2020/09/26

失くしたり、つながらなかったり



今週はほぼずっと、しっとり雨でした。

シアトルには季節はふたつしかない、とよくいいます。
爽やかな夏と雨の季節と。

今年の夏は、煙の到来とともに終わってしまったのでした。

気づくともう9月も末に近づいているー。

ほんとうに、時間とかのマネージメントをねぇ。もうちょっとサクサクとできるといいのだけどねぇ。

まったくもってまとまりのない毎日ですが、先週末からここ数日、不思議なことが立て続けに起こり、カオスが増しています。 

 

 


 

その1。
週末に重い腰を上げて、うちのMacちゃんにParallelsというアプリを使って入れているWindowsをアップデートしました。


Windows 7のサポート期間がとっくに終わってしまい、マイクロソフトのOfficeをサブスクしてるのに(ていうか、購入というオプションが見つからなかった。世界中すべてがサブスクで、あっちこっちのIT大企業にちょろちょろ小金をしぼりとられている。世知辛い世の中になったものよ)Accessが使えなくなってしまったので、一大決心をしてWindows 10にアップグレードすることにしたのです、が。

バックアップもとり、えんえん2時間くらいかかってめでたくアップグレードした、と思ったら、なぜかWindows 7がインストールされていたのでした………????


Windowsのアプリを立ち上げると、Windows7↑↑が出てくるんです。



でも、デスクトップはこの ↑↑↑↑ Windows 10のデザインに変わってるし、インターフェイスもアプリのアイコンも変わってる。Access含めOfficeもほかのソフトも全部ちゃんと動く。なぜなんだかわからない。

とりあえず働いてほしい子たちがちゃんと動いてるからいいのですけど。
ちなみにこのアップデートのプロセスでは、お金は請求されませんでした。

8月までは7から10へのアップデートが無料だときいて悔しがってたのですが、そのオファーがまだ生きてるのか。それで7と10の合体OSがインストールされているのか。なぞ。



その2。

家から出ていないのに、ねこバッグがなくなった。


これです。

愛するニューヨークの書店STRANDのお気に入りキャンバスバッグで、一回洗ったらすっかり縮んでサイズがひとまわり小さくなっちゃったけど、でもそれもまた良しで、最近はどこに行くにも(といっても、ほとんど買いものと病院と散歩しか出かけないのでね)これ一択でしたのに。

そんなに小さいものではないのに、家中探しても見つからない。狭いアパートだからそんなに探すところもないし。冷蔵庫の中も見たしキャビネットの中も、洗濯カゴの中も見たのに、無いのです。

息子からも問い詰められたのですが、ほんとうにどこにも持ってってない。ていうか、出かけていない。

日曜日にはたしかにあったのを覚えているので、家の外でなくしたとすれば、月曜日に近所を10分くらい散歩したときになぜか持っていって落としたとしか思えない。これについては、実際に散歩にバッグを持っていったかどうかさえ定かに覚えていない。

肩に下げたかばんを道に落として気づかないって、普通の人なら考えられないと思うけど、なにしろ失くしものと忘れものにはちょっと常軌を逸した才能があるワタクシのことなので、そんなことは絶対にあり得ないと言い切れないのがつらいところです。

…もし近所で見つけた方は、ご一報ください。




その3。

サーバ接続の不調とアプリの不調。
ネコバッグがなくなった翌日、仕事の関係で客先の指定するアプリを使って会議に入ろうとしたのだけれど、以前はサクサクつながったものがつながらず、入室できたら今度は音声がつながらない。

さらに、メールサーバにつながらなくなったりと接続の不具合連発で、さすがにこれにはぐったりしました。

なんか大殺界的なことが起きているのか。火星の影響か。水星か。イーロン・マスクの衛星か。座敷わらしか。

窓際に盛り塩をしてからサポートに電話しました。

サポートのおかげで解決したものの、これももしかして(Macのほうの)OSが古いせいかも、と言われた。うーん、このあいだMojaveにアップデートしたばっかりなのになー。

 

 

時間で色が変わっていく砂丘のデスクトップが好きなんです。

 



にほんブログ村 海外生活ブログ シアトル・ポートランド情報へ

2020/09/22

カニとコーヒーと救世主

 

