2020/11/06

ピンクストライプの砂岩の山 [DAY 5]

 

ロードトリップ、5日目。
ザイオン国立公園滞在の4日目です。

翌朝はアリゾナへ出発の予定だったので、実質的にはさいごの日。公園の東側入口からビジターセンターへ抜ける道を再訪しました。

やはり、ここがいちばんドラマチックでした。


車でここを通り抜けるだけでも、次々にあらわれる岩山のスケールに大感動すると思います。



 

隣りあった岩山がひとつひとつ、 みんな違う個性を持っているのも不思議だし。





テクスチャと色の大饗宴みたいな世界。

4日間いても見慣れたり飽きたりすることはまったくありませんでした。ひと月くらいここで暮らしたら、さすがに飽きるかしら。




 東側入り口からトンネルまでのあいだには車を停められる路肩のスペースがいくつもあって、公式のトレイルではないけれど、岩山に入っていくことができます。



この、ワイキキのロイヤルハワイアンホテルみたいなピンク色の低い岩山に、ちょっと登ってみました。


とても柔らかい砂岩の峡谷。

やっぱり惑星タトゥイーンを思い浮かべちゃいます。ジャヴァがでてきそう。


雨が降るときには川が流れるらしく、低い谷底は水のない河原になっていて、岩山とは違う草木が生えています。


この峡谷には、わたしたち親子のほかには、小さな男の子を連れた親子連れが一組いただけで、ほぼ貸し切り。

ビジターセンターのあたりや、シャトルで行くトレイルの混み具合を考えるとウソのようです。

 


過酷な環境でがんばる松や杜松の木たち。この根の張り方に強い意思を感じてしまいます。

車を停めたパーキングからちょっと下って、ビルの3階分くらいを登っただけですが、この時のわたしにはものすごく大変で、息が切れちゃってもうたいへんでした。



もうこれ以上一歩も動けん!となって、この松の木の下で、小一時間ほどまったり過ごしました。



お母さんはもうごけません。君はそのへんを探索してきなさい。というと、青年は岩山を走り出し。



 
あっという間にこんな遠くまで行ってしまった。


(拡大)

岩と交信中。


 

砂岩を近くで見ると、地衣類が生えていたり、いろいろな生物がさらにいろいろなテクスチャと色を作り出してて、面白い。小さなキレイな馬糞みたいなものもあるけどこれはたぶん地衣類?
ほんもの鹿フンもありましたが。




オシャレな虫くん。


河原のまんなかに生えていた花。

これだけいろいろな種類の石があるところをみると、雨が降るときはものすごい勢いで川が流れるのでしょうね。




ユッカちゃん。


すてきなテクスチャの松の幹。




車のサンルーフからiPhoneだけ出して撮った動画。編集してない撮ったままなので、ガチャガチャしてるし風の音がうるさいです。音を消してご覧くださいませ。

これは東エントランス近くからトンネルへ向かうあたりです。



アングルとか露出とかホワイトバランスとか本当にひどいけど、つぎつぎあらわれる岩山の迫力が伝わるでしょうか。




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2020/11/05

ネバダ!ネバダ!ネバダ!そしてプリン

 

シアトルは雨降りです。

大統領はまだ決まらない。

拮抗中のネバダ、アリゾナ、ペンシルバニア、ジョージア、ノースカロライナの5州のうち、ネバダとアリゾナでバイデンがリード中ですが、トランプがリードしている残りの3州でも郵送による投票の開票が始まると、差が縮まり始めました。

すると、「もう票を数えるのをやめろ!」とツイートする、この国の現職大統領。

そして自分が負けているウイスコンシン州とミシガン州には「票を数え直せ!」とツイート。

…小学校の学級委員の選挙でもそんなダブルスタンダードな主張をしたら学校中の笑いものになると思うんですけど、トランプ支持者の人はそれがおかしいと思わないのか??????




