2012/06/23
マーケットの出会い
パイクプレイス市場でみつけた手描きヨーロッパ。
季節にかかわらずいつも色がいっぱいのマーケットですが、夏場はますます華やか。
いつ行っても必ずなにか新しいものが見つかる。
このマーケットが保存されて本当に良かったですね。
70年代、ここをすっかり取り壊して小ギレイなビルを建ててしまおうという計画があったのを、当時盛り上がっていた草の根運動が阻止してくれたおかげで、マーケットが生き残りました。
パイクプレイスのないシアトルなんて、アメ横のない上野、錦市場のない京都のようなものだ!
にんにくとペッパーのリースのお店。ここは一年中賑やかな赤とオレンジ色。
南国産の果物と地元産のトマトやイチゴが出会う店先。
胡弓を弾いているおじさんが。魚屋さんの店先にアジアの風が吹いていました。
マーケットは東と西が出会う場所でもあります。
2012/06/22
スパイス市場 World Spice Merchants
パイクプレイス・マーケットの真裏、道を一本へだてたところにあるWorld Spice Merchantsに行ってきました。
壁いっぱいにありとあらゆるスパイスが並んでいて、サンプルの瓶をあけて匂いをかいでみることができます。
黒胡椒だけでも5種類くらい。産地によって、 少しずつ香りが違います。
煉瓦壁のクラシックな建物。
半地下の階にはお茶のコーナーがあり、中国茶や紅茶が銀色の缶に入って並んでいます。
スパイスやお茶の名前と番号を紙に書いてカウンターに持っていくと、笑顔のかわいいお兄さんが小さな茶色の紙袋に詰めてきてくれます。
アールグレイとキーマンを購入。スーパーで買うバラ売りのお茶よりも安い。1オンスが1ドル50セントくらいでした。
ほとんどの製品は生産地で買いつけてくるんだ、と可愛いお兄さんが言ってました。
シルクロードやアフリカ、アジアや南米直送だそうです。
マドモアゼルgigiさんに思い起こさせていただいた、アリソン・アトリーの『幻のスパイス売り』のお話。懐かしくていてもたってもいられず、オンライン書店で本を取り寄せて読みましたが、このお店を見ていたらまた、スパイス売りの呼び声を思い出しました。
不思議なスパイス売りのおばあさんがバスケットに入れて売りに来る、
「ナツメグにシナモン、ジンジャーにキャラウェイ、インディーズ諸国のスパイス」のお話。
お店の正面の写真を撮るのを忘れてしまった。これは↑店を出た目の前、道の反対側のパイクプレイス・マーケットの「裏の顔」。香港のような台湾のような、アジアンな雰囲気。
お帰りにはこちらもクリックいただけたら嬉しいです。
↓
2012/06/21
King Tut 駅のアヌビス神
インターナショナルディストリクトのKing Street Station (キングストリート駅)の前に、巨大なエジプト神像が立ってました。
キングストリート駅、1階部分はアムトラックの発着に立派に使われてますが、このジャクソン通りに面した部分は改装中
スペースニードルの横のPacific Science Centerで開催中の「King Tut: The Exhibition(ツタンカーメン王展)」のプロモーションで、「King Street 駅」が「King Tut駅」に。
駅にもツタンカーメンの垂れ幕が下がってます。
この犬の人はAnubis(アヌビス)という「冥界の神」で、ミイラ化係だそうです。
頭はジャッカルまたは犬。
(なんだかちょっと、スパサロン的な)
素敵な後ろ姿です。綺麗な脚。黄金のミニスカです。
アメリカ人はKing Tutankhamunを勝手に略して「King Tut」という愛称で呼びます。お茶の間の人気者的存在です。
