2012/03/21

梅の坂道


先日Inter Bay のスタジアムへ息子を送っていった帰り、見上げると、坂道が春でした。



道の両側にピンクと白の花が満開。のどかな景色。雨が上がって青空も見えちゃって。


よく見ると、梅、うめ~@@!! 梅の花だ! 
 シアトルで梅をまだ見たことがないので興奮してしまいました。

でも日本の梅のような芳香はありません。
小さいプラムの種類か。花のつき方や枝も微妙に違います。


これは桜のようだけど、枝ぶりと幹は梅っぽい。うーん、わからない。
桜と梅の区別がつかないなんて、ちょっと日本人としてどうなの? 

追記:桜博士、prunusさんに教えていただきました。 ベニバスモモと日本の梅のハイブリッドで、Blireiana flowering plum  という種類だそうです。
ハーフちゃんだったんですね!


 でも、シアトルってほんとにサクラの種類が豊富で、日本では全然見たことないのがたーくさんあるんです。


遠くから見ると同じピンクと白ですが、近くで見てみると一本ずつ違う木でした。
これは家の近くでも良く見かける「ベニバスモモ」かな?


 晴れたり降ったり忙しい、まだ寒い春です。

今年は3月半ばをすぎてもなかなか日中の気温も10度C以上に上がらず、雪だの霰だのが降ったりもするのに、花はもう待ちきれないようで、景色が明るくなってきました。



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2012/03/20

Multiculturalism の死?



Multiculturalism
n. 多文化性、単一社会における異文化の共存 (研究社『リーダース英和辞典』)

10年以上アメリカに住んできて、いろいろな文化が共存するというのは当然の事だと思っていたのだけれど、ヨーロッパではそうではないらしい。

「多文化社会は完全に失敗した」と、2010年にドイツのメルケル首相も宣言してて、かの地では「多文化化」には臨終宣告が出ているらしいのです。知らなかった……

アメリカでいう Multiculturalism とヨーロッパ各国のとは、定義が少し違うようです。


先週提出した学校の期末ペーパーは、Christian Joppke  というUCバークレー出身の教授がイスラム移民のベールに対するヨーロッパ各国(仏・英・独)の反応について書いた『Veil』という本のレビューでした。これに関連していろいろ思ったのでちょっとだけその件について。

ヨーロッパで今移民に対してひどく排他的になってきているのは、実際に移民が増えたのと同時に、失業率が高止まりしている上に、戦後以来の体制だった福祉社会を含む「これまでのウチの国」の存続が危ぶまれているからで、その不安に乗じてウヨク政党がこれまでリベラルで先進的だといわれてた北欧諸国でまで、驚くべき速さで中央に進出してきています。

実際にモスリムの住民による事件も先日あったばかりですが、これまでの伝統と調和を乱す異文化と暴力を持ち込まれた、という感情が高まってるのは事実のようです。


前述のメルケル首相の発言も、念頭におかれているのはモスリムの移民です。

フランスでは2004年に、イスラム教のベールをつけて公立校に登校してはいけない法律ができました。
でもこれは宗教的シンボルを目立つような形で身につけてはいけない、という決まりであって、同時にクリスチャンの十字架も禁止しています。

これは20世紀初頭に政教分離に成功してからずっと長い討論を続けてきたフランスの伝統に基づいた議論であって、「laicite」 という概念に乗ったものだというのです。

子どもが、生まれた背景や伝統や因習から「解放」されて、「進歩的な」中立的な場で学ぶためには、学びの場所に各自の宗教を持ち込んではいけない、という決まりを作るしかない、という考え方。アメリカ的感覚からするとずい分極端で無理があるように見えますが、とにかくスジは通っています。

これは「多文化化」ではなくて、世俗化という一つの価値観を一種聖域化した、「統合」を重視した考え方。「多文化化」とはむしろ反対を行っているとJoppke先生は言ってます。

