2017/07/12
地下鉄の人々
残念ながらA列車に乗る機会はなかった、ニューヨークの地下鉄。
6番とJと、あと他にも乗ったかな?
各駅にある、このクラシックなモザイクタイルの駅名表示が素敵。
しかし、駅の多くはめっちゃ汚い。
このホームは使われてないのかもしれないけど、ゾンビ映画に出てきそうな荒廃ぶり。
使われているホームもふつうに老朽化してる。暗いし。
ホームの改修までお金が回らないの?地下鉄って黒字なの赤字なの?
マダムMはどの駅もデフォルトで「ふんにょうのニオイがする」と驚いていらした。
超かわいいぼんぼりヘアを発見。
うちの子は息子でよかったなー。綺麗に編み込みにしてたり束ねてるブラックの女の子を見ると本当にそう思う。男の子はとりあえず刈っておけばいいから楽ちんでした。
反抗期のころ突然半年くらいアフロ君になったことがあったけどな。
もちろんベビーカーで車両に乗っても誰も文句いう人はいませんでした。ラッシュではないけどね。
地下鉄に乗る人の構成は地区によってかなり違う。
マンハッタンの東側を南北に走る6番に乗ってアッパーイーストのあたりにさしかかると、急に身なりの良い人々が乗ってくる。
ブランドリテラシーの高いマダムMはするどく観察していて、「バーキン持った子が乗ってきてた!」と目をまるくしてらっしゃいました。全身数万ドルくらいしそうなどこかのハイブランドを着てる人もいたそうです。
東京の地下鉄に比べたらそんなに複雑じゃないと思ったんだけど、でもしかし、乗る方向を3度ほど間違えて、一度はぼーっとしてたらみんなが下りて人っ子一人いなくなって動き出した車両にマダムと2人取り残されていることに気づき、えっ車庫行きなの?車庫に行っちゃうの?とパニックになり、インターフォンを押したらすぐ係の人がでてきた。でも車庫にはいかず、次の駅についたら人が乗ってきた。なんなんだー。
一度はアップタウンに行くつもりでブルックリン行きに乗ってしまい、気づいたら橋をわたってた。どんくさー。
橋の反対側で逆方向にお乗り換え。
なんだかのんびりした落書きが多いブルックリンのウィリアムズバーグ橋のあたり。
LOVE MEと要求するビル。
電車の窓からビルを見るのは久しぶりー。なんだかこれだけでハイテンション。男子小学生か。
電話をみる人々。
地下鉄の駅は電波が入るけど、駅と駅の間はほとんどだめだった(T-Mobile!)。
2017/07/11
巨大すぎる新興成金国の駅
ニューヨークのグランドセントラル駅。
広っ。
隣接する地下鉄の駅から出てきて、このとほうもなく広いコンコースにとにかく圧倒されてしまいました。
このムダな広さ。宮殿のようなきらびやかさ。
近郊へ行く列車が発着する現役の駅だけど、ホームは地下にあるので、このコンコースは駅だかなんだかわからない不思議な巨大空間。
いろんな映画でも見たはずなんだけど「あー映画で見た見た!」とはならない、既視感を感じようのない広さ。
とにかく広さとむやみな天井の高さにおされて「うわー」「すげー」しか言えなくなる。
ティファニーブルーの天井に星座が描かれている。こんなディテールも全然知りませんでした。
この駅はボザール様式の代表作なんだそうだ。落成は1913年。
『ダウントン・アビー』シリーズ1の時代ですよ!タイタニックが沈没した翌年。
第一次世界大戦が始まる前年。
ドラマチックな時代だ。
ボザール様式というのは、パリの建築学校École des Beaux-Artで学んで帰ってきたアメリカの建築家たちとその弟子たちがアメリカのあちこちに建てた、新古典様式のきらびやかで壮麗で装飾の多い、神殿チックな建物。
シアトルではせいうちビルとかがボザール様式なのだそうだけど、うーん、やっぱりニューヨークの建物はスケールが違う。
なぜこんなにでかいのだ。