本日のニューヨーク・タイムズのサイト。

やっと、ニュースを読む心の余裕ができてきた。

どの州もまだ100%は開票が終わっていないのですが、グレーの州は拮抗しすぎ、さらに開票が進むまでまだどちらとも判定できない州。

なんでここまで拮抗するねん!…というのが正直な感想です。

そして、この国の、さらには世界に今後4年間大きな影響をあたえる大統領を決めるのが、この5州のわずか数万とか数千とかの票だというのが、なんとも理解しがたい話。

たとえばネバダ。(ワシントン・ポストのサイトより)

ネバダ州の開票結果は、週末まで決まらなさそうです……。


全体は赤くって、ラスベガスとリノというふたつのカウンティ(郡)だけがブルーなので、共和党優勢?とみえてしまうのですが、赤い郡の人口はとても少ない。たとえばこのエスメラルダ郡は、人口1176人。開票数は500票未満。


 
北端のエルコ郡(人口約5万人)のウェルズという町は、先日のロードトリップで最後に泊まったところ。

 


こんなところでした。



それに対してラスベガスのあるクラーク郡は、200万人近い人口があります。

「都市は民主党支持、いなかは共和党支持」というのはとても簡単な図式だけど、見事にここでもあてはまってますね。全国を見ても。



バイデン優勢の希望は見えてきたけれど、まだ予断はゆるせないので気を静めてプリンを食べる。

あんまりキレイじゃないのでアップしなかったのですが、ハワイのらうらうちゃんからプリン画像のお問い合わせをいただきましたのでアップします。うちのは無水鍋でつくる大型プリン。

ちょっとカラメルが多かった。見た目はわるいけど、この端っこのボソボソのところがおいしいです。


切り分けて食べます。

なんだか日本でも水曜の深夜以降にウイスコンシンなどでバイデン票が急に伸びたのを「怪しい」と言っている陰謀論好きな方がいるというニュースを読みましたが!!!!!

郵送による投票をするのは、以前から民主党支持の人が多いのです。

だからトランプは郵送による投票や事前投票を妨害しようとしてたんですよ!

郵送で送られる票は当日の票よりもあとで開票されるので、そこから民主党の票が伸びるのはあらかじめ予期されていたのです。

……というようなことを、日本のニュース機関もちゃんと伝えてほしいのだけど、ウェブで新聞各社の記事をざっと見る限り、あんまり伝わってないように思います。

 
思うに、トランプの言動を、これまでのまともな大統領と同じ文体で訳して伝えようとするところに、まずジレンマがあるのではないでしょうか。

 


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2020/11/04

かわいい安宿と、聖地の名前  [DAY4]



ザイオン国立公園の南側正面入口のすぐ外が、スプリングデールという小さな町になっています。

ホテルやレストランが並び、ちょっと離れたところが住宅街。

新しいラグジュアリーリゾートもいくつもできていますが、わたしたちの今回の旅はもちろんエコノミーなので、宿は昔ながらのMOTEL。

これは↑↓、そのすぐとなりのコインランドリー。



イームズチェア風の椅子(「なんちゃって」かもしれないけど、最近カフェなどで見かけるペラペラのなんちゃって品よりも、材質も座り心地もよさそうだった。色も素敵)も合板の壁も70年代ぽくてカワイイ。

ザイオンには4泊したので、ランドリーも活用しました。

シアトルのと同じく、マスク着用必須、洗濯ができるまで室内で待機しないこと、などのルールが書かれてあり、70代くらいのおじさんが一人、わたしたちがいた間ずっと、消毒液であちこちの表面を拭いてまわってました。だから中はどこもかしこもピカピカでした。



よくアメリカのロードムービーにでてくるような(部屋で人が殺されていたりする)典型的なロードサイドのモーテルです。おそらく1960年代後半〜70年代の建築。

青年が旅行の1週間前にみつけた宿。ウェブのガイドで高評価だったそうです。





モーテルのオフィスにあった絵葉書(息子撮影)。全景はこんなです。かたちがスペースエイジ風の看板がかわいい。フォントも素敵。そしてこのキッチュで雑多なオフィスと、一見怖そうなフロントのおばさまもいい感じで、楽しかった。





クイーンサイズベッド2台の部屋。狭い。電子レンジと小さい冷蔵庫、テーブルと椅子。

ベッドは寝心地いいとはいえず、岩山の景観に興奮しすぎたせいだとおもうけど、寝苦しくてあまり寝られなかった。リネン類やバスルームは清潔でした。

部屋は暗かったけど、内装は、すごく頑張っているDIYな感じ満載。壁は山のかたちに板を切り抜いて貼ってあるし、天井には雲と青空がww あまり上手でないところがぐっとくる。






