2012/05/23

シアトルで正気を保つための簡単な8つの方法



寒い5月の夜です。

KPLUのサイトに載っていたコラムニスト Knute Berger さんのコラム『8 simple rules for staying sane in Seattle (now the rain is back)』  <シアトルで正気を保つための簡単な8つの方法(雨も戻ってきたことだし)>が爆笑だったので、一部をご紹介します。
 拙訳をつけてありますが、お時間ある方はぜひ原文を読みにいってくださいませ。
(Knuteさんにも掲載の許可いただきました)


1.Don't move here in the summer.
夏場に引っ越して来るべからず。

Year after year folks move here at the end of the school year.In July and August, their eyes twinkle, their skin tans, they wonder what all that rain stuff is about. By year's end, they are on the verge of breaking, transformed into vitamin D-deficient SADD-sacks water boarded by winter. Sadistically, you take pleasure in informing them that the rain will stop — next June.
(毎年、学年末の6月にシアトルに引っ越してくる人は多いですね。7月から8月の間中、新参の人たちはシアトルの夏の美しさに目をキラキラさせて、雨の町ってなんのこと?と、首をかしげて過ごすでしょう。そして年の瀬の頃には、水責めの冬の毎日にビタミンD不足でへろへろになって、限界一歩手前といった顔で過ごすようになるのです。そこで、シアトル人のあなたはサディスティックな喜びをもって教えてあげるでしょう。「雨の時期も終わるよ、……6月になったらね」)


2.Avoid your neighbors. 
 隣人を避けよう。

You didn't move here for people, did you? Most everyone else moved here to get away from them.
(シアトルに友人を作りに来たわけじゃないですよね? むしろ、人を避けるために引っ越して来たんですよね?)

注:「シアトル・フリーズ」参照。


3.You can't be too utopian.
ユートピアの夢に生きよう。

Pick the candidate with the biggest ideals, the most inflated sense of mission and purpose: they usually win.
(シアトルではたいてい、最大級の大風呂敷的な使命と目的を持つ計画が支持されます。)


4.Cultivate a superior attitude.
優越感を身につけよう。

Portland? Stuck in the '90s. Vancouver? Hah, they're stuck in Canada. Tacoma? We don't even make jokes about them anymore. Bellevue? Where's that? Seattle is too busy, too full of big ideas to care about anyone else.
(ポートランド?まだ90年代を引きずってる町ですね。バンクーバー?カナダに引きずられてるじゃない。タコマ? タコマはもはや、ちょっと冗談のネタにもなりません。ベルビュー? 何それ? シアトルは忙しすぎて、壮大な計画で頭が一杯だから、ほかの町なんか相手にしているヒマはないんです。)


5.Forget the weather report.
天気予報は無視。

Cloudy. Windy. Rainy. What else do you need to know? Ignore the weather reports. Read or listen to Cliff Mass for the why, not the what.

(曇り、風あり、雨、以上。ほかにどんな情報が必要なんですか? 天気予報は無視して、Cliff Mass 氏のブログや解説で、「なぜ」こんな天気になるかを知りましょう。)


6.Don't buy summer or winter clothes.
夏服や冬服は買うべからず。

Go for the year-round Nordstrom suit, the all-season North Face jacket, the hoodie that looks soggy wet or dry, good boots. You don't need stuff you'll wear only two days per year.

(オールシーズン着られるノードストロームのスーツと、ノースフェイスのジャケットと、降っても晴れてもてろんとしているスウェットと、良いブーツを買いましょう。年に2日間しか着ない服なんか必要ありません)


7.Don't think about the Big One.
災厄の日のことは考えないようにしよう。

Someday, Mother Nature will gob-smack us big time. It could be tomorrow, it could be 500 years from now. It's best to be in denial, so forget I said anything about Seattle being one of the most dangerous places to live in America, a modern Pompeii-in-waiting.

