2012/01/06

国立公園の殺人


今年は少し風邪気味だったのでお正月はのんびり過ごしてしまったのですが、お天気が良かったらまた去年同様、レーニア山に行ってみようかなと思っていました。
 写真は去年の元日のもの。

去年の元旦は山麓まで行ったのですが、車にタイヤ用チェーンを装備していなかったので国立公園の入り口で追い返されてしまい、仕方なく河原で遊んで帰ってきたのでした。悔しかったのですぐにチェーンを買いに行ったものの、まだ一度も使い道がなくて、箱から出していません。

1日2日はろくにネットのニュースもチェックしないでいたら、そのレーニア山国立公園で、元旦に悲惨な事件が起こっていました。

ちょうど1年前にわたしたちが追い返されたチェーン装着のチェックポイントで、公園のレンジャーが射殺されたというのです。

シアトル・タイムスによると、犯人は大晦日のパーティで銃を乱射し、4人に怪我を負わせて逃走し、元日の未明に国立公園のチェックポイントを車で突破、その先の道をブロックしていた車に発砲して、車に乗っていたレンジャーが撃たれて亡くなりました。

犯人は車から公園の深い雪の中に徒歩で逃走して、翌日、Tシャツとジーンズ姿で川にはまって凍死しているのが発見されたそうです。

撃たれて亡くなったレンジャーは34歳の女性で、小さな子ども2人のいるお母さん。
犯人の方も24歳の、小さな子どものお父さんでした。この犯人はイラクに派遣されていた元陸軍兵士で、一説ではPTSDに罹っていたともいう、本当にやりきれない事件です。

みんなが平和と静けさを求めて行く山の上で公園のレンジャーが撃たれて亡くなるというのはさすがにアメリカでもショッキングな話で、元日の全国ニュースになっていたようです。自分が行こうと思っていた日に同じ場所でそんな事件が起こっていたのはショックでした。

PTSDであったかどうかは早速議論になっているようですが、どちらにしても犯人は精神的に不安定で自殺傾向があり、自宅に銃やナイフをいくつも所持していたのは事実。

アメリカが相変わらず銃の国だということを新年早々に再確認させられるニュースでした。
交差点で停まっている隣の車にも、かなりの確率で銃が積まれている国なんですよね。



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2012/01/04

謹賀新年!


あけましておめでとうございます。

旧年中、ブログを通じていろいろな方と知り合えたことを、とても嬉しく思います。今年も細々と続けて行きたいと思いますので、引き続きおつきあい頂ければ幸いです。

年末年始は少し風邪をひいて、あまり遠出はせずたっぷり睡眠をとりました。

友人の版画家尚美さんから年の瀬に小包でいただいた、かわいいミニミニ版画に癒されつつ、読書三昧…のはずが、いつのまにかソファでがっつりうたた寝三昧…。まあ平和なお正月でした。



2日は振替休日でしたが、3日からは通常通りの出勤日。朝のバスはいつもより、少し眠そうな顔の人が多かったような。

そして、春以来中断していた大学のクラスをまた(ひとコマですが)取ることにしたので、慌ただしくなりそうです。

これも年の瀬に慌ただしく申し込んだものの、テキストのリストを見て頭がぐらぐら。もとより少ない集中力がますます減っていくこのごろ、ついていけるのか、はなはだ心もとありません。道楽といってしまえばそれまでなので、まあ無理せず楽しくできるところまで、と思うことにします。



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2011/12/28

コンセント


翻訳をしていて、「あれ、これって日本語で何ていうんだっけ?」と意外なものの名前が出て来ないことがあります。

先日ひっかかってしまったのが、これ。



壁の電源差し込み口にプラグを入れることを「プラグをさす」としてしまってから、何かヘンだな、としばらく考えて、そうだ、「コンセント」っていうんだった!と思い出したものの、「コンセント」が outlet (差し込み口)のほうだったか plug(プラグ)のほうだったかがはっきり思い出せず、「コンセント抜いて」って言うよなあ、ていうことはコンセントってプラグと差し込み口と両方のこと? と、しばらく苦しんでしまいました。