翻って英国の場合は、実は政教分離が中途半端な形でしか進んでいない。英国では実に3分の1の公立校は教会が経営しているうえ、全部の公立校に「祈りの時間」があるほど、宗教色が強い。教会(英国国教会とカソリック教会)が教育への影響力を手放さなかったために、移民が増えた80年代になって、イスラム教などほかの宗教に対しても 同じ権利を授与しなければならなくなった。結果、イスラムの公立学校もできたし、モスリムの住民はますますモスリムだけの学校に集まるようになってしまい、「お互いに全く無関心な閉鎖的な文化が、たがいに関わりを持たずに並んでいるだけ」な状況になってしまったというのです。

しかも英国というのはその中心に成文化されたミッションや思想がないのが弱点で、多文化化もなし崩し的に進んできたため、移民の側からの「極端なクレーム」にいちいち対応しなくてはならないんだ、と Joppke先生は言います。

だから真に先進的な文明的な国家に移民を統合していくためには、フランスのようなモデルでがっつりした決まりのある社会を提示していくべき、移民はそれに合わせるべき、というのが主張のようです。




フランスのモデルは確かに立派で哲学的な実験ではあるけれど、結局背後にあるのはイスラム原理主義に対する肌で感じる警戒感が主な理由です。

Joppke先生の著作は、イスラム移民全体を原理主義とひとからげに捉えて論じているところと、ベールの禁止令について女性の権利問題として論じてしまっているところがどうにもこうにもイライラしました。
モスリムから転じて反イスラムの闘士となって原理主義者から命を狙われているHarsi Ali のような女性を持ち出してきて、ベールは女性を服従させる封建的シンボルだからいかんといい始めるのは、どうにも看板のすり替えのような気がします。
だってヨーロッパのおじさんたちが本気でモスリムの女性の人権のためだけに憤ってるとは思えません。

 そうではなくて、主に旧植民地だった地域からの移民が本国にたくさん流れ込んで来て、経済格差に不満を持って暮らしていて、それがイスラム原理主義と結びついて社会不安になるから、イスラム主義を助長するようなベールをかぶった女の子たちが増えると困る、だってイスラムって時代錯誤的でヨーロッパの価値観と折り合わないし、てことではないですか。後者の方はつけたし的理由であって主な動機じゃないでしょ?と思ってしまいました。

シアトルにも結構モスリムの人口が多くて、ベール姿の女性はあちこちで目にします。
特にソマリアからの難民はシアトル周辺で3万人くらいいて、全米で第三番目に大きなソマリア人のコミュニティがある地域なのだそうです。

息子の学校にもモスリムの子はかなり多く、ベール女子もよく目にするけれど、ベールが何かの問題になったことはまったくなし。問題になり得るという感覚がたぶんアメリカ人には理解不能だと思います。
あの911のテロのすぐ後でさえ、むしろモスリムの住民に対する嫌がらせを心配する声のほうが多かったように思います。

Multiculturalism はアメリカの自負心の中心近くにあるのだと思います。

というか、アメリカ文化には、奴隷制度の遺産て形ですでに異文化が埋め込まれていたから、いやおうなしにリクツにあった「中間の場所」を確認していかなければならなかった。公民権運動で「アメリカの理想」は何なのかが激しく問われて、その結果、たとえ多くの場合タテマエであっても、きちんと明文化されて、アメリカのアイデンティティになっている。

次々に流れ込む文化を消化できるだけの国土の広さとリソースも、自負心になってると思います。

ソマリア人の子たちはやっぱりあんまり学校でほかのグループと混ざり合わないらしいけど、それこそ「FOB」とか陰で言い合いながらも、アメリカの若者文化には求心力があるんじゃないかと思います。

ていうかそれだけまだ社会に余力があるってことなのか、北西海岸の若者たちは、意外とのんきです。


日曜日、近所のショップの壁に例のOBEYの人のグラフィックがはがれかかってて良い感じだったのでお買い物帰りに息子を前に立たせてみるも、ぜんぜんドラマチックにならず。むしろなんか道に迷った人みたい。ププッ。