(いつの日か、母なる自然が私たちの頭上に大災害の槌を振り下ろす日がやってきます。明日かもしれないし、500年後かもしれません。だったら知らないふりをするのが一番です。シアトルがアメリカで最も危険な、現代のポンペイになるかもしれない都市だなんて、聞かなかったことにしましょう)


8.Peek through the Cascade Curtain.
たまにはカスケード山脈の反対側に行って、陽を浴びるべし。

The great, under-utilized sanity-izer is to flee the wetside for the dryside of the mountains sometimes. The other half of the state has things we don't have: sunshine, dust devils, big sky, stars, vineyards, Republicans.
(あまり活用されていない、正気を保つ素晴らしい方法として、時々こっち側のジメジメした地帯を脱出して山脈の向こう側のよく乾いた土地に行ってみるという手があります。あっち側にはわたしたちの町には存在しないものがあるのです。陽光、乾いた埃を巻き上げるつむじ風、広々した空、星空、ブドウ畑、共和党支持者など…)


…ねー、すっごく役に立つシアトルサバイバル術でしょう?(笑)。

もうちょっとで本当の夏が来る!はず!と信じて、9度Cのじめじめした5月を乗り切りましょう…!




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2012/05/21

おいしい日曜日 tokaraのとおりゃんせ


先週の快晴続きから一転して、日曜から予報どおり雨になりました。
金環日蝕は見られず。

おなじみのシアトル名物、のっぺりした白い空と低い雲、静かな雨の日々が戻ってきましたー。

雨の日曜日、Phinney Avenue の和菓子やさん、tokara へ行ってきました。

月に一度しか開かないので、いっつも前を通りながら気になっていて、かれこれ2年。やっと行くことができました。


 店内は昔の商家のように小さな畳スペースがあって、お抹茶と和菓子のセットをその場で頂くこともできます。(5ドル)。


 とから店主、ちかこ(aka Tokara)さん(右)と、お茶の販売をされているMy Green Tea のさちこさん(左)です。

いつもはFresh Flours (週末のみ)、Panama Hotel Tea House (月曜&木曜にデリバリーだそうです)などで手に入る和菓子ですが、月に一度のオープンハウス「とおりゃんせ」で、作りたてをお店で買うことができます。

化粧箱に3つ和菓子が入ったお楽しみ箱が11ドル50セントなり。


なんとしたことか、肝心の和菓子の写真を撮りそこなった~~。

トカラさんのサイトでぜひ美しい和菓子をご覧ください。 「躑躅」「唐衣」「菖蒲饅頭」の3種類でした。できたての餡がほんわりした甘さでおいしゅうございました。

これは和菓子じゃなくておまけのお茶菓子。
「とおりゃんせ」イベントは毎月第3日曜日、午後1時から6時。
予約は不要ですが、  売り切れが心配な方は前もってお電話したほうが安心かもしれません。

このほか、日本の行事の日、節分、お雛祭り、こどもの日、七夕などにもオープンしているそうです。知らなかったー。柏餅買いに行けばよかった。

日本人のお客様だけではなくて、大きな容器持参で予約のお菓子を取りに来る白人女性が次から次へやって来てました。(容器持参の場合は箱代50セント割引きです。さすがノースウェスト、エコなお客さんが多いもよう)


 来月も行こうー。次回は6月17日ですね。

Tokara
6208 Phinney Ave. N. Seattle,WA 98103
206-784-0226 

**ここもお支払いはキャッシュか小切手のみです!



和菓子を持って、次の目的地、お招き頂いていた秘密の女子会(笑)、舞踏イベントの打ち上げ会へ。

ここでも素敵ごはんが~! 湯葉のあんかけ、筑前煮、スメルト南蛮漬け、炒りごまの利いた炊き込みごはん~~~(感涙)。


いやーんおいしい。いくらでも頂けちゃうご飯でした。

話題は真言密教、 葵上、生霊、化け猫、筋肉組織、オフィーリア、そして次回の舞踏の相談など。怪しい女子会(笑)たのしゅうございました。

まるで日本にいるような、贅沢な日曜日でした。ごちそうさまでした~~!



