2012/07/10

ポートランド美術館 夏のモネ、北方民族、アメリカ美術


ポートランド1日目はたくさんおしゃべりを楽しんで、2日目はひとりで美術館へ。

ポートランド美術館は大充実でした!

SAM(シアトル美術館)とせいぜい同じくらいの規模だろうとタカをくくっていたら、ずーーっと大きくて、予定していた3時間くらいではとても全部観きれず。


ロココやバロックやオランダ絵画などヨーロピアン・クラシックの部屋は、ギャラリーごとに壁の色が違う。さすがに洗練された色使い。

フランシス・ベーコンは9月までの展示。

現代美術も充実しているし、ネイティブアメリカンのアートもかなり充実しているし、展示の仕方もすごく良い。なにが良いって、アジアやネイティブ民族のアートのところに地図があるのがうれしい。

博物館ではない美術館って、作品の解説はあるけれど、なかなかこういう背景説明の工夫がないように思います。

ネズミに乗るガネーシャ。

 これはネイティブ・アメリカンのアートの部屋で、たしかHaida(バンクーバー島より北の海岸沿いの人びと、トーテムポールを作っていた人びと)の作。

もっと極北の人たちのもあった。北にいけばいくほど、アートに凄みが出てくるような気がする。

かごめかごめ? ちょと怖い。

常設展示のほかに小さな規模の企画展が10も開催されていて、別館もあって、館内で迷うくらい広かった。


3時間くらい見たところで頭の芯がぼぅっとして来たので、カフェでエスプレッソをあおる。

ショップの横にカフェがあるのもうれしいところ。コーヒーを飲みながら書棚の美術本を手にとってみることができます。

 SAMはオサレレストランはあるけど、さっと入れるコーヒーショップがないところが残念。

(まあ、そろそろ疲れたと思うと見終わるくらいの規模でもあるのですけどね)


休憩して元気を取り戻してから別館へ。ここも充実! 

70 Years/70 Photographs という写真展は、70の写真を通して70年を振り返るというもの。
アンセル・アダムスのプリント、ひっくり返りそうなくらい、神々しかった。  


来る前にはサイトのトップに出ていた「カリフォルニアの印象派」という展示が点数も多いし、一番メインに見るところかなと思ったのですが、あまり感銘を受けず、さーっと通過。

でも思いがけず別館に「本家」印象派の小部屋があって、そこになんと、モネが5点もあったのでびっくり。

3点は個人蔵のを100日間借りて、夏の間だけ「5 Monets / 100 Days」と題して展示されているのでした。

こういう、常設のコレクションと借り物を一緒に展示するのもなかなか粋ですね。

そしてこの手前の作品が、すうごっく良かった! 

背の高い夏の花のむこうにパラソルをさした紫の女性が立っている構図。手前の明るい部分には、花の間にキャンバスの生地が見えるくらいのすかすか仕上げ。夏らしい生命力いっぱいの前景の花と、ほのぐらい木陰のバランス。 

この絵を見られただけでも、行ったかいがありました。

こういうのがリビングルームに飾られているおうちがあるんですねえ。ポートランドのお宅なのでしょうか。


 コンテンポラリーの常設にも、面白いのが多かったです。

図書室/ワークショップの部屋もあって、資料が充実しているし、この美術館が近所にあったら、ためらいなく会員になると思いました。

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2012/07/09

Rose Garden

日本庭園の隣は有名なローズガーデン。

6月末、もうそろそろ盛りは終わりだったけれど、 まだいっぱいに咲いていました。


バラ園といえば小学校のときに遠足で行った神代植物公園がすごかった。燃え上がるようだった。


 ここはお天気のせいか配置のせいか、それほどの迫力は感じなかったけれど、赤い髪のおねえさんがハープを弾いていたり、噴水があったり、壁に囲まれた「シェイクスピアガーデン」があったり、ラブリーな演出です。