煙が去って、日曜日には久しぶりに青空も見えました。夜には星も見えたー。
なんて幸せなことでしょうか。

といっても、治療のあとでエネルギーレベルだだ落ちの週末(2週おきにそうなります)なので、半分は寝て暮らしておりました。

朝、いや実は起きたら昼すぎだったりするのだけど、ごはんのときに窓から色のフィルターのついていない太陽光を浴びるだけで、気分が上がります。





まいどおなじみフレンチトースト。朝ごはんが午後3時だったというのは秘密です。

出かけないので卓上写真ばっかり。



週末は、Pちゃんからいただいたカニで焼きガニパスタにしました。
カニの焼き方含めレシピもつけてくださった。

ご子息のシェフMくんのご指導をたまわったのですが、なにしろ記憶力がカニ以下なのでYouTubeにアップしてほしい。


最近気づいたのだけど、わたしは耳から入った情報は頭に入りにくいらしいです。
だから通訳向いてなかったのね!ほかにも理由はあるが。

50歳過ぎて気づくのもどうかと思う。

 




猫パパぴゃっとさんから自家焙煎コーヒー豆をいただきました。

めっちゃうまいです。日本の、本気出してる小さな珈琲店の味だ。
 






 

 

 




 

 




 

ストロベリー、キャラメル、チョコレート、土の味がする。

豆の個性ってほんとにいろいろで面白いですね。

わたしは珈琲マニアではなく、きわめて雑な性格なので、淹れるのは青年。




きょう観終わった、Netflixの『Messiah』(邦題『メシア』)がすっごーーーーく面白かったーーーーーー。

五重マルでした!


10話のシリーズです。1話約40分だから400分くらいで観られるよw(例の韓国ドラマは長すぎて、まだちょうど半分の地点で挫折中)

キャラクターも全部めっちゃくちゃ良いし、俳優陣も素晴らしいし、脚本もすごいし、映像もよかったです。

突然、中東に現れ、テキサス州にやってきた救世主。


この男は社会を撹乱する胡乱な人物であると考えて追跡するCIAエージェントの女性、冷酷だけど娘にはデレデレなイスラエルの秘密警察エージェント、テキサスの小さな教会の牧師、アル中すれすれのその妻、家も町も大嫌いなその娘、シリア難民の純粋な少年たち、彼らを利用しようとする宗教指導者たち、無数の満たされない民衆たち。

人の世の欲望と痛みが、めちゃめちゃ切ない話です。

しかしお金かかってるなー。Netflix、懐豊かですねー。

でも残念ながら、シーズン2の制作はキャンセルになったそうです。DigitalSpyの記事によるとイスラム教方面でリアルに腹をたてた人が5,000人くらいの署名活動をしたらしいけれど、それよりも視聴回数があまり振るわなかったのが理由らしいです。これだけお金かけてつくるのだからシビアでしょうね。

もったいなーーーーい。みなさん、お誘いあわせのうえ観て観て絶対観て!


今年のベスト3にはいるくらい面白いですよー。スリラーとしても秀逸。

重そうに見えるから、いまいち視聴回数伸びないのかな。いや重いっちゃ重いけど、ほんとに面白いですよー!



にほんブログ村 海外生活ブログ シアトル・ポートランド情報へ

2020/09/19

RIP、RBG。


ルース・ベイダー・ギンズバーグ判事が亡くなってしまいました。

7月に伝記ドキュメンタリーをみて、あらためてその人柄と静かな偉業に感動していたところでした。

最高裁判事は終身制。亡くなる際に自分の代わりは「次の大統領に指名して欲しい」と希望したそうですが、もちろんトランプはさっそく右派の判事を指名してくる構え。

この大騒乱の1年に、さらにさらに、とてつもなく大きな打撃です。




 

昨夜からすこしまとまった雨が降って、シアトルはようやく綺麗な空気を取り戻しました。

久しぶりに窓を開けっ放しにできて嬉しいです。

燃えてしまった森はもとにもどらないけど。

きれいな空気や水を毎日好きなだけ浴びて暮らせるって、ほんとにどれだけ幸せなことか。




 

これは煙がやってくる少し前、近所に出されていた「ご自由にお持ちください」の椅子。




なぜかこの頃、近所に椅子がたくさん、道ばたに出してある。

このあたりもまた売りに出される家が急に増えてきて、古い住人が転出していく件数が多くなっているようです。その流れで、不用品を処分する人が多い。



諸行無常ではあるけれど。

ギンズバーグ判事のような、無数の善き人びとの意思に心から感謝して、ほんの少しでもその志を受け継いでいきたいと思います。出来るかぎり心静かに。

 

ほんのちょっとしたことから、間違いなく人も、世の中も変わっていくので。




にほんブログ村 海外生活ブログ シアトル・ポートランド情報へ

2020/09/18

居座る煙、そして秋。

 

