2019/06/18
ボーダレスの蛙行列
5月のお台場。
チームラボ・ボーダレスに行ってきました。
きれいでござった。
プロジェクションマッピングの作品をあつめたミュージアム。
楽しいです。
プロジェクションは5分〜30分くらいの間隔で次々に変わる。
かなり人が多くて、一番人気のある部屋は40分待ちの行列ができていた(ので、入りませんでした)。
鏡の世界。これはインスパイアドby草間彌生って書かなくていいの?
でも本当にくらくらするほどきれいで言葉を失う。
もうちょっと人が少なかったらよかったな。金曜日の夕方。
売り切れではないものの、盛況でした。
ここもインバウンドのお客さんがとても多くて、係の人も中国人が多かった。
ミュージックがもうすこしかっこ良いといいのにな。
なんかこう、マッサージ屋さんのBGMみたいなのばかりで。
もうすこし骨のある音楽を背景にみてみたい。
オルタナティブでも宗教音楽でも現代音楽でも能楽でもいいから、もっと緊張感のある音が聴きたくなってくる。
一番おもしろかったのは、「鳥獣戯画」のキャラクターが踊りまくり、部屋を行列で出ていくインスタレーション。この写真じゃ、ぜんぜんなんだかわかりませんけど。
カエルやウサギや楽人が、暗い部屋の奥のほうまで何列にもなって何十体もぼわーっと出現して、和風の音楽にあわせて踊りまくる。
来てはいけない世界に迷い込んでしまったような、うす気味悪い感じが素敵です。
壁一面に花が流れていく、豪華なプロジェクション。
順路はなくて、薄暗い中で観客が自分で歩き回り、あちこちの部屋に仕掛けられたインスタレーションを「発見」するようになっているので、全部くまなく見ようと思ったら(並ぶ時間を除いても)2時間では足りない。けっこう広い。
でもインスタレーションの間の通路や壁や床の造作がいかにも急ごしらえの舞台裏めいていて、恒久的な施設としてはすごくチープな作り。文化祭のお化け屋敷を思わせる。
お台場ってこういう場所だよねって感じてしまう。そこはちょっと残念。
お茶のカップの中に花が咲くカフェも楽しかった。
カップを動かしても花がついてくる。
上階はアスレチック式に、よりインタラクティブな仕掛けになってました。
ヒールのある靴はNGなので貸靴もあり。
チームラボは世界各地でいろいろな展示をやってるけど、上海の新しい美術館とシンガポール空港のインスタレーションが面白そう。シンガポール空港見に行きたい。
2019/06/14
6月の薔薇とジェラート
連日ほぼ快晴のシアトル。爽やかです。
朝のうち曇っていても、午後にはこのとおり。
朝晩は12度Cくらいに下がることもあり、湿気が低いので超快適。
日本のみなさん、シアトルに遊びにくるなら、夏ですよ夏!
散歩道の植え込みに、グミ発見!あら懐かしい。
この季節、実家の庭にあったユスラウメをとって食べるのが楽しみだったなー。
藤の木に埋もれたユリ。ジャングル感が。
あちこちでつるバラが満開。
ドッグウッドも元気いっぱい。
マーガレットも。
ほぼ真夏日の水曜日、グリーンウッドを通ったのでジェラートやさん「Nutty Squirrel」に寄りました。
ソルテドカラメルとチョコチップを半分ずつ。ワッフルコーンがおいしい。糖質な……。
オレンジが基調のかわいい店内。
ここで小さい女の子たちがママたちとジェラート食べてると、絵本の世界みたいです。
歌舞伎ビデオと機内ごはん
今回久しぶりに乗った、オールニッポンエアウェイズ。
やっぱりすごいなー、日系エアライン。なにがすごいって、かぼすジュースがおいしい!
