2014/06/10

レッドシダーの森散歩



晴れた午後、セントラリア方面の Rainbow Falls State Park というところに行ってきました。

ここはレッドシダーなどの原生林がちょこっとだけ残っているのがお手軽に見られる、小さな州立公園。



森の中をいくつかトレイルが走っていて、小さな公園なので迷う心配もなく気軽に散策できます。




ちょっとした小川もあり。

州道をわたった反対側には水遊びのできるかなりの水量の川があって、秩父のあたりの河原みたい。そちらにはキャンプ場もあります。





Chickareeとかダグラスりすと呼ばれている、パシフィックノースウエストにしかいないリスが多い森だそうです。
さっそく遭遇したこの人はチッカリー君なのか。



メープルの若葉がきれいでした。


温帯雨林にわさわさと茂るシダ。トレイルはよく整備されてますが、それでも両側から棘のあるネトルや木イチゴががしがしと覆いかぶさってます。長袖必須。




立派なレッドシダー(米杉)。100年前はまだこんな木がそこらじゅうに生えてたのでしょうね。




森はダグラスファーの葉の甘い香りがいっぱいで、本当にすがすがしい。


歩いていた時には気づかなかったのですが、かえってきてから首の後ろをひどく虫に刺されているのに気付きました。なんの虫だろうか。



ジギタリス/キツネのテブクロ。これはきっと外来種ですね。


幹が4本、途中から妙にねじれて生えているメープルの木。日照を求めて自然にこんなことになっちゃったものか。


州道6号線沿いの入り口にある、トトロがねこバスを待ってそうなベンチ。公園の標識がないのでこれが目印です。
州道の反対側のキャンプ場のほうには州立公園の看板が出てるんだけど、こっち側のトレイルはなにも目印がついてませんでした。

セントラリアからはクルマで30分弱です。特別何があるわけでもないけれど、気持ちの良い森の散歩道。



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2014/06/06

セントラルディストリクト


写真を整理してたら出てきた、たしかE.Yesler Wayのあたりの、ガツンと来るたたずまいの食料雑貨屋さん。今もまだあるのかな。

この「セントラル・ディストリクト」という地区は昔からブラックネイバーフッドだったそうです。
ジャクソン・ストリート全盛期にミュージシャン組合のクラブハウスがあったのもこのあたり。

8月のSea Fairと同時期に、ブラックコミュニティのお祭りUmojaが開催されます。
私はこのネイバーフッドのことも、ましてやこのお祭りのことなどぜんぜん知らなくて、何年か前、偶然通りかかった時にこのお祭りのパレードをやっているのに遭遇して、いったいここはどこ?ルイジアナ?ミシシッピ?と目がぱちくり。




シアトルは全体に白人率がとても高いコミュニティで、とくに今住んでるバラードなんて、もともと北欧コミュニティだっただけに今でも9割近くが白人です。

このパレードに偶然行き当たって、シアトルにこんなに大きなブラックコミュニティがあったのか、と息子と二人でびっくりしたものでした。
 


この地区にあるガーフィールド高校というのが、同じくシアトル市内のルーズベルト高校とならんで、全米有数のジャズバンド(ブラスバンドではなく)のプログラムがある高校。
クインシー・ジョーンズやジミヘン、最近ではマックルモアーも通った学校です。

シアトル市内の高校の中では群を抜いて立派な講堂があって、「クインシー・ジョーンズ・パフォーマンスセンター」って名前がついてます。

伝統がみゃくみゃくと受け継がれてる地域なんですね。

ガーフィールド校は、マイノリティの多い地区の学校としては珍しく、学業成績でもなかなかの成果を出してるので有名です。



ガーフィールド高校の向かいには、シアトル一という評判のフライドチキンの店Ezell's Chicken があります。

何度か行ったけど、わたしはここのはちょっと油感がしつこすぎていまいち。全米チェーンのPopeyes か、しつこいようですがタコマの南部食堂のほうが好き。

「フッド」な雰囲気はたっぷり味わえるお店ではありますが(イートインのスペースはなくて持ち帰りのみ)。

同じシアトルでも、ダウンタウンや北のほうの地区とはまた全然雰囲気が違う町です。


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2014/06/04

バラード・ロックス観光


バラード・ロックスというのは運河につながる水門で、バラードいちの観光名所です。

ここは家から車で10分とかそのくらいの近所ですが、行くのは3回め。

入り口に「自転車禁止」「スケボー禁止」に並んで、 「ここは連邦政府管理施設なので薬物禁止ゾーンです」のでっかい断り書きが出てました。

麻薬はどこだって禁止だろうとつっこみたくなりますが、今年からワシントン州ではマリファナが解禁になったので、わざわざこんな看板を立てたのではないかと推測。
州の条例でだって、公共の場でマリファナ吸ったら罰金のはずなんですが。