きょう(木曜日)の朝の太陽。シアトル上空の煙はまだ立ち去ってくれません。

ちょっとばかりの雨では浄化できそうもないそうです。明日明後日は雨の予報。
雨についての自虐ネタにはことかかないシアトル民がみな心から雨を待ち望むという、ありえない事態に。

まだ燃えている山の上にもたくさん雨が降ると良いのですが。

煙の匂いはだいぶ薄れてきたものの、わたしより嗅覚の敏感なうちの息子は、窓を開けると臭いといいます。今日も光の色は一日じゅう、夕方のようだった。

うちの青年は、外で運動できないので身体が硬くなってたいへんだそうです。週に3回くらいは自転車乗ったり階段登りに行ったりしていたのに、家の中でストレッチするくらいしかできなくて。

小さいお子さんのいるご家庭は大変だろうなあ、外遊びができないって辛いよねぇ。




今年の夏は、煙が来るのと同時に終わってしまいました。もうすっかりオフィシャルに秋ですよって気配。



木の葉も、はやばやと色が変わってます。早い…。

 


 舞踏家薫さんから、すてきなお花をいただきました。珍しい紫の小ひまわりと、初めて見たバーガンディ色のレースフラワー。薫さんらしい色合いだー。

ひとつはバスルーム用に。

 


うちの青年が先週バラードマーケットで買ってきてくれた地味花セットの生き残りと合わせたら、秋らしい落ち着いた色合いになった。

 


明るいレッド&イエローのお花はこちらに抽出。読みかけの本の山とともに…。短編集、歌集、評論、ルイス、ディディオン、CTちゃんに借りてるエリアーデ(かったるい)、Pちゃんに2年ごしで借りてるSFなどなど。ちびちび読んでるやつと一気に読みたいやつと。ちびちび読みすぎて前後を忘れてしまったやつと。このほかKindleにも、読みかけのが5冊。青空文庫にも。自分の処理能力を大幅に超えて欲張りすぎ。

港区マダムMに送っていただいた『動的平衡2』面白いですーーーー!これは一気に読んじゃうやつ。

日本からのEMS便が停止されているときいて、先月、衝撃を受けました。

書簡と書籍以外は、選択が船便しかないという……。そして単に書籍を送る送料もバカ高くなっていて。日本がさらに遠くなってしまいました。

 

 

にほんブログ村 海外生活ブログ シアトル・ポートランド情報へ

2020/09/16

イケメン満載のお宝マタイ受難曲

 


YouTubeでバッハをきいていたら、AIにおすすめされたマタイ受難曲。

なんと、ミュンヘンのテルツ少年合唱団と、バロック楽団ミュンヘン・ホーフカペレの、聖堂らしき会場でのライブ・コンサートという、お宝映像でした!

2017年のコンサートです。素晴らしいーーー。

テルツ少年合唱団は日本でもファンが多く、何度か来日公演もしてますね。

わたしは80年代にたらさわみちのマンガ『バイエルンの天使』で知ったのでした。「プチフラワー」と新書館の「グレープフルーツ」で連載読んでました。内容はうっすらとしか覚えていないけど。

(いまWIKIを読んで、「グレープフルーツ」の存在を思い出した。萩尾望都、大島弓子、佐藤史生、坂田靖子。少女マンガからスピンオフしたちょっとマニアックなマンガの黄金期でしたねー。雑誌もいっぱいあったし!!SF系が多かったな)

その後とくにフォローしてたわけではないんですが、この映像を見て、何十年かぶりに『バイエルンの天使』を思い出しました。

ソプラノとアルトのアリアは、交代で少年たちが歌ってる。もちろん、大人のプロ歌手にくらべると繊細な表現や技術には欠けるけれど、天使だよ天使。

 


第一部のアリア「 Blute nur, du liebes Herz!(血を流すがよい、汝、愛する心よ)」(15.44)は、4年生くらいの、ハリー・ポッターみたいなメガネ少年が歌っててカワイイ。髪の毛が寝癖みたいに立ってるとこもwww

 

 

ソプラノとアルトの二重唱「So ist mein Jesus nun gen」(こうしてイエスは捕らえられてしまった)(52:50) は、透明感半端ない。天使の声だ。