シェイクスピアの壁。「花はいろいろだけどやっぱりバラに尽きるね」


シェイクスピアの園でくつろぐ乙女たち。
植わっているのはなぜかバナナやカラーなど南国の植物でした。


そしてシロクマに遭遇。
Grassroots という、シアトルを舞台にした実話にもとづく映画の宣伝でした。6月29日にポートランドで1日だけ公開されたので、その宣伝。まだロードショウは決まってないみたいですねー。
 面白そうなんだけど。

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2012/07/08

ポートランドの日本庭園


6月の末にポートランドに1泊してきました。

ハワイでとてもお世話になったK先生と、今はオリンピアに住んでいるMさんとのリユニオン。久々の再会でつきない話をしながら、女3人でお庭巡り。

ダウンタウンから路面電車でまずはポートランド日本庭園へ。


シアトルにも日本庭園がありますが、 ポートランドのほうがずっと規模が大きい。

お茶室も広い露地がある本格派だし、八つ橋のある小さなあやめ園、平庭を望むイベント用の大きな建物もあり、滝もあれば、枯山水まである。傾斜地を利用した石段のある「ナチュラルガーデン」 も、野趣あるおもむき。苔が綺麗でした。


いろいろな庭園風景が楽しめる、立派な幕の内弁当のような庭園。
ぐるっとゆっくり眺めながら一周して、小1時間くらいだったかな。広さは5.5エーカー、2.2ヘクタールだそうです。


もともとこの斜面に自生していたのだと思われるレッドシダーの大木がとりこまれているところ、ノースウェストらしいキャラクター。 


枯山水。「お釈迦様にぬかづく海の中の虎たち」をあらわしているのだそうですが。


集まってくる猫の群れのように見えなくなくもない。


平庭にはしだれ桜やもみじ。建物の中では日本人アーティストの布アートを展示中でした。


やっぱりお茶室と露地が好きー。座っていたい。
ノースウェストの気候は、美しい苔を維持するには最適ですね。

お茶室は日本で作って解体してもってきたそうです。


ギフトショップにあったもの。
シアトルへの帰りがバスでなかったら思わず買ってしまったかもしれない、庭ぼうき。20ドルなりでした。



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2012/07/07

シアトルの夏は7月4日からです。



夏が来たっ。

曇りがちの5月6月のあと、カレンダーが7月に変わってもまだ日中15度Cとかの日々が続き、長袖2枚重ねて着込む陽気。

スーパーやカフェのレジでは話題といえば天気の愚痴がお決まりだったのですが、そんな会話の中で、

「でもね、シアトルの夏は7月4日から始まるっていうから」

と、妙な確信をもって言う人が何人もいた。

そんなバカなことが。

と思っていたら、本当に7月4日からスイッチがはいったみたいに快晴マークが続いてます。


もうこれ以上文句のつけようのないゴージャスな青空。今日なんか日中、暑かった! 
暑いっていう感覚を、身体全体が歓迎している。

人には太陽の光が必要なのだということが、ここ太平洋岸北西部に住んでいるとしみじみ体感できるのですよ。


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2012/07/06

なんちゃってドイツ村を通過


(カスケードループその5、最後です)

コロンビア川沿いに南にくだってきて、Wenatchee で川とわかれて東行きの州道2号に乗ります。

ここからまっすぐ東へシアトルまでが「ループ」の下半分。再びカスケード山脈を越えていく森の中の道。



Wenatcheeの街中でみた、スーパーの看板。ミッドセンチュリー風で可愛い!!
昔からのデザインを塗りなおして大事に使ってるんでしょうね。 
 
「ホームブルーイング 用の穀物あります」って、自家製ビール作りがはやってるようです。


 スティーブンス・パスを越えていく州道2号沿いの観光地といえばLeavenworth

なんということのない山の中の田舎町だったのを、60年代、町おこしのためにメインストリートの建物をドイツ・バイエルン風に改装して「なんちゃってドイツ村」に変身したところ、背景のアルプス風山並みも手伝って大当たり。ワシントン州の人気観光地のひとつに急成長したというサクセスストーリーの町です。

全米チェーン店もみんな頑張ってバイエルン風の装いにしてる。セーフウェイも壁画つき。


 ガソリンスタンドとサブウェイも手彫りの木の看板、エーデルワイスつき。



もちろんマックもバイエルン仕様の木彫りだった!