窓からのながめ。岩山と、RVの駐車場。





外はこんな眺め。岩山の圧がすごい。

夜は星空が見事でした。



全体はこんなかんじ。プールとバーベキューグリルもあり。

ひなびた宿だけど、公園入口まで車で3分という便利なロケーションだし、とても満足でした。

スプリングデールの町では、バイデン支持のプラカードをけっこういくつも見かけました。
国立公園の町だけに、自然を愛するヒッピー的な人が多いのかもしれません。

当然のことだけど、「赤い州」(共和党支持基盤が強い州)にも「青い」(民主党支持とかいわゆる左派・リベラルな)人たちがいるのだよなー、と、あらためて実感。

メディアやSNSの情報ばかり見てると、世界がフラットで単純なものだとついうすっぺらく錯覚してしまうけれど、とんでもないですよね。





ザイオン滞在3日め、「ザ・ナロウズ」からシャトルで戻り、ビジターセンターの近くの川沿いのトレイルを日暮れまですこし歩きました。





夕日を受けて、灌木のセージブッシュもやわらかくキラキラした色彩になります。



「ヴァージン川」と名づけられた川。

「ZION」(日本語訳の聖書では「シオン」と読むことが多い、旧約聖書の約束の地)といい、まったく勝手な名前をつけるものですね。

でも「ザイオン」という響きはわたしも好き。

この場所に合っている気がする。

いつもは、土地の名前にはもともとそこに住んでいた人たちの言語の名をつけるべきだと考えているのですが(たとえば「レーニア山」は「タホマ」という正式名で呼ぶべきだと思う)、ザイオンにはなぜかそれを感じない。

公園としてこの名を得て、人とのつながりが変わり、それまでとは違う「地霊」をもつ場所になっていったのだと思うのです。

この名前はとても強い磁力のようなものを持っている。





もともと、1909年にタフト大統領が「Mukuntuweap National Monument」という名でナショナル・モニュメントに制定したのですが、1918年に当時の国立公園のディレクターが名前を「ZION」に変更する提案をし、ウッドロー・ウィルソン大統領のときに議会で承認されたそうです(by  ウィキペディア先生




Mukuntuweapというのは この一帯に住んでいたPaiute族の言葉ですが、 Paiuteの人々がこの峡谷周辺をその名で呼んでいたわけではなく、あとから白人が勝手につけたもの。

最初にここを「ZION」と呼び始めたのは、モルモン教徒の入植者だと言われてるそうです。




岩山を双眼鏡でみていて、奇妙なアーチをみつけました。




iPhoneを双眼鏡にくっつけて撮影。

よほどタフなクライマーでなければ登れるような場所ではありません。

倒木のように見えたけれど、砂岩が侵食されてできたアーチ。

19世紀末から20世紀のはじめにここを最初に訪れた敬虔なモルモンの人々は、この壮大な景色に神を感じて、造形に感動したのだろうな、と想像します。

「征服者」(モルモンの人たちも抑圧を逃れてきた人たちだったけれど、もとからいた民族にしてみれば同じですよね)の勝手な感慨だといえばそれまでだけれど、そこにも真摯な祈りと崇敬がたしかにあったはずだし。

ザイオンという場所には、ここを訪れた人たちの一世紀ぶんの感動が深く刻まれていることよ、と、なんだかそんなことも感じました。

やはり、聖書を当然生活の一部として良く知っているアメリカの人々が(とくに、20世紀の初めには、今よりずっと教会に通う人口が多かったのだし)親しくこの場所を体験するために、このザイオンという名前は大きな役割を果たしたのだと思います。

 


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逃亡計画



投票日翌日の水曜日、シアトルは雨。予想どおり、大統領選挙は激戦州のいくつかが開票中で結果がでていません。

トランプが開票中に勝利宣言を出したのも、おおかたの予想どおり。

今朝目がさめると、広尾のマダムから「どうしてバイデンさんのほうが得票数多いのにトランプが勝利宣言してるの?」とLINEが入ってました。ほんとだよね。

21世紀にも選挙人制度が必要な理由があるのか、理解が難しいですよね。連邦政府VS州政府、田舎VS都会など、アメリカは対立軸がいろいろあって。






近所のバイデン&ハリス支持かんばんが、紅葉の木の下に。

ジャパニーズもみじの木、ほんとに多いです。




家の近所を一周するだけで充分に紅葉がたのしめて幸せです。



いちいち一喜一憂するのもつまらないので、報道は見出しをちょこちょこチェックするくらいにしています。

これだけ拮抗しているというのに、トランプが勝ったら、あの人は国民の98%の支持と神の後押しを得たかのようにふるまい、自分に「反抗」していたと彼が感じている人や勢力を徹底的に「粛清」しはじめる、それができなければ嫌がらせをしはじめるのは目にみえています。ワシントン州とかシアトルとかは「極左」と名指しで嫌われているので、ありとあらゆる連邦の補助金カットとかほんとにしかねないし(裁判になるだろうけど)、プロテストがあればまた軍隊を投入しようとしたり民兵組織を煽ったりするだろうし。

