2016/08/06

頭に良いミュージック



この前、翻訳活動の音楽について書いてて、大切な人を忘れてました。Tobias Humeさん。トバイアス・ヒュームと読むらしいです。

YouTubeの無限連鎖で暗めのバロックをかけてて発見。
私の脳みそコンディショニングにはもう直球ストレートだったので、ここ数年非常にお世話になってます。

朝、マックの電源を入れたらとりあえずヒュームさん、という日も多い。

17世紀の軍人で作曲家で、ヴィオラ・ダ・ガンバの名奏者だったそうですが、この人がどんな人だったのか、あまり良くわかってないらしく、ウィキにもイギリス人「だったらしい」というきわめて曖昧な記述が。

そして冗談好きだったらしく、アルバムのタイトルも「MUSICALL HUMORS」となってて、二人でひとつの楽器を演奏するための曲とかも書いてたらしいです。シャレ男だったんですね。

このヴィオラ・ダ・ガンバっていう楽器の音がすごく好き!

チェロの前身かと思っていたら、「ヴァイオリン属とはまったく別系統の楽器」なのだそうです。

わたしは演奏者じゃないのでどこがどう違うのかはさっぱりわかりませんが。
そして実物をみたこともないのです。友人R子さんがチェンバロ奏者なので、チェンバロとかスピネットとかリュートの演奏はライブで拝見したことが何度かあるのですが、ヴィオラ・ダ・ガンバはなかったと思う。

チェンバロとかチェロも好き、というか、脳のなかを静かにいい感じに耕してくれるような気がします。

バロック音楽を聴くとアルファ波が出るとかいう人もいるけど、それはあくまで人によるんじゃないかしらー。

でも私の場合、ヴィオラ・ダ・ガンバとかチェンバロの音を聴くと、ほんとうに血圧が下がるのかなんなのか、頭のどこかで脳が静かになる何かの化学物質が出てくる気がする。

あっそうだ、この間「Apple Musicにはクラシックのチョイスが少ない」とディスってしまいましたが、このアルバムはちゃんとありました。


そしてさらにヴィヴァルディは集中できないといったのですが、ヴィヴァルディのチェロ・ソナタというのを発見しました。これは私的に、翻訳活動にぴったり。ヴィヴァルディさん、こんなに渋い曲も書いていらっしゃったんですね。

ま、その日によってコンディションはいろいろで、テンパッているとレッドツェッペリンやニューオーダー(ふふふ、懐かしいでしょ)をガンガン聴きながら翻訳活動ができる日もたまにあるです。めったにないし相当内容も限られるけど。

村上春樹との対談で、(『翻訳夜話』だかどうか、よく覚えてない。すみません。)で柴田元幸先生が「翻訳なんか人と話をしながらでもできる」というようなことを言っていた。

ほんとに頭の良い人は、弘法筆を選ばずじゃなくて音楽なんか選ばすなんですねー。
きっといつも脳みそのコンディショニングが完璧にできてて、ちょっとやそっとのことじゃ揺るがないんだろうな。


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2016/08/04

シアトルはもう秋…


8月にはいると、シアトルはすでに秋の気配。

人間はまだぜんぜん真夏のつもりでやる気まんまんなんだけど、植物たちはもうそろそろ葉の色が変わっている。

朝晩はとってもひんやりしてますし。いっそ日本の蒸し暑さが少し懐かしい。


近所の道端にある果樹もだんだん実ってきて重そうです。


ナシやリンゴが枝もたわわに。

大豊作らしい。

ハワイに住んでたときはマンゴーがよく落ちてたなあ。そろそろマンゴーの季節でしょうか。

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2016/08/03

美しいオクラたち

土曜日にワシントン大学近くの「ユニバーシティ・ディストリクト」通称「Uディストリクト」で開催されているファーマーズマーケットにいってきました。

ここにジャパニーズ野菜が売られているという情報をゲットしたからです!


