桜咲く季節になりましたが、それとは関係なく1月初めに行ったニューオーリンズの日記。
年末年始にかけて、ルイジアナ州シュリーヴポート~ミシシッピ州ジャクソン~ジョージア州アトランタ~アラバマ州モービル~ニューオーリンズ~シュリーヴポート、というコースでドライブ旅行をしました。 なんだかバタバタとしている間にニューオーリンズの写真をアップしそびれて、はや3ヶ月。
ニューオーリンズでは正味2日しかなかったので、沼地とフレンチクォーターに絞って散歩しました。
フレンチクォーターの建物は、カラフル。冬のニューオーリンズは決してトロピカルな気候ではないのだけど、ペパーミントグリーンの窓枠、サーモンピンクやレモンイエローの壁の色は、カリブ海のおすそわけのような南国カラー。
フォークナーはこのニューオーリンズも含むミシシッピ川沿いの土地は
「手品師が一方の手からもう片方の手へ閃かせるトランプの一束のように」
スペイン人からフランス人へ、そしてまたスペイン人へ、またフランス人の手へ、と何度もあるじを変えて、そして最後にアングロサクソン人がやって来た、と書いている。(『Mississippi』)
ニューオーリンズはフランス人が開拓し、スペイン統治の時代を経てフランス領に戻って、ナポレオンによってアメリカに売り渡されて、といろんな主人を持った町。
フランス、スペイン、アングロサクソン、アフリカから連れて来られた奴隷、そしてハイチから移住した自由黒人、といういろんなカルチャーが流れ込んだ町は、建物にも、食にも音楽にも、お祭りにも、沸騰するような独特の文化を作り上げた。
古い建物が保存されているだけではなくて、21世紀にも隅々まで利用しつくされているところがすごい。歩いているだけで、町の生命力に少し圧倒される。
そうして生まれたのがジャズであり、クレオール料理であり。
ニューオーリンズて、アメリカが現在のアメリカになっていく過程でなにげにとても重要な役割を果たした都市だったんだ、と、今回訪ねてみて、改めて実感しました。
風格ある猥雑な町でした。