ロードトリップ、第6日目。ザイオン国立公園からグランドキャニオンへ。
まっすぐ行けば約5時間の道のりですが、寄り道をしつつ、朝9時半発で午後4時半ころの到着でした。
アリゾナは夏時間を採用していないので、すぐ真南の州なのに1時間時差があった。
だから実質、約8時間のトリップでした。
ユタ州の南からアリゾナ州境への道も、いろいろな岩山や植生が見られて楽しいです。
ずっと寝不足だったので車で寝るつもりだったのに、景色が良すぎてほとんど眠れなかった。
真っ黄色に黄葉していた樹は、川に沿って生えているコットンツリー。やはりポプラの仲間です。
アリゾナ州にはいってすぐにコロラド川を渡る橋があり、その先のページという小さな町に名所のHorseshoe Bend (ホースシュー・ベンド)があるので寄ってみました。
青年は、数年前にキリコちゃんと2人でここに来たことがあり、そのときには駐車場も無料で、ただの野っ原で道も整備されていないところを歩いて峡谷を見に行ったそうですが、今は峡谷を見下ろす展望台までの歩道が整備されていて、車椅子やベビーカーでも楽に歩けるようになり、駐車場にはゲートが設置されていて、1台につき10ドルを徴収されます。
どうやら町の収入になるらしい。まあ、地元にお金が落ちるのはよいことですね。
このすぐ近くにある有名なアンテロープキャニオンは、コロナ禍で閉鎖中でした。
洞窟のように狭いキャニオンなので、密にならざるを得ないですものね。
ホースシューベンドと峡谷を見下ろすポイントへは、駐車場からこのように荒れ地のなかのゆるやかな坂を10分くらい下っていきます。
この手前のご夫婦は、黒いカートの中に老犬らしい小さい犬を乗せていました。
これが「ホースシュー・ベンド」。うねうね曲がって流れてきたコロラド川がどういうわけかここで馬蹄(ホースシュー)形になっている場所。
500万年か600万年前に地殻変動があって地面が隆起したために流れが変わってできたそうです。
ずっと下にボートが見えました。ツアーも出ているらしい。
この上流にダムがあり、下流にずっと下って行くとグランドキャニオンです。コロラド川すごい。全長2,330kmですって。日本の宗谷岬から鹿児島までが約1,900kmなので、日本列島の主要部分より長いのな!
黒いカートを引いてたご夫婦。
犬たちは峡谷にまったく興味なし。というか全力でお尻を向けています。
でも、君たち大切にされてるのね、とほのぼのしました。
犬を連れた人がとても多かった。ほとんどは大型犬。犬との旅もいいなー。
(国立公園でも道路でも大型のRVをよく見かけましたが、猫を運転席に乗せてるRVも一度だけ見た!猫との旅!いろいろ心労が多くなりそうな気もするけど…楽しそう)
右のほうには柵のある展望台もありますが、左側はこのように、崖から落ちるかどうかは自己責任でどうぞ、方式。
峡谷のスケールには圧倒されます。
赤い埃っぽい地面に生えている植物たち。菊のような花もあり。
セージブッシュなどの灌木の色の柔らかなグラデーションが綺麗です。そして赤土に落ちる繊細な影。
セージ色の泡立つような細かい葉。
黄金色のイネ科の草もあり。
レモンイエローの枝がぽつんと落ちていた。
シアトル周辺、パシフィックノースウエストでは見ない色です。この赤い土の色、これがサウスウェストの基本カラーなんですね。
砂漠や荒れ地の植生にこんなに繊細な魅力があるとは思いませんでした。
ユッカかな?
駐車場から展望台までのあいだに、こんな日除けがふたつ設置されていました。
一見そっけないミニマルなデザインと錆の色が周囲の景色に溶け込んでます。
真夏はとんでもない暑さなのでしょうね。もう何か所かあってもよさそう。
パーキングのトイレにあった張り紙。
「床を使わないでください。トイレを使ってください」という注意書きに瞠目しました。
床を使っちゃう人がいるんだ……。
トイレの使い方がよくわからない人は国外からの観光客以外にないだろうと思いますが、英語で書く意味があるのだろうか?多国語展開したほうがいいのでは?
このピクトグラムじゃちょっとわかりにくいと思うな。とくに床使用厳禁のやつ。
青年は、何年か前にザイオンもここもグランドキャニオンもほんの駆け足で訪れたことがあるのですが、その時の混雑に比べれば今回はどこもガラ空きだと言ってました。
以前はここにもザイオンにもグランドキャニオンにも、中国人観光客を満載した大型観光バスがたくさん停まっていたそうです。今回、国立公園のいちばん混んでいるスポットでも、8割が白人のアメリカ人だった(テキサスあたりの訛りがよく聴こえてきました)。
また海外からの観光客がなだれこんでくるのはいつなのでしょう。東京もきっと同じだよね。
コロナ禍のおかげで、はからずも、静かな峡谷に対面できたのでした。