2016/07/18

まぐろの市場


東京滞在時、 愉快なラブリー広尾マダム、Mちゃんのご友人、Sさんの案内で、築地の場内を見学させていただきました。

築地正門前4時半集合。蔵前に泊まっていたので4時発。日本の夏って4時前にはもう明るいのよね。


ばばーん!市場前です。長靴必要とのことで、Mちゃんにかっこいいレインブーツまで貸してもらった。至れりつくせり。


なんと、これが吉野家の歴史ある第1号店だそうです!
パイクプレイスマーケットにあるスタバ1号店よりオーセンティック。


とっても昭和な珈琲店で朝食。60代くらいのきりっとした素敵なママさんが切り盛りしていて、カウンターの中も外もピカピカでした。

ほかにも素敵すぎる店がたくさん。後日ゆっくり行こうと思っていて結局行けなかったのが残念。


そして場内へ。魚が詰まった発泡スチロール製の箱でいっぱい。


狭い通路をターレーという運搬カートがすごい勢いで行き来しているので、フラフラ歩いているとものすごく危ない。みんなキビキビと仕事をしていて、『スターウォーズ』の反乱軍の基地みたいでした。

 穴子さんたちがいた!


 今年の11月には市場がついに豊洲に移転してしまうので、築地市場はこれが見納めです(悲)。場外市場はここに残るそうだけど。

イチロー似のまぐろ屋さん。
この1ブロックで数十万円なり?


ヤバい長刀。
寡黙なプロフェッショナルの魚屋さんたちがテキパキとビジネスをしている市場を見て、息子はfeel humble と言ってました。

 まずは生まぐろのセリをそっと見学。


生なのは、近海で水揚げされたぴちぴちのマグロたち。


なにマグロかは聞いたのに忘れた。



生マグロたちも捕れたてマグロではありますが、遠洋の船の上で捕れたら即冷凍加工されてカチンカチンになったまま日本へ運ばれる冷凍マグロのほうが、新鮮さではむしろ優るのだそうです。


その冷凍マグロたち。築地の主役。


尾っぽのところが少しめくってある。ここの脂の乗り方を見て、プロは数秒でマグロの値段を決める。


この鈎つき器具はマグロのプロ専用用具。


マグロの種類によりセリもいくつかに分かれている。複雑なサインランゲージと符丁だけで右から左にあっという間に売買成立、ビジネスが終了。


とほうもない数のマグロ。これがたったの1日分。


マグロ1本お買い上げ。


大事なマグロは、傷にならないように大切に荷車で引かれていきます。




凍ったままのマグロを切断する職人さん。ちょっと間違ったら指がなくなってしまう危険な仕事。ホンキのねじり鉢巻!


マグロを取り巻く環境も変わっていますが、築地のなかにもサステイナブルなマグロ漁を推進する人々がいるそうです。

マダムMちゃん、Sさん、どうもありがとう〜!


セリを見終わってもまだ7時とか8時とか。この後帰って寝直したのはいうまでもない。
築地の駅ですれ違った、買い出しのおじさま。板前さんか、寿司屋さんに魚を降ろす魚屋さんか。
長靴とバスケットがかっこええ。


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2016/07/15

たてもの物語(4)沈む船パーキング


7月10日号の「ソイソース」掲載のたてもの物語は、この駐車場。
写真が冬の季節で申し訳ない。

かなりインパクト強い建物なので最初に見たときから印象に残りましたが、20世紀初頭にはこんなに優雅なホテルが建っていた場所なんですよ。

いくら空きビルになって、当時は見捨てられていた犯罪多発地域のまんなかにあったとはいえ、 代わりにできたのがこれじゃあんまりだ、と多くの人が思ったという。

1970年代にはもう古いビルなんかどんどん壊して駐車場にしてしまえという声が大きかったのだけど、実際に駐車場に置き代わってみるとやっぱりひどい、ネバーアゲインシンキングシップ、というわけで、パイオニア・スクエアの保存に一役かったというビルです。