死後3000年以上経ってから海の彼方の聞いたこともない大陸の人たちにニックネームで呼ばれるようになるとは、ツタンカーメン王もちょっと想像できなかったことでしょう。
この展覧会はもう7年間も全米各地をまわってて、これがアメリカでは最後の会場だそうです。2006年だかにシカゴに行ったときにも確か、湖の前の博物館で開催中だった。
「実家」のカイロに新しい博物館を建設するための資金集めだと聞いた覚えがあります。
展覧会には有名なツタンカーメンの黄金の棺はフィーチャーされていないようですが、なかなか見応えありそうです。空いていそうな時に行ってみよう。
冥界の守護神は会期中、来年1月までここに立ってる予定だそうです。
夏の雲と観覧車
昨日は夏至でしたね。今週末から息子の学校も夏休みです(雪で休校の分学期が数日延びて、いつもより2日くらい遅いスタート)。
やっと夏の雲が登場し始めました。
とはいっても日影では肌寒かったりして、「サンダルにスカーフ」など、煮え切らない格好で出かけてしまう6月下旬。
きのう、バスの中でまだダウンジャケットの人を見た@シアトルダウンタウン。ロングブーツはぜんぜん普通ですねー。
ハワイで1年中毎日見ていたような、輪郭のはっきりしたぽこぽこの積乱雲はなかなかお目にかかれません。
それでも少しずつ夏支度。
パイクプレイス・マーケットの海側、水族館の並びのPier 57 に新しく観覧車が設置されてます。
オープンは6月29日だそうです。
まだ工事中でした。
2012/06/20
ベトナム豆腐店をはしご
赤ちゃん連れでも驚くほどフットワーク軽く歩き回るZIZIさんに、インターナショナル・ディストリクト略して「ID」またはリトルサイゴンのベトナム豆腐屋さん2軒に連れていっていただきました。
1軒め、 まるで倉庫のような目立たない外観のThanh Son Tofu。
揚げ豆腐(日本の厚揚げの小型版ですね)が何種類も並んでいる中から、ねぎ入りとピリ辛を夕食用に少しずつ買ってみました。唐辛子をまぶしたピリ辛厚揚げ、 おいしかった。
ねぎ入りはオーブントースターであたためて、醤油をちょっとたらして食べました。
珍しもの好きなことでは人後に落ちないわたくしですが、これは↑試してみる勇気がなかった。謎のベトナムにょろにょろスイーツ。
お隣のエチオピア料理店でお昼にしましたが、ここも面白かったです!
2軒めは、ChuMinh Tofu & Veggie Deli。Jackson St. 沿いで、先日行ったTamarind Treeのはす向かい。ここは以前に『Soy Source』でも紹介されていました。
写真撮っても良い?ときくと、田中眞紀子さん似の元気なマダムお豆腐が「んならアタシも撮って、みんなに紹介してちょうだい」と、場所も指定してポーズをしてくれた。
全メニューベジタリアンです。
ここでも夕食のメニュー購入。この日は有無を言わさず豆腐メニュー。
ココナツミルクの豆入りプディング、パイナップル入りの酢豚風ソースがかかったスタッフド豆腐、揚げ春巻き(なかみは豆腐)、豆腐詰めゴーヤ(和風の味つけ)、みんなおいしかった。とげとげしていない、ほっとする味。しかも安い。
ZIZIさんの可憐なベイビーちゃん来店に大喜びで、アタシは女の子4人と男1人、5人の子どもをみんな大学にやったのよ!と胸を張っていたご店主。
お名前伺うのを忘れてしまいました。また行きます。
2012/06/19
impounded!!
月曜日、ZIZIさんとお茶して、パイオニアスクウェアのゴールドラッシュのミュージアム国立公園をたのしく見学して、外に出たら、あら不思議。
停めたはずのところから、車が消えていました。
これはもしかして、
……生涯2度目のレッカー移動 ?