はてなキーワードにたどり着いて、ようやくコンセント=outlet だということを確認。

でも、とすれば「コンセント抜いて」って、ほんとは「コンセントから抜く」であるべきなのに、そう言う人は少ない。ということは、もしかしたらぼんやりと「電源を接続している状態のプラグ」のことも「コンセント」と言うのだろうか、と仮説を立ててみたり。

でもどうして「コンセント」って呼ぶようになったんでしょうね。

はてなにも、「 なお、コンセントを何故「コンセント」と呼ぶに至ったのかは不明である」とあるだけでした。
consent から来てるんでしょうけど、双方同意の上でってシャレだったんでしょうか? 



ところで先日、カフェでPCに使う電源があるかと聞こうとしてoutlet という英単語が一瞬思い出せず、「Do you have ...... POWER LINE 電線ある)?」と聞いてしまったことが。

バリスタのお姉さんは首をかしげて、「…ううん、ないわ」と言ってましたが……。なくて良かった。




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2011/12/22

クリスマスカード


毎年、サンクスギビングの頃にはクリスマスカードを送らなきゃ、と思うのに、結局12月の半ばを過ぎたころにバタバタと出すことに。

ほとんどの友人にはEカードを送るのだけど、21世紀も11年めになってもまだネットにつながっていない友人たち数名には、海を越えて紙のカードを。

フライ美術館で見つけた兎のカードは、シアトル近辺の美術館ショップや書店で時々見かけて気になっていた、版画家さんの作品です。
ヨシコ・ヤマモトさんという日本人の作家さんで、シアトル近郊、ピュージェット湾の向こうのポート・オーチャードに工房を構えていらっしゃるようです。

和のテイストと、大胆な構図と、ノースウェストらしい、少しほの暗い感じがとても素敵。
サイトはこちらです。

The Arts & Crafts Press 

 ではみなさまも、良いクリスマスをお迎えください!

2011/12/16

フライ美術館のヘビと羊


先週金曜日。シアトルのFirst Hill の坂の上にある、Frye Art Museum (フライ美術館)に行ってきました。

お天気の良い午後、空気は少し冷たいけれど散歩には最適。

この美術館は、いまの職場から坂を5ブロックくらい上ったところにあります。
でもこの坂は散歩というにはかなりきつくて、結構な運動になりました。ていうより、めちゃ辛かった。息切れしまくりでした。


フライ美術館は、入館無料。寄付はウェルカムです。
手前のほうの広い展示室は企画展用で、いまは Isaac Layman というシアトルの若手写真家の展覧会『Paradise』をやってます。


そこらにある普通の工具入れや紙のしわや濡れた紙が超拡大プリントでなにか全然別のものすごく美しい風景になっていて、落ち着かないような気分にさせられます。1月22日まで。

奥のほうの常設展示室は、この美術館の基盤であるフライ夫妻のコレクションを展示した部屋。


入り口で迎える、フランツ・フォン・シュトゥックの『罪』 。

わりに人のよさそうな蛇です。


中は四方の壁いっぱいに絵画がかかっているサロン風。
フライ夫妻が集めた、19世紀末から20世紀初めのドイツ絵画がほとんどです。
フライさんはドイツ出身の移民で、シアトルで食肉工場を経営して成功したんだそうだ。


奥のがフライ夫妻の肖像。絵画コレクションは無償で展示するようにという遺言どおりに、遺産で美術館が設立されたんだそうです。

 ひつじたち。

犬とお散歩。


古いペルシャの絨毯が敷かれた大広間は、写真で見るとベルサイユ的に華やかサロンのようだけど、実際に行ってみると絵画がなんとも重たくって、華やかさというよりなにかこう引きずり込まれるような、ダウナーな感じを受けました。


ドイツ絵画はよくわからない。襟首をつかまれるような絵はなかったけれど、ちょっと背筋の寒くなるような絵がいくつかありました。上の写真の左側の女の子の絵とか。

同じころのベルギーやフランスの絵画よりも、なんだかずっと暗い気が。明るい風景を描いていても、どこかに重い薄暗さがまとわりついているように感じる。やはり、暗くなる一方だった時代の空気を反映しているのでしょうか。