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2016/07/14

三宅一生とルノワール


広重展の翌日、大雨の中をまた六本木へ。こんどは国立新美術館。
なぜかGoogle Mapに騙され10分も余計に歩くはめに。しかも強風で傘がおちょこになり、ランチタイムで激混みのコンビニでビニ傘を買い、と、無駄に障害の多いRPGのような困難に次々みまわれた六本木。

でも梅雨の最中であったのにもかかわらず、この日とそのほか数日をのぞき、あまり悪天には見舞われませんでした。昔からお天気と駐車場には恵まれている、けっこう強力な晴れ女です。


故・黒川紀章さんのうねうね建築。ケヤキがいい具合に育ってきてます。
この波打つガラスの壁は雨の日に見ると風情がある。このビル、最初見たときにはあまり好きじゃなかったけど、こうやって雨や緑に包まれていると有機的なキャラクターがきわ立って素敵です。


この日は、これも最終日にギリギリ間に合った「三宅一生の仕事」展へ。
ロボットのような巨大びよんびよんがロビーにも吊るされていました。


展覧会はとてもおもしろかった!民族衣装を立体的にしたような初期の型破りなコスチュームから、シグネチャーのプリーツ加工の服、さらには最近の3Dプリンターなどを使った作品まで。プリーツを作るマシンも置かれていて実演が見られました。

会場にプリーツを着て来ている方もたくさんいました。来ている人の服装ウォッチも楽しかった。ふつうの美術展クラウドとは全然違って、文化服装学院ふうの若者たちや、スキのないファッション誌編集者ふう、60代+の年季のはいったオシャレおば様たちも。

うちの息子はイッセイ・ミヤケを初めて発見してびっくりしたみたいで、かなり時間をかけてよく見てました。 畑ちがいとはいえデザインの勉強をしててイッセイ・ミヤケを知らないってダメすぎるよ息子よ。


5階分くらい吹き抜けのアトリウム、1階はカフェテリア、原子力発電所の煙突をさかさにしたみたいなストラクチャーの上にあるのはお高いカフェ。

1階カフェで休憩してから、同じ建物で開催中のルノワール展もみて帰りました。


有名作品『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会』が展覧されてました。

これこれ。

この人の絵は本物を見ないと意味がないのでこの機会に見ておくべきだと学生料金1200円も払ってチケットを購入してさしあげたけど、息子はほとんど興味を示さず、三宅一生の3分の1の時間で出てきてしまった。

わたしは別にルノワールのファンではない。ボワボワした変な絵だと思うものも多い。
 『ピアノを弾く少女たち』なんかも、いくつもバージョンがあったらしくて、今回展覧されてたのはなんだかやっつけ仕事で適当に描いたようなもののように見えて全然感心しなかった。

でも会場の最後にあった最晩年の作品だという『浴女たち』は最高でした。


ふたりの見事な4段腹の女が、なんとも曖昧な空間に寝そべっている。奥のほうには水浴びをしている女たちがいるけど、どうも尋常な空間のようではない。右手前にあるグルグルは、花なんだか模様なんだかもうわからない。
空から遠景から人物から地面まで、なにもかも均一に融け合って、つじつまの合わないボワボワした空間にこの浴女たちは気持ちよさそうにのびのびと存在している。

なんだか大変ありがたいものを見たような気がして、涙が出てきました。
 この展覧会のキャッチコピーのとおり、ルノワールの生涯は「幸福を祝うため」の色彩をキャンバスに塗ることに捧げられていたわけですが、老年にいたり、もうすべてに開き直って到達した境地であるらしいこの絵には、暴走すれすれの幸せがアクセル全開で表現されているように思いました。