『ダウントン・アビー』にも克明に描かれてましたが、ヨーロッパ諸国が大戦を経てだんだんと傾いていくのに対して、アメリカは飛ぶ鳥落とす勢いでのし上がっていく、ちょうどその勢いがつきはじめたのが1913年頃だったといっていいんでしょう。
まだ当時、文化の中心はヨーロッパ。
マンハッタンの上流階級の方々は、あからさまに新興国の成金をバカにするヨーロッパの貴族な人々に若干の引け目を感じつつ、ふん実力はこっちの方が上だぜバカヤロー、これからはアメリカの時代だ、と思っていたのではないでしょうか。
ボザール様式のこのムダに巨大な駅にも、マンハッタンにあるそのほかの巨大建築にも、そういう新興国アメリカのヨーロッパに対抗する強烈な自意識がいっぱいな気がする。
『ダウントン・アビー』の見すぎかしら。
シーズン3くらいで出てきたシャーリー・マクレーン演ずる強烈なママを思い出す。
マギー・スミスのバイオレットおば様との毒舌対決が素敵だったなー。
そしてこのボザールな大空間の中二階にはなんとアポーストアがあった!
前知識いっさいなしで旅行をすると、さくさくと効率的に観光地をまわったりはできないし致命的な見落としをしたりするけど(カッツ・デリカテッセンのパストラミを食べ損ねたりねー)、新鮮なびっくりがあって楽しいです。
オープンは2011年、当時は反感かったりもしてたようですが、待ち合わせ場所には最適だよね。
20世紀初頭のアメリカの野心あふれる駅にあまりにも自然に溶け込んでいて感動。
でもここ、ジーニアスバーだけじゃなくてカフェにしたらいいのに。
シアトルだったら絶対にコンコースにエスプレッソスタンドが2つはできると思う。
このシャンデリアがいいなー。これは最近のものなのか、モダンな雰囲気だけど出しゃばらず、派手すぎず、適度に華麗でボザール空間にすごく良く合ってる。
(追記:これは1913年のオリジナルでした!当時の最新テクノロジーを駆使したむきだしの電球でいっぱいのマーベラスな駅だったそうです)
参照サイト:Everything You Never Knew You Wanted To Know About Grand Central Terminal
デコレーションがっつりのボザールなファサード。
ティファニー製の時計が有名なのだそうだけど、もちろん知らなかった。
グランドセントラル駅のすぐうしろには1960年代のインターナショナルスタイルのメットライフビル。
背景にはアールデコの代表作クライスラービル。
いろんな時代の様式のサンプルを集めたみたいな一画。
2017/07/09
幸せになるお粥
ニューヨークにて。
イーストビレッジの外れ、地下鉄の駅の近くに「粥之家」という店を発見。
マダムMと2人、かならず行こうねと固く誓い、数日後の朝食におもむきました。
店の前にものすごく頑丈な鎖で縛られてる自転車。このものものしい鎖はニューヨークのあちこちでみかけた。 しかもぐるぐる巻き。
さてお粥です!こちらはマダムMのご注文された蟹いりお粥。
わたくしはごくシンプルに皮蛋いりおかゆ。
ぐつぐついう土鍋にはいって登場して、これで1人前6ドルくらい。やすっ。
もう本当に幸せ。米ってなんてうまいんだろう。
死ぬまで一つの品目しか食べられない刑に処されたら、迷うことなくお粥にするな、ラーメンではないな。
できればパクチーとネギとゴマも添えてくれたら、たぶん一生そこそこ幸せに暮らせると思う。
ごちゃごちゃチャイナと隣のイタリア
マンハッタンのチャイナタウン。
悪い夢から出てきたような金色のペガサス(…なのか?)が飛んでいました。
すいかの種をはりつけたみたいな目がツボ。
たてがみがツノツノなところも、ほのかに邪悪な気配を感じさせる。
ウエストビレッジのスーパーで食料品のあまりの高さに目が飛び出そうになったけど、さすがにチャイナタウンはマンハッタンでも良心価格。
ここでなら生活できそうな気がしてほっとする。生活しないけど。
マンゴー4個で5ドル!