壁画と屋根がバイエルン。

レベンワースに行くとつい、あちこちのディテールに烈しくつっこみを入れたくなってしまうのですが、地元発手作りのテーマパークという感じがにじみ出ていて、ほほえましくないこともない。

日曜日でドイツ村のメインストリートは大混雑だったので、町の中には入らず、マックで飲み物だけ買って素通りしました。


歩道にはバイエルンの踊りの人が。週末にはメインストリートの会場でドイツの踊りをやっているようです。

マックにも、半ズボンの衣装を着たお兄ちゃんが汗だくでやってきてマックシェイクを注文していた。

このあたりは山の中だけど盆地だからけっこう暑い。
シアトルよりもずっと暑いです。
一度真夏に来たとき、気温が40度近く、久々にぐったりするような暑さを感じたのですが、その中で半ズボンの人びとが飛んだり跳ねたりしながら踊っていたのに感心したものでした。



 帰り道、prunusさんのブログで紹介されていたSultan のベーカリーで食事して帰りました。ほんとにがっつりサイズでした! 




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2012/07/05

コロンビア川流域のチェリー街道


(まだ続くカスケードループの旅、その4)

Twisp から南へ下り、コロンビア川沿いに出ます。
コロンビア川に沿ってWenatchee まで州道97号を南下。


川の途中にまたダムがありました。
これは Wells Dam。シアトルじゃなくてこの辺のダグラス郡に電気を供給するダムで、ダグラス郡の電力はほとんどここで作られてるとのこと。

Fish ladder (魚の通り道)が開けてあって、郡の人が毎月通る魚の数を数えています。
隣に鮭の孵化場もある。
このもうちょっと上流で、もう少し前に建設されたダムでは鮭の通り道を作らなかったため、産卵にさかのぼってくる鮭がすっかりいなくなってしまった



ダムが見下ろせるところにパーキングと休憩所があり、「runner」(日本語でも「ランナー」というらしい。川の中でぐるぐる回ってタービンにつながる水車の部分)が飾ってありました。
宇宙戦艦ヤマトのプロペラくらいの大きさがあります(多分)。すごく重そう。

べつに水力発電の勉強をしにカスケードループに行ったわけじゃないんだけど、行く先々につぎつぎとダムが現れるので、ワシントン州が水力発電の州だということがようくわかりました。



 ダムを見下ろす崖の上に飾ってあった、絵が描かれた岩。 60年代にダムを建設したとき、川岸から削り出したもの。
コロンビア川流域には紀元前5000年前の住民の遺物も発見されています。


ダムが出来、両岸に道路が出来、土地が灌漑されてブドウやチェリーの畑が作られて、この150年ほどで住人とその生活は激変してきたけれど、地形や空は変わっていない。


少し先、Chelanの町の少し手前に、Natural Area というのがあったので寄ってみました。




Beebe Spring Natural Areaというのが正式名称。小川がコロンビア川に流れ込む一角に、自然の姿を再現したエリアでした。

 道路からも目立つ、鮭を高くかかげる酋長の彫刻は、近くのColville居留地で育ったネイティブアメリカンのアーティストによるもの。


食糧の根をほる人々の彫刻が配されていて、150年前くらいの風景に想像を誘われる。


 ブラックバードが歌う、平和な一画でした。


カスケードの東側は、チェリーの産地。州道の両脇にもチェリー園がたくさんあって、ちょうどレニアーチェリーやビングチェリーがたわわになってました。


たくさんの直売所があります。シアトルのスーパーで買うより安いので、Bing とRainer を2ポンドずつ(約1キロずつ)買ってしまいました。あとで消費するのが大変でした。

 

コロンビア川沿いにはブドウ畑もたくさん作られています。これもワイナリーなのか、単にバケーションハウスなのか、ブドウ畑に囲まれた邸宅が対岸に見えました。

後ろの乾いた山と、灌漑された緑の畑が衝撃的なコントラスト。



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