そして、みんな同じ方向に髪の毛をなでつけた、輝くばかりに美しいフライトアテンダントのお嬢さんたちが、まるでそれがこの世で一番うれしい仕事であるかのように満面の笑顔で。かぼすジュースを注いで手渡してくれるのですよ。
最近の離陸前の安全ビデオは各エアラインとても力を入れてて、乗客がつい見ちゃうようにエンターテイメント性が高くつくられてますね。デルタのも毎回面白かったけど、ANAのは歌舞伎だった!すごくクオリティが高くてとっても面白いです。
ANAサイトによると「松竹株式会社の全面協力ならびに、歌舞伎俳優 尾上松也氏監修の下、ユネスコの「無形文化遺産」に登録されている日本の伝統芸能「歌舞伎」をテーマに制作」し、3パターンあって2018年12月から上映されてるそうです。
歌舞伎全然知らないけど、この人は『菅原伝授手習鑑』の中の「梅王丸」というキャラクターなのだそうです。
菅原道真公の流罪をテーマにした話なんですねー。へえー。
通路で切る見得がかっこいい。
女形さんもめっちゃ色っぽくて最高。
子役ちゃんもかわいい。
YouTubeにフルで上がってました。何度見てもおもしろいですよ!
こちらはバンクーバー発のエコノミー席ごはん。魚の和食。とってもふつうで少し色気がない感じ。
こっちは羽田発の帰り便。カツカレーにしました。ちょっとキラキラ感がありますね。
搭乗前に謎のドカ食いをしたので…(夕方、マダムMとステーキとごはんを食べ。さらにケーキを1こ半食べ。その2時間後、羽田で最後のオミヤゲショッピングを終えたら小腹が空いて、さらにナポリタングラタンというしろものをほぼ完食。なぜこんなに食べられるのかよくわからない食欲。糖質てんこもり)さすがに完食はできませんでした。
それで思い出した機内食といえば、春に乗ったKLMのアムステルダム〜ミラノ便ででた軽食のサンドイッチ。
パッケージも可愛くて中身もおいしかったのですが、中に書いてあった文言にほっこりしました。
「The farmers take really good care of their chickens. They make sure they have a nice day every single day.」
「農家では、育てている鶏たちをほんとうに大切にしています。鶏たちがどの1日も確実にたのしく暮らせるように心をくばっています」
鶏たちがどれだけ幸せに暮らしているか、透明性を重視してウェブサイトでも公開しているし、よかったらぜひ見学に来てくださいね、とあります。
シアトルのスーパーでも「平飼い」の鶏肉や卵がポピュラーだけど、ほんとにはどの程度徹底されてるのかなー、どんな施設なのかな、と思うことも。
さすが、北欧は食用鶏の福祉にも本気で取り組んでますというアピールすごい。
KLMのフライトアテンダントさんたちもピシッとタイトなスカートを着こなして、大柄なオランダ人形みたいでした(一人は天井に頭つきそうだった)。
2019/06/11
バンクーバー空港のねずみ女
バンクーバー空港は楽しかったです。
土産物やさんに山積みされていた、これは……たぶん、ビーバー。
かわいいんだかかわいくないんだかよくわからない、アメリカンゆるキャラ。
スタバにあったカップもなかなか素敵なイラストでした。買わなかったけど。
ピンクのヘラジカに、そそられた。
このスタバのご当地カップ「You Are Here」 シリーズ、なぜ?と思うくらい、巨大で重い大陸サイズ。デザインはそれぞれかわいいのだけど。
さすがに考えたのか最近はミニチュアサイズも出てきましたが、まだ圧倒的に数が少ない。
バンクーバー空港はまだところどころ改装中みたいだけど、流れる水や植物と、先住民アートがたくさん配されてます。建築はあまり愛想がないのですけどね。
ロビーの真ん中にあった彫刻「Spirit of Haida Gwaii」。
Haida Gwaii(ハイダ・グワイ)というのは、ビクトリア島の北にある群島で、18世紀にイギリス人が勝手につけていった「クイーン・シャーロット諸島」という名前で最近まで呼ばれていたのが、先住民ハイダ族を尊重して「ハイダ・グワイ」という名がつくられ、2010年以降正式に名前が変わったそうな。
