2020/11/01

選挙まであと2日。これが投票用紙


11月になってしまいましたね。

きのう、サンセットヒルのあたりを散歩していて見かけた素敵なおうち。何様式というのかわかりませんが、木造のポーチの控えめで素朴な装飾と、風見鶏のついた別棟の曲線をえがく小さな屋根がかわいい。





非接触トリック・オア・トリートのための「キャンディシューター」を設置しているおうちがちらほら。

皆さん、シューター使ったのかな。うちには誰も来ませんでしたが、CTちゃんちは、キャンディを外に出しておいたら全部なくなってたといってました。その方式のおうちが多かったのではないかな。 

 



選挙まで、あと2日……。月と星を見上げて祈りつつ、選挙権もないのに考えると胃が痛くなりそうなので、「た、たとえトランプが再選されてしまっても……きっと壮大な視点から見て人類にとって良い結果になる」と、わけのわからないほど気の長い観点を持ち出して気を静めようとしています。

バイデンが当選しても、コロナ禍と対立と不況が立ちはだかってるのは同じですが。

とにかく、人の悪口を好んで言う人が国のトップに立つのはよくありません。
それだけで国そのものと国民の品格がだだ下がりになったこの4年間。

さらに4年続いたら、ほんとうにディストピアSFの国になってしまうよ。



鮮やかな赤とオレンジのカラフルな実がなる木。「イチゴノキ」または「ストロベリーツリー」というそうです。食用になるというので一度もらった実を食べてみたけど、おいしくなかった。

 


うちの青年のところに来た投票用紙(バロット)。

ごぞんじのようにアメリカでは日本の「不在者投票」のように、郵送で投票用紙を送ったり、まちなかに設置された投票用の箱に投票日前に投函することができます。

ワシントン州はハワイやコロラドと同じく、完全郵送投票を取っている州なので、不在者投票の申し込みをしなくても、投票用紙が勝手に送られてきます。

投票日以前ならいつでも投函できるので、うちの青年は投票所に行ったことは一度もないそうです。

うちの近くには、図書館の前に恒久的に設置された投票用の箱があります。

(この事前投票がこの数ヶ月というものえんえんと政治の争点になっていて、トランプと共和党はできる限り郵送などによる事前投票を少なくさせたいために、事前投票には不正があり得るという根拠のない議論をしたり、事前投票の期間を短くしたり、州によっては禁止したり、テキサス州では事前投票を受け付ける箱を各郡に1個ずつという制限をして、大都市のヒューストンでさえそれまでにあった箱をひとつだけ残して全部撤去するという荒業に出ています。)

投票用紙には、連邦政府の大統領と副大統領候補、州選出の連邦議会議員だけでなく、州知事、州副知事や州務長官などの州政府のトップ、州の判事、キング郡の住民投票など、数えてみたらぜんぶで36項目ありました。

この写真は裏面ですが、項目が裏表にびっしり。

うちの青年もふだんから政治に関心がないわけではないけれど、この項目すべてにわたってよく知りつくして判断するのは相当大変で、頭をかかえていました。勉強にはなるけど、いったい何割の人が自分の選択に自信を持てるだけの充分な情報を消化しているんでしょう。



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エメラルドの池 [DAY 4]


ロードトリップ、第4日目。ザイオン国立公園の滞在3日目です。





公園内の中央部を走る、問題のシャトルバス。
コロナ禍で乗車定員を制限しているために、チケットは事前予約制。

前日の9時きっかりにオンラインで予約して、10時出発のシャトルバスのチケットを確保しました。ビジターセンターから乘るのですが駐車場が混むので、結局朝9時に到着して、車の中でまったり。

ホテルからもバスがあるのだけれど、やはり帰りは車のほうが楽です。



シャトルを途中下車して、Emerald Pools という、ファミリー向けトレイルへ。

ここも、ぜいぜいヒーヒーいいながら、ゆっくり歩きました。



春の雪解けのときには水量の多い豪快な滝になるそうですが、秋の終わりのいまごろは、これだけの滝。↓


でも爽やかな滝でした。小さな虹も見えた。




 濃い色の藻が繁殖していてエメラルドグリーンなので「エメラルド池」。

公園の中心部の人気トレイルなので、人が多くて、ひっきりなしにすれ違いました。




そういえば、10月の平日なのに、どうしてこんなに子どもがいるのだろうと思うくらい、家族連れがたくさんいました。

リモート学習だから、ホームスクーリングしながら旅行中?