Ç…ÇŸÇÒÉuÉçÉOë∫ äCäOê∂äàÉuÉçÉO ÉVÉAÉgÉãÅEÉ|Å[ÉgÉâÉìÉhèÓïÒÇ÷

2012/03/18

バースデー寿司とIKEAのたらこチューブ



先週のことですが、わたしの誕生日に、うちの大家さんのCTちゃん夫妻が近所でお寿司を買って来てくれました。
Ballardにはベーカリーとカフェだけでなく、かなりちゃんとしたおすし屋さんもあるのです。
これはO'shan Sushi からのテイクアウト。(さすがに出前はありません)

ふんわり甘い帆立、ぷちぷちのイクラ、とろりとした甘エビ~。
甘エビの頭をからっと揚げたのもついてきます。

ここは日本? と思ってしまうような、オーセンティックな江戸前寿司でした。


ケーキはわざわざ Bakery Nouveau で調達してくれたチーズケーキ。
CTファミリーは(ご夫婦とビーグル犬の3人家族ですが、イニシャルが全員CT)、ハワイの時からそろそろ6年くらい、ハウスシェアさせてもらっている大事な友人です。

わたしには理解できないほどものすごく親切な心優しいご夫婦で、CTちゃんも大学生兼主婦で試験前でめちゃめちゃ忙しいのに、わざわざプレゼントの買い物に行ってくれました(涙。

うちの息子があまり曲がらずに育ってくれたのも、CTファミリーが(含むCT犬<とても重要)良い距離で見守ってくれたおかげだと思っています。

1000キロ圏内に親戚も家族もいない代わりに、友達にはほんとに恵まれました。



プレゼントの一部。IKEAで買って来てくれた「たらこチューブ」。

きっとカナッペ用なのでしょうね。
中身は、マジたらこ! これでさっそくたらこたっぷりスパゲティを作ってみる予定です。

IKEA、結局1年以上行ってないけど新製品が増えたもよう。ああ行かなくちゃ。

右奥のはアンチョビ缶、左側のはベリー入りチョコレート。どれもパッケージがシンプルで素敵。
直球ど真ん中です。

CTちゃんとは、誕生日にこういう取るに足らないけれどつまらなくない細かいものを詰め合わせたお楽しみ袋をやり取りするのが、最近のトラディションになっています。



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2012/03/16

メキシコの唐辛子ロリポップ


先日近所のメキシカン食料品店で、友人CTちゃんが買って来たキャンディ。 

普通の飴だと信じて食べたら、かっ、辛っ?

しかもなんだか、ブツブツしていてやすりのような食感。

二人とも驚いて、なめかけの飴をゴミ箱に捨てた
どうやらペッパーと塩入りのキャンディだったようです。

でも次の日、こういうものだと思って食べてみると、これが意外とおいしい。
甘酸っぱいに辛しょっぱいと痛いが加わった、妙な快感の飴。けっこう癖になります。
試験勉強中、この刺激はちょうど心地良かった。
でも二つ続けて食べると、かなり舌がびりびりになるので注意が必要です。

真ん中にはタマリンドの果肉が入ってて、ちょっと梅干しっぽいような、ハワイのリヒンムイのような駄菓子やさんな香り。
 

きっと日本で売りだしたら、一瞬だけブームになりそうな気がするのですが。
それとももう売ってる?


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2012/03/13

Procrastinate ぐずぐず延ばし。





Procrastinate

vi) ぐずぐずする。先に延ばす。  
vt) 延ばす。 

(リーダス英和辞典:研究社)

子どもが小学校のとき、最初に覚えてきた「ビッグワード」(になるのかしら?)が確か、これでした。

宿題をさっさとやらないので、早くやっちゃいなさいというと、得意げに
I am a PROCRASTINATOR! 