負けたら負けたで、負けを認めず年内はずっと選挙に不正があったとか数え直せとか言い続けるだろうし。

冷静になにができるのか、考えるしかないですね。ガイジンのおばちゃんにできることは当面ひとつも思いつかないので、とりあえず昨夜はプリンを作って寝ました。




セイリングボートを購入したCT旦那さんに、試験航海のあと「国外に逃げるときには教えてね」といったら、「カナダはまだ国境が閉まってるから、メキシコに南下かな」と半分真面目な顔で言っていたwww

きのうもバイデン劣勢になってきたら「そろそろ船に荷物を積み込むからちょっと失礼」とFBに書き込みがw やはり脱出用だったのか。


トランプが再選されたら国外脱出すると冗談で言ってる人がけっこういるけど、コロナ禍中じゃ、米国人を受け入れてくれる場所があまりないしね。

みんなでこのバカ殿をなんとかするしかないですよ。選挙の結果にかかわらず。



 

わかってはいたはずだけど、これだけの人、国民の半分がまだトランプでいいと思っているという、この結果がやはりずっしり重い。

政策よりも(トランプに一貫した政策なんかないに等しいとわたしは思うけど)、これだけの嫌悪をばらまき、批判でなくやみくもな攻撃を繰り返し、スケープゴートを立てて恐怖の感情に訴え、エゴをむき出しにすることをよしとしてしまっただけで、どれだけの人を迷わせていることか。

「舵取り」をする気さえなく、不支持州を選挙前に「地獄へ行け」とののしったり、開票中に勝利宣言をするだけで、正気なときのアメリカだったらもう即刻クビだったはずなのに。

4年間で、なにが「正常」なのかが、完全に変わってしまいました。

こういう人がリーダーでいいと思っているというのは、どれだけ恐怖が深いのだろうか。




 
日本では「ウラオモテがないからトランプがいい」というような印象を持ってる人がまだいるようですが、単に支持者に受ける過激な言辞を選んでいるだけです。
嘘をつくって、つまり裏があるってことですよね。

これほど我が強くて稚い感情をぶちまける人がこれだけ巨大な国のトップになったというのは前代未聞だから、これは国民と世界で見ている人すべてにとって、深く刺さる学びになっているってこと。そう納得することにして、とりあえずプリンを食べます。




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土曜日のミニ航海


 

選挙の開票を気にしていると胃や心臓その他身体中が痛くなりそうなので、今日は横目で結果を流し見つつ、コメディ番組を見ています。

雨だし、日曜から冬時間が始まったのでなおさら暗い、どんよりシアトル。

週末は穏やかな快晴で、CT家がセーリングボートを購入したので、その試験航海につれてっていただきました。




バイキングの像があるバラードのマリーナ。

バラードのあたりは、19世紀末〜20世紀はじめの黎明期から北欧移民の町で、ほとんどが漁業にたずさわっていた、漁民の町だったそうです。




小さなボートから、太平洋もらくらくクルーズできそうな100フィート以上のラグジュアリー大型挺までいろいろありますが、40フィートくらいのセーリングボートが多い。

ここのマリーナでは、船に住んでいる人もけっこういるそうです。



「I have a bad feeling about this」とハン・ソロのせりふを言いたげな、CT3号。

しっぽが思い切り、さがっている。


「お母さん、はやくおうちにかえりましょうよ」

クラシックでとても綺麗な船でした。



 

おだやかなピュージェット湾を、ダウンタウンの近くまで。

右にレーニア山、左にはビルが増えたダウンタウン。帆をあげずにのんびりと航行してもどってきました。



 

