2020/05/21

夏至までひと月



暇です。することは山ほどあるけど、仕事はたいへん静かです。

火曜日、3週間にいちどの通院のあと、バラードのMiro Teaに寄ってお茶(「ギョクロ」)を買ったら、こんな素敵カップにはいってきました。

Kristen Van Veenさんという方の水彩画がフィーチャーされてます。ちょっとグロスのかかった上質な紙に印刷されている。

これはまさに、ちょうど行こうと思っていた近所のSunsethill Parkの景色にぴったりではありませんか。というわけで記念撮影。
 



Miro Teaさんはバラードのダウンタウンでロックダウン期間中もずっと営業している数少ないお店のひとつ。店内に入れるのは「最大2名まで」と入り口に書いてあって、広い店内はすっかりテイクアウト専用に模様替え済みです。



カード決済の画面を指で触らなくてよいように、スタイラスが用意されていました。これは新しい。


壁画が増えていました。



火曜日の午後はさすがにひとも車もまばら。

余裕で、にわかウォーターフロントモバイルオフィスを開設できました。 おいしいお茶もあって幸せすぎる。




ここは何度も行ってるけど、この解説板を今回はじめて読んでみた。

オリンピック半島って、コネチカット州とロードアイランド州をあわせたくらいの大きさなんだって。でかっ。ていうか、ロードアイランドちっちゃ!

太平洋からの湿った空気がオリンピック山脈を越えてくるときに雨になるので、年間降雨量は平均160インチ(約406cm!)、だそうです。シアトルは35インチ(約89cm)。

そんなことより、上の絵の右と左に描かれてる太陽がわかるでしょうか。

ピュージェット湾の向こうにオリンピック山脈が描かれてて、その両脇をはさむように太陽が二つありますね。



Winter solstice(冬至)とsummer solstice(夏至)の日没の位置でした。

へーこんなに違うんだ!とちょっとびっくりでした。
山のカタマリのちょうど右と左に。

今年の夏至は6月20日。あとひと月!はやい!

その頃の世界はどうなっていることでしょうか。


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2020/05/20

野生の王国 シアトル/バラード編


月曜日に行ったゴールデン・ガーデンズ公園のつづきです。

気温は18度C、暑くもなく寒くもなく爽やかで、そよ風がふき、ブラックバードやロビンやシジュウカラが啼き、野原には花が咲き。

あまりにものどかで美しくて、死後の世界のような午後。


ビーチの前にある淡水池(汽水域かも?)にかかる橋。
 


橋をわたった向こう側はビーチで、こんな景色。




ごく小さな池だけど、いろんないきものが住んでます。



カモのお母さんがちっこい艦隊をひきつれて移動してました。かわいすぎる(涙)



このちっちゃい子たちがあまりにかわいいので橋の横に座り込んで見ていたら、カモのお母さんはあたふたと子どもを連れて去っていった。脅かしてすみません。


そして!じゃぼんと音がしたので見ると、ビーバー君が!
ちょうど水に入って、向こう岸に泳いで渡ろうとしてるところでした。


(拡大図)
ビデオで撮ったつもりだったんだけど、慌ててワタワタしてて全然撮れてなかった。残念。

前々からここにビーバーダムがあるのは知っていて、あちこちの木に大胆な歯跡があるので、この池に来るたびにビーバーがいないか目を光らせていたのだけど、ついに本人の姿を見ることができました。しかもこんな真っ昼間に!(午後5時くらいだったけど、まだ日は高かった)


池の周りの木には、ビーバー君がこれ以上切り倒さないように金網がかけられています。

ここの池も公園も、ビーバーを養うにはちょっとあまりにも小さいと思うのだけど…このビーバー君はずっと一人で暮らしているのだろうか。 植物園の近くにも以前ビーバーダムがいくつもありましたが、ビーバー1頭に対してどのくらいの広さの森が必要なんだろうか。

