先週末はシアトルの湖や波止場で「Sea Fair」が開催された。
海賊が上陸したり、パレードや手作りボートのレース、高速ボートのレースなど、いろんなイベントがあったもよう。メインイベントのひとつは航空ショウで、金曜から日曜まで毎日、海軍のアクロバット飛行専門チーム『Blue Angels』のショウがあった。
シアトル一帯を飛び回るので、ダウンタウンあたりでもうちの住宅街のあたりでも、ショウの時間にはただならない轟音が響いてくる。
広島長崎の記念日に戦闘機を見に行って喜んでいるのも何だよなと思いながらも、やっぱり物見高い江戸っ子のわたくし。火事や喧嘩及びそれに準ずるものは見物したい血が騒ぐ。というわけで見に行ってまいりました。
ショウの時間、ワシントン湖の上をわたる高速道路I-90の橋は両方向閉鎖されて、徒歩の見物人に開放される。自転車用トンネルをとことこ1マイル近く歩いて橋の上へ。
すでに西行き方面の橋の上は大混雑だったので、少し離れていてもっと空いている東行き車線の橋へ行ってみる。
こっちのほうは、ござを敷いて座れるくらいの余裕ある混み具合だった。
見物の人はやっぱりシアトル人。自国の戦闘力を確認して大感激する愛国的な雰囲気をにじませるような人はいなくて、うわさを聞いてサーカスのアクロバット芸人を見に集まった村人というような雰囲気の、いたってレイドバックな群衆だった。
騒音から耳を守る耳当てをつけた男の子2人を連れたおじいちゃんは、戦闘機が轟音を上げて頭上を通過していったあと、「Well, that's a war machine, but sure is beautiful(戦争用のキカイには違いないが、美しいことに違いはないね)」と、なんとなく言い訳めいた感想を述べていた。
一人だけ、警備のヘビメタ好き風なおっちゃんが、感に堪えないといった調子で「THAT's the sound of Freedom!(これがフリーダムのサウンドなんだぜい!)」と橋の上に響き渡る声で叫んだが、これは、そこにいた全員が聞かなかったフリをしていた。
戦闘機のチームに「天使」という名前も皮肉だけれど、このチームは展示飛行が専門で、一年中国内各地を飛び回り、実弾を装備することは決してないから「エンジェル」なのかしら。この飛行隊の主な使命は海軍の広報宣伝、リクルート。
シアトル全域の空を旋回しながら湖面に10回くらい戻ってきて、編隊を組んだり、逆さに飛んだり、 双方向から正面衝突コースで飛んだり、急上昇したり。
うちの少年に感想を聞いてみると、「クールだった。僕もやってみたくなった。でも人を殺すための機械じゃなかったらね」だそうです。
圧倒的な力や速度にはなんといおうと圧倒的な魅力がある。トップエリートが操縦する、莫大な金額を投じた戦闘機の音速のフォーメーションには、それは当然目を奪われる。
これと 「ひとつになりたい」や「愛国心」が結びつくと限りなく強力なプロパガンダになる。80年代にも映画『トップガン』のおかげで海軍志望の子どもが急増したらしい。
でも2011年夏のブルーエンジェルスは、あくまでクールなアクロバット芸人として、いっときの歓声を集めただけで去って行ったのでした。
















