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2012/05/19

キューバ風サンドイッチ Paseo


今週はお天気が良かったので、海沿いにサンドイッチを買いにいきました。
 
感動のキューバ風サンドイッチ店 Paseoです。


バゲット風のしっかりしたパンに、お肉とレタスと、カラメル色に炒まってちょうど良い感じに焦げ目がついた巨大なタマネギのスライス。こくのある秘伝の?ソースがとにかくおいしいのです。

上のはGrilled Pork。

「Most Popular」 とレコメンドされているCaribbean Roast は、ほろほろになるまでゆっくりローストした、柔らかいいわゆる「pulled pork」 (ハワイアン風にいうとカルーア・ポーク)です。私はどちらかというと歯ごたえのあるカタマリのGrilled Porkのほうが好き。
チキンもおいしいです。


どれも、お店の中でおじさんがフライパンでゴー!と焦げ目をつけて調理してます。

 お肉のサンドイッチは各8ドル50セントなり。ベジタリアンの豆腐サンドもあります。



Fremont とShiloshore に2店舗あって、どちらもピンクとターコイズに塗られた可愛らしいこぢんまりした店構えです。
Shiloshore 店には外のイートイン(アウト?)席あり。

どちらの店も、お昼どきに行くといつも行列。

どちらのお店も家からだいたい同じくらいの距離だけど、フリーモント店は車が停めにくいので、海沿いのほうに行く回数が多いです。

Tipのびんに「Fiesta Fund」て書いてある。思わず多めに入れてあげたくなっちゃう。

目の前はヨットハーバーだし、少し先にはピュージェット湾に面したゴールデンガーデン公園があるので、お昼を買いに行っただけでも少し広々した気持ちになれます。

お店の隣にはサーフショップもあって、ちょっとハワイに帰ってきたみたいな気分も味わえる。

CTちゃんはインテリアデザイン学科の卒業制作で、寝てるときとお風呂と犬の散歩以外は本当にずっと椅子に座りっぱなしだし、わたしも週明け納品の仕事と宿題があってやっぱりお尻が椅子にくっつきっぱなし。

のんびりビーチパークの椅子に座ってランチが楽しめると良かったのですけど、それはもうちょっと先のお楽しみということで。


最初にここのサンドイッチやさんに連れていってもらったのが、シアトルに来てまもない8月の末の快晴の日だったので、気持ちよく晴れるとPaseo のサンドイッチ、と連想してしまいます。

 雨の日でもおいしいのだろうけど、晴れた日にキューバ風サンドイッチ、おいしいですよ〜。

日曜と月曜はお休み、お会計はキャッシュオンリーですのでご注意を!


追記:パセオはいろいろあって閉店>再生>増殖しました。新しい記事はこちら


海沿い店
6226 Seaview Ave NW 206 789-3100
火曜〜土曜 11時〜8時

フリーモント店
4225 Fremont Ave N
206 545-7440
火曜〜金曜 11時〜9時 土曜8時まで



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2012/05/18

Art Walk の舞踏パレード


先週の金曜日(5/11)、Greenwood-Phinney ("Phinney-Wood") Art Walkに行ってきました。

Greenwood Avenueから動物園の近くで名前が変わるPhinney Avenue は、個性的なお店が並んでいて、普段でも楽しい通りです。

愛するFresh Flours Bakery もここにあるし、Cafe Vitaもできたし、ほかにも優秀な老舗カフェが何軒もあり、ワインバー、有名なレッドミルバーガー、おいしいギリシャ料理、こぢんまりしたブティック、お花屋さん、など、ここだけでシアトル生活が満喫できてしまうくらい充実した通りです。端っこには動物園もあるし。

アートウォークは毎月開催されていますが、5月のは毎年恒例の「Big One」です。


 
今回は、薫さんの「ゲイシャ」とJoan さんの「紳士」、そして「蚕」と「不」という額を持った白塗りの二人に、笛と太鼓の楽師、ビラ巻きの仮面嬢が続くという、素敵な舞踏のパレードに、撮影隊としてくっついてまわりました。