むかしはこのあたりもビーバーだらけだったのだろうに。


空にもいろいろなものが飛んでいて。

ゆうゆうと飛んでいる大きなハクトウワシを、カラスが数羽、ギャアギャアいいながら追い回してました。


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まだロックダウンのビーチパーク


すかっと晴れた爽やかな月曜日、ゴールデン・ガーデンズ公園に行ってきました。


穏やかな内海(ピュージェット湾)に面したビーチパークです。



KEEP IT MOVING! (大勢でかたまっていると、公園を閉鎖しなくてはならなくなるよ、という警告) のサインがあちこちにありました。

混雑しすぎないように駐車場はひきつづき閉鎖されているけれど、ちょっと手前に余裕で路駐できました。

ぽかぽか陽気でほんとうに豪華な午後だったけど、月曜日だけに人はまばらで、ソーシャルディスタンスをじゅうぶんに守れる程度の混み具合。



ハワイのビーチとはだいぶ違うけど、いちおうこのへんでは大きめのビーチです。
水は冷たそうだけど、泳いでる人も(ひとりかふたり)いたし、水遊びしてる子どもたちもいました。

赤い立て札に「一時的に、午後8時で閉鎖します」と書いてある。
8時って、ちょっと早いなあ。
なぜならシアトルの日没時間は現在、8時45分ころ。せっかくならサンセットを見てから帰りたいよねえ。
明るいうちに引き上げてもらったほうが面倒がないということなのかな。


パークレンジャー的な方が一人、車に乗ってビーチを見張ってました。
大勢のグループがかたまっていたりしたら注意するのでしょう。


大人数用のピクニックテーブルとバーベキューグリルは、現代美術のインスタレーションみたいに黄色のテープがグルグル巻きになって使えなくしてありました。ここまで巻かんでも。



児童遊園は閉鎖されていますが、トイレは開いてました。
トイレの近くの明るい木立ち。

葉がアカシア的な感じ。何の木だろう。



ハンモックや綱渡りのロープを張るのにじつにぴったりの林です。

ハンモックいいなー。

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2020/05/18

水をクリアにしておく


近所の道ばたのカリフォルニアポピー。交差点の角のとこに咲いてました。

カリフォルニアのアンテロープ・ヴァレーでは、 こんな↓光景がみられるそうですよ。



去年3月のABCニュース記事より。ここまでくると、ちょっと怖いと思う。
これがポピーじゃなくてキノコだったら、セルフィー撮りに行く人は少ないに違いない。



サッカー選手の長友佑都さんが立ち上げた、ひとり親を支えよう支援について、さっき知りました。



クラウドファンディングの支援は先週、5,000万円の目標をクリアして成立したそうですが、それについて 長友さんが書いたこのメッセージを読んで、ちょっと泣いた。

うちも、幸いまわりに助けられて、食べるものもないというほど困窮したことはなかったし、けっこうお気楽に暮らしてこられたけれど、ずっとひとり親家庭だったし。うちの息子もずっとサッカーをやってきて、その中でほんとうーーーーーにいろんな人からいろんな支援を受けてきたので。親子ともどもまだまだ非力だけど、できることをすこしでも返していきたい。

最後のほうで長友さんが、この混乱した現況のなかで自分のまわりの「水をクリアにしておく」ための方法として心がけている3つのこと、にとても共感した。

体と頭を動かすこと。

陽を浴びること。

感謝すること。

ほんとうに当たり前だけれど、どれも絶対に必要なこと。

当たり前のように受け取っているものにどれだけ深い真摯な感謝を持てるか、によって、世界とのつながりが深まるし、その質が上がっていくものだなーということを、最近、いろいろと実感してます。

うちの息子も、アスリートの経験を経てデザインという仕事の世界にいま突入していて、その出鼻にこのコロナ騒動があって経済がどうなっちゃうのという、そういう世界に生きているけれど、まわりの人に助けられていることをよくわかっていて、自分がまわりに与えている影響を自覚して、自分が出来る範囲で最大限よいことをしていきたいと思っている。