メープルの紅葉がサーモンピンクの岩と青空に映えて綺麗でした。




エメラルド池のトレイルから眺める、峡谷の底の小さな草原。川が流れているので緑が濃い。

19世紀末、1909年にここがナショナル・モニュメントに指定されるまで、この川床には入植者の牧場があったそうです。

地形が面白い。

どうしてこんなに色も性質も違う種類の岩が隣り合ったり重なったりしているんだろう、と素朴に不思議に思わずにいられない。

大きくわけて7層になっているそうです。一番下の地層は海底だったときのもの。

 



ザイオン国立公園内の唯一のホテル、「ザイオン・ロッジ」。


ギフトショップ、レストラン、テイクアウトのカフェテリアもあり。



お昼にカフェテリアでチキンサラダを買って、芝生で食べました。

敷物がないので地図で代用。

青年は芝生で昼寝。わたしも睡眠時間が長いけれど、この人も驚くほど良く寝る人です。

 

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2020/10/31

ブルームーンのハロウィーン


ハロウィーンです。

シアトルは快晴の週末。


いろいろなメープルも色づき。



散歩道も豪華です。



みんな自分の家の前にガイコツを飾るのが大好き。




公園のベンチに、パンプキンさんが座っていた。



 しかもツーショットで。なんだこれ、かわいい。

 


きょうは満月です。この写真は金曜日の夕方の月ですが。

昨夜も夜半から空がきれいに晴れて、深夜には見事な満月が天頂にありました。火星も最接近は過ぎたけど、まだまだ明るく、存在感があります。

きょうの月は「ブルームーン」。

おなじ月にある2度めの満月をブルームーンというんだそうです。知らんかった。

英語で「Once in a blue moon(ブルームーンのときに)」ていうと、「めったにないこと」という意味だけど、この記事によると前回のブルームーンは2018年3月31日。それほどものすごく珍しいことでもないですね。

ブルームーンには「ひとつの季節の3番目の満月」という定義もあるんだそうです。ややこしい。

ブルームーンと明るい火星が輝くハロウィーン。
このとてつもなくいろいろあった、前代未聞の年にふさわしいというか。

3日後に近づいてきた選挙の話題になると、首を振って(そのことはもう考えたくない)という顔になる人が多いいま(わたしもそのひとり)。

11月が、そしてそのあとも!できる限り、平和で、多くの人が心穏やかに過ごせる日々が来るように、来年がもっと穏やかな対話と理解が始まる年になるように、満月を見て祈ることにします。



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2020/10/30

コロブ峡谷のねずの森 [DAY 3]

 

ロードトリップ、第3日目。ZION(ザイオン)国立公園の入り口のすぐ近くに滞在。

ザイオン国立公園の中心部には一般車は乗り入れできず、シャトルバスが運行されています。
コロナ禍で3月以来停止していたシャトルバスは7月から再開されましたが、以前のように公園内でいつでも無料で自由に乗り降りできるのではなく、前日までにチケットをオンラインで獲得しないと乗車できないシステムに変更されました。

チケットは(無料だけれどオンライン手数料が1枚につき1ドル)、1か月前と前日の朝9時からオンラインで予約開始。割とあっという間になくなります。

シャトルは、きっと以前はぎゅうぎゅうに人が乗っていたのだろうけれど、現在は座席数よりも少ない定員で運行しているためです。

でも午後3時以降は予約なしでも現地でチケットが入手できます(数に限りあり)。

前日にシャトルバスのチケットを買うのをすっかり忘れていたので、ザイオン滞在2日目は中心部ではなくて、 公園の中心部から車で40分くらいのKOLOB Canyons(コロブ峡谷)に行きました。