入り口にあった、ねぎタワー。

ここのマーケットは、うちの近所(バラード)のよりも八百屋的にずっと充実してました。本気で野菜を攻めるならこちらですね。場所も広いし、出店数も多い。


あったよ!日本の野菜を売ってる店が!
小ぶりでピカピカの柔らかいオクラとミョウガ! 

オクラはいつも行くスーパーにも売ってるけど、筋張っていて巨大だったり色が黄色っぽかったりして、いまいち美味しそうじゃないことが多い。西友ならふつうに売っているような、こんなピカピカの野菜はなかなかアメリカンスーパーマーケットじゃお目にかかれないんですよ、奥様!

オクラ、ミョウガ、共に各4ドル50セントなり。紀ノ国屋スーパーなみのお値段だなあ。
プレミアムオクラ。

それでも、これでぶっかけそうめんが食べられるなら価値ある9ドル。
葉つき大根ときゅうりと共にレジに持っていったとき、気づいてしまった。


財布に11ドルしか入ってなかった。ATMに行っておくのを忘れた!

ここの八百屋さんはキャッシュオンリー。

泣く泣く大根ときゅうりを戻しましたよ。
ピカピカの茄子も買いたかったのに。

また近々リベンジだ!

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2016/07/31

どろぼう猫と、翻訳活動のための音楽



YouTubeで出会った、どろぼう猫!

( ゚д゚)ハッ!………。 という顔に萌え萌え。何度みても、なごみます。

Sebastian Stosskopfというドイツの画家(1597–1657)の「台所の静物と猫」という絵だそうです。1650年製作。


パッヘルベルの室内楽のビデオについてました。

クラシック音楽に関してはApple Musicのセレクションがいまいちなので、ここのところ仕事中はYouTubeがつけっぱなしになってることがほとんどです。

だいたい聞く曲きまってて、超マンネリ。

わたしの場合、翻訳活動中は、聞ける曲がかなり制限されます。

コンディションにもよるけど、わたしは非常に意識がウロウロしやすい性質なため、歌詞つきの曲を翻訳活動中のバックグラウンドミュージックにしていると、かなりの確率で気が散ります。

安全なのはクラシックかジャズ。

しかし、クラシックでもモーツァルト以降の曲はダメな時が多い。

曲のほうに意識が向けられすぎちゃって、気が散るのです。ドラマを見ながら翻訳ができないのとおなじ。

ラフマニノフの協奏曲なんかかけた日には、19世紀の大河ロマンが目の前に繰り広げられてしまい、もう全然仕事が手につかなくなる。

ベートーヴェンも壮大なドラマに巻き込まれてしまうし、モーツァルトは…

モーツァルトは、電車で隣に座った女子高生のおしゃべりを聞いてるような感じ。
ちょっとそこ!静かにしてっ!
と脳内ハムスターが叫びだします。

モーツァルトの音楽が女子高生に似てるという意味ではなくて、あくまで私の脳の反応がそれに似たものと出会ったときの状態に似ているということです。いや、似てるのかな。

モーツァルト大好きなんですけど、聞きながら何かほかのことに集中するのは難しい音楽だと私は思う。

結局一番良く聞いてるのはJ.S. バッハと、その少し前の頃のイギリスかドイツのバロック音楽など。バッハだったら大体なんでも大丈夫。カンタータでもある程度までなら大丈夫。

バロックでも、イタリアものは、仕事をしているときに聴くとイラッと来ることが多くてダメ。
ビバルディもほとんどダメです。これも「隣から聞こえてくるおしゃべり」的に、脳のどこかを刺激されるらしい。

パッヘルベルさんは、「カノン」で有名ですが、このドロボウ猫つきビデオの曲はもっと控えめで、仕事がしやすい状態になる。かなりヘビロテで使わせていただいてます。


こちらはパッヘルベルさんの有名な「カノン」。
よく結婚式でつかわれるやつ。この動画の演奏はテンポ早くて気持ち良い。


あとはルネッサンスのリュート音楽とか。

60分くらいのをひとつ選ぶとYouTubeさんが延々とつなげてくれるので気づくと何時間もそのままなのですが、時々ルネッサンスの音楽につかわれている絵画に、とんでもないものがあってびっくりする。