見過ごすことができず、朝食用に2個買って帰りました。
チャイナタウンはどこもカオスなごちゃごちゃ感とパワーでいっぱい。
そのすぐとなりはリトルイタリー。
リトルイタリーは、想像していたよりもずっとチャイナタウン的でガヤガヤした観光地だった。ていうか、チャイナタウンとの境界上に「リトルイタリーへようこそ」みたいな簡単なゲートがあるだけで、チャイナとイタリーが同じ密度でこってりとせめぎ合っている。
上野広小路〜アメ横みたいな雰囲気。
雨が降ったりやんだりの1日でした。
歩きづめで疲れて投げやりになっていたらしく、リトルイタリーの写真はこれだけ。
そしてリトルイタリーで何を食べたかというと、アジアフュージョン料理だったのでした。
2017/07/08
クールな翻案ラーメン
ニューヨークに行ったらラーメンを食べようと楽しみにしていたのです。
だってニューヨークは最近ラーメン激戦区になったって聞いてたし。
とくに「モモフク」は「ニューヨークの人気ラーメン」という話を何度も聞いていたので、よし絶対行こうと期待していたのでした。
ニューヨーク市内でスイーツの店とバーも展開してて、トロント、DC、シドニー、ラスベガスにも支店があるという。
ちょうど、イーストビレッジで泊まったアパートから徒歩数分のところにNoodle Barがあったので、マダムMと連れ立っていそいそと出かけましたよ。
店内はほぼいっぱい。グループ席を待ってる人が並んでたけど、2人だったしカウンター席が空いてたのですぐ通してくれた。
すっきりクリーンな白木のインテリアは、日本のラーメン屋さんにもありそう。
店員さんはみんなテキパキ働いてるし、分業が完璧で面白い。
厨房から出てきた料理をチェックする係の人もいた。
お客さんは8割方白人。
モモフクラーメンを注文。16ドルなり。2杯でじゃないよ1杯だよ!
やってきたモモフクラーメン。
超薄切りナルト、ローストポーク、温泉卵、ナムル的なもやしなどがトッピングされている。
味は、んー???
マダムMいわく、「人にたとえるといつもポカンと口をあけてる人みたいな味」ってwww…言い得て妙だよ。
ラーメンだと思うと、かなり物足りない。
スープはなにかケモノ的な匂いがしました。
オーナーは韓国系アメリカ人のデヴィッド・チャンさんで、日本でラーメンをかなり研究したらしい。
その上でアメリカ人向けに翻案したラーメンということなのか。
しかし16ドルはたけーよ。
デザートに「チョコレート・モルト・ケーキ・トリュフ」5ドルを頼んでみた。
これも、んんん?
普通の柔らかいクッキー?
なーんだ…(´・ω・`)……。
また別の日に行った、アイヴァン・ラーメン。ここもイーストビレッジのご近所だった。
ここは東京でラーメン店を開いて繁盛させ、ガイジンのサクセスストーリーとして有名になったアイヴァンさんの店。インスタントラーメンまで作られてたらしい。
東京のお店はたたんで、ニューヨークの2店に注力しているそうです。
アイヴァンさんはハワイのフードイベントにも招待されていた有名人。
ここもお店はすっきりした日本的なインテリア。カウンターの後ろに松本大洋的なMANGAが飾られてる。
あのコミックは誰の?と、カウンターのキュートなお兄さんにきいたら「ネイサン・フォックス」さんのだそうです。日本人作家かと思った。
コースターのデザインも可愛い。
わたしは担々麺的な「スパイシーレッドチリラーメン」、マダムは「トーキョー塩ラーメン」を注文。
写真提供はマダムM。こちらがスパイシーレッドチリラーメン。
東京塩ラーメン。えのきがナマでトッピングされておる!