まずは舞踏パフォーマンスの舞台、シアトル道教学院を出発。


不思議な一隊はにぎわうカフェやパブの前を通過、なにやら踊りながら先を行く紳士とゲイシャに、無表情の額の二人が従います。


このアコースティックのミニ楽隊も素晴らしいのです。
このお二人、Kenさんと久美子さんは、舞踏パフォーマンスの音楽も担当されました。
幼少時から能楽を学ばれた久美子さんの謡はマジほんもので、いやーすごかった。鳥肌ものでした。


 Phinney のコミュニティセンターに乱入、あぜんとする人びとの前でパフォーマンスを繰り広げたあと、しれーっとまた夕陽さす屋外へ。


 スターバックスとレッドミル・バーガーの前をこんな調子で通過。


 レストランで平和に食事をしている人びとを窓越しに驚かせ。


 また道教寺院へ。

この道すがら、パトカーが何台も停まっていて、テレビカメラも来ていたので何だろうと思っていたら、カーチェイスがあって盗難車が歩行者を跳ねたということを、夜のニュースで知りました。ひぇー。


能面ふうのお二人が掲げていた額も、この上の字も、「能面1」のよしこさんの作品です。


 この素敵な端切れの「繭」も。

道教学院内部。


薫さんのブログに舞踏パフォーマンスの動画がありますので、ぜひご覧くださいませ。

笛、石、木魚、そして能楽の謡という、あくまでアコースティックな、とても緊張感あふれる音楽と、舞踏者の液体的な動きが、なんとも異な世界を作っていました。

楽器。

音の響きがとても素晴らしいホールです。


 次回は7月7日、七夕の日に催しがあるそうですよ!



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2012/05/16

ゴールド&パープル


すがすがしい快晴の日々が続いているシアトルです。

来る日も来る日も薄暗い灰色の空だったことなんか、きれいさっぱり忘れてしまいそうな。



花も恐ろしい勢いで咲いてます。

ドッグウッド、ライラック、矢車草、藤、牡丹、石楠花、ツツジ、ケシ、すずらん、ヤマアジサイ、菖蒲も咲き始めたし、なんだかわからないけど木に咲く白い花、黄色い花、ピンクの花、もう近所中爆発したように満開中です。


近所にフジと黄色い花が盛大に垂れ下がっていました。

キバナフジまたはキングサリ(Golden ChainまたはLaburnum)という花のようです。

ゴールド&パープル。

プリンス様の曲名のようですね。

ものすごく豪華です。あまりに天気が良すぎて、あまり綺麗に撮れませんでした。なんという贅沢な。


もうすっかり気分は夏仕様。

でもなかなか気温は20度を超さなくて、やっぱり朝晩は肌寒いのですが、それも爽やかです。


いつもありがとう〜。
また来てねー。

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2012/05/15

French Toast の歴史


アメリカ現代史の教科書を読んでいたらこんなくだりがありました。

The hysteria increased, the campaign reached absurd levels.  In Montana, a school barred a history text that had good things to say about medieval Germany. Menus across the nation changed German toast to French toast and sauerkraut to liberty cabbage.
James L. Roark, et al, The American Promise: A Compact History Fourth Edition (Boston: Bedford St. Martin’s, 2010),553.

<<こうしたヒステリー状態はますます過熱し、(反ドイツの)キャンペーンは馬鹿げた様相を呈するまでになった。モンタナ州の学校では、中世のドイツについて肯定的に述べた歴史の教科書が禁止された。国中のレストランでメニューの「ジャーマントースト」が「フレンチトースト」に、「ザワークラウト」が「リバティ・キャベツ」に改められた。>>


…えぇぇぇぇ。

フレンチトーストって、もとは「ジャーマントースト」だったんですねぇ!