と、標識をみるとやっぱりだ。4時から6時まではNo Parking/ Tow Away Zone と赤字で書いてあるのです。
でもでもね。2時36分に車を停めた時には、道路の脇にあるパーキングチケット(25セント単位、最大2時間まで分のチケットを自動販売機で買って、車の窓に貼付けておくシステム)を買ったんですよ。2時間分。
あとで確認したら、ちゃんと4時36分まで有効と書いてあるチケットが窓に貼ってあった。
それなのにチケット切られたのは4時8分。その数分後にはレッカー移動されてたって、腑に落ちないではないですか。
これって契約違反じゃないの? 駐車料金1時間につき3ドル50セントも徴収しておいて、その時間内に車を移動するって。
泣きながら(うそ)ZIZIさんにもつきあってもらって、impound された車を救出しにバスで30分くらいのUW近くにあるレッカー業者のパーキングへ行きました。
こういう場合は車がimpoundされたといいます。人間がimpoundされたら「拘置」、ブツなら「押収」「没収」、犬なら「保護」。車は「保管」かな。
Impounded vehicles(涙)。 |
「CUSTOMER ENTRANCE (お客様入口)」と書かれたドアを入って、窓口のおねえさんに、まるでガス料金を支払いに来たかのようにしおしおとレッカー料金を支払う。払わないと出してもらえないから、ここでお姉さんを相手に争っても仕方ありません。
ちょっと投げやりな感じのお姉さんでしたが、怒り狂った「お客様」に一日何度もイヤミを言われたり、誰かの代わりにののしられたりしてるのかもしれないですね。
シアトル市ではレッカー移動はもちろん民間会社が請け負ってます。この日も次々とimpoundされた車が運びこまれていました。かき入れ時なのね。
日本の場合ってどうでしたっけ?神奈川県警にレッカー移動された時には県警に行った気がするけど良く覚えていない。それとも「交通安全協会」か何かだったか。
レッカー料金を払うと駐車場のドアを開けてくれますが、中にはもう何ヶ月もおきっぱなしらしい姿のパンクした車もありました。
標識に気づかなかったんだからレッカー料金は仕方ないとしても、この上に違反料金47ドルもシアトル市に払うのはまったく釈然としないので、ヒアリングをリクエストするつもりです。
とても楽しい盛りだくさんな午後だったのですが、最後にこんなオマケのアドベンチャーがあったとはーー。
ほかのアドベンチャーについてはまた後日!
ダウンタウンではパーキング票を買っても、油断しちゃダメですよ!標識をしっかり読みましょう…orz。午後4時以降は要注意です。
午後4時になると、シアトル市のオフィサーとレッカー業者が、うっかりドライバーの車を持って行こうと手ぐすねひいて待っているようです!!
2012/06/18
『資本主義が嫌いな人のための経済学』
今学期が始まる頃に購入した『資本主義が嫌いな人のための経済学』ようやく読み終えました。
面白かった。著者のジョセフ・ヒースは経済学者ではなくてカナダの若手哲学者で、右派(リバタリアン)の主張と左派(リベラル)の信仰(というべきでしょう)のおかしなところをスパスパと指摘する。
市場には口を挟まない「小さな政府」を信奉する右派に対しては、「資本主義は自主的秩序ではない」 ことを思い起こさせるために、実業家が実際には政府の手厚い保護を受けていることを挙げ、「見えざる手」ではなくて政府の「見える手」が資本主義には絶対に必要だ、と断言しています。
また、営利追求企業を悪の根源とみなす左派に対しては、企業は「特殊な協同組合」にすぎず、公営企業と比べて「道徳性」の点で特に劣った存在ではないことを指摘しています。
アナロジーが刺激的で、とぼけた語り口が面白い。
古典的に「見えざる手」と良く似ていると考えられてきたダーウィンの自然淘汰の「適者生存」メカニズムについて検証して、「進化は最適化ではない。むしろ生物界は次から次へと行なわれる巨大な底辺への競争の産物である」と言っています。
個として優位に立つことと、種としての優位性は必ずしも同じでないどころか矛盾することが多く、競争は生産的でないことが多い、という。これにはびっくりする人が多いのではないでしょうか。わたしはビックリしました。目からうろこ。
「自然淘汰がすなわち最適化だとしたら、地球上の生命はあまねく等しく細菌になるだろう。この地球上の生命の甚だしい多様性こそ、種の適応という観点から「最良」を選ぶという自然淘汰が失敗した結果なのである。」(第1章)
それから、以前、「ミクロ経済」の授業で「家賃統制」の失敗について、講師が「だから政府が市場に介入するのは間違いなんです」と、「需要曲線」を指して断言していたのが、本当にそんなに単純なことなのか?だから放っておくしかないのか?と、どうーーしても納得いかなかったのですが、この本ですっきりしました。
「フェアトレード」で良かれと思ってやったアフリカのシアバターの高値買いが招いた供給過多や、コーヒーの買い支えの無意味さ、トロント市の家賃統制によるアパートの供給難などを例にあげて、価格統制はやっぱり失敗する運命にあることを指摘。
その上で、価格を統制するのではなく、家賃補助などの形で貧しい家庭を援助するほうがずっと効率的だし目的にかなっているよね、と論じています(第7章)。
資本主義は「人類が考案した最も非集権的な協同システム」(第9章)として、しっかり見張って規制をしていかねばならないけれど、市場に勝る効率的なシステムはない、という結論です。
資本主義と経済学者の断言が怖くなくなる一冊でした。
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