わたくしはいろいろと惨事を引き起こしやすい性格なので、余計なひもやロープをひっぱたり、なにか壊したり、海に落ちたりしないように精一杯気をつけつつ、よく日のあたる場所に陣取ってまったりさせていただきました。




 
「…もうそろそろおうちに帰りましょうよ?」

日没のすこし前にマリーナに戻りました。ヨットの車庫じゃないや、なんていうんだ、艇庫?への出入りは縦列駐車よりも難易度高そう、長いぶん。

子どもの頃、アーサー・ランサムの『ツバメ号とアマゾン号』シリーズを読んでヨットにあこがれたこともあったけれど、そもそも紐を結ぶのが苦手なのでさくっとあきらめました。ヨットは大事そうなロープがいっぱいあって、なぜか何かしでかしてしまうのではないかとドキドキする。紐やロープには昔から謎の苦手感があるのです。リボンむすびがすぐ縦むすびになってしまうので、猫村さんに親近感があります。

 

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2020/11/03

いよいよです。

 

いよりよ選挙の日ですねー。

今、どれだけこの国に住む人が不安を感じているか、日本に住んでいる人にはちょっと実感として理解しづらいかもしれません。

とにかくここまで政治がめちゃくちゃになったのは前代未聞なので、みんな、すこし頭が麻痺していると思うけど、それにしても、今後4年間だけでなく、たぶん今世紀前半の世界がどうなっていくかの大きなパーツが、今日の選挙の結果にかかっているといっても過言ではないと思います。


やばいのにゃ〜!

ちっともお近づきになれないご近所さん。

危機感があるのはもちろんなのだけど、何か現実と一致していないような奇妙な麻痺感もあるのですよね。

CTちゃん旦那さんの出身はミシガン州。わりと争点になっている州ですが、選挙当日、いきり立った人たちが何かするかもしれないから気をつけて、と、家族に連絡を取ったそうです。実際に選挙妨害もありそうだし。


ほんとにどうなのこの国(涙)。

今日、すごくひっさしぶりにフェイスブックをあけてみたら、タイムラインにこんな通知があった。




これ日本語で表示するって…。翻訳者入れてるのか、機械翻訳なのかな、社内担当者の訳かな、ってそこがまず気になったりするんですが、それは置いといて、「結果の発表に数日から数週間かかるのは予期されていること」と、ファクトとしてちゃんと目立つところに置いておいてくれているのは嬉しい。

トランプが開票速報だけで勝利宣言して、その後の開票を妨害するのではないか、または支持者の世論を掻き立てて、もうこれで決まったのだからこれ以降の結果はみんなフェイクだとか事故だとか言い出さないかと懸念している人がたいへん多いのです。

そんなことがないように、みんなで牽制してる感じですね。 

結果が出るまで数週間…なんてことにはならないことを祈るけど。

 

今朝、NPRの番組「Fresh Air」のポッドキャストで、『アトランティック』誌の記者Mike Giglioさんのインタビューを聞きました。

 Oath Keepersという民兵組織についてのアトランティック誌の新しい記事にもとづくインタビュー。この民兵組織は、現役の警察官や軍人を含む25,000名が加入しているそうです。

この人たちはトランプを熱く支持し、トランプの言うことをほぼ100%真に受けて、「極左の過激派のおかげでアメリカは危機にみまわれている」と本気で信じてそのために戦おうとしているのだと、Giglioさんは言ってました。

妙な具合に固まった善意。でもその動機はやっぱり、恐怖にあるのですね。

シリアの内戦を現地で取材して、その惨状を目の当たりにした(過激派に拉致されたこともある)ジャーナリストとして、内戦というのはカオスそのもので、誰もが傷つき国土が荒廃するだけだ、とGiglioさんは警告していました。

自分たちと対立する「あいつら」への恐怖と嫌悪を煽る政治家の罪は深いです。

もちろん、聞きたいことだけを聞く耳のほうにも責任があるのだけど。

アメリカの「内戦」が現実味をもって語られている、信じられない状況の11月。

まさか南北戦争みたいに国を真っ二つに分ける本格的内戦は現状では考えられないにしても、自分たちは絶対に正義を行っていると信じる勢力がいくつかの都市で小競り合いを起こすくらいのことは、充分にありえます。

銃と「あいつら」に対する恐怖は、なくても良いはずの悲劇の材料でしかないと思います。

それをみんなが一斉に手放すことができたら、世の中一瞬で変わるのにね。



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