途中の道も、『ウエストワールド』か『スター・ウォーズ』にでてきたどこかの惑星みたいな景色。


 

 そして近づいてくる赤い岩群。

わたしとおなじくらい頭がメルヘンなうちの青年は、運転しながら「……岩を感じる……」とつぶやいていました。 

 

 


 

岩を感じる青年。

 


ここでも、わたしの体力が120歳なみなので、「EASY STROLL」(かんたんなお散歩コース)だと紹介されていた「TIMBER CREEK OVERLOOK TRAIL」という半マイルのコースだけを歩きました。






超快晴で、暑くもなく寒くもなく、人も少なくはないけれど公園の中心部ほどは多くなく、ジュニパー(西洋杜松)の木がたくさん生えていて、川が流れる峡谷が見下ろせる素敵なトレイルだったのですが、もうなにしろ息が切れて、このお散歩コースも歩きとおすのが大変でした。




元気なときにはまったく当たり前に思っていた「ふつう」の体力が、どれほど恵まれたことだったか、しみじみ実感。わたしはまったくもってアスリートではないけれど、ちょっとした山道くらいはさくさく登れるのが当然だと思ってた。

体育会系のうちの青年が根気よくつきあってくれるのがありがたいです。


「わたしはここで寝てるからちょっと下まで往復してきたら?」と言ってみましたが、相手にされませんでした。




ジンの原材料になる、ジュニパーの木。実がたくさんついていた。
熟すとブルーベリーのような色になるようです。抗酸化作用や抗菌作用もある、ツンとするすがすがしい香りの実。葉も摘むと同じ香りがします。

布マスクのなかに実をひとつ、ちょっと潰して入れてみると、ずっと良い匂いがしてました。

人気のトレイルなので絶えず人とすれ違ったり追い越されたりするから、マスクは着用したまま。ほかのハイカーも子どもたちも、ほとんどがマスクをつけてました。

終点の、峡谷と向かいの岩山を眺められるジュニパーの木陰を占拠して、すこし昼寝。このうえなく気持ちのよい、幸せな昼寝でありました。




語りかける岩。


 

午後3時頃、ザイオン国立公園のビジターセンター付近に行ってみたら、シャトルのチケットがあるというので、ザイオン・ロッジというロッジのあるあたりまで乗って行って、少しだけ歩いてみました。


 

もらったチケット。シャトルはもともと、公園内の渋滞を軽減するために20年くらいまえに導入された措置なので、乗車料金は国立公園の入園料に含まれています。

 

 


夕刻、刻々と色が変わる岩。

ザイオンには4泊したのでのんびり見て回れたけれど、景色の壮大さはとても消化しきれず。

疲れているはずなのに、興奮しすぎていたのか、連日あまり眠れませんでした。

夜は夜で星空がものすごく、ちょうどオリオン座流星群の最盛期でもあって、流れ星やら三日月やら火星やら天の川やら星雲やら、もうそれはそれは豪華な空でした。

 

 

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2020/10/29

ザイオンの入り口へ [DAY2]


ロードトリップの第2日目。

アスペンの森から、ザイオン国立公園へ。

ちょうど、日没の時間に到着しました。



東側のエントランスから入っていくと、いきなり道の両側にこんな岩たちがあらわれて、もうひたすら呆然。なんなんだこの世界。




自分の目が見ているものが信じられないような、壮大すぎる景色が続いて頭がパンク状態でした。

東側から中心部に抜ける長いトンネルがあって、その手前にある見晴台へのCanyon Overlookという半マイルくらいのトレイルを歩いてみました。


しかし、この半マイル(約800メートル)くらいのちょっとした登り坂のトレイルが、ものすごく辛かった。標高が高いせいもあったのかもしれないけれど、自分の体力がめちゃめちゃ落ちてるのにあらためてびっくり。10歩くらい歩くごとに死ぬほど息が切れました。

健康なときならさくさく10分か15分くらいで歩いたはずのトレイルに30分以上はかかったと思います。

Overlook(見晴台)についたときにはもう日がとっぷり暮れるところでした。




トンネルのさきのくねくね道をおりていく車たち。


 