そういえば、フランスでフレンチトーストってあんまり食べてないっぽいのに、どうしてフレンチトーストっていうのかな、と、ずっと前にふと疑問に思ったことがありました。

これは第一次世界大戦中、アメリカが重い腰をあげてヨーロッパへの派兵を決定して、国民を戦争にかりたてるために政府が行なった愛国/反独キャンペーンが暴走し始めた、というくだりです。

これって、ええーと、どこかで聞いたような…。

つい数年前にも、ありましたねーー。

「フレンチフライ」→「フリーダム・フライ」 と呼ばせようとした大統領側近が!!!(笑)

百年近くたっても、まったく同じことをしているところが……。

フリーダム・フライや「リバティ・キャベツ」(笑)は、定着しなくてほんとうに良かったです。
さすがにアメリカ人の中でも、「これはいくら何でもかっこ悪すぎ」と思う人が多かったに違いありません。

なぜリバティ・キャベツ(笑)が忘れられる中「フレンチトースト」が定着したのかは謎ですが、おそらく、ジャーマントーストよりフレンチトーストのほうが少しおいしそうな響きだからではないでしょうか…。



第一次大戦中、米国内のドイツ移民に対する嫌がらせは相当なもので、リンチにあって殺された人もあったそうです。

先日Netflixのストリーミングでたまたま観た『Sweet Land』という映画も、この時代のドイツ移民を描いていました。

アメリカ中西部の、逢ったこともないノルウェー系農民のところへ「 写真花嫁」として大きな蓄音機を抱えて海を渡り、嫁いできた娘。

ノルウェー娘が来るとばかり思っていたらドイツ人だったことがわかり、牧師には結婚式を挙げてもらえず、作るコーヒーが濃すぎる、習慣が違いすぎる、敵国民で思想が危険、といろんな難癖をつけられ、教会のコミュニティからも追い出されてしまう。


寡黙で実直な農民の夫と意思が強くてひるまない明るい妻、軽率だけれど心優しい隣人、だだっぴろいミネソタの寂しい風景がしみじみ来る映画でした。


ひろーい空とひろーい農地の真ん中にぽつんと建っている小さな家の風景も、印象的です。





この映画にはフレンチ/ジャーマントーストは出て来ませんでしたが、妻が初めてつくってくれた料理を食べて無言で感動した夫が

 「Is this German food?」

ときくと、妻が

「No. Just food」

という場面がありました。

どこの国のとか関係ない、ただの食べもの。でもおいしいでしょう、ということ。

妻は英語がまだほとんどしゃべれない設定なので、会話がとても少なく、淡々としたストーリー運びです。

隣の奥さんと女二人で、とってもおいしそうなパイを食べるシーンも好きです。

『かもめ食堂』や『バグダッド・カフェ』が好きな人にはお勧め!





いつもありがとうございます!
良かったらまた来てくださいね。

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2012/05/13

Pinterest とTumblr



Pinterest にはまり中です。

お使いの方も多いと思いますが、Pinterest はインターネット上の「スクラップブック」みたいなもの。自分で作ったカテゴリー別に、ネットで見つけた画像をリンクつきで貼っておいていつでも見に行けるサイトです。


ほかの人のスクラップブックを見に行って気に入ったのを自分のところにも貼ったり、そのリンクから元ネタのページに行って、もっと他の画像を探したり記事を読んだりもできます。

Pinterest のダッシュボードです。


Pinterest は、最近は木工のアーティストにもなりつつあるスーパーママMotokoちゃんから、もうずいぶん前に教えてもらいました。
少し手を出してみたものの、なんだかとってもはまりそうだったので、あんまり開かないようにしていたのですが、ついに禁断の扉を全開にしてしまった感じです。

Twitterはいったん開くとタイムラインだけでなくあちこちについているリンクを読み始めてしまって、何をしていたのかすぐに忘れてしまうので、仕事中にはなるべく開かないようにしています。

でもPinterest は画像だけだから、資料のページを読み込んでいる数秒のヒマにちらっと見られるな、と思ってここ数日、立て続けにみていたのですが。

やっぱりさ迷いこんでしまいました~~~。

たとえば今日の午後だけで、いつの間にか「全米でもっとも景色の良いハイウェイ20選」と、ドバイの水族館つきホテルと、ニューヨークのロフトのリモデリングと、Glacier National Park についてちょっとだけ詳しくなっている自分がいましたorz 。

