Vashon Island (ヴァション島)に行ってきました。「ヴァッション島」て書いてあることが多いけど、「ヴァション島」のほうが似合う。ていうか、音つまってないと思う。
どちらかというと「ヴァショ~ン」て言ってる人のほうが多い気がするんですけどいかが?
いずれにしても例によってこのへんの地名にありがちな、バンクーバー船長一行様が18世紀に勝手につけて去っていった、土地とは一切なんの関係もない船長の友人の名前ですが。
シアトルからもすぐ目の前に見える、わりと大きな島。マンハッタン島の1.5倍強だとか。
キトサップ半島からは石を投げたら届きそうなくらいの距離です。
橋がないので、足はフェリーだけ。
ここです。
橋がないかわりキサップ半島とタコマとシアトルの西側の3箇所から、フェリーがでてます。
こんなに都市圏に近いのに、孤島。
今まで行ったことがなかったのは、べつに行く理由が見つからなかったから。
特に何かそこを目指していくような目立つランドマークがあるわけでもないし、ベインブリッジ島みたいにオリンピック半島への通り道でもないし。
どこかのファーマーズマーケットで、山羊のチーズを売ってる生産者さんがこのヴァション島から来てたので、「ヴァション島=やぎ農場」とインプットされていました。
ヴァション島に長年住んでいたという人に以前その話をして、むっとされるかと思ったら「そうそうそう、やぎいるいる」と同意してくれた。
行ってみて、期待はちっとも裏切られませんでした。
シアトルまでフェリーで20分の山羊の島。道ばたの民家の裏庭に、ほんとに山羊がいた。
人口1万人ちょっとだそうです。
とにかくのんびりしてます。 シアトルも結構のんびりした街だけど、またここは別次元ののんびりさ加減。
土曜日で、マーケットが花盛りの木の下で開催中でした。
これまたちっちゃなマーケット。
ファーマーズマーケットというより、半分はクラフトフェアみたいな。
このラブリーな手作り籠のお店は、近くに住むおばさまが自分で作った籠と庭で穫れた野菜を少しずつ並べて売ってる屋台。ネイティブ・アメリカンの籠を参考に自分でデザインしたもので、胡桃をアレンジしてあったりするのが素敵。
こちらは手作りのボウルやお盆やコマ。
お値段は籠もボウルもかなり高額です。小さな手乗りサイズで50ドルくらい、大ぶりのボウルなら200ドルくらい。
自分で作って売るとしたら、時給考えていくらで売りたいか考えれば当然の価格ではありますね。
ピア1やターゲットで売ってるのとは思想と生い立ちの違う工芸品です。
この木の器はいいなあと思ったけど、ほいほい買えませんです。
シアトルにこれだけ近くて(フェリーでウェストシアトルまで20分)、これだけのんびりしているので、そういう環境が好きな人びとを惹きつける。
昔からヴァション島にはアーティストが多いそうです。
マーケットの並びにあったギャラリーは、この島に住んでいるアーティストが共同で出資して作品を並べているCOOP式ギャラリー。ぜんぜん作風が違うのが並んでるのがコミュニティっぽくて面白い。
町にはこのほか、スーパーと金物屋と、犬のいるブックストア(↑)など。
そして本屋さんの隣には、お茶屋さん Vashon Tea Shop がありました。
ふつうの家のリビング、ていうか日本の家の洋風茶の間みたいなごちゃごちゃしたインテリアで、全然オシャレなお店ではないんですが、お茶の種類がとても豊富で、クオリティは抜群。
片っ端からテスターのお茶の葉の壜をあけてくんくんにおいを嗅いで、思いがけず長い時を過ごしてしまいました。
(店番のおば様も、ものすごーーくのんびりしてました。短期な人には、この島は無理。)
キーマンとダージリンセカンドフラッシュと、あとここのお店の特製ブレンドのハーブティーを2種類買ってきましたが、どれも驚くほどおいしかったです。
何の特記事項もなしな島の、端から端まで徒歩3分くらいの町だけど、とにかくまったりした午後を過ごすことができました。
島というのは人をのんびりさせてしまうものなのか。
ハワイのまったり感に近い空気を感じました。それもオアフ島だったらウィンドワードのほう、ホノルルじゃなくて。
孤島のくせに、やっぱりこれだけ都市圏に近いので、最近どんどん地価が高騰してるそうです。
ちらと見てみたけど、家の値段も家賃もシアトル市内とさほど変わらない感じ。
ほんとすぐ近くなんですけどね。
車で20分というのとフェリーで20分というのとは、ぜんぜん距離感が違います。
この「切り離されてる」感じが、別次元ののんびり感を生むのでしょう。