ロングビーチ、朝7時すぎ。
月が沈んでいくところ。草にはまだ霜が下りていた。
ロングビーチの町は海と平行する通り沿いに観光客向けのレストランや土産物屋が並ぶ、小さな細長い町。ビーチの近くには新しい立派なのから物置き小屋に毛がはえたみたいなのまで、ホテルやコテージがばらばら建っている、いかにもなビーチタウン。ゴーカート場もあった。
泊まったのは安宿だけどビーチの入り口に建っていて眺めは広い。
蛇口から出てきた水が最初茶色かったのでビックリしてフロントに言ったら、上水道工事のあとからなのよー、困ってるのよねえー、とブルーのカラーコンタクトをしたゲイのお兄ちゃんが、大して困ってもなさそうに言う。砂州みたいなとこにこれだけいろいろ建ててるんだからそのくらいの不都合はあるのかも。しばらくするときれいになったが、バスタブにはった水はやっぱりかすかに色がついていて、息子はお風呂に入るのを拒否した。
なんだかんだ支度をしていたら9時とかになっちゃって、私はカフェでパンでも買って早く岬の灯台を見にいきたかったのだが、息子15歳はこの看板↑にフォーリンラブ。ハッシュブラウンとベーコンとー、と、がっつり朝ごはんの頭になっている。
店の前に行列が出来ているのを見てひるんだが、ティーンエイジャーをひもじいままで放置しておくとロクなことにならないので、仕方なく並ぶ。
でもここのお店は朝ごはんプレイスとしては100点満点でした。
真っ赤な口紅をきれいに塗ってひっつめ髪にしてニワトリのもようのエプロンをかけたおばちゃんが(この人がローリーさんなのか聞けば良かった)全開のスマイルを浮かべて、目はしっかりとあちこちに配りながらテーブルの間をパトロールしている。
店の中は百個くらいの種々雑多なニワトリグッズや、古い写真や、古そうに見せかけたなんちゃってコスチューム写真がごちゃごちゃ飾ってあり、店のまんなかには大きなアンティークのストーブがある。天井近くの梁には帽子をかぶった山鳥の剥製もとまっている。これで寂れていたら相当落ち込むインテリアだが、繁盛していて店内は明るく、お店の人の気配りも気持ちよくて、くつろげる。
知り合いのおばちゃんちの朝ごはんにおよばれした感じ。
メニューは正しいアメリカンブレックファスト。
この日のスペシャルの鮭とホタテとチーズ入りオムレツは、巨大ハッシュブラウンと12センチ角くらいのホットビスケットがついて11ドル。息子はブルーベリーワッフルとソーセージ。二人分で24ドルとかだった。オムレツには鮭が大きなカタマリで入っていて、卵ふわふわ。ワッフルの焼き加減もパーフェクト。ハッシュブラウンも全然油っぽくなくて上等だった。二人ともこのあと、午後遅くまでぜんぜんおなかがすかなかった。
ロングビーチのあたりでがっつり朝食を食べたい方には、ここはおすすめです。
ワシントン州のビーチは、「公道」と同じ扱いになっていて、保護地区や指定地区をのぞき、車の乗り入れができる。もちろん環境保護派からは反対の声もやんわりと出てるが、広い砂地を車で移動できるのはかなり便利。
ただし、砂に埋もれてしまったら脱出は自己責任。
すぐ先でミニバンが砂にはまり込んで立ち往生してるから、その辺を避けてもう少し固そうな砂地を選んで横切っていこうとしたら、方向を変えたとたんにタイヤが半分埋まった〜!
アクセルを踏めば踏むほどすごい勢いで砂が巻き上がり、タイヤはますます深く沈んでいくぅーーー。
とにかくいったん後ろに出なくては動けない。犬を散歩させていたおじさんに押すのを手伝ってもらってバックで出て、いったん波打ち際まで下がってから勢いつけて道まで突破。なんとか脱出できた。
車高の高い4WDならぜんぜん問題ないと思いますが、ビーチドライブの際はお気をつけくださいねー。
お帰りはこちらに寄ってくださると嬉しいです!
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