多分少し見る位置を変えたら気持ちが悪いくらいの幸福。
この絵は少し時間を置いてもう一度見てみたい。

この絵最高、というと息子は怪訝な顔をして「フウン」とにやにや笑っている。
21歳のワカゾウにはわかるまい。たぶん年取ってきて少し脳がやられてきてから初めてわかるのよ。


東京には幸せそうな顔をして歩いている人があまりいない。
だからたくさんの人がルノワールを見に行くのでしょうか。

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2016/07/13

広重ビビッド


東京到着2日目に、急いで行った広重展。『広重ビビッド』ってタイトルがいい。

到着日の翌々日が、展覧会の最終日でした。
いろいろ予定があったのだけど、ずーっと前から広重さんの浮世絵、本物をまとめてじっくり見てみたかったので、無理を押して行きました。なかなかこんな機会はめぐってきませんから。

最終日でかなり混んでいて、絵の前に行列ができてはいたけど、耐えられないほどではなかった。
今年、上野で開催された若冲展が数時間待ちの超盛況だったそうですが。
日本の人はほんとに美術展が好きですねー。

原安二郎さんという方のコレクションという、摺りたてみたいな超美品ばかりで、目が幸せでした。

ほんとにビビッド。

板目がくっきり!

版画の技法についてはまったく何にも知りませんが、なんだかとにかくすごいらしい(笑)!

有名な「名所江戸百景」と、そのすぐ前年に製作された「六十余州名所図会」という、きいたことなかったシリーズが中心。

これは全国の名所を描いたもので、もちろん自分で全国の名所に行ったわけではなく、他の人が描いた絵図をリミックスした作品。これが70点。

そのあと、1856年から1858年の2年にわたって「名所江戸百景」120点を出している。

会場でまとめて見ると、「六十余州名所図会」を作った後だからこその「名所江戸百景」だったのだというのがよくわかるように思いました。


「六十余州名所図会」にも、嵐や渦巻きなど自然のパワーをフィーチャーしたケレン味のあるドラマチックな構図が出てくるけれど、全体としてはおとなしい、名所の解説絵図。
田舎の風景ですから、基本、のどかです。

それが「名所江戸百景」になると、いきなりアバンギャルドで超都会的な絵に。
「六十余州名所図会」での試行錯誤を全開にした感じ。


亀が吊るされてる「深川萬年橋」とか、ゴッホも真似した「亀戸梅屋舗」とか、鷹の目線で俯瞰した「深川洲崎十万坪」とか、ババーン!これでもか!的な、カッコ良くて悶えるしかない構図が次から次へ。広重さん、まさに乗りまくりの晩年だったんですね。楽しかっただろうなあ。


「名所江戸百景」は、大都市江戸の爆発寸前に濃縮された文化の空気があってこそのrん作だと思う。200年続いた遊郭の文化も背景にそれとなく漂ってます。

(これは名所江戸百景ではないけど、広重さんの、猫が窓の外を見ている絵がとても好き。あの窓のところに投げ出された手拭いやかんざしなどが、ものうい遊郭の洗練を雄弁に語ってます。)


フランスの画家たちは彼の作品を見て、心底たまげたことだと思う。

一度も見たことのない、野蛮なはずの非文明国に、超がつくほど洗練された文化と都市生活があったことが、この絵を見れば一目瞭然で分かってしまう。

そして考えたこともないパースペクティブと大胆な構図が提案されている。

浮世絵がなかったら印象派絵画もずいぶんつまらないものになってたかもしれませんね。


今まで気づかなかったけど、広重さんの「名所江戸百景」と印象派登場の間には、ほんの20年足らずしかなかったんですね。

「名所」が1858年、第一回印象派展が1874年だから。

展覧会では、広重のほかに北斎や国芳の作品もあった。
富獄三十六景の赤富士とか富士山に大波の絵とか、たぶん本物ははじめて見たと思う。

大満足でしたが、ぐったり疲れました。


必ず買ってしまうクリアファイル。絵葉書はふだんは買わないけど、今回は例外。
カタログは、この後東北旅行を控えていたもので、重さが気になり買いませんでした。
ああでも買っとけば良かったな…。


会場のサントリー美術館がある東京ミッドタウンも、いろいろ見ごたえのあるビルです。こんな素敵な、苔とシダの盆栽が飾ってあった。これ作ってみたい!

