
1階の展示『Dream of America』は、19世紀の北欧諸国の農民の厳しい暮らしの紹介から、船旅のようす、アメリカに着いてからのやっぱり厳しい暮らしのようすを立体展示。
アメリカに移民が押し寄せた19世紀、北欧の農村の生活の貧しさは、同じ時代の明治日本の、女工哀史の農村と同様。まだ社会保障もなにもない時代ですものね。
家畜小屋の片隅に作られた粗末な寝床の展示があって、説明には
「きみがもし10歳で、この時代に生まれていたら、他人の家の家畜小屋に住み込んで働かなくちゃいけなかったかもしれないよ」
なんていう感じのことが子ども向けに書いてあった。
新世界へ移民することだけが、食べるものにも事欠く貧しさから脱出する、唯一の望みだった。とはいえ何人もの子どもを連れて移民するのには、莫大な資金が必要。
一家の希望を託して、子どもたちのうち何人かだけを送り出した家もあったのだそうです(涙)。
片道切符を買って船に乗り込んでも、ぎゅうぎゅうづめの船倉での長旅は楽ではなかった、という展示。
やっと着いたニューヨーク、エリス・アイランドの移民局が再現されていました。
移民たちが財産を詰めて渡ったというほんもののトランクが積まれていて、しみじみしちゃいます。
以前に書いた、蓄音機を抱えて海を渡った花嫁の映画『Sweet Land』を思い出す。
バラード町に白人開拓者が入植したのは1852年からというから、シアトルの「パイオニア」たちとほとんど変わらない時期。当時はフィニーの丘もレッドシダーの大木がそびえる森にこんもり覆われていて、現在のバラードダウンタウンの裏にあるサーモン湾沿いに木材業が栄え、たちまちシアトルと並ぶ町に発展したそうです。
その後20世紀にシアトル市に合併するまでは、独立自治体の「バラード町」だった。
20世紀初頭の人口は、約1万人。
その頃のバラードダウンタウンの景色。仕立て屋さん、鍛冶屋さん、など、北欧の母国で身につけた技術で店を開いたパイオニアたちのライフストーリーが語られている。
移民一世の生涯は、どこの国の人のも、みんなドラマ。
シアトルのダウンタウンからバラードまで、市電も伸びてたんですね。
いまの14th Avenue NWのとこまで。いまも、まだ線路のきれはしが残ってます。
ずっと前にこれはなんだろうと思ったことがあった。
路面電車だけじゃなく、蒸気機関車だって来ていたのでした。
グレート・ノーザン鉄道の「バラード駅」が、今のバラード水門手前あたりに開通したのは1893年だそうです。
2階の展示は、バラードの2大産業だった木材産業と漁業が、それぞれ独立した部屋に展示されてます。
これはかなり念のいった展示で、面白かった。
19世紀後半にはレッドシダーを使った屋根のこけら(シングル)生産が主要産業になり、20世紀初頭には、こけら生産ではバラードが全米一だったんだそうだ。
こけらタウンだった名残は、バラード高校のイヤーブックの名前『シングルズ』に今でも残ってるんだそうです。
漁師のおじさんたち。いい写真ーーーー。
北欧の人たちはそれぞれ祖国に伝わる漁の歴史があるので、技術を持った移民がバラードの漁業の初期には活躍したようです。ハリバット、サーモン、タラなど、漁の手法によってそれぞれ得意分野があったらしい。
木材から漁業に産業の中心が移っていったのは、バラードの水門と運河が完成して、ピュージェット湾とユニオン湖〜ワシントン湖がつながったあたりから。
こけら産業の工場からは、水門と運河の完成で水位が上がってそれまで使っていた施設が使えなくなるという苦情もあったらしい。しかし時代の流れには逆らえず…。結局木材業が廃れるのと漁業の興隆とが入れ替わりだったみたいです。
漁師さんたちは運河ができて大喜び。今でもバラード橋のとこにある淡水の漁業基地ができて、本格的な産業になっていったとのこと。今でも、全米有数の漁船集団。
ディスカバリーチャンネルの「Deadliest Catch」にもバラード発のカニ漁船が登場するけど、カニ漁がポピュラーになったのは50年代から。
あのカニ漁船の船長もノルウェーだったか北欧移民の末裔(3世かな?)で、昔のバラードダウンタウンは漁業グッズを売る店が並ぶ漁師の町だったのに、オサレになってしまった今のバラードは「何売ってんだかわかんねえ店ばっかり」とこぼしているのが何かの記事に載っていた。
3階には北欧5カ国それぞれの展示室がある。
廊下には模型のバイキング船。
2階は北欧工芸品と、特設展示のアートギャラリー。
ショップにはムーミンの本もありました。
バイキング的な工芸品。しびれる。
ギャラリーでは北欧の若手ガラスアーティスト数名の展示が開催中でした。
私はまったく知らなかったんですが、毎年クリスマスにはこの博物館で工芸品セールをやるので、それはそれは大賑わいなんだと『ソイソース』編集長さんが教えてくださいました。
そのほかにも、2月には子ども向けの『長くつ下のピッピ』イベントがあったり、スモーガスボードと室内楽の夕べをやってたり、ほんとコミュニティに支えられてるらしい、活動的な博物館です。
1階にはウッドショップもあって、木工のクラスが開催中でした。
休憩スペースの家具も北欧らしさいっぱい。
コーヒーと紅茶が用意されてますが(寄付をお忘れなく)、この紅茶がとても懐かしいレモン味だった。
新しい博物館は2016年の完成を目指して活動中で、最近ますます若者タウン化しているバラードにふさわしく明るいモダンな建物になるらしいですが、この古い建物と手作り感あふれる展示も味わい深いですよ。いまのうちにぜひどうぞ。
場所や開館時間などはこちら!
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