そしてね、一番出番の多い「福音史家」、これは金髪のテノール歌手の青年が歌っているのだけどね、この青年がなかなかのイケメンですよ。


Benjamin Glaubitzさんという、クリーンな正統派ドイツ青年。

ヘアスタイルも分け目正しい。
歌声も素晴らしいし、凛々しくも繊細な表現が福音史家にぴったりで素敵です。

 イエス・キリストはバリトンのSamuel Hasselhornさんという方。


こちらは外見がGEICOのちょっと昔のCMに出てた知的な穴居人を思わせる(いやあれは今ではNGだよね)ワイルドな髪型で、これもキリストの役柄にぴったりの、権威ある声が素晴らしい。

この二人の強烈なコントラストが、少年たちの合唱を背景に際立つことこの上なし。

Geduld! Wenn mich falsche Zungen stechen (耐え忍べ、私を偽りの舌が刺すときも)」(1:12)のテノールのアリアも繊細で素敵なのですが、伴奏のヴィオラ・ダ・ガンバが雰囲気のある素敵なイケメンで、そちらに目がくぎ付け。



チェロの前身、ヴィオラ・ダ・ガンバ。この楽器の音が好きなんです。
古楽器楽団でのマタイ受難曲は初めて聴いたかもしれない。

この受難曲中でたぶんいちばん有名なアリア「 Aus Liebe will mein Heiland sterben (憐れみ給え、我が神よ)」(01:40)は、わたしも超超大好きな曲なのですが、これだけはちょっと違和感あった。ソロのヴァイオリンが華麗にでしゃばりすぎなで、テンポが先走ってる感じ。このアリアは、特にこのヴァイオリンの部分など、イタリア的な要素が多いのかな、もしかして。初めてそんな印象を受けたのですが。とにかくヴァイオリンのおっちゃんはイタリアっぽかった。所作が。

 


「Aus Liebe will mein Heiland sterben  (愛ゆえに、私の救い主は死のうとしておられます)」( 1:40)。このアリアを歌ったソプラノの美少年は、ほんとうに綺麗な声です。

 もちろんドイツ語なんてぜんぜんわからないので、このサイトの対訳にお世話になっています。 

 

そしてこの指揮者も大好きー。顔と手の表情がとても雄弁で、ほんわかします。結婚するならこういう人がいいよ。

 


 古楽器だけの小さな楽団と少年たちの合唱。狭い舞台の上での演奏がとても親密で、今まで聴いたなかで(そんなにすごくたくさん聴いてませんが)かなり好きなマタイ受難曲でした。

テンポもかなりゆっくりで、丁寧な、心のこもった演奏だなあと思いました。

子どもたちの個性も豊かで、ぽっちゃり君もいれば優等生っぽい子も、ずっとキョロキョロしてる内気そうな子もいて、『バイエルンの天使』思い出した流れもあって微笑ましくてならぬ。

 この少年たちは今、どうしているのでしょうね。

こんなにぎゅうぎゅうに人が集まって合唱を聴くことが、また可能になるのはいったいいつのことか。と思うと、かなり切ない。

世界にはなんだかたくさんの災厄がふりかかっていますが、人類にはトゲトゲした嘘つきもたくさんいれば、優しい人もたくさんいる。

人類はこんなに美しい物語を長年たいせつにしてきたのだから、もうそろそろ、くだらぬ争いと怖れを卒業してはどうか。と、神様が言っているように思います。

 


にほんブログ村 海外生活ブログ シアトル・ポートランド情報へ

巨大ダリアとふわふわロールパン

 


ジェニファーちゃんがまたお庭の花を配達してくれました。こんどはダリア。巨大!

さしわたし、30センチくらいある。こんな巨大ダリアは見たことありません。

この迫力は、情熱の人ジェニファーちゃんそっくりだなあ、と思いつつ眺めていました。

とにかく何に対してもパワフルに向かっていく人。赤が似合う、いつも何かが燃えている女ジェニファーちゃん。でもスーパー優しく、実は傷つきやすい繊細な母性の人。頼もしい友人です。

うちの息子とキリコちゃんはコンビを解消してしまったのに、かわらず気遣ってくれている。

 


この炎のような花には、波乗り翻訳者えりぴょんからもらったフラガールが似合う。
フラガール、嬉しそう。

食卓に花があるのは幸せです。

ハワイ行きたいなーーーー。ハワイ州外からの訪問者に課せられている2週間の待機令は、すくなくとも10月までは継続するそうです。
7月の訪問者は2万3,000人弱。前年比、98パーセント!の減少だって。



そして、シアトルが煙霧におおわれていた土曜日に、マーサーに住むスーパーママPちゃんがわざわざ自作のパンをとどけてくれました。

このほかにも、シェフのご子息が船で出漁する本格漁で獲ってきたカニとか、元旦那さんのご実家でつくっている完全無添加塩だけ梅干しとか、激ウマ米とか、超豪華食材を山盛りいただいて感涙。