夕日には間に合わなかったけれど、おかげで、シルエットになった稜線の上に三日月がのぼってくるのが見られました。

帰りは真っ暗で、懐中時計のかわりにスマートフォンを2台持って足元を照らしながらの下り。


こんな道です。

たくさん人のいる、幹線道路のすぐ脇のトレイルだったので危険はなかったのですが。
スマートフォンは山の中でもいろいろ必須です。


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世界最大の生命体 PANDO [DAY2]



ロードトリップ、第2日。

ユタ州のプロボから、ザイオン国立公園への途上、「地球最大の生命体」であるというアスペンの森を見に行きました。



プロボから3時間ほど。ユタの南端にあるザイオン国立公園までの道のりの、ちょうどまんなかあたりでした。



アスペン(日本名:カロリナポプラ/学名Populus tremuloides)の木というのは、「1つの根系から遺伝子が同一の新芽が生まれ、無性生殖で増えていく」んだそうです。

みょうがや竹と同じように、根系でぜんぶつながっているんですね。

で、このユタ州のフィッシュレイクの近くにあるこのアスペンの森は、「ザ・トレンブリング・ジャイアント(震える巨人)」または「PANDO(パンド:ラテン語で「広がる」という意味だそうです)という固有名詞がついています。

根でつながっている株数は約4万7,000本。43.6ヘクタールにわたってひろがる、単一の生命体としては世界最大の植物なのだそうです。 重さは推定6,000トン。

しかも、その樹齢(というのが正しいのか…それぞれの「クローン」の樹齢はそれほど古いようには見えませんでしたが)は、1万7,000年だと推定されていて、世界最古の生命体のひとつでもあるという。

なんだかいろいろすごい。




たまたま、旅行の直前に猫パパぴゃっとさんに茗荷とコーヒーをもらいにいったときに、この「パンド」のことを初めて教えてもらい、せっかくすぐ近くを通るんだから、ちょっくら見に行こう、と思ったのでした。




ざんねんながら葉っぱは全部散っていて黄葉は見られませんでしたが、すかっと晴れた深い青空をバックに立ち並ぶアスペンの木々がみられました。


これがみんなひとつの「個体」…。根系でつながっているそれぞれの木は「クローン」と呼ばれてます。


個体ってなんだろう、て思わされます。

キノコもそうだけど。ヒトの頭脳が思うことも、実はこんな具合につながっているのかも、なんて思ったり。集合意識ってやつですね。


このPANDO、近年だんだんとあちこちで枯れはじめているそうで、保存のために専門家が奔走しているそうです。





なぜ「震える巨人」かというと、アスペンの木というのは、あまり風がなくても葉っぱがサラサラと揺れて、いつも葉擦れの音がしているからなのだそうです。

Populus tremulaという学名の「tremula 」ラテン語知らないけど、きっと英語のtremble(震える)という意味なんだろうなと推測。

ポプラの日本名はハコヤナギ、または「ヤマナラシ」なんだ。って、今知りました。へー!
そして、ポプラってヤナギ科なんだ。へー。

震える葉擦れの音が、「山を鳴らす」ということなのでしょうね。

日本にもPopulus tremulaという近似種が自生しているそうです。知らなかった。
WIKIで見ると、この木(「山鳴らし」)の葉は、ポプラのようなスペード型の葉でなくて、どちらかというとヤナギに近くて細長い。欅の葉のようなかたちです。

ふつうに街で見るびょーんと背の高いポプラ(「イタリアンポプラ」なんですって)の木も、よく葉が鳴りますよね。うちの近くにも立派なポプラが3本並んでいて、風の強い日は葉音がよく響いています。

春から秋の、葉のあるアスペンの森も歩いてみたかったなー。

これだけの規模の「震える巨人」の葉音を聞いてみたい〜〜!



PANDOへの道も、そこからザイオンへ向かう道も、のどかな牧草地や木立ちや岩山が次々にあらわれて、まったく見飽きませんでした。

 そしてさらに興奮の岩山だらけのザイオン国立公園へ。

 

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