連邦では完全に「麻薬」扱いだけど州では合法のマリファナを巡っての州と連邦の微妙な関係は、今後もいろんなところで目にしそうです。

さてバラード・ロックス。


左側がピュージェット湾。真ん中の微妙な形の湖がユニオン湖。右側がワシントン湖です。

シアトルはピュージェット湾に面した左側の下のほう、湾の奥のフェリー路線が集まってる喉の奥みたいな形のところ。

18世紀、白人が町を作り始めた時にはまだこのユニオン湖はどこにもつながってなくて、ワシントン湖から船で海に出ることはできませんでした。
この地形を見たら、そりゃ運河を作りたくなるのはわかりますよね。

Historylink」などによると、最初の入植者のひとり、トーマス・マーサーさんが1854年の入植村のピクニックで湖に、いずれワシントン湖とピュージェット湾をつなげることになるからという希望をこめて、「ユニオン湖」の名前をつけたんだそうです。


でも実際にそのビジョンが実現して、運河と水門が完成したのは80年後。

19世紀末には当時の知事が、ダウンタウンより南側に運河を掘る計画に着手したこともあったそうです。政治的かけひきによって、ちょっと掘り進めたくらいのところで中断したらしい。

バラード・ロックスの正式名称はHiram M. Chittenden Locks。 チッテンデンさんというのは陸軍工兵隊の偉い人で、退職後に連邦議会にはたらきかけて予算を取ってきた功績を讃えられて、水門に名前が残ったそう。イエローストーン国立公園の道路や門の建設も担当、あの北門のアイデアを出したのもこの人だったそうです。

完成は1917年でした。

大正6年。当時のロマンチックな意匠がところどころに見られます。
建物も趣きがあります。




よく手入れされた広い芝生広場や庭園も。小さい子ども連れの家族には、たくさん見るものがあるし、走り回る空間もごろごろできる芝生もあって、なかなか素敵なアトラクションだと思います。

現在でも、合衆国陸軍工兵隊 (U.S. Army Corps of Engineers)の管轄です。だから麻薬フリーゾーン。

工兵隊のロゴはお城マークで可愛いです。



この日はまずまずの天気の週末だったのでこんな大小のボートたちが水門の開くのを待ってました。まだ数は少ないです。

上りと下りの水門が1つずつあります。


こちらはピュージェット湾(海水側)からワシントン湖方面へ行く船たち。


こちらは海の方へ出て行く船たち。こっちの水門は湖行きより狭い。

ヴィンテージの素敵なボートにワカモノたちがたくさん乗ってました。ベインブリッジって書いてあるので、湖で遊んでピュージェット湾の反対側のベインブリッジ島に帰るんでしょうか。



湖は海より20フィートから22フィート(6メートルから6.7メートル)水位が高い。この水位を保つのもこの水門の役割。

建設当時の写真はこちら

水門の中でだんだん水位が下がっていくのを辛抱強く待つ人びと。
週末だからプレジャーボートばっかりでしたが、運河の奥には漁船の大きな港もあるので、ここはけっこう往来が激しいのです。



この木造の水門も大正時代のかな。

船を眺めながら運河をわたって反対側へ。



海側から湖に水を戻すスピルウェイダム。


鉄橋は鉄道用です。貨物列車が通ってました。


大きな船を通すために、バラードやフレモントの橋同様、跳ね橋になってます。


対岸のマグノリアから見た水門。
運河にむかって段々になってるこの草地は、ごろごろ転がって下りるために作られたかのような構造。まんなか辺に写っている赤い物体は、通りかかった高校生のグループの中から突然ごろごろし始めた男子1名。コンクリの歩道に頭をごっつんするかと思って見守っていましたが、それほどのスピードは出ず、途中で止まってました。

このすぐ左手にアオサギ団地があります。

右手には鮭が必死に上ってくる姿が見られるフィッシュラダーの観覧エリアがあるんですが、まだサーモンたちの季節は始まったばかり。鮭の往来はまだちらほら程度だったので、また今度。

Sockeye (紅鮭)の上りはピークが6月半ばから7月末くらいまで。その期間は州のFish and Wildlife 局の人が毎日数を数えてアップデートしてます。



アザラシくん?がいた。

数年前から、カリフォルニアあしかのオスがここでせっかく上ってきた(数が少なく、絶滅が危惧されている)サーモンを食い荒らして しまうので駆除されたり脅して追い払われたりされているそうです。
あしか用爆弾(脅かすためのもの)についての記事はこちら

ううむ。あしかもあざらしも、お食事に来ただけなのに。もともと鮭が減ってしまったのは人間に責任があるのに、あしかにとっては苛立たしいことでしょう。

 また今度、鮭たちを見に行きたいと思います。



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2014/05/30

ロミロミサーモンとハワイの宴


メモリアルデーの週末にバーベキューにおよばれしたので、ロミロミサーモンをつくってみました。

ロミロミサーモンは、塩漬けの鮭とトマトとオニオンのサラダ的なつけあわせで、ハワイの「ルアウ」(宴会)にはなくてはならない大事なローカル料理。

ハワイにはサーモンはいないのに、なぜ?と前から疑問だったのだけど、こんな記事みつけました。

なんと19世紀前半に、パシフィックノースウェストから木材とともに塩漬け鮭がハワイに輸出されていたのだそうです。もとはノースウエスト地域のネイティブが塩漬けにしていた鮭がアメリカ国の輸出品目になって、生魚をライム汁やココナツミルクやオニオンと和えるハワイの料理法とあわさってローカル料理になったとのこと。歴史古かったんですね。