それはとても頼もしいし、とりあえずああよかったな、と思います。そこへ導いてくれた数しれないほどの人たちに、どれだけ感謝してもしきれない。

何かを与えられる立場にいるということは、とてつもなく恵まれていることなんですよね。

あっ今、『カリフォルニア物語』の冒頭を思い出した。
ヒースがイーヴにタバコをめぐんでやるシーンで、イーヴがそんなことをいってたな。

あれもう一回読んでみたいなー。


これだ!コミックシーモアさん、買うから許して。ご購入はこちらから。



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意外と凶暴な顔&ひとり2パックまで




近所がアイリスだらけです。



桜の季節から、はや2か月。ほとんど遠出をしていないけれど、咲いてる花が毎日どんどん変わるので、そのへんをぐるっと散歩するだけでも全然退屈しない。

旅に出られない今、うちのまわりにこんな緑ゆたかでくつろいだ環境があるなんて、本当に幸せだとつくづく思います。

お庭や路上の花壇を丹精してくださってるご近所のみなさまに感謝です。


アイリスも黄色やムラサキだけでなく、茶色なんかもあるんですね。

ほかにもありとあらゆる花が咲いている。バラや藤も咲いていて、ふわっといい匂いがするしもう贅沢きわまりない散歩道。


日本の菖蒲やカキツバタよりずっと大柄で、近くで見るとちょっと凶暴な肉食系の顔にみえる。
ゴッホが描いたアイリスの親戚かな。同じような迫力です。



金曜日にスーパーに買い出しに行ったら、肉売り場にこんな札が下がってました。

「全国的な需要の増加と供給減のため、お買い上げはおひとり様2パックまでにお願いします」。

全米各地の精肉処理工場で相次いで感染の巨大クラスターが発生して(死亡者も数名出ました)まだ閉鎖されている工場も多いのが、じわじわ響いて来始めてるようです。

でもまだ今のところは、まだ牛肉も豚肉もベーコンもたくさん並んでいました。
卵は引き続き品薄みたいで、ストアブランドのが最後のいちダースだった。

肉はおひとり様2パックまでって、うちみたいなおばちゃん一人暮らしだったら全然構わないけど、食べざかりの子どもが2人も3人もいるお宅だったら大変! 

わたしはそれより新鮮な魚が食べたいけど、青魚はこのへんのご近所スーパーではほとんど売ってません。鮭か、鱈やハリバット(オヒョウ)などの白身魚ばかり。来週は日系スーパーに遠征に行くかなー。


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2020/05/16

私を泣かせてください



きのうの朝、ひさびさにSpotify(有料会員ではないのでコマーシャルが入るため、あまり使っていなかった)の「Daily Mix1」を開いてみたらこの曲がかかり、感動の涙をしぼり取られました。

この↑歌手の人は不思議の国のアリスみたいな帽子をかぶってますが、帽子と歌はたぶん関係ありません。

あまりにも気に入ったのでAppleMusicで開き直してこのオペラをフルで2回繰り返して聴いてしまいました。


こちらのバージョン。メゾソプラノはチェチーリア・バルトリさんです。
この人の声素敵ー。オペラはほとんど知らない世界です。父が晩年、オペラ好きになって東京でよく通ってたみたいだけど一緒に行く機会はなかったし、自分でチケット買って見に行けるような余裕も皆無だったし。そもそも歌曲って、最近まで不思議と興味なかった。

「私を泣かせてください」ってどストレートな題名です。

バッハとバロックが大好きっていってるわりに、ヘンデルって「メサイア」と「王宮の花火の音楽」くらいしか知らなくて、なぜかこれまでまったく興味を惹かれず、ほっとんど聴いてこなかったのでした。でもこの曲、それにこの歌劇『リナルド』に、今、なぜかどはまり。

こんな曲を書いてたんだー。隅に置けないじゃん(いや全然隅には置かれてない) 。

これ、なんと、ヘンデルさん26歳のときの作曲なんですってー。ヘンデルってバッハと同年生まれ(1685年、スカルラッティも一緒!)だけど生涯一度も会ったことなかったとか、21歳のときからイタリアに行ってフィレンツェやヴェネツィアでイタリア語のオペラを書いて大評判をを得たとか、ぜんぶWikipedia情報ですが、ぜんぜん知らなかったー。超新鮮。無知ってステキ。

18世紀初頭、北国からやってきた天才青年にとって、イタリアってどれだけキラキラした舞台だったんだろうか。


このオペラはロンドンで書かれてロンドンで公演されたもの。そうか、ヘンデルさんはイギリスに帰化したんですね。

このオペラを聴いてると、18世紀には歌劇は当然イタリア語でなくてはならないと思われていたのが納得できる気がします。何言ってるかぜんぜんわからないけど、言葉そのものが音楽的ってこういうことかと思う。鳥がさえずるみたいなキラキラ感のある言葉。華やかだ。



しかしー、昨日も鉄腕翻訳者みぽりんに熱弁をふるってしまったけど、Spotifyは優秀ですねー。

iTunesから引き継いでいろいろ蓄積しているライブラリがあるので毎月11ドル払ってAppleMusicを使ってるけど、おすすめエンジンの優秀さはいまだにSpotifyが抜群で、比較にならないです。クラシックもジャズもセレクションが素晴らしい。

