ホノルルのダウンタウンから歩いて滝汗になりつつたどりついたホノルル美術館。
暑かったなあ。
中庭のやばい犬ベンチ。2時でしまっちゃうカフェのほかに、中庭にコーヒーカートが出来ていた。これは嬉しい。
この美術館には小さい中庭がいくつもあって、とってもなごむ。
企画展の『Abstract Expressionism: Looking East from the Far West』を観に行ったのです。この展覧会は撮影禁止だったので、ハワイアン航空の機内誌に載ってたこちらを。
この展覧会は小規模だけどとても面白い企画で、1950年代〜60年代にアート界の注目をニューヨークに集中させていたジャクソン・ポロックやマーク・ロスコなどのいわゆる「ニューヨーク派」の抽象表現主義の画家たちの作品と、同年代に活躍していたハワイ出身の日系画家たちの作品を並べて展示するもの。2018年の1月までやってます。
テツオ・オチクボ、タダシ・サトウ、ラルフ・イワモト、イサミ・ドイなど、ハワイの日系画家たちは全然知りませんでした。会場の説明を読んでいたら、第二次大戦に従軍したあとGIビル(復員軍人用の学費援助)で美術学校に行った人も何人かいた。
日系2世や3世のアーティストたちは、ハワイという特殊な場所で、移植された日本の伝統を生き、50年代〜60年代の特殊な時代にニューヨークの画家たちととても良く似た手法でとても良く似た世界観を、同じように張りつめた抽象表現で発表していた。
でもポロックやロスコみたいなスーパースターが浴びていたようなスポットライトの輝く舞台に上がることはなかった。
日系でスーパースターのアーティストといえばイサム・ノグチ。ノグチ作品も展示されてました。
ルース・アサワという女性アーティストの、真鍮と銅の針金で作った吊るす彫刻がとても素敵だった。
この人も全然知らなかったです。カリフォルニア出身の日系2世で、第二次大戦中は家族と一緒に強制収容所に送られ、そこからクエーカーの奨学金を得て美術学校へ行ったという人。
金属が素材なのにオーガニックで繊細なかたちで、ゆらゆら揺れて美しい影を作る彫刻。ずっと見ていたくなる。
ハワイのアーティストというとネイティブハワイアンのアートやトロピカル系を思い浮かべてしまいがちだけど、当然ながら素敵な日系アーティストもいっぱいいるのだった。
これは、ハワイ州立美術館の1階にある小さなギャラリー(カフェの隣)に置いてあった、サトル・アベさんの作品。
この方の作品も、ホノルル美術館のこの「抽象表現主義」の展覧会にフィーチャーされてました。
1948年にニューヨークで学び、50年にハワイに戻り、60年代にはグッゲンハイム・フェローシップを受けている。
この人の作品、すごく好きー! ミッドセンチュリーモダンなセンスで、ハワイらしく、あたたかくて有機的でダイナミックで、でもシンプル。
この方です。91歳で現役!!
ちょうど翌週、ギャラリーのイベントに登場の予定だったのだけど、残念ながら帰る次の日で行けませんでした。
お値段も1000ドル台からと、たいへんお値打ち価格。
さいきんはやりのミッドセンチュリーモダンなお部屋にぴったりだと思いますよー。
そのうちハワイにお家を買ったらリビングに置きたいものです(涙。
こちらはホノルル美術館にある、超かっこいい観音菩薩像。
宋の時代の木像です。このポーズ!指!かっこよすぎる。
ものすごい存在感。ロックスターのオーラがあります。
ホノルル美術館の収蔵品は、小規模ながらアジア・中近東が充実。
やっぱりハワイは東西の文化が運命的に混ざり合う場所なんだなあ、とあらためて感じられる美術館です。