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バンクーバー経由でシアトル帰着時の入国検査など


きのう、日本からシアトルに帰ってまいりました。

気温は20度Cを下回る!さむぅ! 家の中で長袖と靴下が必要だなんて。夢のようだ!
スーパーの花売り場も、もはや秋の気配。

東京ではできることなら何も着ていたくない蒸し暑さでした。外を5分歩いただけでTシャツが絞れるほど汗かいた。


今回は2年ぶり、1ヶ月の滞在でした。
仕事上でもプライベートでも、予定していたより多くの人に会えて、予定していたより多くの場所に行けて、疲れたけど嬉しかった。

ほんとに困ったおばさんであるのにもかかわらず、わたしの周りには信じられないほど心優しく面白い人びとがなんと多いことかを再確認。感謝。いろいろご迷惑おかけしました。

息子は2週間滞在して先にシアトルに帰ったので、帰りはひとり。そのため大荷物を持って帰るのが使命。

はらんだセイウチのような有機的形状になった大型スーツケース、靴と本を極限まで詰め込んだ古いレスポのバッグ(息子がサイズ10.5の靴を2足忘れていったためさらにかさばった)、機内持ち込みの小型スーツケース(規定の10キロを2キロ上回り空港のチェックインカウンターで大汗かいて詰め替え)、そのほかにラップトップと身の回り品をエコバッグにぎゅうぎゅう。えぇ、いつも荷物の多い女です。

便座のようなかたちの品物は、アメリカ人がよく空港で首からさげて歩いている携帯まくら。かっちょ悪いけどこれは快適でしたよ。歩く時とても邪魔だけど。


帰りはボーイング777でした。
もちろん窓側座席を指定したのに、翼の真上だった…。

でもこの矢印とリベットが並ぶ翼の金属板がカッコ良かった。リベット萌え、矢印萌え。

アラスカのアリューシャン列島につづく半島を通過するときには、きれいな円錐形の火山がみえた。アニアクチャク山というらしい。コディアック島という島では、夢のような水色の入江が入り組んだ景色が広がっていました。ああ行ってみたい。


成田からバンクーバー経由、4時間のレイオーバーは長いと思ったけど、セキュリティを通って入国審査を受けるのに1時間以上はかかったので、2時間以内だとかなり忙しいかもしれません。

バンクーバーでの米国入国審査は、簡単でした。税関と入国審査が一体になっていたらしい。

預けた荷物を一度ピックアップして税関に持っていかねばならないのかと思ったら、入国審査官がパスポートや書類をチェックしながら預け荷物のナカミを画面で確認していたようです。
よほど怪しいものがあれば別室に連れていかれるのだと思うけど。

今回、先に帰った息子にパナソニック製のフィッシュロースター「おさかな煙らん亭」を預け荷物として運ばせたら、入国審査で
「いったいこれは何だ」
と質問されたと言ってました。

さらに電圧変換機を入れたスーツケースは開けてチェックされたあとがあったらしくテープが貼ってあったそうです。
20代の若者がコイルが詰まった機器をスーツケースに入れてたら、それは怪しかったに違いない。でも別室に連れていかれることなく無事通過したそうです。

靴と本をパンパンに詰めたバッグを開けろと言われたら詰め直すのに20分くらいかかるかもしれないなあと憂鬱だったのだけど、そんなわけで、シアトル空港到着まで荷物は見ずに済みました。

右腕に大きなオレンジ色の鯉の刺青をした入国審査官に
「ほんとにまだ米国に住んでいるのか」
と威圧的に聞かれた。
「どのくらい行っていたの? 1ヶ月? ずいぶん長いね」
「えー、短すぎですよー」