もちろん仕事は驚くほどはかどっておりません。

マイ「places」ブック。


 Twitter やTumblrはひっきりなしに情報が流れていくので、流れに乗って読んだり見たりしている時には面白いのだけど、時々その速さに頭がぐらっとする感じ。

最近は、Twitterはおもに出先で時間ができたときにiPhoneで見るだけになってしまいました。開いただけでだいたい今何がニュースになっているのかすぐにわかるのが便利だなと思います。でもここに流れている情報は別に全然知らなくても良いんだな、と思うことも。

うちの息子は2年くらい前からTumblrにはまりっぱなしで、暇さえあればiPhoneでもコンピュータでも一日じゅうTumblrチェックをしてます。 

Tumblrはたしかに面白い画像やニュースやゴシップがすごい速さで手に入るけれど、その脈絡のなさに、はたで見ていて気持ちが悪くなってしまうのは年とったせいなのか。

いつの頃からか、子どもの頃には大好きだったジェットコースターに乗りたくなくなったのと同じで、速度についていけなくなっているのかもしれません。

Pinterest はその点、情報を流す機能より「貯めていく」機能のほうに重点が置かれた構造だから、おばちゃん向けなのでしょう(笑)。

ブラウザのツールバーにアドオンの「pin it!」アプリを載せておくと、今見ているサイトがものすごく簡単に「pin」できるのも手軽でよいのです。

 数ヶ月前にFlickrが著作権フリー以外のすべての写真のPinterestへの引用をブロックしたのですが、わたしにはTumblrが良くてPinterest が駄目な理由がわかりません。

(Flickr でも人によっては設定を変えてTumblrへの引用をできなくしている写真もありますが、デフォルトはTumblr への引用OKで、ワンクリックで引用できるようにわざわざアイコンが用意されてます。)

たぶん、著作権うんぬんだけではない事情があるんだと思う、なんてまた勘ぐってしまうなあ。
マイ「kitchen」テーマのスクラップブック。


だって、Tumblrはたしかに面白い画像を集めている子が多いけれど、ほとんどが引用の引用の引用…で、辿っていくと結局だれかがどこかからコピペした画像で、もうオリジナルがどこにあったんだかわからなくなっていることが本当に多いではないですか。

いったんハードディスクに保存してアップロードしたら、もうネタもとはわからない。
目立ちたいキッズが、自分のTumblrページを「オリジナル」にするためにわざとコピペして元ネタにリンクをつけない場合が多いようです。

Pinterestは、基本、リンクを残した形での引用が多いので、元ネタの制作者にとってもトラフィックが増えるメリットこそあれ、何のデメリットもないと思うのだけど。

まあPinterest もTumblr から引用している場合が多くて、たどっていくと誰かのTumblrページで終わってたりするのですが…。

マイ「space」スクラップブック。


ネットの海から情報を見つけて集めるという作業が「クリエイティブ」だと思われてもなあ、と、息子の肩先からTumblrの画面を覗いて思うこともあるこのごろ。
 
Tumblrやフェイスブックにコピペ画像を集めて載せてる中学生や高校生の子たちには、「オリジナル」という意味自体が理解できていないのかもしれない。


インターネットではマリリン・モンローの画像も(なぜかオードリー・ヘプバーンやモンローの写真を、10代の子たちがよく「リブログ(再引用)」して載せてます)、誰かが昨日撮った写真も、ELLEからクリップしてきたグラビアの写真も映画の一場面も、何もかも均質で、同じように無料で、一瞬で手に入り、一瞬で消化/消費すべきものなのかもしれません。

次から次へ新しいものが流れてくるのだから、一瞬以上眺めている時間はない…のだとしたら。カルチャーの質は今後数年で劇的に変わるだろうなあ。今の子どもたちにとっては、私たちの世代以上に情報が簡単にスピーディに手に入るようになっているけれど、それだけ選択/咀嚼しなければならない情報も飛躍的に増えたということで。その中で今度は彼らが新しいものを作っていく番になった時に、その感覚は今の大人世代とはたぶん、激しく違っているだろうという予感がします。



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