心安く頂戴できるように、カニが冷凍庫のスペースを占拠してるからもらってくれて助かる、とまで言っていただき。

カニの収獲が多すぎて冷凍庫スペースをめぐり親子げんかになるって、どんな贅沢なのww

 何もお返しするものがなくてまことに恐縮なので、文庫本の棚をあけて幸田文の本を押しつける。迷惑だったかもしれぬ。すまぬPちゃん。

うちに余っているのは、古本と、息子の部屋にあふれている奇妙な靴のサンプルだけです。

どうして私の周りの人はみんな、こんなに親切なのだ。だから世の中の人はみんなこんなに優しい人ばかりだと錯覚してしまうのです。そしてニュースやSNSを見て、うわっと思う。



せっかくロールパンをいただいたので、スクランブルエッグとソーセージをはさんで、日本の朝食風に。

ふわふわでうまいことこの上なしでした。


にほんブログ村 海外生活ブログ シアトル・ポートランド情報へ

2020/09/15

そして世界がオレンジ色に

先週金曜日、9月11日のシアトル、ガスワークス公園。
カリフォルニアやオレゴンからの「超巨大な煙の雲」がやってきつつあった週末です。

これらは、うちの息子が撮ってきた写真です。久しぶりにデジタル一眼レフで。
木工用の分厚いフィルターがついたマスクを着用して、この光の加減が面白いといって新しく作った靴の写真を撮りにでかけていきました。

わたしは終日家でるすばん。


向こう岸はシアトルのダウンタウンなのですが、ほとんどビルが見えない。

 

空気質が「軽度の汚染」から「中程度の汚染」になり、さらに「重度の汚染」になっていきました。 

 

フィルターをかけたような世界。

オレゴン州では、山火事で住民の1割が避難しなければならなくなっているという事態です。




金曜日の夕日。水曜と同じサンセットヒル公園から見た景色ですが、オリンピック半島の山どころか、水面も見えない! 

 

 

そして、翌日土曜日。いちばん煙がひどかった日。
朝起きたら、世界がオレンジになっていました。

この土曜日は、鳥も啼かないし、蝶も蜂も飛んで来ないし、人も歩いていないし、雪の日のように静かでした。 

ただ雪の日のような清浄感はなくて、空気がどんよりと沈んでいて、いつもうるさいからすやジェイ(かけす)でさえ、しょんぼり。


 

同じ日の午後。
太陽が、はんこで押したみたいな弱々しい円盤になっていました。

終末感が半端ない。

家でこもるのはもう慣れているものの、窓も開けられない、散歩にも出られないというのはさすがにこたえます。

もちろん、家が焼けてしまったり、避難生活を強いられている人びとに比べたらまったくたいした不便でもありませんが。


 

そして今日、月曜日。オレンジではなくなったものの、まだぼんやりとした視界。

今朝の太陽は、銀屏風に金泥で描かれた日本画の日輪みたいでした。


雲だか煙だかが、眩しくない太陽の円盤の前を横切っていくのが見える、不思議な光景。

一日じゅう霧笛が響いていて(水路が近いのですが、どこから聞こえるのか不明)、それもなんだか不思議にわびしい気分を深めます。

 


ワシントン州のエコロジー局のサイトが提供している、リアルタイムの空気質マップ
指標が200以上だと「Very Unhealthy(かなり健康に悪いレベル)」、300以上だと「Hazardous(危険レベル)」なのですが、月曜夜でもまだ300以上の値になっている。


 これが「超巨大な煙の雲」です。ワシントン州「煙情報」ブログより。

画面右側の上半分がワシントン州、下半分がオレゴンですよ。二つの州をあわせたよりも大きい。これはまことにマッシブ。巨大すぎる。

2020年はこれでもかこれでもかと次々にいろいろやってきますね。来月は何が……。

ああ、もうすぐ選挙がある……。

シアトルは今週、雨の予報なので、煙を洗い流してくれるといいですね。

シアトルで雨を祈願なんて、これもめったにないことですが。

…といっていたら、雨が降り始めた(夜11時)。 とたんに空気が煙臭くなくなって、嬉しい。窓を開ければきれいな空気があるって、こんなに嬉しいことだったんだ(涙。

とにかく山火事が一刻もはやくおさまりますように!

 

にほんブログ村 海外生活ブログ シアトル・ポートランド情報へ