ここも各16ドル。
味は…かつをだしの香りがする上品なスープなんだけど、やっぱり
「さあラーメン食べるよ!」
と思ってとりかかると
「んー……?」
となるのであった。
やっぱりこれは日本の洋食の逆バージョン、大根おろしをのせた醤油味のハンバーグとかスパゲッティナポリタンみたいな、翻案ラーメンなのだろうと思う。
オシャレな東京風パッケージの、ちょっとミステリアスなプレミアムヌードル。
パンチのあるラーメンを期待してがっくり来ても、16ドルのラーメンを喜んで食べるお客さんがたくさんいて繁盛しているんだから、「これは妙ちきりんなラーメンだ!」と文句をいうのは「カリフォルニアロールはスシじゃない!」と怒るようなものかも。
でも16ドルはたけえよ。
この次ニューヨークに行く機会があったら一風堂に行くよ。
2017/07/07
イーストビレッジのソルティピンプとか
ニューヨークでは、グリニッジ・ビレッジの次に、イーストビレッジに数日滞在しました。
ここもAirBnBで、マダムMが見つけてくれた。
ニューヨークではうっかりすると5階でもエレベーターなしという体育会系のアパートが多い中、 ここはエレベーターありのビルで助かった。しかしドアは手動という微妙に面白いエレベーターだった。
立て込んでるのでどこのビルにも明り取りの中庭がある。
イーストビレッジは、ウエスト(グリニッジ)ビレッジよりもぐっと庶民的。
ちょっと歩くとリトルイタリーで、チャイナタウンも頑張れば徒歩圏内だった。
意外と庶民派のマダムMもこのエリアがお気に召したそうです。
わたしもすごく好きー。
シアトルでいうと、バラードをもっとごちゃごちゃにした感じ。
東京でいうと、下北沢的な感じではないだろうか。下北沢はもう20年以上行ってないので今はどうなってるのか知らないけど。
「ホールフーズ」じゃなくて「ホールサムフード」マーケットがあったww
見た目庶民的なのだけど、AirBnBのホストさんによるとこの辺もすんごくジェントリフィケーションが進んでて、だから夜中に出歩いてても全然平和なのだそうです。
実際、古いビルの中にお洒落なバーとかレストランがたくさんあって、平日でも夜遅くまで若者がたくさんいた。
かと思うとこんなネイバーフッドのマイクロ公園があったりする。
地元有志が管理してるっぽいガーデン。このちっちゃい公園も日本のガイドブックに載ってるそうで、マダムが予習してきていた。ここだけ見るとヨーロピアンみたいですね。
かと思うとこんな目を奪われる配色のビルもある。
少しチャイナタウンのしっぽが伸びているようす。
ニューヨークは大体どこも落書きとステッカーでいっぱいだった。
「the System is NOT self-correct」(システムに自浄作用はない)
アンチ体制なスピリットが生きている東村。
ニューヨークに比べると、シアトルって小奇麗な街だよなと思った。だいたいほとんどゴミが落ちてないもん。
有名らしい「Big Gay Ice Cream Shop」の「ソルティピンプ」という素敵な名前のソフトクリーム。
お洒落なフライドチキンの店。これも内装といい、地産地消のメニューといい、バラードにありそうすぎる。
マダムとレモネード。
チキン&ワッフルはかわいいサイズ。でもちょうどよい。おいしゅうございました。
AirBnBのホストさんは、俳優兼ダンサーをしている方で、エンタメ情報をたくさん教えてくれた。
すぐ近所にあったこのジャズ・クラブもそのひとつ。カバー10ドルでした。この日は、この店でもう10年も毎週演奏してるというスイング・ジャズのバンドが入ってた。
ミュージシャンも観客も大半は白人。年齢層は20代から90代までバラバラで、若いアジア系のカップルが1920年代風の格好をしてスイングで踊ってて楽しそうでした。
イーストビレッジはほんと居心地良かった。また行きたい!
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