ハイダ族のアート、すごく好き。
ハイダのアートを最初に見たのはたしか、ワシントン大学のバーク博物館。
北方の激しい民族の物語性の強いアートに、なぜかものすごーーく惹きつけられます。
この彫刻は1998年に亡くなったハイダ族の大御所アーティスト、ビル・レイドさんの作品。
素材はブロンズで、翡翠のような色調に色をつけたもの。
まったく同じ型でつくった黒色の彫刻がワシントンDCのカナダ大使館前に設置されているそうです。ウィキによると、切手になったりお札にフィーチャーされたこともある、有名な彫像らしい。
カヌーは、とがった帽子をかぶったシャーマンを中心に、カラス、ビーバー、サメ人間、ヒグマの家族、カエル、ワシ、オオカミ、ヒトなど、超満員です。
手前にいるのはビーバーですね。平らなしっぽが目印。
その前に座っているのは、神話に出てくる、ヒグマの妻となった人間の女性。子どもたちを連れてます。
朝の山手線どころではない混雑ぶり。一番下にいて、みんなに踏まれて「ぐえっ」と舌を出してるのはカエルですね。
そしてビーバーの陰から顔をのぞかせているこの人。
「Mouse Woman」だそうです。
ビル・レイドさんの作品を扱うギャラリーサイトの説明によれば、ハイダの神話では、マウスウーマンすなわちねずみ女はカラスの母親であり、世界の境界をまたごうとする人に助言をおこなうことがある、とても賢い存在なのだそうです。
見た瞬間、ちびのミイかと思った。サイズも髪型も似てます。ミムラ族の親戚か。
それまでと異なる世界へ入ろうとする人へ助言を与える。
空港にふさわしい存在です。頼もしい。
2019/06/09
バンクーバーから列車でシアトルへ
というわけで、帰りはバンクーバーからシアトルまで、アムトラックの列車で帰ってきました。
飛行機がバンクーバーに午後2時50分到着、列車は5時45分発。
荷物をピックアップしてイミグレと税関審査を通ってタクシーに乗って駅に向かいますが、空港から駅まで車で30分〜40分かかるので、 飛行機が少し遅れたり、入国審査で行列が長かったらちょっときついなあ、と思ってちょっとドキドキでした。
でもこの日は幸いまったく問題なく、入国手続きもさくさくと進んで、着陸後30分もかからずにタクシーに乗ることができました。
よかったー!
なにしろ本数が少なく、これが最終列車。これを逃すと翌日まで待たねばならないのです。
駅についたのは4時ちょうど。 まだずいぶん時間があるな、と思ったのですが、すぐに(4時20分から)改札が開いて乗車手続きがはじまりました。
駅(パシフィック・セントラル・ステーション)の建物は1919年建造。
外観はこちら(ウィキコモンズより)↓。
外観も内装も美しく修復保存されてますが、残念ながら駅弁も駅ナカスイーツもありません。
バンクーバー市内には素敵なカフェがたくさんあり、タクシーの窓から指をくわえて見ていたのですが(途中で停まってもらおうかな、とちょっと思ってみたけども言い出せず)、駅構内のカフェはすでに閉まってました。
駅構内にはたいへん微妙な感じの「SUSHI」屋さんとコンビニ的な売店がありますが、そのほかには飲食設備はなし。
たべもの屋の出店だらけの都内の駅が恋しくなる一瞬でした。
だいたい、5時45分発の列車の乗車開始が1時間半も前の4時20分からって、のんびりしてますよね。
バンクーバーとシアトルを結ぶ列車っていうと、日本の感覚だと新幹線を連想しちゃうとこですが、アムトラックは主要都市を結ぶ幹線列車というよりむしろ「鄙びたローカル線の旅」って印象です。
インフラも運行システムも、この駅が建造された20世紀初頭から基本的にほとんど変わってないと思われます。それでもこの「カスケード」路線は全米で8番目とかに乗客数が多い路線なんだそうですよ。20世紀のアメリカで列車がいかに不遇をかこってきたかがわかるというものですね。
旅客列車は90年代以降少しずつ増えてはいますが、まだまだまだまだ、日本と比べたら笑っちゃうレベルの少なさです。オバマが公約した高速鉄道もほとんどすべて、予算がついていたのにもかかわらず反対派に潰されちゃったしー!