同時代の15世紀から16世紀に描かれたものらしいけど、なぜか変な絵が多いんですよ。

この猫の絵どころじゃないんですよ。一番ヘンだったのは、娼館らしくハダカの女性と男性がずらりと並んだ風呂おけのようなものに入って食事をしているところへ、正装した聖職者が入ってくるというもの。なんなんだ一体。16世紀ベネチアの音楽についてたやつでした。

そのほかにも、ルネッサンス期の音楽についてる絵ってちょっと公序良俗に反するような、男性誌グラビアみたいなテーマの絵が多い。

ここでは引用しないけど、興味がある方はルネッサンスの音楽をYouTubeで探してみてね。 

時代は飛んで、エリック・サティの「ジムノペディ」と「グノシェンヌ」の9曲セットも、ヘビロテです。

モーツァルト以降の近代の曲で仕事用に使えるのが、このサティの9曲と、ショパンのマズルカと練習曲、それからシューマンとリストの曲の一部。ショパンのほかの曲は演奏者によって違う。
ルービンシュタインならバラードでもスケルツォでも大丈夫なんですが、アルゲリッチの演奏だと脳が全部そっちにとられちゃう。


脳内メモリをさらっていく情熱の女、アルゲリッチさん。

ジャズも、1960年代くらいまでのピアノがメインのジャズが一番落ち着く。てっぱんはビル・エヴァンスです。

ビル・エヴァンス2枚とバッハの無伴奏チェロ組曲とフランス組曲は、iPhoneにも緊急用に入れてあります。

総合すると、暗めのトーンで、あまり感情の振り幅が大きくない、かっちりした感じの音楽がいいようです。

たぶん脳のメモリがあまり大きくなくて、翻訳活動中にはかなりもう容量ギリギリのリソースが必要なので、音楽のほうにちょっとでもメモリがとられると、一生懸命回っている「脳の中の翻訳活動に必要な部分」が機能しなくなるのではないかと思う。

これは翻訳でなくても、小難しい本やなにかを読んだりするときも同様です。

ルネッサンスなどの音楽が脳にラクなのは、音楽を処理する担当の部分がアイドリング状態になるのに合っているような気がする。あくまでイメージですけど。

音楽担当部分が大きめのギヤでゆっくり回転しているそばで、言語担当部分のハムスターが必死でくるくる車輪を漕いでるというような感じです。



サティのジムノペディ3曲とグノシェンヌ6曲セットの動画。
このHD画像はどこからとってきたものか知らないけど、ものすごくキレイで見とれてしまいます。


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Cicchetti


CT夫妻がしゃれおつレストランに連れてってくれました。
イーストレイクという場所(ダウンタウンとフリーモントの間でユニオン湖沿いのエリア)にある、Cicchetti。「チケッティ」と読むらしい。
建築家の家だったという民家を改造したお店です。

オーセンティックなステキお鮨屋さん「たむら」の近く。


アマゾン本社キャンパスも建設中のサウスレイクユニオンが破竹のいきおいでビルを増やしているので、その隣エリアのイーストレイクも最近は人が多くなった。だんだんこの辺のお店に行くときのパーキング(路駐)が難しくなってきました。そんなに行かないけど。

パティオもあって、そちらは満席。2階もあるらしい。

アットホームな感じの面白いシャンデリアです。


居心地よさそうなバーにもカウンター席がいくつか。日の長いシアトルの夏の夕方、日没は8時半すぎ。午後8時くらいでもちょうどこんな感じに、ユニオン湖ごしの夕陽がギラギラ差し込みます。


前菜。ビーフのタルタルと、あと何だったか忘れてしまった。なにか海苔のふりかけみたいなものが載っていた。なんだっけ。
料理は地中海風。美味しゅうございました。

ボリュームは、前菜も主菜も、ここは日本かと思うくらいの上品な分量で軽くびっくり。イーストレイクのレストランはアメリカンサイズではないのでござるな!