なにしろ無料で、20世紀初頭のサロンな雰囲気が味わえます。坂を上って行く価値はあり(もちろんバスでも行けますよ!)。

美術館は
住所:704 Terry Avenue Seattle, Washington 98104
パーキングも無料です。カフェとショップもあるよ。

午前11時〜午後5時、木曜のみ午後7時まで。月曜休館。


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2011/12/11

Total Lunar Eclipse

シアトル時間で12月10日土曜日の朝午前5時から6時頃まで、皆既月食が観測できました。
目覚ましで起きてみると、この季節にしては奇跡的にからりと晴れた西の空に、満月が煌々と輝いています。
いま猫シッターで滞在中のカークランドの家は西の空がひらけているので、リビングの窓からもとても良く見えました。


上のほうからだんだん欠けていきます。


20分経過頃。


30分を少し過ぎた頃。

でもこのあと、もうちょっとで皆既!というところで、ワシントン湖のあたりから霧が湧いたものか、どこからともなく雲がわらわら流れて来て、だんだん見えなくなってしまいました(涙。

ふと思い出した本当にどうでも良いことですが、アメリカに来てすぐの頃に乗っていた車が、三菱のEclipse というクーペでした。車につけるにはヘンな名前、という気がしたのですが、わりに人気があって、今でも新型が出てるようですね。

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2011/12/08

PCCのフェアトレード・チェリー・ペッパー・チョコレートと農地基金


クリスマス用、季節限定のチョコレートがお店にたくさん並んでいますが、こちらはお店限定のペッパー&チェリーチョコレート。
地元自然派スーパーのPCCで売っています。(ハワイの人はPCCっていうと「ポリネシア・カルチャーセンター」を思い浮かべますね~w ではなくて、Puget Sound Co-Op の略ですよ!)

前にも書きましたが、シアトルでコーヒー店の多さ以上に感動したのは、このPCCやTown & Country Metropolitan Market など、地元資本の小規模スーパーマーケットの存在でした。この三つはどれも地元を強く意識した、素敵な品揃えです。チーズやワインも豊富で、食料品のほかに気の利いたキッチン雑貨なども売っていて、Whole Foods を小さくした感じ。

メトロポリタンは高級住宅街にあり、お値段も高くてちょっとスノッビー、タウン&カントリー系列は立地ももうちょっと庶民派で安くて、でも生鮮食料品は近郊の農産物や魚介類を中心に仕入れがとても良く、鮮度管理も抜群です。

そうしてPCCは、シアトルで1950年代に創設された歴史ある「生協」で、現在は9店舗、会員は4万5000人だそうです。だれでも買い物ができますが、会員だと月に一度、お買い物の合計が一割引きになります。メンバーシップは一回限りの60ドルのみ。オーガニック食品がほとんどで、全国チェーンのスーパーと比べるとたしかに割高ですが、地産地消志向のシアトル人にはしっかり支持されています。

 PCCは店舗だけでなく、生産者と共同でいろんな活動をしていて、このチョコレートもその産物。フリートレードのカカオ豆だけを使っているTheo Chocolate とのコラボレーションで、地元産チェリーと、フェアトレードの南米産チリペッパー入りのダークチョコレートです。 ピリッとする後味がダークチェリーと合っててなかなか素敵。


シアトル近郊には最近若い農家が増えているようです。自分で土地を持たず、借地で農業を始める若い人たちも出て来ているようで、志と能力あるファーマーズのために、PCCではファンドを作って土地を買い上げ、農地として貸し出す活動を始めたと先日新聞の記事で紹介されていました。このチョコレートの売り上げは、そのファームランド基金に使われるようです。

ノースウェストの豊かな食生活は、生産者と販売店の積み上げた歴史あればこそなんですねぇ。


隣町フリーモントにあるTheo Chocolate、絵本のような煉瓦作りのチョコレート工場見学には、まだ残念ながら行く機会がありません。こちらも ↑ チリペッパー入りのホットチョコレート。 濃厚味です。

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