改札口は一番上の写真の右側のところにある小さなデスク。ここに先着順に並んで、座席の割当を受けます。
厚めの紙に印字されたすごくシンプルな座席札をもらって改札のデスクを通ると、すぐ内側に小さな出国審査場があります。審査官は2人。
わたしがあたった審査官は日本語が少し話せる若い男性で、「ミギノユビヲ、ヨンホンイッショニツケテクダサイ」とかとても上手に指示してくれましたが、審査よりも日本語習得に熱心な感じでした。全体に空港よりずっとくつろいだ雰囲気です。
その先は狭いプラットフォーム。 この機関車は数年前に導入された最新型だそうです。
(客車のほうはけっこう年季がはいってる感じで、ぜんぜん最新型にはみえませんでしたが)
WSDOT(ワシントン州交通局)のロゴがついている。アムトラックはいちおう営利企業だけど、実際は州政府機関や連邦の機関が運営にかかわっているらしいです。
このカスケード路線にWSDOTがどのようにどのくらいかかわってるのかは知りませんが、こんなに大きなロゴがついてるってことは、機関車はWSDOTの所有なんでしょうね。
このプラットフォームで、荷物を貨物室に預けます。
預け荷物は2個まで。持ち込み手荷物も飛行機のキャリーオンと同じサイズまで。
(これも、飛行機よりもかなり制限はゆるやかな印象を受けました。少なくともこの日のバンクーバー駅の担当者は誰も手荷物の大きさなんかチェックしてなかった。)
飛行機と違うのは、自転車持ち込みOKなこと。
マイ自転車と列車を使って近郊都市へエコな旅を!というのをWSDOTもカナダとオレゴンの交通局も推奨してるみたいです。
バンクーバーを出るとしばらく干潟が広がってる場所を通ります。
有明湾みたいですね。海苔は作ってないけど。九州行きたいなー。
バンクーバーを出て1時間くらいで国境を越えます。バスと違って荷物を持って降りる必要はなく!パスポートコントロールの担当官が車内に乗り込んできて、パスポートをチェックするだけ。らくちんです。
パスポートコントロールの間だけは、全員が指定された座席に着席しているように指示され、トイレも食堂車も閉鎖されます。
わたしの割り当てられた車両は満席でした。
隣の席にも人が座って手狭になったので、国境を越えてから食堂車へ。
食堂車はこんなところ。テーブルが広い。椅子もアメリカンサイズです。
大昔のオリエンタル急行みたいにボーイさんが注文を取りに来るわけではなく、隣りの「ビストロ」車のカウンターで買った食べものや飲みものを各自持ち込んで食べるカフェテリア式です。わたしは国境からシアトルまでずっとここで過ごしましたが、テーブル数は10卓もないのに満席にはなっていませんでした。
車掌さんも奥のテーブルにずっと座ってました。
売ってるのはピザやホットドッグ、カップ麺など。しつこいようですが駅弁はなし。
特においしいものもなし。
かろうじてご当地感のあるIvar'sのクラムチャウダーを買いました。5ドル(米ドル)。
紅茶・コーヒーは2ドル50セント。お高めの値段設定です。
アムトラック、もうちょっと飲食部門に力を入れたらどうかと思う。
世界の車窓から〜♪な景色。
カスケード路線は水辺を通っていくので、景色がドラマチックで全然飽きません。
干潟や砂浜、小さな入江、牛や羊が走り回っている緑の牧場などがすぐ目の前に。
なにしろ単線の箇所も多いので、自動車から見るよりも沿線の景色がずっと間近に見えます。
仕事しようと思ってパソコン立ち上げたけど、窓の外に目を奪われてしまって、あんまりはかどりませんでした。
午後5時45分発、10時10分着。たっぷり4時間半ですね。夏場は日が長いので、この最終列車はちょうどサンセットの時刻にかぶります。
日没は9時すぎ。ちょうど到着の1時間前くらい。
これはエヴェレットのあたり。
乗っている時間は長いけど、バスよりもはるかに快適でした。
国境で長々並ぶ必要もないし、ゆっくり本を読んだり昼寝したりできるので、運転するよりもラク。なのでわたしは列車推しです。もうちょっと本数があればいいんですけどね。
(そして、脱線しなければね…)
料金は片道44ドルでした。混み具合や曜日、買う時期によって変動します。
そしてこの美しいキング・ストリート駅に到着。
キング・ストリート駅も駅ナカはなんにもありません。もったいない気がするけど、こんなに本数が少ないんじゃ商売にならないし。仕方ないですねー。
駅を出るとすぐにタクシー乗り場があるし、Uberを呼んだら30秒で、珍しいピックアップトラックのUber君がやってきました。
お急ぎでない方には列車の旅、おすすめです。
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