北カリフォルニアの海岸にあるAno Nuevo州立公園に行ってきました。
ゾウアザラシ界では有数の保養地として、ピークには1万頭以上のゾウアザラシがやってくるそうです。
このように真夏の湘南海岸のような混雑ぶりがみられるのは、母アザラシが子どもを育てにくる冬季。
ピークは冬なので、この日は4頭しかいませんでした。
この矢印の先に、かなり大きなオス2頭と、若いオス2頭がねそべってました。
ゾウアザラシといえば、子どもの頃に読んだ長新太さんの絵本によく登場していたのを思い出します。
当時はゾウアザラシって架空の動物なのかと思っていた。
ほんとうにゾウみたいな鼻のあるアザラシなんですね。遠くからとはいえ実際に野生のゾウアザラシを見られるとは。もっと北のほうにいるイメージだったんだけど。
大人のオスは体重2トンにもなるそうです。ちょっとした小型トラックなみ。
近くで見ると、こんなお姿です。この公園のパンフレット。
子どもから大人になると、オスはだんだん鼻がのびてきます。
19世紀以降、脂をとるために乱獲されてほとんど絶滅寸前になっていたところ、保護が功を奏して最近では17万頭くらいまで増えたそうです。
ここの州立公園は保護区になっていて、子育て期間の冬季(12月中旬〜3月)はガイドつきツアーでのみアザラシたちを見学することができます。
ビジターセンターがあって、ゾウアザラシについての情報満載。これもその情報ボードのひとつです。
ゾウアザラシはなんと深海にもぐって、イカとかこのようなぬめぬめした深海生物を捕食するのだそうです。
捕食のためにアリューシャン列島沖まで遠征するんだそうだ。
半年何も食べずに子育てするというザトウクジラとおなじく、かなりメリハリのきいた食生活を送り、陸にあがっているあいだはいっさいなにも食べないのです。
春から初秋にかけては「MOLTING」シーズンで、毛が生え変わるあいだ、6週間ほどビーチに戻ってきてごろんと寝そべっています。この間も何も食べず、ひたすら寝そべって毛が生え変わるのを待ちます。
わたしが行ったときにごろんと砂浜にいたアザラシたちは、毛が生えてくるのを待ってたのですね。
MOLTINGっていっても、犬や猫のようにパラパラと毛が抜けて生え変わるんじゃなく、なんと皮膚ごと!べろっと剥けて、下からあたらしい皮膚ができてくるんだそうだ。
こんなふうに(州立公園のサイトより)!!!
「あーそろそろ毛がハゲるから陸にあがんなくっちゃ」って、いったいどういう感覚なんでしょうねえ。
アザラシがいるビーチを見下ろす展望台にはレンジャーさんがいて、この剥がれ落ちた毛皮を触らせてくれたり、双眼鏡を貸してくれたり、いろんな質問にこたえてくれました。
このように剥がれた皮膚がベロベロと砂浜に落ちているそうですが、触らせてもらったそのきれはしは、ポーチくらい作れそうな、なかなか立派な毛皮でした。
ゾウアザラシはあんまりいなかったけど、海の上にはペリカンがたくさん飛んでました。
海風が気持ちよい砂丘ハイキングでした。