ロミロミサーモンは言ってみれば、ノースウエスト地域からハワイへの移住組だったのでした。
こんなつながりがあったとは。

今回は大奮発して天然アラスカンキングサーモン!1ポンド20ドル!100gで約5ドルです。高っ。

でもカッパーリバー産のサーモンはさらに高くてポンド26ドル。牛より高いねえ。まあ大きな魚や動物はあまり食べないほうが環境にもよいので、ほんとはそのくらいの値段でちょうどよいのかもしれません。

この美しいキングサーモンを、塩と砂糖を摺りこんでぐるぐる巻きにしてしまいます。



レシピには「コーシャーソルト」とあったけど、ここはハワイアンソルトで。赤いアラエアソルトはいくらなんでももったいないので、白いほうです。

塩1カップに砂糖2分の1カップを混ぜます。砂糖は上白糖にしました。

塩と砂糖のミックスしたものを鮭にたっぷりすりこみ、シラントロ(香草、コリアンダー)を盛大にのせます。ハワイで食べたロミロミサーモンにはシラントロ入っているものはあんまりなかったと思う。このレシピはちょっとメキシコ風かも。



今回はオーガニックのシラントロを買ってみた。量はいつもの半分以下、値段は3ドルくらいと高め。でも香りが全然違うのでびっくり。ツンツンした感じがなく、ふんわりまろやかで、甘さを感じるほど柔らかい香りでした。


 

ぐるぐる巻きにして冷蔵庫で1日監禁。




皮は使わないのでオーブントースターで焼いてレモンと塩でいただきました。
うまっ!!!

 

翌日、水分が出てテカテカになられたキングサーモン様。




材料はこれだけ。トマトときゅうり、あ、あとわけぎ。これをボウルにいれてごま油とライムを絞ったものであえる(「ロミロミ」というのはハワイ語で「もみもみ」という意味で、油とライムを絞ったらよくもみもみする。とはいえよく混ざってさえいれば、そんなにぎゅうぎゅうもまなくても大丈夫。

いたってシンプル。思ったより簡単でした。

レシピにはハラペーニョを入れると書いてあったけど、それは割愛しました(買い忘れた)。



この日はみんなハワイから本土へ来た5家族。メニューはカルーアピッグ、フリフリ風チキン、スパムむすび、ロミロミサーモン。そしてもちろん


「ポルチュギーソーセージ」(笑)! 


CTちゃんの「ハウピア&沖縄スイートポテト&マカダミアナッツパイ」も絶品でした!
幸せだー。

ハウピアパイを食べながら狼男ゲームで盛り上がったハワイアンナイトでした。



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2014/05/28

マグノリアのアオサギ団地


 連休の週末、近所のバラードの水門(バラード・ロックス)に散歩に行ってきました。

バラードから水門をわたった反対側はCommodore Parkという小さな公園になっていて、駐車場の横をほんのちょっと入ったところにわさわさと高い樹の茂るちょっとした林があり、そこに、

オオアオサギ(Great Blue Heron)の団地がありました。



この狭い一角の木立ちの中に、なんと50以上もの巣があるんだそうです。

公園の小道を鳥の団地の方向へ歩いていくと、グワグワグワグワというアオサギの話し声が頭の上から降ってきて、そこはかとなく生臭い鳥の巣のにおいがする。

全長130cmくらいある大きな鳥なので、巣も大きい。
差し渡し50cmくらいはある。それが50個以上かたまっている景色は、かなり迫力あります。

普段、川や海で捕食してるときなどは、この鳥が2羽以上つるんでるのを見たことがないのですが、繁殖期には群れるんですね。

あづま屋のような建物があり、野鳥観察会のおじさまが2名、望遠鏡と双眼鏡を片手に一覧表に印をつけてました。週に1回、頭数をかぞえにくるんだそうです。

Heron Habitat Helpers」というボランティアグループなのだそうです。アオサギ住宅ヘルパー。
ボランティア募集中です。


巣の中には、もうけっこう大きくなった雛が見えました。2月に巣を構えて、雛たちは夏の終わりに巣立っていくんだそうです。

巣はみんな、3階建てか4階建てのアパートの窓くらいなところにあるので、もうちょっと望遠のレンズでないとしっかり狙えません。



これはお父さんだかお母さんだか。サムライっぽい鳥ですね。


7月末頃まで入居中とのことです。

すぐ近所は住宅地、 駐車場から徒歩1分のとこにこんなナショナルジオグラフィック的な世界がひらけてるとは、びっくりでした。

「見に行くときは静かに、驚かせないように」とアオサギ団地ヘルパーさんのサイトにはありましたが、もう雛が孵って大きくなって、人間でいったら小学生の子ども2人か3人くらいずついる住宅が50世帯って感じでしょうか。ちょっとくらい下のほうで人間がザワザワしてても、アオサギの皆さんはぜーんぜん気にもしてなさそうでした。



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