2020/07/12

2058年の強いヒロインと美しい建物



アメリカはもはや何といってよいかわからない状況です。
毎朝、あたらしいニュースを見るたびに、不思議の国のアリスのような心境。

「ますますへんてこりんになってくるわ!」

東京で感染者200名が大ニュースになっていますが、フロリダでは1日の新規感染者が1万5,000件超え…。その中でディズニーワールドが再オープンとな………。


とりあえず現実から逃避します。

5月の話ですが、HBOの『ウエストワールド』をシーズン1から3まで一気に観ました。

面白いです。これだけはまったテレビシリーズは『ブレイキング・バッド』以来かも。

noteにも、ウエストワールドのビジュアルがすげー!という話と、暴力の話を書きました。



シーズン3の舞台は、西部劇的セッティングの「パーク」から移動して、2058年のロサンゼルスという設定。

シーズン3新登場のアーロン・ポールも良かったです。俳優陣はみんな素晴らしい。話もおもしろい。

そしてまた、シーズン3のビジュアルがめっちゃ素晴らしいんです。

パークを経営している企業Delosの本部は、バレンシアの芸術科学都市「Palau de les Arts Reina Sofia (ソフィア王妃芸術宮殿)オペラハウス


建築家サンティアゴ・カラトラバの設計。AD誌のサイトに紹介されていました。

こちらのサイトに全貌が見られる写真があります。かっこいいです。

ニューヨークの911メモリアルの隣にあるOCULUSの設計もこの人です。


建築の力ってすごいなと思いました。建物というものは、人が何かを感じる場所をつくるものだし、そこに来る人、そこで生活する人の意識にはたらきかけて環境を作っていくものなんだなーと、このOCULUSと911メモリアルを見てちょっと実感したのでした。(わたしはあの四角いメモリアルは好きではないです)

カラトラバさんがOCULUSについて語ってる記事がありました。

Even if at that moment it was a site of destruction, to approach a project like that in a city like New York, you really get from New York the very best that you can to restore and to recreate.
A new building should deliver a feeling of hope. And I have to say, it was not difficult.

(たとえ、そのときには破壊された場所であったとしても、ニューヨークのような都市でこれほどのプロジェクトに取り組むときには、ニューヨークという存在の中の最善のものを引き出し、再生し、再創造することになります。新しいビルは希望を伝えるものでなければならない。そしてそれは、難しいことではなかったのです。)

と語ってます。うん、希望が放射されている建物だった! あの場所にあの建物を作ってくれてほんとうによかったと思います。あれだけであの場所の「地霊」がだいぶ変わったと思う。


しかしこのバレンシアのオペラハウスは、完成後8年で亀裂が入りはじめて大問題になっているのだとか…。革新的であるってお金がかかることなんですね〜。


あと、『ウエストワールド』シーズン3にはもうひとつ、バルセロナの素敵な建築物がつかわれてます。


https://mymodernmet.com/la-fabrica-ricardo-bofill/



少しスチームパンク的なおもむきもありつつの、すっきりした力強いインダストリアルな造作と、ミッドセンチュリーのミニマルな美意識、自然素材と控えめな色彩でぴしっと端正に整えられた、大聖堂のように天井の高い空間。

なんともはや豪華な邸宅です。

バルセロナがどのくらい寒くなるのか知らないけど、このお宅って光熱費が相当にかかるでしょうね…。
庶民が心配することじゃありませんけど。




シーズン3のドロレスは、『攻殻機動隊』の草薙素子少佐をほうふつとさせました。きっとクリエイターの中には、あのシリーズのファンがかなりいると思う!




『ウエストワールド』は、シーズン通して、強いリーダーのキャラクターが全員女性であり、男性キャラの多くはアワアワしながらその後をついていく役回りというのも面白いです。






準主役のメイヴ(タンディ・ニュートン)。何を着てもほんとうにカッコいい。

衣装も素敵なんですよねー。(シーズン2の芸者コスチュームはいただけなかったけど)

そうそうNetflixで『攻殻機動隊』のあたらしいアニメのシリーズも公開されていて、ストーリーや設定は面白いんだけど、ビジュアルが駄目すぎて悶絶しています。
お金は相当かかっているそうなのですが…。

攻殻機動隊の新シリーズの舞台のひとつは2045年のロサンゼルスと東京。ウエストワールドの2058年も攻殻機動隊の2045年も、半分ディストピアで半分キラキラな未来都市という、わりとありそうな未来が描かれています。

いずれもわたしが生きて見届けることはないけれど、よい未来でありますように。



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