グリーンカードであまり長く国外滞在すると色々言われるのでしょう。今のところそんな心配はないが。 半年くらい日本に住みたいけどなあ。



エアカナダのエコノミー席、行きの便の機内食はとくに記憶に残ってなくて、かろうじて食用に適するレベルだったと思う。帰りの便は意外においしかった。れんこんまで載ってましたよ。
でもお茶はおいしくない。成田でペットボトル入りを購入がベスト。


朝食は鶏入りおかゆ!さすがチャイニーズの多いバンクーバー便。これは嬉しゅうございました。ニュージーランド製バターもおいしかった。 完食。

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2016/07/12

川からはじまる話(奥の細道 隅田川べり)


今回東京で泊まったホステル、Nuiの廊下の窓からの眺め。

眼の前に 「馬獅子商会」という謎の家があった。なんの商売なんだろうーー。
その後ろの川沿いの家からは、毎朝、手拭いを姉さん被りにしたお婆様が出てきて打ち水をしてました。

うちの息子は「authenticな日本のおばあちゃん」と呼んでいた。


この頃はまだ到着1週間目で時差ボケのまま早朝が絶好調で、朝の川辺の散歩が快適でした。まだ暑くなかったし。

隅田川は高度成長期にはすっかりドブ川のようになってしまって異臭をはなっていたそうですが、だいぶ改善され、散歩コースに整備されてました。

東京から失われてしまった水辺を取り戻そうと考えている人は多いようです。
ほんとに東京は、実は水の都だったのに。



 蔵前橋。

 関東大震災のとき、この近くにあった被服廠跡という広場に避難してた人びとが何万人もいちどに亡くなり、東京大空襲でもこのあたりは火の海になった、悲惨な歴史を持つ場所でもある。


芭蕉先生の『おくのほそ道』 も、隅田川の深川付近が出発地。

蔵前の宿を予約したときにはそんなこと意識してなかった(ていうか、知らなかった……)のに、隅田川べり〜仙台〜立石寺〜松島(通過)〜平泉という旅行ができて、順番は違うけど(芭蕉先生は平泉のあと山形から立石寺に行ってます)足あとを少しだけたどることができました。



「あけぼのの空朧朧として、月はありあけにて光おさまれるものから、ふじの峯かすかにみえて、上野・谷中の花の梢、又いつかはと心ぼそし」。というのが『おくのほそ道』の隅田川を出発するときのくだり。

芭蕉先生とお弟子さんはこの辺(もうちょっと南だけど)からお見送りの人たちと船に乗って千住まで遡り、そこからみちのくへの道を歩き始めています。

時は3月末、新暦で4月の末。

川下の遠く南西のほうには富士山が白く見え、行く手の左岸には「上野・谷中の」花が豪勢に咲き誇るのが家々の屋根越しに見えたという。遅めの桜なのか。

両岸はどんな景色だったんでしょうね。銀色の瓦屋根、柳の新緑、渋い色の板塀、緑の土手を想像してみる。

 「春のうららの、すみだ川」という歌、小学校で歌ったときに、きれいな言葉だとは思ったけれど歌詞のイメージはまったく意味不明でした。

春のうららの 隅田川
のぼりくだりの 船人が
櫂(かひ)のしづくも 花と散る
ながめを何に たとふべき
見ずやあけぼの 露浴びて
われにもの言ふ 桜木を
見ずや夕ぐれ 手をのべて
われさしまねく 青柳(あおやぎ)を
錦おりなす 長堤(ちょうてい)に
暮るればのぼる おぼろ月
げに一刻も 千金の
ながめを何に たとふべき

なんとのどかで、美しい景色であることよ! 見てみたいよ!!

芭蕉の頃からこの唱歌が作られた明治の頃まで、川辺の眺めはそれほど変わってなかったのに違いない。「一刻千金」のながめが広がる川辺だったんですねー。

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