ノースゲートのほうに行く途中で、息子にカラスのたまり場を教えてもらった。
ノースシアトル・コミュニティ・カレッジがあるすぐ近くに今、小学校と中学校(たしか)が建設中で、かなり広い敷地が工事現場になっている。
そこに、奴らがおりました!ほんとにすんげーいっぱい!
ちょうど時刻は日暮れどき。
ゆうに1000羽くらいのカラスがこの工事現場に大集合して思い思いにくつろいでいる。
建設中のビルの屋根の上にも、 砂利山の上にも。
水たまりのまわりで水を飲んだり、砂利の上でなにかついばんだり、ただ高いところに止まって眺めていたり。
この写真ではあまりその多さが伝わらないかもしれないけど、ちょっとよく見てみてください。
地面にうようよいるだけじゃなくて、建築中のビルの上にもずらっと並んでるし、少し離れた砂利山の上にも、まるでアリのようにうじゃうじゃ。
イエローストーン国立公園のバッファローの群れよりもむしろ、野生の王国的な感銘を受けた。
カラスのほうがバッファローより観ていて面白いかも。バッファローは主に寝てるだけだったし。
カラス観察家の息子によると、ここから小グループにわかれてねぐらに向かうのだそうです。
(息子は大学の構内でもよくカラスを観察しているらしく、ときどき謎の大きな袋入りの殻付きピーナツを持ち歩いていてあやしい。
家のまわりでは絶対に餌付けをするなと厳重に言ってあるけど、ときどきバス停から帰る途中でこっそりやってるっぽい)
つまりここは、シアトル中のカラスが就寝前に集まる社交の場なんですねー。
集まってくるカラスたちは、クラブにいくワカモノたちみたいに、あるいは巣鴨にいくおばちゃんたちみたいに、わくわくしてるのかも。
カラスにもスクールカーストみたいなのがあるのかな。 イケてるカラスと、そうでもないカラスがいたりするんでしょうか。
電線にもびっしり。
シアトルにいるカラスは、東京にいっぱいいるハシブトガラスより小柄でほっそりしてます。
カラスのコミュニケーションを見ていると、ほんとうに面白い。
カラスの啼き声って何種類もあって、すごく表情に富んでいる。
奴らはリスより頭が良いことはたしか。ていうかリスの世間は狭そうだけど、カラスの社会はすごく広いし、いろんな決まりがあるようだ。
共同体がいくつも集まって大集団を作ったり、散ったりするって。いったいどういうコミュニケーションが成り立ってるんだろう。
特にサル山みたいにボスみたいなのがいるのでもなさそう。
でも、死んだ仲間をとむらう習慣はあるそうです。
人間の作り出した環境に一番よく適応してるのはカラスなのかもしれませんね。
ていうか、人間の社会といっしょに進化してるっていっていいのかな。