Spotifyは99セントで3か月というお試し期間に使ってみてとても感動したんだけど、AppleMusicを捨てるには踏み切れず、両方におカネを払い続けるのも財政上はばかられるので今は無料会員です。

Spotifyのいいところのひとつは、お気に入りやよく聞く曲にもとづいたおすすめミックスをジャンル別にいくつも用意してくれること。3か月使ってるあいだに、6種類の「Daily Mix」ができてた。

AppleMusicも似たような「あなたのための新しいミュージック」のリストを週いちで作ってくれるけど、全ジャンルがごちゃまぜなので、バロックあり、ヒップホップあり、ポップスあり、ジャズありで、今こういう方針の音楽を流しておきたい、というときに安心して聴けない。


コンピュータとスマートフォンの連係もSpotifyのほうが快適だし。

…といってたら、またSpotifyで「プレミアムにカムバック!3か月9ドル99セントでどう?」というキャンペーンが始まっていました。いいとこ突いてきた!引っ張られています。


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2020/05/15

わたしの名前は。


おとといの夕虹。8時すぎに散歩に出たら、東の空がこんなに豪華になってました。
正確には午後8時22分。

日が長くなったー。もう5月、半ばだものね、なんだかんだいって籠もってるあいだに。
緯度の高いシアトル、本日の日没は午後8時40分です。


これだとちょっとわかりにくいかな。
電線が通っちゃってますが、アイリスの上のほうにびょーっと虹が立っていて、もう神々しかった。



先日、アーティストのSHOKOさんに教えていただいた、日本の映画館UPLINKが提供してる無料ストリーミング映画。『わたしの名前は…』。

アニエス・ベーという名前が懐かしい。ご健在だったのですねー。

ゆるふわ☆お洒落映画かと思ったらけっこうヘビーな内容で、おおぅとなった。

でもすごくよかったです。17日まで、10日間だけの限定無料公開。こちらです。あと2日、いや1日か。

トラック運転手役の人がいい。ダグラス・ゴードンという、現代美術家&映像作家の方だそうです。ちょっとハラが出てていい感じにくたびれてる、世間的にはかなりダメだけど優しい人、という役柄。きゅんとする♡ ああやっぱりわたしはデキる人よりも、こういう盗んだバイクで走り出す系の人が好きなのだなー、と思いました。残念ながら。だからといって尾崎豊のファンではなかったけど。もうちょっとしぶとい人のほうが好きだ。

イタリアの哲学者、アントニオ・ネグリも出てる。幻想的な場面に突然ひょっこり出てくる、ひょうきんな旅のおじいさんといった風情で、ひょうひょうとナゾナゾのようなことを言って焚き火にあたってまた旅に出ていく。スナフキンみたい。

圧倒されるほど映像がキレイというわけでもなく、上段にビシッと構える感がまったくなくて、むしろゆるゆるといってもいいほどカジュアルな感触の映像が淡々とつづいて、でも飽きないし疲れない。アニエス・ベーの服のつくりかたと似てるのかもしれないですね。

フランス映画ってそんなにたくさん見ているわけじゃないけど、空気感というか、肌ざわり的なものがざらっと残るのが不思議だなと思います。エリック・ロメールという人の映画に特にそれを感じるのだけど(けっこう何本か見たけど内容はほとんど覚えていない)、この映画にもそういう肌ざわりがあった。
見たあとに感触が残る感じ。空気や布の感触。

カットのつなぎ方なのか、間合いなのか、セリフなのか、いろんなところに空白があるからなのかも。重要視するものが、アメリカの映画とは若干違うのでしょうね。

あと、お父さんが失業中でお母さんはウェイトレスという恵まれない家庭の設定の家だけど、キッチンや小物がさりげなく美しい。くまのぬいぐるみもかわいい。さすがおフランス。そしてトラック運転手が昼食中にワイン飲んでるのもww

そして、あのエンディングはアメリカ映画では絶対にありえないよな、と思います。これは国民性というか、考え方、暮らし方、生活や人生のとらえ方が微妙ながらも大きく違うとこだと思う。昼食中のワインと同じく。

なにが違うかって、すごくざっくり言うと、アメリカのほうが「頭でっかち」なんじゃないのかな。



 夕方の散歩で出会うチョーク画。今週は降ったり止んだり晴れたり曇ったり。


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