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2016/07/28

スカイ・イズ・ザ・リミット


木曜日の民主党全国大会のヒラリーの演説。テレビの前に座って見ちゃいました。

民主党は今年は真っ二つに割れていて、一時はどうなることかと思われたものの、「TOGETHER」の旗でいっぱいの会場は、初日のクリントン(夫)(これは見なかった。息子は面白かったといってた)、2日目のオバマ演説の「トランプがなんといおうと、アメリカはちゃんとしてるんだ!」という前向きなトーンを受けて、まとまっているように見えました。ヒラリーの演説もオバマに負けずおとらず、感動的だった。

「アメリカはオレに任せろなんて言ってる人がいますけど(トランプ)、なんであれ一人だけで何か大したことができるなんて、そんなことはちゃんとしたアメリカ人だったらウソだって知ってますね。私たちはどんなことでも、力を合わせて、共に成し遂げるんです!」というような内容で、打倒トランプ、アメリカの精神ブラボー!で盛り上げた。

ヒラリーの演説で会場が沸いてたのは、「格差是正」「社会正義」。
サンダース支持層がここまで大きくならなかったら、メインストリームのヒラリーがここまではっきり社会正義方面に振れることは絶対になかったに違いない。

この日の指名演説で、ヒラリーは、
「90%の富をほんの一握りの人が握ってる。これをなんとかしなければ」
「フルタイムで一生懸命働いている人が貧困レベルということがない社会に」
「企業にはもっとお金を出してもらう。国内で仕事を増やさせる」
 さらには
「大統領になったら、サンダースと一緒に、大学を無料にする」
とまで言った。
そのとき、会場にいたサンダースが「Yeah, right(ホントかさ。よくゆうよ)」といった感じの憮然とした顔をしてるのが映っていたのが印象的でした。(そのように見えた)。

初の正式な女性大統領候補として指名されたことを誇りに思うと言って「(それまでガラスの天井と言われていた)障害がなくなれば、誰にとっても無限の可能性が開けるのです(the sky is the limit )」 という、輝かしい宣言で締めくくった党大会でした。

今回の大統領選挙は予備選の前からほんとうにもう何も見たくなくて、アメリカはもしかして大統領制をもう止めたほうが良いのではないかと思っていたのだけど。

ヒラリーはどうして嫌われるんだろうか。ヒラリー嫌いという人の話をきくと、どうも生理的に反発しているようなニュアンスを感じることが多い。恐いママの記憶が呼び覚まされたりするのだろうかw


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水玉の原点と竹橋のビルディング


竹橋にある国立近代美術館の、草間彌生さん1950年の作品。ライトでてかってる。

今まで見た草間彌生作品の中で、一番好きだ。
あの水玉の原点はここにあったのか!と、勝手に納得。

いや全然違うのかもですけど、これを見たら、なんだかほかの水玉作品も身近に感じるようになった。

近代美術館の常設展は、大人430円、学生130円!で、近代から現代までの素敵な作品がいっぱい見られるので、かなりコスパが良いです。

皇居もすぐ目の前で広々しているし、東京駅もブラブラお濠沿いに歩いて30分足らずだし、東京見物のマストゴー。となぜか売り込む。


 橋をわたってすぐとなり、竹橋駅の上にある毎日新聞社の入ってるパレスサイドビルディングビルも、昔から好きなビル。

すっきりしていながら、細部がかわいい。愛想のいいビル。とっても60年代。
1964年完成ですって。

昔はこの中に「輪転機」があって、新聞を刷っていたんですよ。


正面玄関のこの妖怪っぽいヒサシと階段も素敵だし、エレベーターホールがすごくカッコいいんですよー。

スタートレックに出てきそうでしょ。
ちゃんとした写真撮れなかったので、パレスサイドビルのサイトからお借りいたしました。


この階段も素敵。

地下は昭和な感じのレストラン街になっていて、それもまた味わい深い。
おいしい定食が食べられそうな感じです

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