…自慢するんじゃないと叱ったものの、私も全くもってぐずぐず屋。

さあ寝る時間はもうありませんという状況に追い込まれるまで、なかなか腰が上がらない。

この数日間、期末試験とペーパーと仕事の締め切りとが重なって、大変なことになっていました。少し山は越えたもののまだ続行中。

時間がたっぷりあるように思われる時には気が散って資料を読んでもなかなか頭に入らないのに、切羽詰まると集中するものです。3倍速で読める。

どうしてこう、崖っぷちに立たないと頭が動いてくれないのでしょう。
日頃からこの集中力があればどんなに仕事も勉強もはかどることか。 

 読みたい本、片付けたい書類、やりたい事がいくつもあるのにいつまでたっても山のまま。

したいことにそれぞれ締め切りを設定すればよいのですが、自分で決めた締め切りに崖っぷち的拘束力をつけるには、もっと戦略が必要のようです。




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2012/03/10

Uヴィレッジの桜


数日前、Uヴィレッジのスタバに行ったら、お店の前に桜が咲いてました。
種類はわからないけれど、濃い色の可愛い花。「寒緋桜」でしょうか?

一瞬、造花?と思ってしまったほど、鮮やかなピンクでした。

寒さの中、全然調子が出ないんだけど、よろよろ、という感じの八分咲き。
クリスマスからつけっぱなしなのか、木全体に豆電球が巻かれているのがなんだか気の毒でした。

University Village(ユニバーシティ・ヴィレッジ)、通称「U-Village」 は、シアトル近辺で一番好きなショッピングモールです。

わたしはアメリカのショッピングモールが苦手。とにかく巨大であればあるほど駄目のようです。

スケールが無駄に大きすぎて疲れるし、のっぺりした照明や、どこに行っても同じ店構えのブランドがずらずら並んだディテールのない建物を見ていると、何かがらんとした気持ちになってしまいます。

Uヴィレッジは オープンエアに平屋の建物が点在しているタイプなので、「モール」という感じがしないし、Anthropologie とかWilliams-Sonoma とか、見るだけで5分間くらい幸せになれる店もいくつか入ってます。



 シアトルでオープンエアだから、雨の日用にお店の間を渡りあるくための傘もあちこちに用意されてます。(写真は去年の初夏に撮ったので季節感がまったくズレてますが…w)

リゾート風の演出ですね。
パーキングの真ん中へんにガーデニングとお花の店を置いているのも良いし、植え込みや鉢植えもとてもセンスが良くて、「街角感」がよく出てます。

考えてみると、ホノルルのパールリッジ・センターや、拡張し続けるアラモアナセンターなんかは、かなりローカル色いっぱいの楽しいモールでした。 アラモアナの白木屋に行きたい……。



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2012/03/06

Pankoちゃんの冒険

夜遅く、買い忘れたものがあって、めったに行かない全国チェーンのスーパーSafeway に行ったら意外な文字が目に飛び込んできました。

Pankoちゃん。



パン粉です。

15年以上前…Once upon a timeですね…アメリカに住み始めた頃には、この日本風の粒の大きなパン粉は貴重品でした。
スーパーで「Bread crumbs 」と書いてある箱を買ってきてみると、砂のように細かい粉で、えびフライの衣にはなりませんでした。

西友で100円くらいで普通に買えたはずのパン粉は、当時住んでいたホノルルに数軒の日本食品スーパーにしかなくて、しかもパン粉のくせにとても高かったので、フライやカツを作るときにはいちいちミキサーでパンを粉砕して生パン粉を作ったものでした。

 
それがいまや全米チェーンの棚に並ぶようになったとは。
Progresso社のだけでなく、 Safeway ブランドのも!


思えばこの10年ほどで、日本食はアメリカの日常生活にじわじわ浸透してきました。

どこのスーパーにでもデリの冷蔵ケースのところにプラスチックの箱にはいった(少々怪しい)「SUSHI」が並んでいるし。 (カニかまぼことかが巻いてある、海苔なし「スシロール」ばかりですが)

インスタントラーメンやカップ麺も、普通に食生活に浸透したし。


Nisshin食品さんが頑張っています。ラーメンも「Picante Beef Flavor」 とか、「焼きそば」じゃなくて「CHOW MEIN」とか、完全にローカライズずみ。アジア系とメキシコ系住民の多いカリフォルニアがメイン市場なんでしょう。

スシロールといいピカンテビーフ味ラーメンといい、中国の麺が日本人の手で「ラーメン」に翻訳されたように、日本の食もアメリカン文化に翻訳されていくのですね。

Pankoちゃんはどんなお料理に使われていくのでしょうか。



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