この前、翻訳活動の音楽について書いてて、大切な人を忘れてました。Tobias Humeさん。トバイアス・ヒュームと読むらしいです。
YouTubeの無限連鎖で暗めのバロックをかけてて発見。
私の脳みそコンディショニングにはもう直球ストレートだったので、ここ数年非常にお世話になってます。
朝、マックの電源を入れたらとりあえずヒュームさん、という日も多い。
17世紀の軍人で作曲家で、ヴィオラ・ダ・ガンバの名奏者だったそうですが、この人がどんな人だったのか、あまり良くわかってないらしく、ウィキにもイギリス人「だったらしい」というきわめて曖昧な記述が。
そして冗談好きだったらしく、アルバムのタイトルも「MUSICALL HUMORS」となってて、二人でひとつの楽器を演奏するための曲とかも書いてたらしいです。シャレ男だったんですね。
このヴィオラ・ダ・ガンバっていう楽器の音がすごく好き!
チェロの前身かと思っていたら、「ヴァイオリン属とはまったく別系統の楽器」なのだそうです。
わたしは演奏者じゃないのでどこがどう違うのかはさっぱりわかりませんが。
そして実物をみたこともないのです。友人R子さんがチェンバロ奏者なので、チェンバロとかスピネットとかリュートの演奏はライブで拝見したことが何度かあるのですが、ヴィオラ・ダ・ガンバはなかったと思う。
チェンバロとかチェロも好き、というか、脳のなかを静かにいい感じに耕してくれるような気がします。
バロック音楽を聴くとアルファ波が出るとかいう人もいるけど、それはあくまで人によるんじゃないかしらー。
でも私の場合、ヴィオラ・ダ・ガンバとかチェンバロの音を聴くと、ほんとうに血圧が下がるのかなんなのか、頭のどこかで脳が静かになる何かの化学物質が出てくる気がする。
あっそうだ、この間「Apple Musicにはクラシックのチョイスが少ない」とディスってしまいましたが、このアルバムはちゃんとありました。
そしてさらにヴィヴァルディは集中できないといったのですが、ヴィヴァルディのチェロ・ソナタというのを発見しました。これは私的に、翻訳活動にぴったり。ヴィヴァルディさん、こんなに渋い曲も書いていらっしゃったんですね。
ま、その日によってコンディションはいろいろで、テンパッているとレッドツェッペリンやニューオーダー(ふふふ、懐かしいでしょ)をガンガン聴きながら翻訳活動ができる日もたまにあるです。めったにないし相当内容も限られるけど。
村上春樹との対談で、(『翻訳夜話』だかどうか、よく覚えてない。すみません。)で柴田元幸先生が「翻訳なんか人と話をしながらでもできる」というようなことを言っていた。
ほんとに頭の良い人は、弘法筆を選ばずじゃなくて音楽なんか選ばすなんですねー。
きっといつも脳みそのコンディショニングが完璧にできてて、ちょっとやそっとのことじゃ揺るがないんだろうな。